宅建試験・マトメ集 法令上の制限

presented by 宅建倶楽部

第5 開発許可

都市計画法は快適な街づくりを目指す法律だが,そのためには,無秩序な開発を防止することが不可欠だ。そこで都市計画法は,無秩序な開発行為につながるおそれがある行為を知事の許可制とした。この許可のことを開発許可という。
このテーマでは,開発許可にまつわる話しとして……
1 開発許可がいるかどうか
2 開発許可をめぐる手続き
3 開発許可をめぐる建築制限
について順番に説明して行く。


1 開発許可がいるかどうか

原則

(1)
開発許可(知事の許可)が必要なのは,開発行為を行おうとする者だ。

(2)
開発行為を行おうとする場所が,都市計画区域外(準都市計画区域を含む)でも,それだけの理由で開発許可が不要になることはない。

(3)
開発許可が必要なのは,開発行為だ。
したがって,開発行為でないものを行おうとしても,開発許可は不要だ。
開発行為とは,次の@〜Bのどれかの目的で行う,土地の区画形質の変更だ。
@建築物の建築の目的
…建築物はすべての建築物を含む。したがって,居住用に限らず,店舗,倉庫,温室,畜舎,医療施設,駅舎,学校なども建築物だ。
A第1種特定工作物の建設の目的
…第1種特定工作物とは,建築物には当たらないが周辺の環境を悪化させるおそれがある物だ。具体的には,コンクリ−トプラント・アスファルトプラント・クラシャ−プラント・危険物貯蔵槽などが,第1種特定工作物にあたる。
B第2種特定工作物の建設の目的
…第2種特定工作物とは,建築物には当たらないが大規模な物だ。具体的には,1ヘクタール以上のテニスコート・1ヘクタール以上の野球場・1ヘクタール以上の遊園地・1ヘクタール以上の墓地・ゴルフコ−ス(ミニゴルフコ−スを含み,広さを問わない)などが,第2種特定工作物にあたる。


例外

開発行為を行おうとする者でも,次の(1)〜(10)のどれかに当たる場合は,例外的に開発許可が不要になる。
すべて,無秩序な開発行為につながるとは評価できない場合だ。

(1)
開発行為を市街化区域で行うときで,その規模が1,000u未満の場合は,開発許可が不要だ。
ただし,都の区域および3大都市圏の市街化区域内では,その規模が500u未満の場合に,開発許可が不要になる。
なお都道府県の規則で,一定の区域に限定して,上で説明した1,000u未満許可不要,500u未満許可不要を,300u未満許可不要にまで引き下げることができる。

(2)
開発行為を区域区分が定められていない都市計画区域および準都市計画区域で行うときで,その規模が3,000u未満の場合は,開発許可が不要だ。
ただし都道府県の規則で,一定の区域に限定して,3,000u未満許可不要を,300u未満許可不要まで引き下げることができる。

(3)
開発行為を都市計画区域外(準都市計画区域を除く)で行うときで,その規模が10,000u未満の場合は,開発許可が不要だ。

(4)
開発行為を市街化区域以外で行うときで,農林漁業者のための建築物の建築の目的でする場合は,開発許可が不要だ(規模を問わない)。

(5)
開発行為を,開発区域およびその周辺の地域における,適正かつ合理的な土地利用および環境の保全を図る上で支障がない 公益上必要な建築物の建築の目的で行う場合は,開発許可が不要だ(場所,規模,誰が開発行為を行うかを問わない)。
なお,公益上必要な建築物に当たっても,「開発区域およびその周辺の地域における,適正かつ合理的な土地利用および環境の保全を図る上で支障がない」と認められない場合は,(5)によって開発許可が不要になることはないので,注意。
※公益上必要な建築物の具体例
・駅舎その他の鉄道の施設
・図書館
・博物館
・公民館
・変電所
・郵便局
・火葬場

(6)
次に掲げる開発行為は,開発許可が不要だ(場所,規模,誰が開発行為を行うかを問わない)。
いずれも,すでにお上の目が通っているものだ。
@都市計画事業の施行として行う開発行為
A市街地再開発事業の施行として行う開発行為
B住宅街区整備事業の施行として行う開発行為
C土地区画整理事業の施行として行う開発行為
D防災街区整備事業の施行として行う開発行為    

(7)
開発行為を公有水面埋立法の免許を受けた未竣工の埋立地で行う場合は,開発許可が不要だ(場所,規模,誰が開発行為を行うかを問わない)。

(8)
開発行為を 非常災害のため必要な応急措置として行う場合は,開発許可が不要だ(場所,規模,誰が開発行為を行うかを問わない)。

(9)
開発行為を 通常の管理行為・軽易な行為その他政令で定めるものとして行う場合は,開発許可が不要だ(場所,規模,誰が開発行為を行うかを問わない)。

国等の特例

開発行為を国,都道府県等(指定都市,中核市,特例市,事務処理市町村などを含む)のお上が行う場合は,その国の機関や都道府県等と知事との協議が成立することをもって,開発許可があったとみなされる。
お上が行う開発行為だという理由だけで,開発許可が不要になるわけではないので,注意。
なお国,都道府県等のお上の行為が,前に書いた例外に当たる場合は,民間人と同様に(つまり知事との協議など経ないで)開発許可が不要になる。



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