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宅建試験・テーマ別過去問解説集 宅建業法
担保(営業保証金)
昭和60年[問 40] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)営業保証金は、金銭のほか、国債証券、地方債証券、その他一定の有価証券でも供託できるが、有価証券はその種類に応じて、額面総額の90/100または80/100のいずれかの価額に評価される。
(2)宅地建物取引業者に対し宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該宅地建物取引業者の免許が取り消された場合でも、当該宅地建物取引業者が供託した営業保証金の還付を受けることができる。
(3)宅地建物取引業者は、営業保証金が還付されたため営業保証金の額に不足を生じた旨の通知書の送付を受けたときは、その送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならない。
(4)金銭以外のもので営業保証金を供託している宅地建物取引業者は、その主たる事務所を移転したためそのもよりの供託所が変更したときは、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所のもよりの供託所に新たに供託しなければならない。
昭和60年[問 40]
(1)誤り。営業保証金は、金銭のほか、国債証券、地方債証券、その他一定の有価証券でも供託できる。この場合の額面金額に対する評価額は、国債証券100%、地方債証券90%、その他一定の有価証券80%だ。
(2)正しい。営業保証金の還付はお客を保護するためのものなので、宅建業者が免許を取り消された場合でも、できる。
(3)正しい。宅建業者は、営業保証金が還付されたため営業保証金の額に不足を生じた旨の通知書の送付を受けたときは、その送付を受けた日から『2週間以内』に、不足額を供託しなければならない。
(4)正しい。金銭以外のもので営業保証金を供託している宅建業者が、その主たる事務所を移転したため、そのもよりの供託所が変更になったときは、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所のもよりの供託所に『新たに供託』しなければならない。
正解(1)
昭和63年[問 50] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、国土交通大臣又は都道府県知事の認証を受けて、営業保証金の還付を受けることができる。
(2)営業保証金の額は、主たる事務所及びその他の事務所ごとに、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の保護を考慮して、政令で定める額とされている。
(3)宅地建物取引業者は、営業保証金が還付されたため営業保証金の額に不足を生じたときは、その不足を生じた日から3月以内に不足額を供託しなければならない。
(4)国土交通大臣又は都道府県知事が宅地建物取引業者の所在を確知できないためにその免許を取り消したときは、当該業者であった者は、営業保証金を取り戻すことができない。
昭和63年[問 50]
(1)誤り。宅建業者と宅建業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、営業保証金の還付を受けることができるが、その際、国土交通大臣や知事の認証を受ける必要はない。
(2)正しい。営業保証金の額は、主たる事務所及びその他の事務所ごとに、宅建業者の取引の実情及びその取引の相手方の保護を考慮した、『政令で定める額』(つまり、主たる事務所1,000万円、その他の事務所1ヵ所500万円の合計額)だ。
(3)誤り。宅建業者は、営業保証金が還付されたため営業保証金の額に不足を生じたときは、不足が生じた旨の通知書の送付を受けた日から『2週間以内』に、不足額を供託しなければならない。
(4)誤り。免許を取り消された場合でも、その宅建業者は営業保証金を取り戻すことができる。免許が取り消された理由を問わない。
正解(2)
平成2年[問 36] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)新たに宅地建物取引業を営もうとする者は、営業保証金を金銭又は国土交通省令で定める有価証券により、主たる事務所のもよりの供託所に供託した後に、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。
(2)宅地建物取引業者は、その主たる事務所を移転したためそのもよりの供託所が変更した場合において、金銭と有価証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、費用を予納して、営業保証金を供託している供託所に対し、移転後の主たる事務所のもよりの供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
