農地法2
第三章 未墾地等
第一節 買収(第四十四条―第六十条)
第二節 売渡等(第六十一条―第七十五条)
第三節 草地利用権(第七十五条の二―第七十五条の十)
第四章 雑則(第七十六条―第九十一条の三)
第五章 罰則(第九十二条―第九十五条)
附則
第三章 未墾地等
第一節 買収
(買収の対象)
第四十四条 国は、自作農を創設し、又は自作農の経営を安定させるため必要があるときは、第四十六条から第五十四条までの規定に従い、左に掲げるものを買収することができる。
一 開発して農地とすることが適当な土地及びその土地について耕作の事業を行うべき自作農が採草放牧地、薪炭林、防風林、道路、水路、ため池、宅地等として利用する必要がある土地
二 国が所有する前号に該当する土地に関する担保権以外の権利
三 第一号に該当する土地附近の農地でこれらの土地とあわせて開発する必要があるもの
四 第一号又は前号に該当する土地の上にある立木又は建物その他の工作物でこれらの土地の開発後の利用上必要なもの
五 第一号又は第三号に該当する土地の開発後の利用上必要な水の使用に関する権利
2 前項第一号の規定により買収する土地は、傾斜、土性その他の条件が政令で定める基準に適合し、且つ、これを農業のために利用することが国土資源の利用に関する総合的な見地から適当であると認められるものでなければならない。
(国に対する買収の申出)
第四十五条 農業委員会又は農業協同組合は、都道府県知事に対し、前条第一項各号に掲げる土地、立木、工作物又は権利(以下「土地等」という。)を国が買収すべき旨を申し出ることができる。
(買収すべき土地等の調査)
第四十六条 都道府県知事は、第四十四条第一項第一号に該当する土地で自作農の創設又はその経営の安定の目的に供することを相当とするものがあると認めるときは、農林水産省令で定めるところにより、その土地の傾斜、土性等の自然的条件及びその土地に係る同項第三号から第五号まで(国が所有する土地については同項第二号から第五号まで)に掲げる土地等を調査しなければならない。
(都道府県農業会議への諮問)
第四十七条 都道府県知事は、前条の規定による調査をしたときは、その調査に係る土地等を国が買収することの適否について、都道府県農業会議の意見を聴かなければならない。
(買収すべき土地等の選定及び意見書の提出等)
第四十八条 都道府県知事は、前条の規定による諮問に対し、国が買収することが適当である旨の答申があつたときは、次に掲げる事項を定め、これを公示するとともに、農業委員会に通知しなければならない。
一 土地についてはその区域、土地以外のものについてはその種類及び所在
二 買収することが適当である理由
三 土地の利用予定の概要
2 農業委員会は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公示するとともに、その公示の日の翌日から起算して十日間、その事務所で、その通知の内容を記載した書類を縦覧に供しなければならない。
3 農業委員会は、前項の規定による公示をしたときは、遅滞なく、その土地等の所有者にその旨を通知しなければならない。この場合において、通知ができないときは、その旨を公示して通知に代えることができる。
4 第一項の土地等の所有者、農業委員会その他その土地等の買収について意見がある者は、第二項の規定による公示の日の翌日から起算して三十日以内に都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、第八十五条第一項の規定による異議申立てをした者は、この限りでない。
5 都道府県知事は、前項の規定による意見書の提出があつたときは、その意見書の内容を都道府県農業会議に通知し、その土地等を国が買収することの適否について、同項の期間満了後、更に都道府県農業会議の意見を聴かなければならない。ただし、意見書を提出した後に第八十五条第一項の規定による異議申立てをした者の当該意見書については、この限りでない。
6 都道府県知事は、前項の規定による諮問に対し、その土地等の全部又は一部について、これを国が買収することが不適当である旨の答申があつたときは、その答申に従い、第一項の規定による公示を取り消し、又はこれを変更しなければならない。
(土地の形質の変更等の制限)
第四十九条 前条第一項の規定による公示があつたときは、その公示に係る土地の形質を変更し、又はその公示に係る立木若しくは工作物を収去し、若しくは損壊してはならない。但し、その公示の日から起算して三箇月を経過した場合及び農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
(買収令書の交付及び縦覧)
第五十条 都道府県知事は、第四十八条第四項の期間が満了したとき(その期間内に同項の規定による意見書の提出があつた場合又は第八十五条第二項の期間内に同条第一項の規定による異議申立てがあつた場合には、第四十八条第五項又は第八十五条第五項の規定による諮問に対し都道府県農業会議から国が買収することが適当である旨の答申があつたとき)は、その土地等につき次に掲げる事項を記載した買収令書を作成し、これをその土地等の所有者に、その謄本を農業委員会に交付しなければならない。
一 土地等の所有者の氏名又は名称及び住所
二 土地についてはその所在、地番、地目及び面積、立木についてはその樹種、数量及び所在の場所、工作物についてはその種類及び所在の場所、権利についてはその種類及び内容
三 買収の期日
四 対価
五 対価の支払の方法(次条第二項の規定により対価を供託する場合には、その旨)
六 その他必要な事項
2 都道府県知事は、前項の規定により買収令書を作成する場合において、買収すべき土地等の上に先取特権、質権又は抵当権があるときは、その権利を有する者に対し、農林水産省令で定めるところにより、対価の供託の要否を二十日以内に都道府県知事に申し出るべき旨を通知しなければならない。この場合には、買収令書及びその謄本の交付は、その期間経過後にしなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による買収令書の交付をすることができないときは、その内容を公示して交付に代えることができる。
4 農業委員会は、買収令書の謄本の交付を受けたときは、遅滞なく、その旨を公示するとともに、その公示の日の翌日から起算して二十日間、その事務所でこれを縦覧に供しなければならない。
(対価)
第五十一条 前条第一項第四号の対価は、政令で定めるところにより算出した額とする。
2 買収すべき土地等の上に先取特権、質権又は抵当権がある場合には、その権利を有する者から前条第二項の期間内に、その対価を供託しないでもよい旨の申出があつたときを除いて、国は、その対価を供託しなければならない。
3 国は、前項に規定する場合の外、左に掲げる場合にも対価を供託することができる。
一 対価の支払を受けるべき者が受領を拒み、又は受領することができない場合
二 対価の支払を受けるべき者を確知することができない場合
三 差押又は仮差押により対価の支払の禁止を受けた場合
(効果)
第五十二条 国が買収令書に記載された買収の期日までにその買収令書に記載された対価の支払又は供託をしたときは、その期日に、その買収の目的となつた第四十四条第一項第一号若しくは第三号の土地の所有権、同項第四号の立木若しくは工作物の所有権又は同項第五号の権利は、国が取得し、同項第二号の権利は、消滅する。
2 前項の規定により国が第四十四条第一項第一号若しくは第三号の土地又は同項第四号の立木若しくは工作物の所有権を取得したときは、その土地、立木又は工作物に関する所有権以外の権利は、その時に消滅する。
