presented by 宅建倶楽部

宅建試験・テーマ別過去問解説集 民法(権利関係)

  区分所有法

昭和52年[問 11] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律上、共用部分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員またはその一部の共用に供されるべき建物の部分であっても区分所有権の目的とすることができる。
(2)共用部分は、区分所有者全員の共有に属するが、なかには一部の区分所有者だけで共有する共用部分もある。
(3)区分所有権の対象となる建物の部分であっても共用部分とすることができる。
(4)各共有者の持分は、原則として、その有する専有部分の床面積の割合による。

 

昭和52年[問 11] 解説

(1)誤り。法定共用部分(数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員またはその一部の共用に供されるべき建物の部分)は、専有部分(区分所有権の目的)とすることができない。
(2)正しい。共用部分は、原則として(規約で別段の定めがない限り)区分所有者全員の共有に属する。従って、規約で別段の定めがあれば、一部の区分所有者だけで共有する共用部分を設けることができる。
(3)正しい。区分所有権の対象となる建物の部分(専有部分)でも、規約で定めれば、共用部分とすることができる。規約共用部分だ。
(4)正しい。共用部分の各共有者の持分は、原則として(規約で別段の定めがない限り)、その有する『専有部分の床面積の割合』による。

 正解(1)


昭和57年[問 14] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律(以下、本問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)区分所有者によって結成される管理組合は、区分所有法に基づいて設立される法人である。
(2)規約の保管は管理者が行わなければならず、その閲覧を請求できるのは、区分所有者に限られる。
(3)規約の設定、変更、廃止は、区分所有者の集会で区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数によって決定する。
(4)区分所有者の集会において決議すべきものとされている事項については、区分所有者全員の書面による合意があっても、集会の決議に代えることはできない。

 

昭和57年[問 14] 解説

(1)誤り。管理組合が法人(管理組合法人)になるには、集会の決議で区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数によって決議されることが必要だ。管理組合のすべてが区分所有法に基づいて設立される法人になれるわけではない。
(2)誤り。規約の保管は管理者が行わなければならない。しかし、規約の閲覧は、区分所有者の他に利害関係人も請求できるので、誤り。
(3)正しい。規約の設定、変更、廃止は、区分所有者の集会で区分所有者及び議決権の各『3/4』以上の多数によって決定する。
(4)誤り。集会の決議は、区分所有者全員の承諾があるときは、書面(または電磁的方式)によることができる。したがって、集会において決議すべき事項について、区分所有者全員の書面による合意があれば、集会の決議に代えることができる。

 正解(3)


昭和62年[問 14] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律(以下、この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)区分所有者の 1/5以上で議決権の 1/5以上を有する者は、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。
(2)附属の建物は、規約により共用部分とすることができるが、この場合、その旨の登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
(3)区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議は、集会において、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数により行うことができる。
(4)区分所有法第3条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による集会の決議で法人となる旨定めることができる。

 

昭和62年[問 14] 解説

(1)正しい。区分所有者の『1/5以上』で議決権の『1/5以上』を有する者は、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求できる。
(2)正しい。附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。このような場合を規約共用部分という。規約共用部分は、その旨の登記をしなければ、第三者に対抗できない。
(3)誤り。建替え決議は、集会において、区分所有者及び議決権の各『4/5以上』の多数により行うことができる。
(4)正しい。区分所有法第3条に規定する団体(管理組合)は、区分所有者及び議決権の各『3/4以上』の多数による集会の決議で、法人となる旨定めることができる。つまり管理組合法人とできる。

 正解(3)


平成1年[問 14] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1)共用部分の持分の割合は,規約で別段の定めをしない限り,その有する専有部分の床面積の割合により,かつ,各専有部分の床面積は,壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。
(2)区分所有者は,共用部分について他の区分所有者に対して債権を有する場合は,その債権について,債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
(3)建物の設置または保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは,その瑕疵は,共用部分の設置又は保存にあるものと推定される。
(4)区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議は,集会において,区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数により行うことができる。

 

平成1年[問 14] 解説

(1)誤り。共用部分の持分の割合は、規約で別段の定めをしない限り、その有する専有部分の床面積の割合による。そして、専有部分の床面積は、規約で別段の定めをしない限り、壁その他の区画の『内側線』で囲まれた部分の水平投影面積による。壁の中を通っている中心線(壁心線)によるのではない。  
(2)正しい。区分所有者が、共用部分について他の区分所有者に対して債権を有する場合には、その債権について、債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。
(3)正しい。建物の設置または保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定される。
(4)正しい。建替え決議は、集会において、区分所有者及び議決権の各『 4/5以上』の多数により行う。

 正解(1)


