宅建試験合格講座掲示板・過去ログ
[9534] 素朴な質問 投稿者:悩める独学者 投稿日:2005/08/01(Mon) 11:05
16年法改正で 短期建物賃借人は 競落人に対して (たとえ賃借権が登記のあるものでも)対抗できず 6ヶ月の猶予が与えられるにすぎないと ありますが
(1)抵当権設定前の賃貸借は対抗できるのでしょうか
(2)悪意の占拠者対策との主旨だそうですが 一般の善良な賃貸者おもこれによって排除されるとしたら 不条理なことと思うのですが ここら辺りの 判例がありましたら 教えてもらいたいのですが
[9534へのレス] 無題 投稿者:モッコリみち 投稿日:8/1-17:02
短期賃貸借制度の廃止などを定めた「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」が平成15年7月25日に成立(8月1日公布)し、平成16年4月1日から施行されることとなっています。
短期賃貸借制度は、「抵当権が設定されている物件について、賃借人が短期(建物の場合は3年以内、土地の場合は5年以内)の賃貸借契約を締結した場合、その抵当権が実行され物件が競売落札された(物件の所有権が買受人に移転)後でも、賃借人は買受人(競落人)に対し残存契約期間の賃借や敷金返還請求ができるもの」ですが、今回の法律改正により、賃借人は買受人に対し、それらの主張ができなくなります。
この法律改正は、短期賃貸借制度が、(1)競売不動産の買受人から不当な立退料を得ることなどを狙った執行妨害の手段として、しばしば濫用されていること、(2)競売手続の途中で賃借期間が満了した賃借人は全く保護が受けられないなど、賃借人保護の制度としても合理的でないことを理由とするものです。
短期賃貸借制度が廃止され、新たに建物の明渡猶予制度が導入されます。
新しい明渡猶予制度では、抵当権が設定されている建物の賃借人は、その賃借期間の長短などに関係なく、その抵当権が実行されて家主が代わった場合であっても、新たな家主の買受け後6ヶ月間は、そのまま建物に居住できることになります。この猶予期間中は買受人に賃料相当額を支払うことになりますが、その支払いを1ヶ月以上怠った場合には猶予期間そのものが認められなくなります。また、新しい明渡猶予制度では買受人に対する敷金返還請求はできなくなります。(元の家主に敷金返還を請求することは可能です。
なお、抵当権が設定されている建物や土地を借りる場合でも、その前に登記された全ての抵当権者が同意し、その同意が登記されたときは、当該抵当権者や買受人に契約期間終了時又は更新期間終了時までの賃借や敷金返還請求ができます。
このように、短期賃貸借制度の廃止により、賃借している物件に抵当権が設定されている(多くの場合、抵当権が設定されています)場合、賃借人の立ち退きや敷金返還について、従来の取り扱いが大きく変わることになります。
この法律が施行される前から短期賃貸借契約を結んでいる場合(この法律の施行後に更新されたものを含みます。)は、引き続き短期賃貸借としての保護(新たな家主に対して契約期間終了時又は更新期間終了時までの賃借や敷金返還請求が可能)を受けることはできますが、明渡猶予制度は適用されません。
これに対し、この法律が施行された後に新規の建物賃貸借契約を結んだ場合には、短期賃貸借としての保護を受けることはできませんが、新しい明渡猶予制度が適用されることになります。
[9534へのレス] 無題 投稿者:エンジン 神埼 投稿日:8/1-17:06
、「短期賃貸借保護制度廃止」というニュースを聞いたことがありますか?多分、一般の方はあまりご存知ないかもしれませんが、賃貸業界ではひとつの動きとして最近話題になっています。
今年、民法の一部改正を求める案が懸案され、成立しました。
今回は、ちょっと業界の人向け(?)かもしれませんが、この話題についてお届けします。
さて、この長〜い名前の「短期賃貸借保護制度廃止」。いったいどんなことなのでしょうか?
● 「短期賃貸借の保護制度」って何?
簡単に言えば、借りている土地や建物が持ち主の都合で競売にかけられ、持ち主が変わったとしても短期の賃貸借契約なら借り手が前の持ち主とした契約を保護する制度のこと。建物の場合は、期間を3年以内とする賃貸借契約が「短期」となり保護されます。
ちょっと難しく言うと、これまでの民法では、抵当権の設定登記がされる前に借りる部分の引渡しあるいは賃借権の登記を受けていないと、抵当権が実行されてしまいました。
抵当権が実行されれば建物が競売にかけられ、新しい所有者が落札したら、賃貸契約は引き継がれず、借り手は明渡し要求に応じなければならないのです。しかも、新しい所有者に敷金や保証金の返還も一切してもらえないのです。
でも、それじゃあ借り主にとってはあんまりだ!ということで、一定の期間の賃貸借契約に限って賃貸借契約の存続を認める、としたのが「短期賃貸借契約の保護制度」なのです。
[9534へのレス] 無題 投稿者: 投稿日:8/1-17:08
● なぜこの制度が廃止になるの?
