宅建試験・参考書 民法(権利関係)96
presented by 宅建倶楽部
6 区分建物(分譲マンション等)の登記
6−1 区分建物の登記簿(1)
表題部
建物の登記記録は,一個の建物ごとに,作成する。区分建物(区分所有建物)で「一個の建物」は,各自の専有部分を指すが,専有部分ごとに登記記録を作成したのでは分かりにくい。203号室といっても何号棟か分からないだろう。そこで,区分建物の登記記録の「表題部」は,一棟の建物の表題部と区分建物の表題部に区分することになっている。
(2)
権利部
登記記録の「権利部」は,普通の建物と同じだ。一個の建物(各自の専有部分)ごとに,作成する。
権利部は,甲区および乙区に区分し,甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録し,乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録する。
(3)
規約共用部分は,登記(共用部分であることの登記)がなければ,共用部分であることを第三者に対抗できないが,この規約共用部分の登記は,表題部(区分建物の表題部)に記録される。
(4)
区分建物が属する一棟の建物が新築された場合の,その区分建物の表題登記(表示に関する登記)の申請は,その新築された一棟の建物の表題登記の申請と併せてしなければならない。
分譲マンションの表示に関する登記は,全戸分を一括して申請しろ,ということだ。実際は,マンションの分譲業者が一括申請することになるから,分譲業者から各戸を取得した購入者には,表示に関する登記を申請する義務はない。
(5)
建物の床面積は,壁その他の区画の「中心線」で囲まれた部分の水平投影面積で算出され登記されるのが原則だが,区分建物の床面積は,壁その他の区画の「内側線」で囲まれた部分の水平投影面積で算出され登記される。
(6)
所有権の保存の登記(未登記だった不動産に初めてする所有権の登記)は,表題部所有者(例:マンションの分譲業者)が申請するのが原則だが,区分建物では,表題部所有者から所有権を取得した者(例:分譲業者から購入した者)も,直接自己名義で,所有権の保存の登記を申請できる。
6−2 敷地権
99%以上の分譲マンションでは,建物と敷地の一体的な管理を行い,かつ,分譲マンションに関する登記の合理化を図るために,規約で別段の定めを設けず,敷地利用権と専有部分とが分離処分できないようになっている。
このように,専有部分との分離処分が禁止されたマンションの敷地を「敷地権」という。
そして敷地権があるマンションでは,登記の合理化を図るために,次のような取り扱いがされている。
(1)
敷地権があるときは,登記官によって,「建物の登記記録」の「表題部(区分建物の表題部)」に,「敷地権の表示」が登記される。
これによって,そのマンションの敷地の種類等が,建物の登記記録で世の中に公示される。
(2)
(1)の敷地権の表示を登記した登記官は(登記官が敷地権について表題部に最初に登記をするときは),その敷地権の目的である「土地の登記記録」の権利部に記録されている所有権・地上権等について,それが「敷地権である旨」の登記をしなければならない。
これによって,その土地がマンションの敷地になっていることが,土地の登記記録でも世の中に公示される。
(3)
敷地権付き区分建物は,その建物のみの所有権移転登記や,その建物のみの抵当権設定登記等が,原則としてできなくなる。建物と敷地の一体的な管理のために,建物のみの登記を禁止するのだ。
ただし,その敷地権が生ずる前に登記原因が生じた,その建物のみの所有権の仮登記や質権・抵当権の設定登記等は,できる。
(4)
(2)によって,「敷地権である旨」の登記をした土地には,敷地権の所有権移転登記や敷地権の抵当権設定登記等が,原則としてできなくなる。建物と敷地の一体的な管理のために,土地だけの登記も禁止するのだ。
ただし,その土地が敷地権の目的となる前に登記原因が生じた,敷地権の仮登記や質権・抵当権の設定登記等は,できる。
(5)
敷地権付き区分建物にされた所有権移転登記や抵当権設定登記等は,敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力がある。
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