平成5年[問 14] 区分所有法

区分所有者から専有部分を賃借している者Aに関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。

(1)Aは、建物の使用方法について、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
(2)Aは、集会の会議の目的である事項について利害関係を有するときは、集会に出席することができるが、議決権を行使することはできない。
(3)Aは、その専有部分を保存するため必要な範囲内であっても、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することはできない。
(4)Aが区分所有者の共同の利益に反する行為を行った場合において、区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去することが困難であるときは、管理組合法人は、集会の決議をもって、その賃貸借契約を解除することができる。

 

平成5年[問 14] 解説

分譲マンションに生活している者には、賃借人(区分所有者から専有部分を賃借している者)もいる。それに的を絞った出題である。
(1)正しい。賃借人であっても、建物の使用方法について、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
(2)正しい。賃借人は、集会の会議の目的である事項について利害関係を有するときは、集会に出席することができる。しかし、議決権を行使することはできない。持ち主(区分所有者)と違って、そのマンションに投資していないからである。
(3)正しい。専有部分を保存するために必要な場合、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができるのは、区分所有者(持ち主)である。賃借人は区分所有者に頼めばよいから、賃借人自身は、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができない。
(4)誤り。いわゆる他の住人の迷惑になるような賃借人がいた場合、管理組合は、その賃貸借契約を解除する行動にでることができる。しかし、集会の決議で賃貸借契約の解除を決めることはできない。『訴えをもって』しなければならない。つまり、その賃貸借契約の解除は裁判所に頼むしかない。

 正解(4)


平成6年[問 14] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)共有部分は、区分所有者全員の共有の登記を行わなければ、第三者に対抗することができない。
(2)敷地利用権が数人で有する所有権の場合、区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して、処分することができる。
(3)建物の管理に要する経費の負担については、規約で定めることができ、規約の設定は、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による集会の決議によってなされる。
(4)建物の区分所有等に関する法律第62条による建替えの決議が集会においてなされた場合、当該決議に賛成しなかった区分所有者も、建替えに参加しなければならない。

 

平成6年[問 14] 解説

(1)誤り。その旨の登記を行わなければ第三者に対抗することができないのは、共用部分(本肢のように「共有部分」とは言わない!)のうちの『規約共用部分』である。
(2)誤り。敷地利用権が数人で有する所有権の場合、区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、専有部分と敷地利用権とを分離処分『できない』。
(3)正しい。建物の管理に要する経費の負担については規約で定めることができる。そして、規約の設定は、区分所有者及び議決権の各『 3/4以上』の多数による集会の決議による。
(4)誤り。建替えの決議がなされた場合、その決議に賛成しなかった区分所有者は、建替えに参加する義務はない。

 正解(3)


平成7年[問 14] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を行うためには、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による集会の決議が必要であるが、議決権については規約で過半数まで減ずることができる。
(2)区分所有建物の一部が滅失し、その滅失した部分が建物の価格の 1/2を超える場合、滅失した共用部分の復旧を集会で決議するためには、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数が必要であり、規約で別段の定めをすることはできない。
(3)共用部分の保存行為を行うためには、規約で別段の定めのない場合は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議が必要である。
(4)規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で、その区分所有者の承諾を得られないときは、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による決議を行うことにより、規約の変更ができる。

 

平成7年[問 14] 解説

(1)誤り。共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を行うためには、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による集会の決議が必要である。ただし、『区分所有者(議決権ではない!)の定数』は、規約で過半数まで減ずることができる。
(2)正しい。区分所有建物の一部が滅失し、その滅失した部分が建物の価格の『1/2 を超える』場合を、大規模滅失という。大規模滅失の復旧には、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数が必要である。これについて、規約で別段の定めをすることはできない。
(3)誤り。『保存行為は、各共有者(各区分所有者)が単独で』行なうことができるのが原則だ。民法上の共有の場合と同じである。
(4)誤り。規約の変更は、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による決議でするのが原則である。もっとも、『規約の変更によって一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合には、その一部の区分所有者の承諾が必要』だ。

 正解(2)


平成8年[問 14] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)建物内に住所を有する区分所有者又は通知を受ける場所を通知しない区分所有者に対する集会の招集の通知は、規約に特別の定めがある場合は、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。
(2)区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べ、自己の議決権を行使することができる。
(3)共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべき場合は、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。
(4)占有者が、建物の保存に有害な行為をするおそれがある場合、管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、集会の決議により、その行為を予防するため必要な措置を執ることを請求する訴訟を提起することができる。

 