(3)宅地建物取引業者との取引により生じた債権であっても、広告業者の広告代金債権については、当該広告業者は、宅地建物取引業者が供託した営業保証金について、その債権の弁済を受ける権利を有しない。
(4)宅地建物取引業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することとなったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、10万円以下の罰金に処せられることがある。
平成2年[問 36]
(1)誤り。本肢の文章では、営業保証金を供託した後に免許を取得しなければならないとなっているが、逆である。新たに宅地建物取引業を営もうとする者は、免許を受けた後に、営業保証金を供託しなければならない。
(2)誤り。営業保証金の保管替えは、今まで金銭のみで供託していた場合にだけできる。今まで金銭と有価証券をもって営業保証金を供託していたときは、新たに供託しなければならない。
(3)正しい。宅地建物取引業者が供託した営業保証金から弁済を受ける権利を有するのは、『宅地建物の取引』についての債権である。広告業者の広告代金債権は宅地建物の取引についての債権ではないので、営業保証金から弁済を受けることができない。
(4)誤り。業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することとなったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。しかし、これを怠っても罰則はない。
正解(3)
平成4年[問 43] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業者は、主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合、主たる事務所について営業保証金を供託し、その旨を届け出ても、従たる事務所の営業保証金を供託し、その旨を届け出ない限り、主たる事務所で営業を開始してはならない。
(2)宅地建物取引業者は、一団の宅地を分譲するため、専任の取引主任者を設置すべき案内所を設けた場合、その業務を開始するまでに、その案内所に係る営業保証金を供託し、その旨を届け出なければならない。
(3)宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し不正な行為をしたため、免許を取り消されたときは、その営業保証金を取り戻すことができない。
(4)宅地建物取引業者が免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合において、その情状が重いときは、その免許をした国土交通大臣又は都道府県知事は、届出をすべき旨の催告をすることなく、その免許を取り消すことができる。
平成4年[問 43]
(1)正しい。新たに宅地建物取引業を営もうとする場合は、主たる事務所のもよりの供託所に(すべての事務所分の)営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出た後でなければ、事業を開始できない。「事業を開始できない」とは、すべての事務所で事業を開始できない、という意味である。
(2)誤り。営業保証金供託の対象となるのは、事務所であり、案内所は含まれない。
(3)誤り。免許を取り消されたときでも、その営業保証金を取り戻すことができる。営業保証金の取戻しは、営業保証金を供託しておく必要がなくなった場合にするものである。免許を取り消されれば営業できないのだから、営業保証金を供託しておく必要がない。したがって、取り戻すことができる。
(4)誤り。業者が免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合は、その届け出をするよう催告し、それでも届け出をしないときでなければ、免許を取り消せない。情状が重ければ催告がいらないということはない。
正解(1)
平成8年[問 47] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)国土交通大臣又は都道府県知事は、免許をした日から1月以内に営業保証金を供託した旨の届出がない場合、当該免許を受けた宅地建物取引業者に対して届出をすべき旨の催告をしなければならない。
(2)宅地建物取引業者 (事務所数1) がその事業を開始するため営業保証金として金銭及び地方債証券を供託する場合で、地方債証券の額面金額が 1,000万円であるときは、金銭の額は、 100万円でなければならない。
(3)宅地建物取引業者は、事業開始後支店を1つ新設した場合には、当該支店のもよりの供託所に営業保証金 500万円を供託しなければならない。
