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宅建試験・テーマ別過去問解説集 民法(権利関係)

  契約の一般論

昭和56年[問 9] 契約の一般論

不動産の売買契約に関する次の記述のうち、民法上誤っているものはどれか。

(1)売買契約は、書面によらなければ成立しない。
(2)売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。
(3)売買契約は、申込みと承諾によって成立する。
(4)売買契約と同時に買戻しの特約をしたが、買戻しの期間を定めなかった場合、買戻しは5年以内に限ってすることができる。

 

昭和56年[問 9] 解説

(1)誤り。売買契約は書面によらなくても成立する。売買契約に限らず、民法上の契約は、原則として、書面によらなくても(口約束でも)成立する。
(2)正しい。売買契約に関する費用は当事者双方が等しい割合でこれを負担する。売買契約に限らず、民法上、契約に関する費用は、特約がなければ、当事者双方が等しい割合で(均等に)負担する。
(3)正しい。売買契約は申込みと承諾によって成立する。売買契約に限らず、契約は申込みと承諾によって成立するのが原則だ。
(4)正しい。買戻しの特約は売買契約と同時にしなければならないが、その際、買い戻しの期間を定めなかった場合、買戻しは5年以内に限ってすることができる。

 正解(1)


平成27年[問 8] 契約の一般論

同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
ア マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
イ マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
ウ マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。

(1)一つ
(2)二つ
(3)三つ
(4)なし

 

平成27年[問 8] 解説

同時履行の抗弁権というのは、相手が義務(債務)を果たすまで自分も義務を果たすことを拒める権利のことだ。「お互いの公平」を図るために民法が認めている。
(事例ア)誤り。敷金は、その賃貸借契約から生ずる「賃借人の全ての債務」を担保する性質を有する。だから賃借人の家賃債務に限らず、目的物(マンション)を原状に復して明渡す債務も、敷金で担保される。そのように考えるのが、「賃貸人・賃借人お互いの公平」を図ることになるからだ。したがって本肢のような場合は、特別の約定のない限り(当事者が特約をしない限り)、賃貸人の敷金返還債務と賃借人の明渡債務は「同時履行の関係に立たない」。賃借人の明渡債務の履行が「先」で、賃貸人の敷金返還債務はその「後」になる。
(事例イ)誤り。マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、そのままだと売主も買主も「法律上の原因なく」他人の財産よって利益を受けていることになる。そこで不当利得に基づく義務として、売主には代金返還債務が、買主には目的物返還債務が発生する。そして「売主だった者・買主だった者お互いの公平」を図る観点から、両者は「同時履行の関係に立つ」。
(事例ウ)正しい。マンションの売買契約をすれば、
・買主には、売買代金支払債務
・売主には、目的物引渡債務と所有権移転登記に協力する債務
が発生する。そして「売主・買主お互いの公平」を図る観点から、特別の事情のない限り(当事者が特約をしない限り)、両者は「同時履行の関係に立つ」。
したがって、正しいものはウ一つなので、正解は(1)。

 正解(1)

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