平成8年[問 14] 解説

(1)正しい。集会の招集の通知(管理者が行う)は、区分所有者が管理者に対して通知した場所又は区分所有者の専有部分が所在する場所に宛ててするのが原則である。但し、建物内に住所を有する区分所有者又は通知を受ける場所を通知しない区分所有者に対する通知は、規約に特別の定めがある場合は、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。
(2)誤り。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者(例:賃借人)は、集会の会議の目的である事項について利害関係を有するときは、集会に出席することができる(意見を述べることもできる)が、議決権は行使できない。
(3)正しい。共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、区分所有者及び議決権の各 3/4以上の多数による集会の議決で決するのが原則である。但し、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。
(4)正しい。占有者(例:賃借人)が、共同の利益に反する行為(建物の保存に有害な行為)をするおそれがある場合には、管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、集会の決議(区分所有者及び議決権の各過半数で決する)により、停止(差止め)請求の訴え(その行為を予防するため必要な措置を執ることを請求する訴訟)を提起することができる。

 正解(2)


平成10年[問 13] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は、規約によって減ずることができる。
(2)その形状または効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更については、規約に別段の定めがない場合は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議で決することができる。
(3)占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
(4)区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議が集会においてなされた場合、決議に反対した区分所有者は、決議に賛成した区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。

 

平成10年[問 13] 解説

(1)正しい。区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。但し、この定数は、規約によって減ずることができる。  
(2)正しい。その形状または効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更については、規約に別段の定めがない場合は、区分所有者及び議決権の各『過半数』による集会の決議で決することができる。
(3)正しい。占有者とは賃借人(区分所有者から専有部分を賃借している者)だ。賃借人であっても、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法について、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
(4)誤り。建替え決議がなされた場合、決議に『賛成した区分所有者は』、反対した区分所有者に対して、建物及びその敷地に関する権利を時価で売り渡すべきことを請求できる。決議に反対した区分所有者が、買い取るべきことを請求できるのではない。

 正解(4)


平成11年[問 15] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1)数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は,区分所有権の目的とならない。
(2)区分所有者は,建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うための団体である管理組合を構成することができるが,管理組合の構成員となるか否かは各区分所有者の意思にゆだねられる。
(3)建物の専有部分が数人の共有に属するときは,共有者は,議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。
(4)区分所有者は,規約に別段の定めがない限り,集会の決議によって,管理者を選任することができるが,この管理者は,区分所有者以外の者から選任することができる。

 

平成11年[問 15] 解説

(1)正しい。「マンションの各部屋に通じる廊下や階段その他構造の上から,マンションの住人がみんなで使う部分」を共用部分という。また,「誰かが専用で所有できる権利を設定した部分」を専有部分という。簡単に言えば,「廊下や階段は誰かが独占できない,みんなで使え」ということだが,分譲マンションは1戸建てじゃないのだから,当然の定めだ。
(2)誤り。分譲マンションの管理は,原則として住民の自治にまかされている。そのマンションが1つの国家として政治(管理)を行ってるのだ。国には政治を行う機関として内閣があるが,マンションにも内閣に当たるものがある。それが管理組合だ。マンションは国と比べ構成員(住民)が少ないので,内閣と違い全員を管理に参加させた方がうまく行く。そこで,住民は「管理組合を必ず作り,必ず管理組合に入る」ことになっている。それらが住民の自由意思にまかされているのではない。強制加入だ。
(3)正しい。国には重要な事を決める機関として国会があるが,マンションにも国会に当たるものがある。それが集会だ。集会の決議は,賛成又は反対した区分所有者の数に影響される。そこで,マンションの部屋が共有の場合に(数人が共同で持っているときに),1部屋から2票以上投票できるのでは不公平になる。だから,集会で投票する者を1人決めることになっている。
(4)正しい。国では政治(管理)を行う内閣のトップ,つまり総理大臣を国会の決議で選ぶが,マンションでも同じことが行われる。つまり,集会の決議で,管理者を選べるのだ。管理者はマンションの総理大臣だ。この管理者を各部屋の所有者(区分所有者)からしか選べないとなると,人材不足になりがちなので,外部からも選べるようにしている。最近,社外重役を任命する大企業が増えたが,区分所有法は人材を広く集めようという点で先取りしているのだ。

 正解(2)


平成13年[問 15] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)最初に建物の専有部分の全部を所有する者は,公正証書により,共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。
(2)一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定,変更,又は廃止は,当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全員の承諾を得なければならない。
(3)管理者は,規約の定め又は集会の決議があっても,その職務に関し区分所有者のために,原告又は被告となることができない。
(4)管理者は,少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが,集会は,区分所有者全員の同意があるときは,招集の手続を経ないで開くことができる。

 