(4)宅地建物取引業者は、営業保証金が還付されたためその額に不足を生じた場合、不足が生じた日から2週間以内に、その不足額を供託しなければならない。
平成8年[問 47]
(1)誤り。国土交通大臣又は都道府県知事は、免許をした日から『3月以内』に、営業保証金を供託した旨の届出がない場合、その免許を受けた宅建取引業者に対して、届出をすべき旨を催告しなければならない
(2)正しい。事務所数1の宅建取引業者がその事業を開始するため営業保証金の額は、 1,000万円である。ところで、営業保証金として地方債証券を供託する場合の評価額は、額面金額の90%になる。したがって、本肢の地方債証券は 900万円にしか評価されないので、金銭の額は 100万円でなければならない。
(3)誤り。事業開始後支店を1つ新設した場合には、供託所に支店分の営業保証金500 万円を供託しなければならないが、供託先は、その支店のもよりの供託所ではなく、『主たる事務所のもより』の供託所である。
(4)誤り。宅建取引業者は、営業保証金が還付されたためその額に不足を生じた場合には、免許権者から不足額を供託すべき旨の『通知書の送付を受けた日』から2週間以内に、その不足額を供託しなければならない。不足が生じた日から2週間以内ではない。
正解(2)
平成9年[問 34] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、甲県内に本店と支店aを設置して営業しようとし、又は営業している場合の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)Aが、甲県知事から営業保証金の供託の届出をすべき旨の催告を受けたにもかかわらず、その催告が到達した日から1月以内に届出をしない場合、Aは、実際に供託をしていても、免許の取消処分を受けることがある。
(2)Aと支店aで宅地建物取引業に関する取引をした者は、その支店aにおける取引により生じた債権に関し、 500万円を限度として、Aの供託した営業保証金の還付を請求することができる。
(3)Aが、新たに甲県内に支店bを設置したが、同時に従来の支店aを廃止したため、事務所数に変更を生じない場合、Aは、新たに営業保証金を供託する必要はない。
(4)Aが支店aを廃止し、営業保証金の額が政令で定める額を超えた場合において、Aは、その超過額について、還付請求権者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をし、その期間内に申出がないとき、当該超過額を取り戻すことができる。
平成9年[問 34]
(1)正しい。宅建取引業者が、免許を受けた日から3ヵ月以内に営業保証金の供託をした旨の届出をしないときは、免許権者(甲県知事)は、営業保証金の供託の届出をすべき旨の催告ができる。業者が、この催告を受けたのに催告が到達した日から1ヵ月以内に届出をしない場合、免許権者は、免許の取消処分をすることができる。したがって、Aは免許の取消処分を受けることがある。この制度は、業者に届出をうながすためにあるから、実際に供託していても適用される。
(2)誤り。宅建取引業者と取引をした者は、宅建取引業に関する取引により生じた債権に関して、宅建取引業者が供託した『営業保証金について(営業保証金を限度として)』、弁済を受ける権利を有する。Aが供託した営業保証金は、本店の分 1,000万円、支店aの分 500万円の合計 1,500万円だから、本肢の場合は、 1,500万円を限度として、Aの供託した営業保証金の還付を請求できる。
(3)正しい。事業の開始後、『新たに事務所を設置した』ときは、その事務所につき、新たに1ヵ所 500万円の営業保証金を供託する必要がある。ここでいう 『新たに事務所を設置した』ときとは、事務所数が増えること(増設)を指す。したがって、本肢のように事務所数に変更を生じない場合は、新たに営業保証金を供託する必要はない。
(4)正しい。Aが支店aを廃止したら、営業保証金の額は政令で定める額(本店の分 1,000万円だけでよい)を超えるので、Aは、その超過額( 500万円)を取り戻すことができる。この場合いきなり取り戻せるのではなく、還付請求権者に対し所定の期間内(6ヵ月を下らない期間内)に申し出るべき旨の公告をし、その期間内に申出がないときに、取り戻せる。
正解(2)
平成10年[問 37] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)Aは、本店について 1,000万円、支店1ヵ所について 500万円の営業保証金を、それぞれの事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
(2)Aが免許を受けてから1月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合は、甲県知事から届出をすべき旨の催告を受け、さらに催告が到達した日から1月以内に届出をしないと免許を取り消されることがある。