3 前項の規定により消滅する先取特権、質権又は抵当権を有する者は、前条第二項若しくは第三項の規定により供託された対価に対してその権利を行うことができる。
4 国が買収令書に記載された買収の期日までにその買収令書に記載された対価の支払又は供託をしないときは、その買収令書は、効力を失う。
5 第十三条第四項の規定は、第一項及び前項の場合に準用する。
(補償金の交付)
第五十三条 国は、前条第二項の規定により消滅した権利(先取特権、質権及び抵当権を除く。)でその土地等に係る第四十八条第一項の公示の時に存したものをその権利の消滅の時に有していた者に対し、政令で定めるところにより算出した額の補償金を交付する。
2 前項の規定による補償金の交付の手続は、農林水産省令で定める。
(電線路施設用地の特例)
第五十四条 第五十二条第一項の規定により国が取得した土地につきその取得の時に電気事業法 (昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十号 に規定する電気事業者(以下「電気事業者」という。)のために電線路の施設(電線の支持物を除く。以下この条で同様とする。)を目的とする地役権又は電線の支持物の設置を目的とする地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利があるときは、第五十二条第二項の規定にかかわらず、これらの権利は、消滅しない。
2 第五十二条第一項の規定により国が取得した土地が、その取得の時に電気事業者が所有権、地上権、賃借権又は使用貸借による権利に基き電線路の施設の用に供していたものである場合には、その取得の時に、その電気事業者のためにその電線路の施設を目的として、その土地を承役地とし、その電線路に近接する発電所、変電所、開閉所又は電線の支持物の用地でその電気事業者が所有するものを要役地とする地役権が設定されたものとみなす。この場合において、従前の権利に存続期間の定があるときは、地役権の存続期間は、従前の権利の残存期間とする。
3 前項の地役権は、承役地の所有者が工作物の設備その他電線路の施設の妨げとなる行為をしないことを内容とする。
4 第二項の規定による地役権の設定は、その登記がなくても、その承役地が電線路の施設の用に供されている限り、その承役地の所有権を取得した者にこれをもつて対抗することができる。
5 第二項の規定により地役権が設定された場合において、その設定の時にその要役地が抵当権の目的である工場財団、鉄道財団又は軌道財団に属しているときは、その地役権は、その抵当権の目的となるものとする。
(不用物件の収去)
第五十五条 国は、第四十四条の規定により買収した土地又は工作物の上にある物件の所有者又は占有者にその物件を収去すべき旨を命ずることができる。
2 前項の規定による命令は、都道府県知事が農林水産省令で定める収去令書をその物件の所有者又は占有者に交付してしなければならない。
3 第一項の物件で第四十八条第一項の規定による公示の時にその土地又は工作物の上にあつたものの所有者は、前項の規定による収去令書の交付があつた場合において、収去後その物件を従来用いた目的に供することが著しく困難となるときは、政令で定めるところにより、国に対し、その買収を請求することができる。
4 第五十条から第五十三条までの規定は、前項の規定による請求があつた場合に準用する。この場合において、第五十条第一項中「第四十八条第四項の期間が満了したとき(その期間内に同項の規定による意見書の提出があつた場合又は第八十五条第二項の期間内に同条第一項の規定による異議申立てがあつた場合には、第四十八条第五項又は第八十五条第五項の規定による諮問に対し都道府県農業会議から国が買収することが適当である旨の答申があつたとき)は、」とあるのは、「第五十五条第三項の規定による請求があつたときは、」と読み替えるものとする。
5 国は、第一項の物件で第四十八条第一項の規定による公示の時にその土地又は工作物の上にあつたものの所有者又は占有者が同項の規定による命令に基く収去によつて損失を受けた場合には、政令で定めるところにより、その者に対し、通常生ずべき損失を補償する。
(漁業権の消滅等)
第五十六条 国は、自作農を創設し、又は自作農の経営を安定させるため必要があり、且つ、国土資源の利用に関する総合的な見地から適当と認められるときは、漁業権若しくは入漁権を消滅させ、又は公有水面の埋立をする権利を買収することができる。
2 前項の規定により権利を消滅させ、又は買収するには、都道府県知事は、その適否について都道府県農業会議の意見を聴かなければならない。
3 第五十条及び第五十一条の規定は、前項の規定による諮問に対し権利を消滅させ、又は買収することが適当である旨の答申があつた場合に準用する。この場合において、漁業権又は入漁権については、これらの規定中「買収」とあるのは「権利消滅」と、「買収令書」とあるのは「権利消滅通知書」と、「対価」とあるのは「補償金」(第五十条第一項第四号及び第五十一条第一項にあつては「補償金額」)と読み替えるものとする。
4 国が権利消滅通知書に記載された漁業権又は入漁権の消滅の期日までにその権利消滅通知書に記載された補償金の支払又は供託をしたときは、その期日に、その漁業権(その上にある先取特権及び抵当権を含む。)又は入漁権は、消滅する。
5 前項の規定により消滅する先取特権又は抵当権を有する者は、第三項で準用する第五十一条第二項又は第三項の規定により供託された補償金に対してその権利を行うことができる。
6 国が買収令書に記載された公有水面の埋立をする権利の買収の期日までにその買収令書に記載された対価の支払又は供託をしたときは、その期日に、その権利は、国が取得する。
7 国が権利消滅通知書又は買収令書に記載された権利消滅の期日又は買収の期日までにその権利消滅通知書又は買収令書に記載された補償金又は対価の支払又は供託をしないときは、その権利消滅通知書又は買収令書は、効力を失う。
8 第十三条第四項の規定は、第四項及び前二項の場合に準用する。
(使用)
第五十七条 国は、自作農の創設又はその経営の安定を目的とする農地の造成のための建設工事をする場合において、事務所、作業所、飯場、軌道等の用地として使用することが必要な土地又は井戸、えん堤等の施設で他の土地又は施設をもつて代えることが著しく困難なものがその附近にあるときは、これを使用することができる。
2 前項の規定により土地又は施設を使用するには、都道府県知事は、その適否について都道府県農業会議の意見を聴かなければならない。
3 第五十条第一項、第三項及び第四項並びに第五十一条第三項の規定は、前項の規定による諮問に対し土地又は施設を使用することが適当である旨の答申があつた場合に準用する。この場合において、第五十条中「買収令書」とあるのは「使用令書」と、同条第一項中「買収の期日」とあるのは「使用権の内容、使用開始の期日及び使用期間」と読み替えるものとする。
4 使用の対価は、近傍類似の土地又は施設の地代、借賃等を考慮した相当な額とする。
5 都道府県知事が第三項で準用する第五十条の規定により使用令書を交付したときは、その使用開始の期日に、その土地又は施設の使用権を国が取得し、その土地又は施設に関する所有権その他の権利は、その使用権の行使の妨げとなる範囲で使用の期間その行使を停止される。
6 国は、前項の土地又は施設に関する所有権以外の権利を有する者が同項の規定による権利の行使の停止によつて損失を受ける場合には、政令で定めるところにより、その者に対し、通常生ずべき損失を補償する。
