宅建試験・参考書 法令上の制限

presented by 宅建倶楽部

第7章 その他の法令制限

その他の法令制限というのは,今まで学んできた都市計画法・建築基準法・国土利用計画法・農地法・宅地造成等規制法・土地区画整理法の6ツ以外の法令上の制限に関する法律を指す。その数は無限にあるといってよいほどだが,その数に圧倒されることはない。その他の法令制限に関する出題パターンは決まっているからだ。
上の法律に関する知識が出題される場合には,「土地や建物などの工事を行おうとする場合,誰の許可(誰に届出)か知っているか?」という問いかけがほとんどだ。

原則論

土地や建物などの工事を行おうとする場合は,原則として,知事の許可が必要だ。
ここで「工事」とは,要するに土地や建物などを物理的にいじることだ。
本試験では…
・開発行為 ・土地の形質(形状)の変更 ・土地の開墾 ・土地の掘削 ・地下水の排除の阻害 ・立木(りゅうぼく)の伐採 ・建築物(住宅・工作物)の建築などという言葉が使われているが,これらはみんな,ここでいう「工事」に当たる。

例外

土地や建物などの工事を行おうとするとき,許可を受ける先が知事になるという原則に対して,次の(1)〜(8)の8つの場合は,知事以外の者の許可(または知事以外の者への届出)が必要になる(例示)。

(1)
自然公園法によれば,国立公園の特別地域または特別保護地区で,建築物(工作物)の建築または広告物の設置等を行おうとするには,原則として「環境大臣の許可」が必要となる。

(2)
文化財保護法によれば,重要文化財等の現状の変更または保存に影響を及ぼす行為等を行おうとするには,原則として「文化庁長官の許可」が必要となる。

(3)
道路法によれば,
・道路に水管,下水道管,ガス管等を設置し,継続して道路を使おうとする
・道路予定区域(道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの区域)で,建築物(工作物)の建築または土地の形質変更等を行おうとする
には,原則として「道路管理者の許可」が必要となる。

(4)
河川法によれば,河川区域で,建築物(工作物)の建築または土地の掘削等を行おうとするには,原則として「河川管理者の許可」が必要となる。

(5)
海岸法によれば,海岸保全区域で,土石の採取,土地の掘削・盛土・切土等を行おうとするには,原則として「海岸管理者の許可」が必要となる。

(6)
港湾法によれば,港湾区域内で,土砂の採取等を行おうとするには,原則として「港湾管理者」の許可が必要となる。

(7)
生産緑地法によれば,生産緑地地区内で,建築物の建築または土地の形質変更を行おうとするには,原則として「市町村長の許可」が必要となる。

(8)
地区計画等が定められた区域内で,建築物の建築または土地の区画形質の変更を行おうとするには,原則として30日前までに「市町村長への届出」が必要となる。
なお,市町村長への届出義務が課されるのは,具体的な計画(例:地区整備計画)が定められている区域に限る。
※地区計画等
地区計画,防災街区整備地区計画,沿道地区計画,集落地区計画,歴史的風致維持向上地区計画のどれか。

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