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宅建試験・テーマ別過去問解説集 民法(権利関係)

  制限行為能力者が契約にタッチする場合

昭和49年[問 4] 制限行為能力者が契約にタッチする場合

行為能力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)制限行為能力者の行った取引行為は、追認が行われることにより、確定的に有効となる。
(2)成年被後見人は、法定代理人の同意を得れば、その範囲内において、有効な取引をすることができる。
(3)被保佐人が土地、建物の売買等重要な取引行為をする場合には、保佐人の同意が必要である。
(4)成年被後見人又は被保佐人である旨の審判は、家庭裁判所によって行われる。

 

昭和49年[問 4] 解説

(1)正しい。制限行為能力者(未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人)の行った一定の取引行為は、取消すことができる。『取消すことができる』とは、取り消すも取り消さないも自由であることを指す。そして、取り消さないことに確定する意思表示を追認という。従って、制限行為能力者の行った取引行為は、追認が行われることにより、確定的に有効となる。
(2)誤り。成年被後見人の行った取引は、法定代理人の同意の有無にかかわらず、日用品の購入等に関するもの以外は、取消すことができる。従って、成年被後見人は、法定代理人の同意を得ても、有効な取引をすることができない。
(3)正しい。被保佐人が土地、建物の売買等重要な取引行為をする場合には、保佐人の同意が必要だ。保佐人の同意なくしてこれらの取引行為をした場合は、それを取消すことができる。
(4)正しい。成年被後見人又は被保佐人である旨の審判(後見開始の審判又は保佐開始の審判)は、家庭裁判所によって行われる。普通の裁判所(地方裁判所)では行われない。

 正解(2)


昭和59年[問 2] 制限行為能力者が契約にタッチする場合

制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)未成年者が、法定代理人の同意を得ずに、アパートを賃借する契約を締結した場合、賃貸借契約は無効である。
(2)被保佐人が、保佐人の同意を得ずに、建物の増築工事を業者に請け負わせた場合、請負契約は無効である。
(3)被保佐人が、保佐人の同意を得ずに、宅地を5年間賃貸する契約を締結した場合、この賃貸借契約は取り消すことができる。
(4)成年被後見人が、後見人の同意を得ずに、別荘の贈与を受諾する意思表示をした場合、この意思表示は取り消すことができる。

 

昭和59年[問 2] 解説

(1)誤り。未成年者が、法定代理人の同意を得ずに、アパートを賃借する契約を締結した場合、賃貸借契約は『取り消せる』。無効なのではない。
(2)誤り。被保佐人が、保佐人の同意を得ずに、建物の増築工事を業者に請け負わせた場合、請負契約は『取り消せる』。無効なのではない。
(3)誤り。被保佐人は、『土地』の賃貸借契約について『5年以下』の期間であれば、そもそも保佐人の同意を得ずに、締結できる。従って、被保佐人が保佐人の同意を得ずに、宅地を5年間賃貸する契約を締結した場合、この賃貸借契約は取り消すことができない。
(4)正しい。成年被後見人が契約した場合、日用品の購入等以外は、意思表示を取り消すことができる。後見人の同意の有無を問わない。従って、成年被後見人が、後見人の同意を得ずに、別荘の贈与を受諾する意思表示をした場合、この意思表示は取り消すことができる。

 正解(4)


昭和62年[問 2] 制限行為能力者が契約にタッチする場合

14才の子供Aが、自己所有の土地をBに譲渡する契約を締結した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

(1)Aの法定代理人がその土地の登記の移転に協力したときは、当該契約を追認したものとみなされる。
(2)Aの法定代理人がその代金債権を第三者Cに譲渡しても、当該契約を追認したものとはみなされない。
(3)Aが一年後にBに対し売買代金を請求しても、当該契約を追認したものとみなされない。
(4)Aの法定代理人がBに対し売買代金を請求したときは、当該契約を追認したものとみなされる。

 

昭和62年[問 2] 解説

本問は、未成年者(14才の子供A)が、法定代理人の同意を得ないで、契約したことが前提になっている。この場合、その契約を取り消せるのが原則だ。しかし、その後、法定代理人の同意があったのと同視できる法律が定める事情があった場合には、事後的にせよ、法定代理人の同意があったこととして扱う(この場合、『その契約を追認したものとみなす』と表現する。従って、その契約を取り消せなくなる)。これを法定追認という。本問は、この法定追認に当たるかどうかを問うものだ。
(1)正しい。法定代理人が『登記の移転に協力した』ときは、法定追認となる。登記の移転に協力するという行為は、事後的にせよ、未成年者がした契約に同意したからこそできるからだ。
(2)誤り。法定代理人が『代金債権を譲渡した』ときは、法定追認となる。代金債権を譲渡するという行為は、事後的にせよ、未成年者がした契約に同意したからこそできるからだ。従って、その契約を追認したものとみなされる。
(3)正しい。法定代理人が『代金を請求した』ときは、法定追認となる。代金を請求するという行為は、事後的にせよ、未成年者がした契約に同意したからこそできるからだ。しかし、未成年者の間(本肢では15才)は判断能力がないので、未成年者自身が法定追認に当たる行為をしても、法定追認にはならない。
(4)正しい。(3)参照。

 正解(2)


平成11年[問 1] 制限行為能力者が契約にタッチする場合

次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。

(1)20歳に達した者は,成年とされる。
(2)15歳に達した者は,父母の同意を得て,婚姻をすることができる。
(3)未成年者が婚姻をしたときは,成年に達したものとみなされる。
(4)15歳に達した者は,父母の同意を得なくても,遺言をすることができる。

 

平成11年[問 1] 解説

(1)正しい。成人(成年)になるのは20(はたち)からだ。
(2)誤り。日本の法律(民法)では、結婚できるのは、男は18,女は16となってる。だから15では結婚できない。なお、未成年者(20にならない者)は、父母の同意を得て結婚することになってるが、これは結婚を慎重にさせるための建前にすぎない。親がいない未成年者もいるわけだから、そういう未成年者は、男18,女16になれば、誰の同意がなくても結婚できる。
(3)正しい。20にならなくても、結婚して一家をかまえるくらいの人は、「心の発達」が成人と同じとみられる。だから、成年に達したとみなされる。宅建業法上、専任の取引主任者は「成年者」でなければならないが、結婚すれば、未成年者でも専任の取引主任者になれる、というのが成年に達したとみなされる例だ。この決まりは、心の発達の話だから、未成年者が結婚しても、成人のようにお酒やタバコは吸えないので念のため。
(4)正しい。15と言えば中学3年生だ。このくらいの年になれば、未成年者でも一人で財産の価値を判断できる。そこで、15になれば誰の同意がなくても、遺言できることになってる。

 正解(2)

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