(3)Aは、事業の開始後新たに1の支店を設置したときは、 500万円の営業保証金を供託しなければならないが、この供託をした後であれば、その旨の届出をする前においても、当該支店における事業を行うことができる。
(4)Aは、免許失効に伴う営業保証金の取戻しのため、Aとの宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
平成10年[問 37]
(1)誤り。営業保証金の金額は正しい。しかし、営業保証金の供託先は、すべての事務所の分について『主たる事務所のもよりの』供託所である。「それぞれの事務所のもより」の供託所ではない。
(2)誤り。宅建取引業者が、免許を受けた日から『3ヶ月以内』に営業保証金の供託をした旨の届出をしないときは、免許権者(甲県知事)は、その届出をすべき旨の催告をしなければならない。本肢は1月以内とあるので、その点で誤り。なお、その催告から『1ヶ月以内』に宅建取引業者が届出をしないときは、免許権者は、免許を取り消すことができる。その点では、正しい記述だ。
(3)誤り。事業開始後新たに事務所を設置したときは、その新設事務所における業務は、所定の金額(1ヵ所 500万円)の営業保証金を供託した上、その旨を免許権者(甲県知事)に届け出た時点で開始できる。したがって、供託した後であっても、その旨の届出をする前には支店における事業を行うことができない。
(4)正しい。免許失効に伴う営業保証金の取戻しのためには、宅建取引業者は、宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をする必要がある。そこで、その公告をした旨を免許権者(甲県知事)に把握させるために、届け出させる制度がある。
正解(4)
平成11年[問 38] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)Aが有価証券を営業保証金に充てるときは,国債証券についてはその額面金額を,地方債証券又はそれら以外の債券についてはその額面金額の百分の九十を有価証券の価額としなければならない。
(2)Aは,取引の相手方の権利の実行により営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなったときは,甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。
(3)Aが販売する宅地建物についての販売広告を受託した者は,その広告代金債権に関し,Aが供託した営業保証金について弁済を受ける権利を有する。
(4)Aが,営業保証金を金銭と有価証券で供託している場合で,本店を移転したためもよりの供託所が変更したとき,Aは,金銭の部分に限り,移転後の本店のもよりの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
平成11年[問 38]
(1)誤り。営業保証金は有価証券でも供託できるが,有価証券で供託する場合の,その有価証券の価額,つまり値段(評価額)は次の通りだ。
@国債………………………………額面金額
A地方債・政府が保証した債券…額面金額の90%
B@A以外の債券…………………額面金額の80%
(1)はBを無視しているから誤り。
(2)正しい。営業保証金の額は政令で定められている(本店1,000万円,支店1ヶ所500万円)が,宅建業者が何か事故を起こし取引の相手方が営業保証金から弁償を受ければ,当然政令で定められた営業保証金が不足する。その場合,免許権者(甲県知事)は,不足額を早く預けろ(供託しろ)という通知書を宅建業者に送らなければならない。そして,宅建業者は,その通知書が送られて来た日から「2週間以内」に,その不足額を預けなければならないことになっている。
(3)誤り。もともと営業保証金制度は,宅建業者と「宅地や建物に関する取引」をしたお客さんを保護するものなので,宅建業者と広告に関する取引をした者(広告代理店・印刷業者など)は,営業保証金から弁償してもらえない。
(4)誤り。営業保証金の預け先(供託先)は,本店のもよりの供託所(法務局だ)なので,本店を移転したことで,もよりの供託所が変われば,営業保証金を預ける供託所も変わる。この場合は,次のことをする必要がある。
@今まで金銭だけで供託していた場合…移転前の本店のもよりの供託所に,保管替えを請求する
A@以外の場合(今までの供託に有価証券が入っている場合)…移転後の本店のもよりの供託所に,新たに供託する(金銭の部分も)
簡単に言えば,「保管替え」は帳簿上の振り替え(実際の移動がない),「新たに供託」はもう一度別に供託する(実際の移動がある)ことを意味する。(4)はAに当たるのに@ができる,と言っているので誤りだ。
正解(2)
平成12年[問 44] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)Aは,甲県知事の免許を受けた日から1月以内に,政令で定める額の営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託し,かつ,その旨を甲県知事に届け出なければ,事業を開始することができない。
