宅建試験・合格のコツ 法令上の制限

presented by 宅建倶楽部

【コツ1】
法令上の制限の意味を知る

1.
法令上の制限(法令制限)というのは,民法で認められた契約の自由を「法」律や命「令」で「制限」するという意味です。
民法は私生活の自由のために,契約の自由を保障しています(宅建試験合格のコツ 民法参照)。
でも「自分勝手になる契約でも自由だ」,というのでは社会が成り立たないので,他人の迷惑になる契約を法律や命令で制限しているのです。
このような制限を決めた法律や命令を総称して,法令上の制限と呼びます。

2.
法令上の制限の分野に属する法律は数え切れないほどありますが,宅建試験で出題されるのは,
・都市計画法
・建築基準法
・国土利用計画法
・農地法
・宅地造成等規制法
・土地区画整理法
の6つの法律が主です。

【コツ2】
なぜその法律があるかを,各法律ごとに知る

1.
都市計画法

都市計画法は,快適な街づくりをするためにあります。
快適な街づくりをするために,民法では認められている契約の自由をイロイロ制限するのが都市計画法だ,というわけです。

2.
建築基準法

建築基準法は,
A.建築物を安全・衛生にする
B.快適な街づくりをする
の,2つのためにあります。 B.は都市計画法と同じですね。

上のA.のためにある建築基準法の制度・条文を「単体規制」と言います。
上のB.のためにある建築基準法の制度・条文は「集団規制」と言います。
 
建築物の安全・衛生や快適な街づくりのために,民法では認められている契約の自由をイロイロ制限するのが建築基準法だ,というわけ。

3.
国土利用計画法
 
国土利用計画法は,相場より高値での土地取引が,その後の土地取引のサンプルになるのを防ぐためにあります。
高値での土地取引のサンプル化を防ぐために,民法では認められている契約の自由をイロイロ制限するのが国土利用計画法だ,ということです。
普通の参考書では,地価を抑制するために国土利用計画法があると説明していますが,「地価の抑制」だけでは国土利用計画法の各制度の理由付けが困難です。その結果暗記を強要され,ついには国土利用計画法が嫌いになちゃうので,注意して下さい。

4.
農地法

農地法は,
A.お百姓さんが耕す権利を不当に奪わない
B.わが国の農業生産力を増進する
の,2つのためにあります。
農家の耕作権の保護や農業生産力の増強のために,民法では認められている契約の自由をイロイロ制限するのが農地法だということ。

(1)
上のA.のために,
農地等を農地等のまま売買したりするには,原則として農業委員会の許可がいることになってます。
これを農地法3条の許可と言います。

(2)
上のB.のために,
農地をつぶす(転用する)には,原則として,知事の許可がいることになってます。
これを農地法4条の許可と言います。

(3)
上のA.とB.の両方のために,
農地等をつぶす目的で売買したりするには,原則として,知事の許可がいることになってます。
これを農地法5条の許可と言います。

農地法は,3条・4条・5条の許可の区別がちゃんとできないと,箸にも棒にも掛かりませんが,逆に言えば,3条・4条・5条許可の3つだけの区別が出来れば点が取れる法律です。

5.
宅地造成等規制法

宅地造成等規制法は,宅地造成によるガケ崩れ等で,大勢の人が,死傷するのを防ぐためにあります。
ガケ崩れなんかで大勢の人が死傷するのを防ぐために,民法では認められている契約の自由をイロイロ制限するのが宅地造成等規制法だ,ということです。
ここでは,「大勢の人」がキーワードです。
1人や2人ガケ崩れで死傷しても宅地造成等規制法は関知しないということです。
こういうのを「隠れた立法趣旨」と言いますが,普通の参考書には書いてありません。
でも,「大勢の人」というキーワードを知っていると,宅地造成等規制法で出題される数字や制度が「なぜそうなっているか」が全部分かっちゃいますよ!

6.
土地区画整理法

土地区画整理法は,土地区画整理事業をうまく行うためにあります。
土地区画整理事業は,道路・公園などの公共施設の整備・改善と宅地の利用増進を目指す事業です。
だから,土地区画整理法は,公共施設の整備・改善と宅地の利用増進のためにあります。
公共施設の整備・改善と宅地の利用増進のために,民法では認められている契約の自由をイロイロ制限するのが土地区画整理法だ,ということ。


法令上の制限については,「細かい数字の暗記が大変だ!」というのが受験予備校や受験者の間での常識でした。
過去問題を見ると,確かに細かい数字を知らないと手に負えないものも有りました。
ゴロ合わせがブームになった理由でも有ります。
しかし,国家試験で余り細かい数字を出題することは「受験者の負担をイタズラに増大させ,丸暗記主義を助長するだけではないか?」ということが試験委員の会議でも,4〜5年前に問題になりました。
そこで特に平成14年度から,法令上の制限での出題傾向の見直しが積極的に行われ,以前のような重箱の隅を突付くような数字は姿を消しました。
この傾向は平成18年度まで続いています。平成19年度も踏襲されるでしょう。
したがって,法令上の制限の勉強でゴロ合わせがブームになった時代は,「はるか遠くに去った」と考えたほうがいいです。
法令上の制限でも,勉強の中心はやっぱり理解です!


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