(被使用者の買収請求)
第五十八条 前条の規定による土地若しくは施設の使用が三年以上にわたるとき又はその使用によつてその土地若しくは施設を従来用いた目的に供することが著しく困難となるときは、その土地又は施設の所有者は、政令で定めるところにより、国に対し、その買収を請求することができる。
2 第五十条から第五十五条までの規定は、前項の請求があつた場合に準用する。
(代地の買収)
第五十九条 国は、第四十四条第一項の規定により同項第一号に掲げる土地を買収する場合において、特に必要があるときは、その買収の当時のその土地の所有者に対し、その土地に代るべき土地として売り渡すために必要な近傍の土地(その土地の上にある立木を含む。)を買収することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定により買収することを相当とする土地があると認めるときは、農林水産省令で定めるところにより、その土地を調査しなければならない。
3 第四十七条から第四十九条までの規定は、前項の規定による調査をした場合に準用する。
4 都道府県知事は、前項で準用する第四十八条第四項の期間が満了したとき(その期間内に同項の規定による意見書の提出があつた場合又は第八十五条第二項の期間内に同条第一項の規定による異議申立てがあつた場合には、前項で準用する第四十八条第五項又は第八十五条第五項の規定による諮問に対し都道府県農業会議から国が買収することが適当である旨の答申があつたとき)は、その土地を買収することについて、農林水産大臣に対し、その承認を申請しなければならない。
5 第五十条から第五十五条までの規定は、前項の承認があつた場合に準用する。
(承継人に対する効力)
第六十条 第五十条(第五十五条第四項(第五十八条第二項又は前条第五項で準用する場合を含む。)、第五十六条第三項、第五十七条第三項、第五十八条第二項又は前条第五項で準用する場合を含む。)の規定による買収令書、権利消滅通知書又は使用令書の交付及び第五十五条第二項(第五十八条第二項又は前条第五項で準用する場合を含む。)の規定による収去令書の交付は、その交付を受けた者の承継人に対してもその効力を有する。
第二節 売渡等
(売り渡すべき土地等)
第六十一条 国は、左に掲げるものを次条から第六十七条までに規定する手続に従い、売り渡すことができる。
一 第四十四条第一項の規定により買収した土地等
二 第五十八条第一項の規定に基く請求により買収した土地又は施設
三 第七十二条の規定により買収した土地等
四 所管換又は所属替を受けて第七十八条第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地等
五 公有水面埋立法 (大正十年法律第五十七号)により農林水産大臣が造成した埋立地(土地改良法第八十七条の二第一項 の規定により国が行う同項第二号 の事業によつて生じたものを除く。以下同様とする。)
(土地配分計画)
第六十二条 前条の規定による土地等の売渡は、土地配分計画に基いて行うものとする。
2 前項の土地配分計画は、政令で定めるところにより、農林水産大臣又は都道府県知事が地区ごとに作成する。
3 前項の規定により土地配分計画を作成した地区については、都道府県知事(政令で定める地区については、農林水産大臣)は、その所在、予定売渡口数及び予定売渡面積を公示しなければならない。
(買受予約申込書の提出)
第六十三条 前条第三項の規定による公示があつた地区内の第六十一条に掲げる土地等を買い受けようとする者は、農林水産省令で定める買受予約申込書をその者の住所の所在地を管轄する市町村長を経由して、その土地等の属する地域を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。
2 前項の買受予約申込書は、前条第三項の規定による公示の日から起算して三十日以内に前項の市町村長に到達するように提出しなければならない。
(売渡予約書の交付)
第六十四条 都道府県知事は、前条の規定により買受予約申込書の提出をした者で自作農として農業に精進する見込みのあるもののうちから都道府県農業会議の意見を聴いて適当と認められる者を選定し、その者に農林水産省令で定める売渡予約書を交付する。ただし、その地区内で農業を営む者の生活上必要で欠くことができない業務に従事する者又は農業協同組合、農事組合法人、土地改良区若しくは市町村その他の地方公共団体から前条の規定により買受予約申込書の提出があつた場合において、都道府県知事が都道府県農業会議の意見を聴いてその者に売り渡すことを相当と認めたときは、これらの者に対しても売渡予約書を交付することができる。
(買受の申込)
第六十五条 前条の規定による売渡予約書の交付を受けた者は、農林水産省令で定めるところにより、その土地等の属する市町村の区域に設置された農業委員会に買受申込書を提出しなければならない。
(農業委員会の関係書類の送付)
第六十六条 農業委員会は、前条の規定による買受申込書の提出があつたときは、その者に売り渡すべき土地等を定め、次に掲げる事項を記載した書類を都道府県知事に送付しなければならない。
一 売渡しの相手方の氏名又は名称及び住所
二 売り渡すべき土地についてはその面積及び所在の場所、立木についてはその樹種、数量及び所在の場所、工作物についてはその種類及び所在の場所、水の使用に関する権利についてはその内容
三 その他農林水産省令で定める事項
(売渡通知書)
第六十七条 都道府県知事は、前条の規定により送付された書類に記載されたところに従い、次に掲げる事項を記載した売渡通知書を作成し、これを売渡しの相手方に、その謄本をその農業委員会に交付しなければならない。
一 前条第一号及び第二号に掲げる事項
二 その土地等の用途
三 売渡しの期日
四 対価
五 対価の支払の方法
六 その地区における農地とすべき土地の開墾を完了すべき時期
七 その他必要な事項
2 前項第四号の対価は、政令で定めるところにより算出した額とする。
3 第四十条から第四十三条までの規定は、第一項の規定による売渡について準用する。
(一時使用)
第六十八条 第六十四条の規定による売渡予約書の交付を受けた者が、政令で定めるところにより、都道府県知事に第六十一条に掲げる土地等の使用の申込をした場合において、都道府県知事がこれを相当と認めたときは、国は、同条の規定による売渡をするまでの間、その土地等を都道府県知事が定める条件でその者に使用させることができる。
2 前項の規定による土地等の使用は、建物を除き、無償とする。但し、その使用に係る土地がその近傍の農地と同程度の生産をあげることができると認められる場合は、この限りでない。
3 第四十三条の規定は、第一項の規定による使用の対価の徴収について準用する。
(代地の売渡)
第六十九条 第五十九条の規定により買収した土地(その土地の上にある立木を含む。)の同条に掲げる者への売渡は、都道府県知事がその者に左に掲げる事項を記載した売渡通知書を交付して行う。
一 売渡の相手方の氏名又は名称及び住所
二 売り渡すべき土地の面積及び所在の場所並びに売り渡すべき立木がある場合には、その樹種及び数量
三 売渡の期日
四 対価
五 対価の支払の方法
六 その他必要な事項
2 前項第四号の対価は、政令で定めるところにより算出した額とする。
3 第一項の規定により売り渡した土地及び立木の対価の支払は、一時払の方法によるものとする。
4 第四十条、第四十二条及び第四十三条の規定は、第一項の売渡について準用する。
