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宅建試験・テーマ別過去問解説集 民法(権利関係)

 弁済

昭和55年[問 12] 弁済

弁済について、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。
(2)弁済者が他人の物を引渡したときは、さらに有効な弁済をしないと、その物を取り戻すことができない。
(3)受領する権限を有しない者に弁済をしたときは、その弁済は、いかなる場合でも無効である。
(4)債権者の同意を得たときは、負担した給付に代えて他の給付をしても、弁済したことになる。

 

昭和55年[問 12] 解説

(1)正しい。利害関係を『有しない』第三者は、債務者の意思に反して弁済できない。
(2)正しい。弁済者が他人の物を引渡したときは、さらに有効な弁済(自分の物の引渡し)をしないと、その物(引渡した他人の物)を取り戻すことができない。
(3)誤り。受領する権限を有しない者に弁済をしたときでも、その弁済が有効になる場合がある。例えば、受取証書の持参人が受領する権限を有しない場合、その受取証書の持参人に善意・無過失で弁済すれば、その弁済は有効になる。
(4)正しい。債権者の同意を得たときは、負担した給付に代えて他の給付をしても、弁済したことになる。これを代物弁済と言う。

 正解(3)


昭和62年[問 11] 弁済

AはBに対し金銭債務を負っている。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

(1)Bの承諾をうければ、Aの意思に反する場合であっても、利害関係を有しない第三者Cはこの債務を弁済することができる。
(2)この債務が利息を生ずべきものであるときに、Aの弁済額が元本と利息の合計に不足する場合は、Aが特段の指定をしない限り、まず元本にこれを充当する。
(3)Aのために弁済をなしたAの連帯保証人Cは、Bの承諾なくしてBに代位できるが、これをAに対抗するには、BからAに通知するか、Aが承諾することが必要である。
(4)Bの代理人と称するCが受取証書を持ってきたので、AはCに対して弁済をなした。CはBの代理人ではなく、当該証書は盗まれたものであるとしても、Aの弁済は有効となることがある。

 

昭和62年[問 11] 解説

(1)誤り。利害関係を有しない第三者(C)は、債務者(A)の意思に反しない場合に限って弁済できる。債権者(B)の意思に反しないかどうか(債権者の承諾を得たかどうか)は無関係だ。
(2)誤り。債務が利息を生ずべきものであるときに、弁済額が元本と利息の合計に不足する場合は、特段の指定(特約)がない限り、費用・利息の順に充当しなければならない。従って、「まず元本にこれを充当する」ことはできない。
(3)誤り。連帯保証人(C)は利害関係を有する第三者だ。利害関係を有する第三者が弁済した場合は、当然に(債権者Bの承諾なく)債権者に代位する。また、債権者に代位することを債務者(A)に当然に対抗できる。BからAに通知するとか、Aの承諾を要するとかの、面倒な手続きはいらない。
(4)正しい。受取証書の持参人(C)に対して、債務者(A)が善意・無過失で(CをBの代理人と信じて)弁済した場合には、その弁済は有効となる。従って、本肢のような場合、CがBの代理人ではなく、その証書が盗まれたものであるとしても、Aの弁済が有効となることがある(つまりAが善意・無過失の場合)。

 正解(4)


平成5年[問 6] 弁済

AのBからの借入金 100万円の弁済に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)Aの兄Cは、Aが反対しても、Bの承諾があれば、Bに弁済することができる。
(2)Aの保証人DがBに弁済した場合、Dは、Bの承諾がなくても、Bに代位することができる。
(3)B名義の領収証をEが持参したので、AがEに弁済した場合において、Eに受領権限がなくても、Aが過失無くしてその事情を知らなかったときは、Aは、免責される。
(4)Aは、弁済に当たり、Bに対して領収証を請求し、Bがこれを交付しないときは、その交付がなされるまで弁済を拒むことができる。

 

平成5年[問 6] 解説
(1)誤り。兄というだけでは利害関係のない第三者である。利害関係のない第三者(C)は、債務者(A)の意思に反して弁済できない。
(2)正しい。保証人は利害関係のある第三者である。利害関係のある第三者(D)が弁済した場合、その第三者は、債権者(B)に『当然に』代位する。従って、Dは、Bの承諾がなくても、Bに代位することができる。
(3)正しい。債務者(A)が受取証書の持参人(E)に対して、『善意無過失』で(過失無くしてその事情を知らずに)弁済した場合、その弁済は有効となる。従って、Aは免責される。
(4)正しい。弁済と領収書の交付は『同時履行の関係』にある。従って、Bが領収書を交付しないときは、Aは、その交付がなされるまで弁済を拒むことができる。

 正解(1)

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