宅建試験・マトメ集 法令上の制限

presented by 宅建倶楽部

5 斜線制限

斜線制限は,建築物の各部分の高さに規制を加え,周辺の通風・日当たりを確保することで,快適な街づくりを目指す規定(集団規制)だ。
建築物の各部分の高さの規制(斜線制限)には,
道路斜線制限
隣地斜線制限
北側斜線制限
の3つがある。
なお,知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内で,かつ,地方公共団体が,条例で定める場合には,都市計画区域外および準都市計画区域外でも斜線制限が適用される。

道路斜線制限

(1)
道路斜線制限とは,建築物の各部分の高さは,用途地域や容積率に応じて,前面道路の反対側の境界線からの水平距離が一定の範囲内[甲]では,その部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に一定の数値[乙]を乗じて得たもの以下としなければならないことだ。
上の[甲]や[乙]の数値はいろいろあるが,例えば,第1種住居地域で容積率が10分の20を超え10分の30以下の所では,(甲)=25m(乙)=1.25となっている。
つまり,道路に近い部分ほど,建築物の高さを高くできなくするのが,道路斜線制限であり,道路の通風・日当たりを確保するためだ。

(2)
道路斜線制限は,すべての用途地域に適用がある。
なお,用途地域の指定のない区域や日影規制が行われている区域でも,道路斜線制限は適用される。


隣地斜線制限

(1)
隣地斜線制限とは,建築物の各部分の高さは,用途地域に応じて,その部分から隣地境界線までの水平距離を[甲]とすると,
・第1種中高層住居専用地域,第2種中高層住居専用地域,第1種住居地域,第2種住居地域,準住居地域では,[甲]×1.25m+20m以下
・その他の所では,[甲]×2.5 m+31m以下
を原則としなければならないことだ。
つまり,隣地に近い部分ほど,建築物の高さを高くできなくするのが,隣地斜線制限だ。隣地の通風・日当たりを確保するためだ。

(2)
隣地斜線制限は,第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には適用されない。
なお,用途地域の指定のない区域や日影規制が行われている区域でも,隣地斜線制限は適用される。


北側斜線制限

(1)
北側斜線制限とは,住居専用地域の建築物の各部分の高さは,その部分から前面道路の反対側の境界線または隣地境界線までの真北方向の水平距離[甲]に1.25を乗じて得たものに,
・第1種低層住居専用地域,第2種低層住居専用地域では5m
・第1種中高層住居専用地域,第2種中高層住居専用地域では10m
を加えたもの以下でなければならないことだ。
つまり,真北方向の道路または隣地に近い部分ほど,建築物の高さを高くできなくするのが,北側斜線制限だ。住居専用地域での真北方向の道路または隣地の日当たりを確保する(太陽は南から照る!)ためだ。

(2)
北側斜線制限は,住居専用地域に限って適用される。
なお,第1種中高層住居専用地域と第2種中高層住居専用地域では,そこで日影規制されていれば,北側斜線制限の適用はない。


特例

(1)
特定街区内の建築物については,道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限が,すべて適用されない。特定街区は,いわば超高層ビルを建築するための都市計画であり,その特定街区に独特の容積率・高さ制限などを定めさせないと,超高層ビルを建築できないからだ。
したがって,すでに述べてきた容積率などの定めも,特定街区内の建築物については適用されない。つまり,そこ独自の制限が定められる。

(2)
都市再生特別地区内の建築物についても,道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限は,すべて適用されない。都市再生特別地区は,国際化,少子高齢化に対応できる都市に再生するために,主として民間事業者の提案によって定める計画であり,その地区に独特の容積率・高さ制限などを定めさせないと,目的を達成できないからだ。
したがって,すでに述べてきた容積率などの定めも,都市再生特別地区内の建築物については適用されない。つまり,そこ独自の制限が定められる。



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