第七十条 国は、第四十四条の規定により土地を買収する場合において、特に必要があるときは、その買収の当時のその土地の所有者に対し、所管換又は所属替を受けて第七十八条第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地(その土地の上にある立木を含む。)を買収した土地に代るべき土地として売り渡すことができる。
2 前条の規定は、前項の規定による売渡について準用する。
(売渡後の検査)
第七十一条 都道府県知事は、第六十一条の規定により売り渡した土地等につき第六十七条第一項第六号の時期到来後、遅滞なく、その状況を検査しなければならない。
(売り渡した土地等の買戻)
第七十二条 国は、第六十一条の規定により土地等の売渡を受けた者又はその一般承継人が左の各号の一に該当した場合は、その土地等を買収することができる。但し、第六十七条第一項第六号の時期到来後三年を経過したときは、この限りでない。
一 前条の規定による検査の結果、開墾して農地とすべき土地の開墾を完了していないことが明らかとなつた場合
二 前条の規定による検査の結果、その土地等を売渡通知書に記載された用途に供していないことが明らかとなつた場合
三 前条の規定による検査の期日前に、その土地等を売渡通知書に記載された用途にみずから供することをやめた場合、又はやめる旨を都道府県知事に申し出た場合
2 前項の規定による買収は、都道府県知事がその者に対し、左に掲げる事項を記載した買収令書を交付して行う。
一 土地等の所有者の氏名又は名称及び住所
二 土地についてはその所在、地番、地目及び面積、立木についてはその樹種、数量及び所在の場所、工作物についてはその種類及び所在の場所、権利についてはその種類及び内容
三 買収の期日
四 対価
五 対価の支払の方法(第四項で準用する第五十一条第二項の規定により対価を供託する場合には、その旨)
六 その他必要な事項
3 前項第四号の対価は、その土地等を第六十一条の規定により売り渡したときの対価に相当する額とする。
4 第五十条第二項及び第三項、第五十一条第二項及び第三項並びに第五十二条から第五十五条までの規定は、第一項の規定による買収について準用する。
(売り渡した土地等の処分の制限)
第七十三条 第六十一条の規定により売り渡された土地等の売渡通知書に記載された第六十七条第一項第六号の時期到来後三年を経過する前にその土地等の所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(これらの権利を取得する者が、同一の事業の用に供するため四ヘクタールを超える農地を農地以外のものにすることを目的としてその農地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得する場合(地域整備法の定めるところに従つてこれらの権利を取得する場合で政令で定める要件に該当するものを除く。)において、当該事業の用に供するためその土地等の権利を取得するときは、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 土地収用法 その他の法律によつてその土地等が収用され、又は使用される場合
二 遺産の分割によつてこれらの権利が取得される場合
三 その他農林水産省令で定める場合
2 前項の許可は、条件をつけてすることができる。
3 第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。
(農地及び採草放牧地に関する規定の適用除外)
第七十四条 第六十一条の規定により売り渡された土地であつて農地又は採草放牧地であるものについては、第六十七条第一項第六号の時期到来後三年を経過するまでは、第二章第一節(第四条の規定を除く。)及び第二節の規定は、適用しない。
(道路等の譲与)
第七十四条の二 国は、第六十一条に掲げる土地等を同条の規定により売り渡すほか、同条に掲げる土地等のうち道路、水路、揚水機場若しくはため池(これらの工作物に附帯する工作物を含む。以下「道路等」という。)又は道路等の用地であつて農林水産大臣が定めるものを、その用途を廃止したときはこれを無償で国に返還することを条件として、市町村、土地改良区その他農林水産大臣の指定する者に譲与することができる。
2 前項に規定する農林水産大臣が定める土地等の譲与を受けようとする者は、政令で定めるところにより、都道府県知事に譲受申込書を提出しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定による譲受申込書の提出があつた場合において、譲与することを適当と認めたときは、次に掲げる事項を記載した譲与通知書を作成し、これを譲与の相手方に交付しなければならない。
一 譲与の相手方の名称及び住所
二 譲与すべき道路等についてはその種類及び所在の場所、土地についてはその面積及び所在の場所
三 その土地等の用途
四 譲与の期日
五 譲与の条件その他必要な事項
4 前項の規定による譲与通知書の交付があつたときは、その通知書に記載された譲与の期日に、その土地等の所有権は、その譲与の相手方に移転する。
(開発に関する制限規定の適用除外)
第七十五条 第四十四条第一項の規定により買収した土地、自作農の創設又はその経営の安定の目的に供するため農林水産大臣が所管換又は所属替を受けた土地及び公有水面埋立法 により農林水産大臣が造成した埋立地の開墾その他開発のためにする行為(これらの土地の売渡後の行為を含む。)については、他の法令中政令で定める制限又は禁止の規定は、適用しない。
第三節 草地利用権
(草地利用権の設定に関する承認)
第七十五条の二 市町村又は農業協同組合は、その住民又は組合員で養畜の事業を行なうものの共同利用に供するため、家畜の飼料とするための牧草の栽培(その栽培に係る土地について行なう家畜の放牧及びこれと一体的に行なう必要があるその土地に隣接する土地についての家畜の放牧を含み、その栽培の目的に供されることに伴う土地の形質の変更がその土地を原状に復することを困難にしない程度であるものに限る。)を目的とする土地についての賃借権(以下「草地利用権」という。)を取得する必要があるときは、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事の承認を受けて、土地の所有者及びその土地に関し権利を有するその他の者(その土地の定着物の所有者及びその定着物に関し権利を有するその他の者を含む。以下「土地所有者等」という。)に対し、草地利用権の設定及びその行使の妨げとなる権利又は定着物がある場合にはその権利の行使の制限若しくは消滅又はその定着物の収去に関する協議を求めることができる。
2 都道府県知事は、前項の承認の申請があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、その申請に係る土地の傾斜、土性等の自然的条件、利用の状況その他の必要な事項を調査しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定による調査の結果、その調査に係る土地が次の各号に掲げる要件のすべてをみたしている場合に限り、第一項の承認をすることができる。
一 その土地が、自作農の創設の目的に供されるとするならば、第四十四条第一項第一号に掲げる土地として同条の規定による買収をすることができると認められるものであること。
二 その土地について草地利用権の設定を受けようとする者の利用計画に従つて共同利用に供することが、その地域における農業経営の状況等からみて養畜の事業を行なう者の経営の改善を図るため必要かつ適当であつて、他の土地をもつて代えることが困難であると認められること。
