宅建試験・参考書 法令上の制限

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第4 民法の賃貸借契約の特則(16条・19条・21条)

農地法の最終目的は,「国民に対する食料の安定供給の確保に資する」ことだが,その目的を達成するには,農地や採草放牧地の賃借人を民法より厚く保護する必要がある。そこで農地法は,民法の賃貸借契約の特則として次のような制度を設けている。

(1)
農地又は採草放牧地の賃貸借契約については,当事者は,書面によりその存続期間,借賃等の額及び支払条件その他その契約並びにこれに付随する条約の内容を明らかにしなければならない(農地法21条)。民法上の契約は不要式行為が原則だが,契約内容の書面化を義務づけることで,賃借人を民法より厚く保護している。

(2)
農地又は採草放牧地の賃貸借の存続期間は,50年を超えることができない(農地法19条)。
民法上の賃貸借は「20年を超えることができない」ことになっているので,より長く借りられるようにすることで,賃借人を民法より厚く保護している。

(3)
農地又は採草放牧地の賃貸借は,その登記がなくても,農地又は採草放牧地の引渡があつたときは,これをもつてその後その農地又は採草放牧地について物権を取得した第三者に対抗することができる(農地法16条1項)。
借家権と同様の対抗力を持たせることで,賃借人を民法より厚く保護している。

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