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宅建試験・テーマ別過去問解説集 宅建業法
公共性による規制(一般)
昭和62年[問 44] 公共性による規制(一般)
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)宅地建物取引業者は、正当な理由がなければ、その業務上知り得た秘密を他にもらしてはならないが、宅地建物取引業者を営まなくなった後は、この限りではない。
(2)宅地建物取引業者の従業者であることを証する証明書を携帯する従業者は、取引の関係者の請求があったときは、当該証明書を提示しなければならない。
(3)本店および支店で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者は、本店だけでなく支店においてもその業務に関する帳簿を備えなければならない。
(4)宅地建物取引業者は、その業務に関してなすべき宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し又は取引に係る対価の支払いを不当に遅延する行為をしてはならない。
昭和62年[問 44] 解説
(1)誤り。宅建業者は、正当な理由がなければ、その業務上知り得た秘密を他にもらしてはならない。宅建業を営まなくなった後でも,同じだ。
(2)正しい。宅建業者の従業者であることを証する証明書を携帯する従業者は、取引の関係者の請求があったときは、その証明書を提示しなければならない。
(3)正しい。業務に関する帳簿は、事務所『ごとに』備えなければならない。したがって、本店だけでなく支店においても業務に関する帳簿を備えなければならない。
(4)正しい。宅建業者は、その業務に関してなすべき宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し、又は、取引に係る対価の支払いを不当に遅延する行為をしてはならない。不当な履行遅延の禁止だ。
正解(1)
平成2年[問 38] 公共性による規制(一般)
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業者は、従業者名簿を、最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。
(2)宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を、取引の終了後5年間保存しなければならない。
(3)宅地建物取引業者は、従業者名簿に、その者が取引主任者であるか否かの別を記載する必要はないが、主たる職務内容を記載しなければならない。
(4)宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を事務所ごとに備え付けておかなかったときは、10万円以下の過料に処せられることがある。
平成2年[問 38] 解説
(1)正しい。業者は、従業者名簿を、『最終の記載をした日から10年間』保存する必要がある。
(2)誤り。業者は、業務に関する帳簿を、『各事業年度の末日から5年間』保存する必要がある。取引の終了後5年間ではない。
(3)誤り。従業者名簿には、次の事項を記載する必要がある。
・ 従業者の氏名・住所
・ 従業者であることを証明する証明書の番号
・ 主たる職務内容
・ 取引主任者であるか否かの別
従って、従業者名簿には取引主任者であるか否かの別も記載する必要がある。
(4)誤り。業者は、その業務に関する帳簿を事務所ごとに備え付けておく必要がある。これを怠った場合は、「50万円以下の罰金」に処せられることがある。したがって、10万円以下の過料に処せられることはない。
正解(1)
平成9年[問 30] 公共性による規制(一般)
宅地建物取引業者の従業者名簿に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
(1)従業者名簿に、従業者の氏名、住所、生年月日及び主たる職務内容を記載したが、宅地建物取引主任者(以下「取引主任者」という。)であるか否かの別は記載しなかった。
(2)従業者名簿を、最終の記載をした日から5年間保存し、その後直ちに廃棄した。
(3)従業者名簿を、それぞれの事務所ごとに作成して備え付け、主たる事務所に一括して備え付けることはしなかった。
(4)取引の関係者から従業者名簿の閲覧を求められたが、宅地建物取引業法第45条に規定する秘密を守る義務を理由に、この申出を断った。
平成9年[問 30] 解説
(1)違反する。業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備えて、一定の事項を記載しなければならないが、この一定の事項には、従業者の氏名、住所、生年月日、主たる職務内容の他に、取引主任者であるか否かの別も含まれる。
(2)違反する。従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存する必要がある。
(3)違反しない。従業者名簿は『その事務所ごとに』備え付ける義務がある。したがって、主たる事務所に一括して備え付けることをしなくても、業法の規定に違反しない。
(4)違反する。業者は、取引の関係者から従業者名簿の閲覧を求められたときは、その者に閲覧させる必要がある。宅建業法45条に規定する秘密は、業務上取り扱ったことについてのそれであり、いわばお客さんの秘密だから、業者が取引の関係者から従業者名簿の閲覧を求められたときに、45条に規定する秘密保持義務を理由に閲覧を拒むことはできない。