4 都道府県知事は、第一項の承認をしようとするときは、あらかじめ、その申請に係る協議の相手方及び都道府県農業会議並びに農林水産省令で定めるその他の者の意見を聴かなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の承認をしたときは、遅滞なく、その旨をその承認の申請に係る協議の相手方に通知するとともに、これを公示しなければならない。
(裁定の申請)
第七十五条の三 前条第一項の協議がととのわず、又は協議をすることができないときは、同項の承認を受けた者は、その承認を受けた日から起算して二箇月以内に、農林水産省令で定めるところにより、その協議の相手方である土地所有者等を示して、その草地利用権の設定又はその行使の妨げとなる権利の行使の制限若しくは消滅若しくは定着物の収去に関し都道府県知事に裁定を申請することができる。
(意見書の提出)
第七十五条の四 都道府県知事は、前条の規定による申請があつたときは、農林水産省令で定める事項を公示するとともに、その申請に係る土地所有者等にこれを通知し、二週間を下らない期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
2 前項の意見書を提出する者は、その意見書において、その者の有する権利の種類及び内容その他の農林水産省令で定める事項を明らかにしなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の期間を経過した後でなければ、裁定をしてはならない。
(裁定)
第七十五条の五 都道府県知事は、第七十五条の三の規定による申請に係る土地(その土地の定着物を含む。)の利用の状況並びにその申請に係る土地所有者等のその土地(その土地の定着物を含む。)の利用計画及びその達成の見通し等を考慮してもなおその申請をした者がその土地をその者の利用計画に従つて共同利用に供することが国土資源の利用に関する総合的な見地から必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、草地利用権を設定すべき旨又はその行使の妨げとなる権利の行使を制限し、若しくはその権利を消滅させ、若しくは定着物を収去すべき旨の裁定をするものとする。
2 草地利用権を設定すべき旨の前項の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 草地利用権を設定すべき土地の所在、地番、地目及び面積
二 草地利用権の内容
三 草地利用権の始期及び存続期間
四 借賃
五 借賃の支払の方法
3 権利の行使を制限すべき旨の第一項の裁定においては第一号及び第四号、権利を消滅させるべき旨の同項の裁定においては第二号及び第四号、定着物を収去すべき旨の同項の裁定においては第三号及び第四号に掲げる事項を定めなければならない。
一 行使を制限すべき権利の種類及び内容並びにその制限の内容、始期及び期間
二 消滅させるべき権利の種類及び内容並びにその消滅の期日
三 収去すべき定着物の種類、数量及び所在の場所並びにその収去を完了すべき期限
四 権利の行使の制限若しくは消滅又は定着物の収去によつて生ずる損失の補償金の額及び支払の方法
4 第一項の裁定は、第二項第一号から第三号まで及び前項第一号から第三号までの事項については、申請の範囲をこえてはならない。
第七十五条の六 都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨をその裁定を申請した者及びその申請に係る土地所有者等に通知するとともに、これを公示しなければならない。その裁定についての審査請求に対する裁決によつて裁定の内容が変更されたときもまた同様とする。
2 前条第一項の裁定について前項の公示があつたときは、その裁定の定めるところにより、その裁定を申請した者とその申請に係る土地所有者等との間に協議がととのつたものとみなす。
(存続期間の更新等)
第七十五条の七 第七十五条の二第一項又はこの項の承認を受けてする協議がととのつたこと(前条第二項(次項で準用する場合を含む。)の規定により協議がととのつたものとみなされる場合を含む。)により設定された草地利用権(その存続期間が更新されたものにあつては、その更新が、この項の承認を受けてする協議がととのつたこと(次項で準用する前条第二項の規定により協議がととのつたものとみなされる場合を含む。)によつてされたものに限る。)を有する者は、その草地利用権に係る土地についてその存続期間の満了後引き続き草地利用権による利用をする必要があるときは、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事の承認を受けて、その草地利用権に係る土地の土地所有者等に対し、その草地利用権の存続期間の更新又はこれに代えてする新たな草地利用権の設定及びその行使の妨げとなる権利がある場合にはその権利の行使の制限又は消滅に関する協議を求めることができる。ただし、その更新又は設定による草地利用権の存続期間の満了する日が、その土地につき第七十五条の二第一項の承認を受けてする協議がととのつたこと(前条第二項の規定により協議がととのつたものとみなされる場合を含む。)により設定された草地利用権の存続期間の始期から二十年以内にない場合は、この限りでない。
2 第七十五条の二第二項から第五項まで及び第七十五条の三から前条までの規定は、前項の承認の申請があつた場合に準用する。この場合において、第七十五条の二第二項中「傾斜、土性等の自然的条件、利用の状況」とあるのは「利用の状況」と、同条第三項中「次の各号に掲げる要件のすべて」とあるのは「第二号に掲げる要件」と、第七十五条の五第一項中「申請に係る土地(その土地の定着物を含む。)の利用の状況並びにその申請に係る」とあるのは「申請に係る」と読み替えるものとする。
(買い取るべき旨の裁定)
第七十五条の八 第七十五条の二第一項又は前条第一項の承認を受けてする協議がととのつたこと(第七十五条の六第二項(前条第二項で準用する場合を含む。)の規定により協議がととのつたものとみなされる場合を含む。以下この節で同様とする。)により設定された草地利用権(その存続期間が更新されたものにあつては、その更新が、前条第一項の承認を受けてする協議がととのつたこと(同条第二項で準用する第七十五条の六第二項の規定により協議がととのつたものとみなされる場合を含む。)によつてされたものに限る。以下この節で同様とする。)の存続期間が三年以上にわたるときは、その草地利用権に係る土地所有者等は、都道府県知事に対し、農林水産省令で定めるところにより、その草地利用権を有する者がその草地利用権に係る土地又はその行使が制限された権利を買い取るべき旨の裁定を申請することができる。
2 定着物を収去すべき旨の第七十五条の五第一項の裁定を受けたその定着物の所有者は、その定着物を収去するとすればその定着物を従来用いた目的に供することが著しく困難となるときは、都道府県知事に対し、農林水産省令で定めるところにより、その定着物のある土地につき草地利用権を有する者がその定着物を買い取るべき旨の裁定を申請することができる。
3 買い取るべき旨の前二項の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 買い取るべき土地についてはその所在、地番、地目及び面積、定着物についてはその種類、数量及び所在の場所、権利についてはその種類及び内容
二 買い取るべき土地若しくは定着物の所有権又は権利の移転の期日
三 対価
四 対価の支払の方法