(2)Aは,事業の開始後新たに事務所を設置したときは,2週間以内に政令で定める額の営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託し,かつ,その旨を甲県知事に届け出なければならない。
(3)Aは,宅地又は建物の売買契約を締結しようとするときは,当該契約が成立するまでの間に,相手方に対して,営業保証金を供託した供託所及びその所在地並びに供託金の額について説明しなければならない。
(4)Aが,営業保証金を金銭のみで供託している場合で,免許換えにより主たる事務所のもよりの供託所が変更したとき,Aは,遅滞なく,変更前の供託所に対し,変更後の供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
平成12年[問 44]
宅建業者が扱う宅地・建物は高額なので,業者が倒産するとお客さんは莫大な損害をこうむる。そこで宅建業法は,保証協会に加入していない者が宅建業を行うには,あらかじめ担保を供託所(法務局)に預ける(供託する)ことを要求している。この担保のことを営業保証金という。
(1)誤り。商売を始めるには,決められた額の営業保証金を本店のもよりの法務局(供託所)に預け,しかも,そのことを免許をくれたお上に(甲県知事)に届け出なければならない。お上に「確かに供託しました」と届け出ることが,商売を始めるための絶対条件なのだ。そこで宅建業法は,「いつまでに供託しろ」という期限を決めていない。「1ヶ月以内」というのは出題者の作り話だ。期限など決めなくても,届け出なければ商売を始められないので,大丈夫なのだ。
(2)誤り。新しい事務所を開いたときも,最初と同じだ。新しい事務所で商売を始めるには,決められた額の営業保証金を本店のもよりの法務局(供託所)に預け,しかも,そのことを免許をくれたお上に(甲県知事)に届け出なければならない。お上に「確かに供託しました」と届け出ることが,新しい事務所で商売を始めるための絶対条件なのだ。したがって,(1)と同じ理由で,宅建業法は,「いつまでに供託しろ」という期限を決めていない。「2週間以内」というのは出題者の作り話だ。
(3)誤り。営業保証金を供託することで商売している宅建業者は,契約が成立するまでの間に,お客さんに対して,営業保証金を預けた供託所(法務局)やその供託所の場所を説明しなければならない。業者が倒産した場合,お客さんがスムースに供託所に連絡できるようにするためだ。したがって,供託金の額(預けた額)については供託所にスムースに連絡することと無関係なので,説明が義務付けられていない。(3)は「供託金の額について説明しなければならない」と書いてある部分が,誤りだ。
(4)正しい。営業保証金の供託先は「本店(主たる事務所)のもよりの供託所」なので,本店が移転したことで,もよりの供託所が変われば,営業保証金を預ける供託所も変わる。この点について,今まで金銭だけで預けていたときは,すぐに(遅滞なく),前の供託所に対し,変更後の供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならないことになっている。保管替えとは,帳簿操作だけで,前の供託所に預けたお金を変更後の供託所に預けたことにすることだ。今まで金銭だけで預けていたので,われわれが銀行預金を振り替えるのと同様に,実際に現金を動かさずに,預け先を替えることができるようになっているのだ。なお,免許換えとは,例えば,知事免許を受けた業者が2つ以上の都道府県の区域内に事務所を持つことになった場合に,国土交通大臣免許に換えることだが,免許換えの場合も本店が移転してもよりの供託所が変わることがあるので,今まで金銭だけで預けていたときは,保管替えを請求する必要がある。
正解(4)
平成13年[問 33] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)営業保証金の供託は,必ず,主たる事務所のもよりの供託所に金銭を供託する方法によらなければならない。
(2)新たに宅地建物取引業を営もうとする者は,営業保証金を供託所に供託した後に,国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。
(3)宅地建物取引業者は,営業保証金の還付が行われ,営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは,通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ,業務停止の処分を受けることがあるが,免許取消しの処分を受けることはない。
(4)宅地建物取引業者との取引により生じた債権であっても,内装業者の内装工事代金債権については,当該内装業者は,営業継続中の宅地建物取引業者が供託している営業保証金について,その弁済を受ける権利を有しない。