平成13年[問 15] 解説

(1)誤り。規約とは,その分譲マンションの決まり,いわばマンションの憲法のことだ。ところで,規約の設定・変更・廃止は,集会の決議によるのが原則だ(具体的には,区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議でする)。ただし,最初に専有部分の全部を所有する者(例えば分譲業者)は,次の4つ規約に限って,単独で定めることができる(証拠を明確にするために,公正証書によることが必要だが)。
@規約共用部分に関する規約
A規約敷地に関する規約
B専有部分と敷地利用権の分離処分を可能にする規約
C各専有部分に対応する敷地利用権の割合を定める規約
これらの4つの規約は,区分所有者に分譲される前に確定していた方が後で入居する住民にとって望ましいから,最初に専有部分の全部を所有する者が単独で定めることができるのだ。ところが,(1)の「共用部分の全部について持分割合を定める規約」は,分譲される前に確定していた方が後で入居する住民にとって望ましいとは言えない。例えば「駐車上の持分はどうしよう?」という規約だが,このようなことは生活し始めてから決めた方がよいので(誰が車を持っているかさえ,生活し始めるまで不明だろう!),上の@〜Cに入っていない。
(2)誤り。「一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないもの」とは,例えば,1階の店舗部分にだけ利用される通路のことだ。このような通路の管理についても,「区分所有者全員の規約」で定めることができる。同じマンションの通路である以上,全員の規約で定めた方が便利かつ適切な管理になる場合があるからだ。この場合,「区分所有者全員の規約」の設定・変更・廃止が,「一部の区分所有者(例:1階の店舗部分の所有者)に「特別の影響を及ぼすとき(例:通路を廃止する)は」,一部の区分所有者全員の承諾を得なければならない。でも,特別の影響を及ぼさないなら,このような承諾は不要だ(原則通り,区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議でOK)。(2)は「特別の影響を及ぼすときは」という言葉が抜けているから,誤り。
(3)誤り。例えば,マンション全体の事柄でトラブルが生じた場合(例:共用部分の補修を頼んだ業者がいい加減な工事をして損害が生じた,マンションの外壁が崩れて通行人が死傷した),区分所有者全員の名前で裁判の原告(訴える人)・被告(訴えられる人)になることも可能だ。しかし,それでは面倒くさい。管理者に委ねた方が便利だ。そこで管理者は,「規約の定め又は集会の決議があれば」,その職務に関して分譲マンションの所有者のために,原告や被告になれることになっている。
(4)正しい。管理者は,少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。集会は,いわばマンションの国会であり,国の国会が毎年1回招集される(通常国会)のを,区分所有法がマネしたのだ。また,集会は,「区分所有者全員の同意」があるときは,招集の手続を経ないで開くことができる。これは小規模マンションのための規定だ。集会は招集手続(少なくとも1週間前に会議の目的を通知する)を経てから開くのが原則だが,小規模マンションでは却って面倒だ。そこで,全員に電話連絡すればスグにでも集会が開けるよう,全員の同意があれば招集手続を省けるようになっている。

 正解(4)


平成18年[問 16] 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)集会の招集の通知は,会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが,この期間は規約で伸縮することができる。
(2)集会においては,法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き,規約で別段の定めをすれば,あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
(3)集会の議事録が書面で作成されているときは,議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名しなければならないが,押印は要しない。
(4)規約の保管場所は,建物内の見やすい場所に掲示しなければならないが,集会の議事録の保管場所については掲示を要しない。

 

平成18年[問 16] 解説

(1)誤り。集会の招集の通知は,会日より少なくとも「1週間前」に,会議
の目的である事項を示して,各区分所有者に発しなければならない。2週間前
ではない。なお,この期間は規約で伸縮することができる。
(2)正しい。集会においては,あらかじめ各区分所有者に通知した事項についてのみ,決議できるのが原則だ。ただし,規約で別段の定めをすれば,集会の決議につき特別の定数が定められている事項(例:建替え決議)を除いて,あらかじめ通知した事項以外についても決議できる。
(3)誤り。議事録には,議事の経過の要領及びその結果を記載し,議長及び
集会に出席した区分所有者の2人が,これに署名押印しなければならない。押
印も必要なので,本肢は誤り。
(4)誤り。規約は管理者が保管するのが原則だが,保管場所は建物内の見や
すい場所に掲示しなければならない。以上のことは議事録についてもそのまま
当てはまる。つまり,議事録は管理者が保管するのが原則であり,保管場所は
建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

 正解(2)

前のテーマ次のテーマ


MAP 資格 行政書士 社会保険労務士 FP 宅建 マンション管理士 管理業務主任者 行政書士試験 資格人生 行政書士久留米市 相続遺言 相続相談 遺言書 遺産相続 保証人 公的融資 公正証書 法務会計研究会 SEO対策