4 第七十五条の五第四項及び第七十五条の六の規定は、都道府県知事が第一項又は第二項の規定による申請に基づき買い取るべき旨の裁定をする場合に準用する。この場合において、第七十五条の五第四項中「第二項第一号から第三号まで及び前項第一号から第三号まで」とあるのは「第七十五条の八第三項第一号及び第二号」と、第七十五条の六中「土地所有者等」とあるのは「土地又は定着物若しくは権利のある土地につき草地利用権を有する者」と読み替えるものとする。
(草地利用権に係る賃貸借の解除)
第七十五条の九 第七十五条の二第一項又は第七十五条の七第一項の承認を受けてする協議がととのつたことにより設定された草地利用権を有する者が正当な事由がなく引き続き二年以上その草地利用権に係る土地の全部又は一部をその目的に供しなかつたときは、その草地利用権を設定した者は、その目的に供されていない土地につき、都道府県知事の承認を受けて、その草地利用権に係る賃貸借の解除をすることができる。
(草地利用権の譲渡等の禁止)
第七十五条の十 第七十五条の二第一項又は第七十五条の七第一項の承認を受けてする協議がととのつたことにより設定された草地利用権を有する者は、その草地利用権を譲渡し、又はその草地利用権に係る土地を貸し付けることができない。
第四章 雑則
(登記の特例)
第七十六条 国がこの法律により買収、売渡又は譲与をする場合の登記については、政令で特例を定めることができる。
第七十七条 削除
(買収した土地、立木等の管理)
第七十八条 国が第九条第一項若しくは第二項、第十四条第一項(第十五条第二項、第十五条の三第十項及び第十六条第二項で準用する場合を含む。)、第十五条第一項、第十五条の三第一項若しくは第二項、第四十四条第一項、第五十六条第一項、第五十九条第一項若しくは第七十二条第一項の規定により買収し、第十六条第一項の規定に基づく申出により買収し、第三十三条第一項若しくは第三十四条第一項の規定に基づく申出により買い取り、第五十五条第三項(第五十八条第二項、第五十九条第五項及び第七十二条第四項で準用する場合を含む。)若しくは第五十八条第一項の規定に基づく請求により買収し、又は第七十四条の二第一項の条件に基づき返還を受けた土地、立木、工作物及び権利、公有水面埋立法 により農林水産大臣が造成した埋立地並びに国有財産である土地、立木、工作物及び権利であつて、自作農の創設又はその経営の安定の目的に供するために、所管換又は所属替を受けたものは、農林水産大臣が管理する。
2 前項に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
3 第一項の規定により農林水産大臣が管理する国有財産につき国有財産法 (昭和二十三年法律第七十三号)第三十二条第一項 の規定により備えなければならない台帳の取扱いについては、政令で特例を定めることができる。
4 第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地、立木、工作物及び権利の使用料の徴収については、第四十二条の規定を準用する。
(所属替の特例)
第七十九条 国有財産法第十四条第四号 の規定は、自作農の創設又はその経営の安定の目的に供するために、土地又は建物の所属替をする場合には、適用しない。
(売払)
第八十条 農林水産大臣は、第七十八条第一項の規定により管理する土地、立木、工作物又は権利について、政令で定めるところにより、自作農の創設又は土地の農業上の利用の増進の目的に供しないことを相当と認めたときは、農林水産省令で定めるところにより、これを売り払い、又はその所管換若しくは所属替をすることができる。
2 農林水産大臣は、前項の規定により売り払い、又は所管換若しくは所属替をすることができる土地、立木、工作物又は権利が第九条、第十四条又は第四十四条の規定により買収したものであるときは、政令で定める場合を除き、その土地、立木、工作物又は権利を、その買収前の所有者又はその一般承継人に売り払わなければならない。
(公簿の閲覧等)
第八十一条 国又は都道府県の職員は、登記所、漁業免許に関する登録の所管庁又は市町村の事務所について、この法律による買収、買取り、使用、消滅請求、売渡し、譲与又は裁定に関し、無償で、必要な簿書を閲覧し、又はその謄本若しくは登記事項証明書の交付を受けることができる。
(立入調査)
第八十二条 農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律による買収、使用その他の処分をするため必要があるときは、その職員に他人の土地又は工作物に立ち入つて調査させ、測量させ、又は調査若しくは測量の障害となる竹木その他の物を除去させ、若しくは移転させることができる。
2 前項の職員は、その身分を示す証票を携帯し、その土地又は工作物の所有者、占有者その他の利害関係人から要求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3 第一項の場合には、農林水産大臣又は都道府県知事は、農林水産省令で定める手続に従い、あらかじめ、その土地又は工作物の占有者にこれを通知しなければならない。但し、通知をすることができない場合その他特別の事情がある場合には、公示をもつて通知に代えることができる。
4 第一項の規定による立入は、工作物、宅地及びかき、さく等で囲まれた土地に対しては、日出から日没までの間でなければしてはならない。
5 国又は都道府県は、第一項の土地又は工作物の所有者又は占有者が同項の規定による調査、測量又は物件の除去若しくは移転によつて損失を受けた場合には、政令で定めるところにより、その者に対し、通常生ずべき損失を補償する。
6 第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(報告の徴取)
第八十三条 農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律を施行するため必要があるときは、土地の状況等に関し、都道府県農業会議又は農業委員会から必要な報告を徴することができる。
(違反転用に対する処分)
第八十三条の二 農林水産大臣又は都道府県知事は、政令で定めるところにより、次の各号のいずれかに該当する者に対して、土地の農業上の利用の確保及び他の公益並びに関係人の利益を衡量して特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、第四条、第五条又は第七十三条の規定によつてした許可を取り消し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて原状回復その他違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一 第四条第一項、第五条第一項若しくは第七十三条第一項の規定に違反した者又はその一般承継人
二 第四条第一項、第五条第一項又は第七十三条第一項の許可に付した条件に違反している者
三 前二号に掲げる者から当該違反に係る土地について工事その他の行為を請け負つた者又はその工事その他の行為の下請人
四 偽りその他不正の手段により、第四条第一項、第五条第一項又は第七十三条第一項の許可を受けた者
(小作地の状況の縦覧)
第八十四条 農業委員会は、毎年八月一日現在の小作地の所有状況を記載した書類を作成し、これを九月一日から同月三十日までの間農業委員会の事務所で縦覧に供しなければならない。
(行政手続法 の適用除外)