正解(3)
平成11年[問 43] 公共性による規制(一般)
宅地建物取引業法に規定する標識に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)複数の宅地建物取引業者が,業務に関し展示会を共同で実施する場合,その実施の場所に,すべての宅地建物取引業者が自己の標識を掲示しなければならない。
(2)宅地建物取引業者は,一団の宅地の分譲を行う案内所で契約の締結を行わない場合,その案内所には標識を掲示しなくてもよい。
(3)宅地建物取引業者は,一団の建物の分譲を,当該建物の所在する場所から約800m離れた駅前に案内所を設置して行う場合で,当該建物の所在する場所に標識を掲示したとき,案内所には標識を掲示する必要はない。
(4)宅地建物取引業者の標識の様式及び記載事項は,その掲示する場所が契約の締結を行う案内所であれば,事務所と同一でなければならない。
平成11年[問 43] 解説
(1)正しい。宅建業者は,事務所ごとに,又は,国土交通省令で定める場所ごとに標識を掲げる必要があるが,「展示会を実施する場所」は国土交通省令で定める場所に当たるので,標識を掲げなければならない。ところで,標識は国土交通省令で定める場所「ごとに」掲げるので,(1)のように複数の業者が共同で展示会を実施する場合,展示会を実施する場所は業者の数だけ存在することになる。だから,実施する場所には,すべての業者が自分の標識を掲げなければならない。
(2)誤り。標識を掲げる必要がある国土交通省令で定める場所には「案内所」も含まれる。この案内所は,「契約にたずさわる可能性がある」案内所に限定されないので,(2)のような案内所にも標識を掲げる必要がある。もともと標識を掲げさせるのは,宅建業の公共性による(通りがかりの人にも「そこで何をしているか」を知らせるためにある)からだ。なお,専任の取引主任者を1人以上置かなければならない案内所は,「契約にたずさわる可能性がある」案内所に限定されているが,それと混同しないこと。
(3)誤り。一団(一群)の建物の分譲をする場合には,「建物がある場所」にも標識を掲げる必要がある(つまり,建物がある現場も,案内所と同様に,標識を掲げる必要がある国土交通省令で定める場所に含まれる)。そして,標識は国土交通省令で定める場所「ごとに」掲げるので,(3)のような場合は、駅前の案内所と建物がある場所の両方に,標識を掲げなければならない。
(4)誤り。標識の「記載事項」は,違わなければならない。標識は,事務所「ごとに」,国土交通省令で定める場所「ごとに」掲げる必要があるからだ。標識の「様式(形)」も違う。案内所は一時的な場所なので,そこで行う「業務の内容」を書く欄があるが,事務所は常設なので「業務の内容」を書く欄はない。なお,(4)の案内所は事務所と同様に専任の取引主任者を置く必要があるので,そこに置かれている専任の取引主任者の氏名を書く欄がある点では,同じだ。
正解(1)
平成12年[問 42] 公共性による規制(一般)
次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業者は,その業務に関する各事務所の帳簿を一括して主たる事務所に,従業者名簿を各事務所ごとに備えなければならない。
(2)宅地建物取引業者は,その業務に関する帳簿を,各事業年度の末日をもって閉鎖し,閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならない。
(3)宅地建物取引業者は,その業務に従事する者であっても,アルバイトとして一時的に事務の補助をする者については,従業者名簿に記載する必要はない。
(4)宅地建物取引業者は,宅地建物取引業法第49条の規定に違反して業務に関する帳簿を備え付けなかったときでも,罰金の刑に処せられることはない。
平成12年[問 42] 解説
(1)誤り。宅建業には公共性があるので,業務に関する帳簿と従業員名簿を備えることになっている。パン屋さんや魚屋さんにはこんな義務はない。公共性からくるので,お上がキメ細かい監視をできるよう,業務に関する帳簿も従業員名簿も,両方とも「各事務所ごとに」備えなければならないことになっている。ひとまとめにして本店に備えるような大雑把なことじゃダメだ。
(2)正しい。業務に関する帳簿は,各営業年度(各事業年度)の末日にまとめる(閉鎖する)ことになっている。その宅建業者の営業年度が4月から翌年3月までなら,翌年3月に業務に関する帳簿をまとめろ,ということだ。そして,業務に関する帳簿は,閉鎖後「5年間」保存しなければならない。5年間になっているのは,免許の有効期間が5年だからだ。5年経過し,お上が免許を更新してあげようかと判断する際に,5年間保存されてきた業務に関する帳簿の内容を参考にするのだ。
(3)誤り。従業員名簿(従業者名簿)には社長からアルバイトにいたるまで,すべての従業員(非常勤でも)を記載しなければならない。社長もアルバイトも,すべて公共性のある業務にたずさわっているからだ。
(4)誤り。業務に関する帳簿も従業員名簿も,両方とも,宅建業に公共性があるから備える帳面だ。そこで宅建業法は,これらに関する義務を守らなかった場合は,営業停止(業務停止処分)や罰金(50万円以下)を用意して,少しでも守らせようとしている。
正解(2)
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