平成13年[問 33]
(1)誤り。「営業保証金の供託は,必ず,本店のもよりの供託所に…しなければならない」という点では,(1)は正しい。しかし営業保証金は,国債証券や地方債証券(例:東京都債券)等の,国土交通省令で定める有価証券でも供託できる。金銭でなくても供託できるわけだ。
(2)誤り。順番が逆だ。新しく宅建業を営もうとするなら,まず最初に,大臣又は知事の免許を受け,それから営業保証金を供託所に供託する,という順番になる。
(3)誤り。営業保証金の還付とは,宅建業者が倒産して,お客さんから預ったお金を返せなくなった場合などに,お客さんが,営業保証金から弁償してもらうことだ。営業保証金の還付が行われ,営業保証金が政令で定める額(本店1,000万円,支店1ヶ所500万円の合計額)に不足することになったときは,免許を与えたお上が通知書を送り,宅建業者は,その通知書の送付を受けた日から2週間以内に,その不足額を供託しなければならない。これを怠ると,業務停止処分を受けることがある。
ところで,このように業務停止処分の事由に当たった場合,情状が特に重い(情状酌量の余地がない。つまりスゴク悪い)と,いきなり免許取消処分になる。だから,(3)のように「免許取消処分を受けることはない」と言い切ることは出来ない。
(4)正しい。営業保証金から弁償(還付)してもらえる権利があるのは,宅建業者と「宅建業に関する取引」をした者,つまり不動産屋さんのお客さんだ。いくら宅建業者からお金をもらえる権利があるとしても,内装業者は,その意味では不動産屋さんのお客さんじゃない(取引先にすぎない)から,たとえ宅建業者が倒産しても,営業保証金からは弁償(還付)してもらえない。
正解(4)
平成16年 [問 35] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が本店と2つの支店を有する場合,Aの営業保証金に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)Aは新たに2つの支店を設置し,同時に1つの支店を廃止したときは,500万円の営業保証金を本店のもよりの供託所に供託し,業務を開始した後,遅滞なくその旨を甲県知事に届け出なければならない。
(2)Aが2つの支店を廃止し,その旨の届出をしたときは,営業保証金の額が政令で定める額を超えることとなるので,その超過額1,000万円について公告をせずに直ちに取り戻すことができる。
(3)Aが営業保証金を取り戻すために公告をしたときは,2週間以内にその旨を甲県知事に届け出なければならず,所定の期間内に債権の申出がなければその旨の証明書の交付を甲県知事に請求できる。
(4)Aは営業保証金の還付がなされ,甲県知事から政令で定める額に不足が生じた旨の通知を受け,その不足額を供託したときは,2週間以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
平成16年 [問 35]
(1)誤り。事業の開始後,「新たに事務所を設置した」ときは,1ヵ所500万円の営業保証金を供託する必要がある。「設置」とは増設を指す。だから,新たに2つの支店を設け同時に1つの支店を廃止したときは,1ヵ所の増設なので500万円の営業保証金を「本店のもよりの供託所」に供託しなければならない。ここまでは正しい。しかし,新たな事務所で業務を開始するには,営業保証金を追加供託したことを免許権者である甲県知事に「届け出た後」でなければならない。業務を開始してから届け出るのではないので,誤り。
(2)誤り。一部の事務所を廃止したため,営業保証金が政令で定める額を超えることになったときは,還付請求権を有する者(お客さん)に対して6ヵ月を下らない(6ヵ月以上の時間を置いた)一定期間内に債権の申出をすべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかった場合に、取り戻すことができる。したがって,「公告をせずに直ちに取り戻すことができる」と言ったら誤り。
(3)誤り。細かい話だが,宅建業者が営業保証金を取り戻すための公告をしたときは,「遅滞なく」,その旨を免許権者(甲県知事)に届け出なければならい。2週間以内ではない。なお,「所定の期間内に債権の申出がなければその旨の証明書の交付を甲県知事に請求できる」という部分は正しい。その証明書で,供託所から営業保証金を取戻すのだ。
(4)正しい。宅建業者は、営業保証金が還付されたためその額に不足を生じた場合には、免許権者から不足額を供託すべき旨の「通知書の送付を受けた日」から2週間以内に、その不足額を供託しなければならない。さらに,「供託から」2週間以内に,不足額を供託した旨を免許権者に届け出なければならない。
正解(4)
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