第八十四条の二 第四十八条第一項(第五十九条第三項で準用する場合を含む。)の規定による公示及び第五十条第一項(第五十九条第五項で準用する場合を含む。)の規定による買収令書の交付に関する処分については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
(不服申立て)
第八十五条 第四十八条第一項(第五十九条第三項で準用する場合を含む。)の規定による公示に不服がある者は、都道府県知事に対して異議申立てをすることができる。
2 前項の異議申立てに関する行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)第四十五条 の期間は、公示の日の翌日から起算して三十日以内とする。
3 第五十条第一項(第五十九条第五項で準用する場合を含む。)の規定による買収令書の交付に関する処分についての審査請求においては、第四十八条第一項(第五十九条第三項で準用する場合を含む。)の規定による公示に係る事項についての不服をその処分についての不服の理由とすることができない。
4 第十一条第一項(第十四条第二項(第十五条第二項、第十五条の三第十項及び第十六条第二項で準用する場合を含む。第八十五条の三第一項第一号及び第三項において同じ。)、第十五条第二項、第十五条の三第十項及び第十六条第二項で準用する場合を含む。)、第五十条第一項(第五十五条第四項(第五十八条第二項、第五十九条第五項及び第七十二条第四項で準用する場合を含む。第八十五条の三第一項第三号及び第三項において同じ。)、第五十六条第三項、第五十七条第三項、第五十八条第二項及び第五十九条第五項で準用する場合を含む。)若しくは第七十二条第二項の規定による買収令書、権利消滅通知書若しくは使用令書の交付又は第七十五条の三(第七十五条の七第二項で準用する場合を含む。)若しくは第七十五条の八第一項若しくは第二項の規定による申請に対する裁定についての審査請求においては、その対価、借賃又は補償金の額についての不服をその処分についての不服の理由とすることができない。
5 都道府県知事は、第一項の異議申立てについて決定をしようとするときは、その土地等を国が買収することの適否について、都道府県農業会議の意見を聴かなければならない。
6 第四条第一項、第五条第一項又は第七十三条第一項の規定による許可に関する処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に対して裁定の申請をすることができる。
7 第八条第一項又は第十五条の三第三項若しくは第六項の規定による公示については、行政不服審査法 による不服申立てをすることができない。前項の規定により裁定の申請をすることができる処分についても、同様とする。
8 行政不服審査法第十八条 の規定は、前項後段の処分につき、処分庁が誤つて審査請求又は異議申立てをすることができる旨を教示した場合に準用する。
(不服申立てと訴訟との関係)
第八十五条の二 この法律に基づく処分(不服申立てをすることができない処分を除く。)の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定を経た後でなければ、提起することができない。
2 第八十三条の二の規定による処分については、行政手続法第二十七条第二項 の規定は、適用しない。
(対価等の額の増減の訴え)
第八十五条の三 次に掲げる対価、借賃又は補償金の額に不服がある者は、訴えをもつて、その増減を請求することができる。ただし、これらの対価、借賃又は補償金に係る処分のあつた日から六月を経過したときは、この限りでない。
一 第十一条第一項第三号(第十四条第二項、第十五条第二項、第十五条の三第十項及び第十六条第二項で準用する場合を含む。)に規定する対価
二 第三十九条第一項第三号に規定する対価
三 第五十条第一項第四号(第五十五条第四項、第五十六条第三項、第五十七条第三項、第五十八条第二項及び第五十九条第五項で準用する場合を含む。)に規定する対価又は補償金
四 第六十七条第一項第四号に規定する対価
五 第六十九条第一項第四号(第七十条第二項で準用する場合を含む。)に規定する対価
六 第七十二条第二項第四号に規定する対価
七 第七十五条の五第二項第四号(第七十五条の七第二項で準用する場合を含む。)に規定する借賃、第七十五条の五第三項第四号(第七十五条の七第二項で準用する場合を含む。)に規定する補償金又は第七十五条の八第三項第三号に規定する対価
2 前項第一号から第六号までに掲げる対価又は補償金の額についての同項の訴えにおいては国を、同項第七号に掲げる借賃又は補償金の額についての同項の訴えにおいては第七十五条の三(第七十五条の七第二項で準用する場合を含む。)の規定による申請をした者又はその申請に係る土地所有者等であつた者を、同号に掲げる対価の額についての前項の訴えにおいては第七十五条の八第一項若しくは第二項の規定による申請をした者又はその申請に係る裁定によつて土地、権利若しくは定着物を取得した者を、それぞれ被告とする。
3 第一項第一号、第三号又は第六号に掲げる対価又は補償金につきこれを増額する判決が確定した場合において、増額前の対価又は補償金が第十二条第二項(第十四条第二項、第十五条第二項、第十五条の三第十項及び第十六条第二項で準用する場合を含む。)又は第五十一条第二項(第五十五条第四項、第五十六条第三項、第五十八条第二項、第五十九条第五項及び第七十二条第四項で準用する場合を含む。)の規定により供託されているときは、国は、その増額に係る対価又は補償金を供託しなければならず、また、この場合においては、第十二条第三項の規定を準用する。
4 第十三条第二項の規定は、前項の規定により供託された対価又は補償金について準用する。
(土地の面積)
第八十六条 この法律の適用については、土地の面積は、登記簿の地積による。ただし、登記簿の地積が著しく事実と相違する場合及び登記簿の地積がない場合には、実測に基づき、農業委員会(第三章の適用については、都道府県知事)が認定したところによる。
(換地予定地に相当する従前の土地の指定)
第八十七条 第八条の規定による公示又は第九条、第十五条若しくは第十五条の三の規定による買収をする場合において、その公示又は買収の対象となるべき農地を明らかにするため特に必要があるときは、都道府県知事は、旧耕地整理法(明治四十二年法律第三十号)に基づく耕地整理、土地区画整理法施行法 (昭和二十九年法律第百二十号)第三条第一項 若しくは第四条第一項 に規定する土地区画整理若しくは土地改良法 に基づく土地改良事業に係る規約又は同法第五十三条の五第一項 (同法第九十六条 及び第九十六条の四 で準用する場合を含む。)若しくは第八十九条の二第六項 若しくは土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)第九十八条第一項 の規定によつて、換地処分の発効前に従前の土地に代えて使用又は収益をすることができるものとして指定された土地又はその土地の部分に相当する従前の土地又は土地の部分を地目、地積、土性等を考慮して指定することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、その指定の内容を遅滞なく農業委員会に通知しなければならない。
(公示の方法)
第八十八条 この法律により都道府県知事がする公示は、都道府県の条例の告示と同一の方法により行うものとし、農業委員会がする公示は、農業委員会の事務所に掲示して行うものとする。
(指示及び代行)
第八十九条 農林水産大臣は、この法律の目的を達成するため特に必要があると認めるときは、この法律に規定する農業委員会の事務(第九十一条の三第二項各号に掲げるものを除く。)の処理に関し、農業委員会に対し、必要な指示をすることができる。
