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宅建試験・テーマ別過去問解説集 宅建業法
公共性による規制(報酬額の制限)
昭和53年[問 38] 公共性による規制(報酬額の制限)
宅地建物取引業者が受け取ることのできる報酬に関する次の記述のうち、正しいものはどれか(消費税及び地方消費税は考慮しないで良い)。
(1)宅地建物取引業者が宅地の売買の媒介をした場合、売主が報酬を支払わないときは、買主に対して、売主から受け取ることができる報酬も合わせて請求できる。
(2)宅地建物取引業者が宅地の交換の媒介をした場合、当該交換にかかる宅地の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額により、報酬の限度額を算出することができる。
(3)宅地建物取引業者が宅地の貸借の代理をした場合、その依頼者から受け取ることができる報酬の限度額は、借賃の1ヶ月分の倍額に相当する金額である。
(4)宅地建物取引業者がアパートの賃貸借で、権利金の授受があるものの媒介をした場合、当該権利金の額を売買にかかる代金の額とみなして、その額により報酬の限度額を算出することができる。
昭和53年[問 38] 解説
(1)誤り。売買の媒介を行う場合の報酬の限度額は、『1人当たり』、速算式を使えば、取引価額×3%+6万円である。例えば、物件価額が 3,000万円であれば、3,000万円×3%+6万円=96万円までだ。この96万円は、あくまでも、1人当たりから取れる額だ。従って、売主が報酬を支払わないときでも、買主に対して、売主から受けることができる報酬を「合わせて」請求することはできない。
(2)正しい。交換の場合は、媒介を行う場合も代理を行う場合も、高い方が報酬の限度額を算出する際の基準額となる。
(3)誤り。貸借の代理を行う場合の報酬の限度額は、1人当たり、借賃の1ヶ月分である。借賃の「1ヶ月分の倍額」ではない。
(4)誤り。権利金の授受があるものの媒介をした場合に、その権利金の額を売買にかかる代金の額とみなして、その額により報酬の限度額を算出することができるのは、『居住用建物以外(例:店舗ビル)』の場合だ。本肢のような居住用建物(アパート)の場合は、借賃の1ヶ月分を基礎として、報酬の限度額を算出する。
正解(2)
平成5年[問 50] 公共性による規制(報酬額の制限)
宅地建物取引業者A(消費税の免税事業者)が甲の依頼を受け、宅地建物取引業者B(消費税の課税事業者)が乙の依頼を受けて、契約を成立させ、報酬を受領した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法に違反しないものはどれか(消費税の免税事業者については、消費税及び地方消費税を考慮しないで良い)。
(1)Aは、甲の媒介依頼を受けて、甲所有の宅地及び建物を代金それぞれ3,000万円及び1,575万円(消費税及び地方消費税込み)で、売買契約を成立させ、甲から142万円の報酬を受領した。
(2)Aは、甲の媒介依頼を受けて、甲所有の事務所ビルの1 室を権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で、返還されないものをいう。)300万円、借賃月額13万円で、賃貸借契約を成立させ、甲から14万円の報酬を受領した。
(3)Aは甲から媒介依頼を、また、Bは乙から媒介依頼を受けて、共同して甲乙間に、甲所有の建物3,090万円(消費税及び地方消費税込み)と乙所有の建物4,200万円(消費税及び地方消費税込み)の交換契約を成立させ、Aは甲から98万円、Bは乙から133万円の報酬を受領した。
(4)Aは甲から代理依頼を、また、Bは乙から媒介依頼を受けて、共同して甲乙間に、甲所有の居住用建物の賃貸借契約を借賃月額24万円で成立させ、Aは甲から24万円、Bは乙から12万円の報酬を受領した。
平成5年[問 50] 解説
(1)違反する。売買の媒介を行う場合の限度額は、1人当たり、取引価額×3%+6万円である。本肢の取引価額は、 4,500万円である(建物は消費税及び地方消費税込みだから 1,575万円×100/105 = 1,500万円が本体価格なので)。だから、Aは、 4,500万円×3%+6万円= 141万円までしか受領できない(Aは免税業者なので 141万円に5%の消費税及び地方消費税を上乗せできない)。
(2)違反しない。貸借の媒介を行う場合、それが事務所ビルで権利金の授受があるときは、その権利金の額を取引価額とみなして、売買の媒介の計算式で報酬の限度額を計算できる。すると、Aは、 200万円×5%+ 100万円×4%=14万円まで受領できる。なお、Aは、免税業者なので14万円に5%の消費税及び地方消費税を上乗せできない。
(3)違反する。交換は高い方が基準額となるので、本肢の取引価額は、 4,000万円である(建物は消費税及び地方消費税込みだから 4,200万円×100/105 =4,000 万円が本体価格なので)。だから、AとBは1人当たり、4,000 万円×3%+6万円=126 万円まで受領できる。課税業者のBは、126 万円に5%の消費税及び地方消費税を上乗せして、132 万3,000 円までなら受領できるが、133 万円受領したのでBが違反する。
(4)違反する。貸借の媒介または代理を行う場合の限度額は、借賃の1ヵ月分(24万円)である(報酬を受領できる業者が2人いるときも合計額で)。
正解(2)
平成16年 [問 41] 公共性による規制(報酬額の制限)
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が売主B(消費税課税事業者)からB所有の土地付建物の媒介依頼を受け,買主Cとの間で売買契約を成立させた場合,AがBから受領できる報酬の限度額(消費税額及び地方消費税額を含む。)は,次のうちどれか。なお,土地付建物の代金は5,100万円(消費税額及び地方消費税額を合算した額100万円を含む。)とする。
(1)1,560,000円
(2)1,590,000円
(3)1,638,000円
(4)1,669,500円
平成16年 [問 41] 解説
売買の「媒介」を行う場合の限度額は,1人当たり,取引価額×3%+6万円という速算式が使える。
この場合の取引価額は,消費税を含まない本体価格を指す。すると,本問の取引価額は5,000万円になる。問題文に,「土地付建物の代金は5,100万円,消費税額及び地方消費税額を合算した額100万円を含む」と書いてあるので,5,000万円−100万円=5,000万円と計算できるからだ。親切な問題と言える。
そこで次に,5,000万円×3%+6万円を計算してみると,156万円となる。こんなの暗算でできるだろう。
本問の宅建業者Aは消費税課税事業者なので,上の156万円に5%の消費税を上乗せして受領できる。そうすると,156万円×105%と計算すればよいから,答は163万8千円となる。(3)が正解だ。
なお,本試験では電卓を使えないので,暗算できない場合は問題用紙の余白を使って筆算しなければならない。
正解(3)
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