2 農林水産大臣は、この法律の目的を達成するため特に必要があると認めるときは、この法律に規定する都道府県知事の事務(第九十一条の三第一項第一号、第二号、第五号及び第六号に掲げるものを除く。次項において同じ。)の処理に関し、都道府県知事に対し、必要な指示をすることができる。
3 農林水産大臣は、都道府県知事が前項の指示に従わないときは、この法律に規定する都道府県知事の事務を処理することができる。
4 農林水産大臣は、前項の規定により自ら処理するときは、その旨を告示しなければならない。
(農業委員会に関する特例)
第九十条 農業委員会等に関する法律第三条第一項 ただし書又は第五項 の規定により、農業委員会が置かれていない市町村についてのこの法律(第二章第六節を除く。以下この項において同じ。)の適用については、この法律中「農業委員会」とあるのは、「市町村長」と読み替えるものとする。
2 農業委員会等に関する法律第三条第二項 の規定により二以上の農業委員会が置かれている市町村についてのこの法律の適用については、この法律中「市町村の区域」とあるのは、「農業委員会の区域」と読み替えるものとする。
(特別区等の特例)
第九十一条 この法律中市町村又は市町村長に関する規定は、特別区のある地にあつては特別区又は特別区の区長に、指定都市にあつては区又は区長に、全部事務組合又は役場事務組合のある地にあつては組合又は組合管理者に適用する。
2 前項の規定を農業委員会等に関する法律第三十五条第二項 の規定により区ごとに農業委員会を置かないこととされた指定都市に適用する場合には、前項中「この法律」とあるのは、「この法律(第三条第一項及び前条を除く。)」とする。
(権限の委任)
第九十一条の二 この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。
(事務の区分)
第九十一条の三 この法律(第七十八条第二項を除く。)の規定により都道府県又は市町村が処理することとされている事務のうち、次の各号及び次項各号に掲げるもの以外のものは、地方自治法第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。
一 第四条第一項及び第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務(同一の事業の目的に供するため二ヘクタールを超える農地を農地以外のものにする行為に係るものを除く。)
二 第五条第一項の規定及び同条第三項において準用する第四条第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務(同一の事業の目的に供するため二ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得する行為に係るものを除く。)
三 第三十一条において準用する第二十六条第一項及び第二十七条の規定により市町村が処理することとされている事務(これらの規定により農業委員会が処理することとされている事務を除く。)
四 第七十五条の二第一項、第七十五条の三(第七十五条の七第二項において準用する場合を含む。)及び第七十五条の七第一項の規定により市町村が処理することとされている事務
五 第八十二条第一項、第三項及び第五項並びに第八十三条の規定により都道府県が処理することとされている事務(第一号、第二号及び次号に掲げる事務に係るものに限る。)
六 第八十三条の二の規定により都道府県が処理することとされている事務(第一号及び第二号に掲げる事務に係るものに限る。)
2 この法律の規定により市町村が処理することとされている事務のうち、次に掲げるものは、地方自治法第二条第九項第二号 に規定する第二号 法定受託事務とする。
一 第四条第一項第五号の規定により市町村が処理することとされている事務(同一の事業の目的に供するため二ヘクタールを超える農地を農地以外のものにする行為に係るものを除く。)
二 第五条第一項第三号の規定により市町村が処理することとされている事務(同一の事業の目的に供するため二ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について第三条第一項本文に掲げる権利を取得する行為に係るものを除く。)
第五章 罰則
第九十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項、第二十条第一項(第三十二条で準用する場合を含む。次号において同じ。)又は第七十三条第一項の規定に違反した者
二 偽りその他不正の手段により、第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項、第二十条第一項又は第七十三条第一項の許可を受けた者
第九十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第四十九条の規定に違反した者
二 第八十二条第一項の規定による職員の調査、測量、除去又は移転を拒み、妨げ、又は忌避した者
三 第八十三条の二の規定による農林水産大臣又は都道府県知事の命令に違反した者
第九十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関し前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して前二条の罰金刑を科する。
第九十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
一 第十五条の二第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第二十五条第二項の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をした者
附 則(省略)
別表
都道府県名 小作地の面積
北海道 四.〇ヘクタール
青森県 一.五ヘクタール
岩手県 一.一ヘクタール
宮城県 一.四ヘクタール
秋田県 一.四ヘクタール
山形県 一.三ヘクタール
福島県 一.一ヘクタール
茨城県 一.一ヘクタール
栃木県 一.二ヘクタール
群馬県 〇.九ヘクタール
埼玉県 〇.九ヘクタール
千葉県 一.一ヘクタール
東京都 〇.七ヘクタール
神奈川県 〇.七ヘクタール
新潟県 一.〇ヘクタール
富山県 一.〇ヘクタール
石川県 〇.八ヘクタール
福井県 〇.九ヘクタール
山梨県 〇.七ヘクタール
長野県 〇.八ヘクタール
岐阜県 〇.六ヘクタール
静岡県 〇.七ヘクタール
愛知県 〇.七ヘクタール
三重県 〇.七ヘクタール
滋賀県 〇.七ヘクタール
京都府 〇.六ヘクタール
大阪府 〇.六ヘクタール
兵庫県 〇.六ヘクタール
奈良県 〇.六ヘクタール
和歌山県 〇.六ヘクタール
鳥取県 〇.八ヘクタール
島根県 〇.七ヘクタール
岡山県 〇.七ヘクタール
広島県 〇.五ヘクタール
山口県 〇.七ヘクタール
徳島県 〇.六ヘクタール
香川県 〇.六ヘクタール
愛媛県 〇.七ヘクタール
高知県 〇.七ヘクタール
福岡県 〇.八ヘクタール
佐賀県 〇.九ヘクタール
長崎県 〇.七ヘクタール
熊本県 一.〇ヘクタール
大分県 〇.六ヘクタール
宮崎県 〇.九ヘクタール
鹿児島県 〇.七ヘクタール
沖縄県 一.〇ヘクタール
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