なぜ、この制度が廃止になるのかといえば、この制度を悪用する人がいたから。
いわゆる「占有屋」と呼ばれる人たちで、競売を妨害する目的で、競売にかけられる直前にその物件と短期賃貸借契約を結び、法外な立退き料を請求するという行為を起こしているのです。そうなると、今大問題となっている不良債権処理が進まず、また占有屋を排除するという目的から、この制度の廃止が決定しました。
● 廃止でどうなる?
現在、建築されている建物のほとんどは、その建築資金を金融機関からの借り入れて建築されています。ということは、当然土地や建物には完成と同時に抵当権の設定登記がなされています。
この制度が廃止になると、抵当権の設定登記後に入居する人は、競売(抵当権)が実行されれば明渡しに応じなければならず、結局入居者がツライ立場に置かれてしまうことになります。
そこで、同制度に代わり賃借人の保護措置として、落札後の明渡し猶予期間が6ヶ月と定められました。
[9534へのレス] 無題 投稿者:神崎敏郎 投稿日:8/1-17:53
ご注意
民法395条が改正され、平成16年4月1日から、不動産競売において、短期賃貸借人の権利は弱くなりました。
ここに書いてあることは旧制度(平成16年3月31日までに締結された短期賃貸借契約)の場合です。新制度、平成16年4月1日以降に締結された短期賃貸借契約 の場合は違います。
相談:不動産
建物を借りています。貸主が銀行からの借入れの返済を怠り、建物が差押えられ、競売になりました。
借主は、引続き借りていることができますか。契約終了の場合、敷金は返してもらえますか。契約は2年で、契約書もあります。
弁護士の回答
差押前に建物を借りていた場合の優劣(差押さえ後の賃借人は保護されません)
抵当権者と短期賃借人の優劣は、抵当権の登記と賃貸借契約に基づく引渡しの、先、後で決まります。抵当権の設定登記が、引渡しより早ければ、建物買受人からの明渡し請求では、買受人が勝ちます。買受人は賃借人に対して、明渡し請求できます。
抵当権の設定登記が、引渡しより遅ければ、建物買受人からの明渡し請求では、賃借人が勝ちます。買受人は賃借人に対し明渡し請求できません。
賃借人が勝った場合の、敷金返還義務( 保証金の返還義務 は別)は、買受人に引き継がれます。賃借人は買受人に対して敷金の返還請求ができます。
抵当権設定後の短期賃貸借人に対する引渡命令
引渡命令が認められる(肯定)か、否(否定)かは、次のとおりになります。
引渡命令が否定された場合は買受人は賃貸借が付いた建物を取得します。賃借人にとっては、期間の定めのない契約にすると、有利ですね。
自分の権利の優劣を知り、買受人と交渉してください。
@肯定:認められる A平成8年改正法で認められる B否定
抵当権と併用の短期賃貸借 差押後に期間満了した短期賃貸借
(従前は、判例が下記の通り、肯定、否定にわかれていた) 期限の定めのない賃貸借
権利濫用的短期賃貸借 期間の定めがあるが、期間が満了していない賃貸借
差押後の短期賃貸借
注意 短期賃貸借とは、建物の場合、期間が3年以内の賃貸借契約です。建物の場合、期間の定めのない賃貸借契約も入ります(民法602条)。
短期賃貸借が差押前に期間満了し、法定更新した場合はB(期間の定めない賃貸借)に当たります。
短期賃貸借が差押前に期間満了し、契約更新した場合は、そのときに期間を決めれば、期間の定めある短期賃貸借、期間が決めていない場合はBに当たります。
関連相談
裁判所の競売に入札しようと考えています。入居者がいますが、立ち退かせることができますか。
回答
競売で 不動産を買う 場合は、上記基準で、引渡命令が出るか、チェックしてください。
判例
肯定:平成元年5月31日大阪高裁決定:
民法三九五条により抵当権者に対抗しうる建物の短期賃貸借の期間が、抵当権実行による差押えの効力発生後代金納付前に満了した場合に、右賃借人に対して引渡命令を発することができる(判例時報1321号131頁)。
否定:昭和62年8月24日東京高裁決定:
差押えの効力発生前の短期賃借権がその効力発生後、代金納付前に期間満了により契約更新された場合、不動産引渡命令を発することができるない(判例時報1250号48頁)。
民法第602条〔短期賃貸借〕 処分ノ能力又ハ権限ヲ有セサル者カ賃貸借ヲ為ス場合ニ於テハ其賃貸借ハ左ノ期間ヲ超ユルコトヲ得ス。
一 樹木ノ栽植又ハ伐採ヲ目的トスル山林ノ賃貸借ハ十年
二 其他ノ土地ノ賃貸借ハ五年
三 建物ノ賃貸借ハ三年
四 動産ノ賃貸借ハ六个月
現行:民事執行法第83条(引渡命令) 1 執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
2 買受人は、代金を納付した日から六月を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
3 執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
4 第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
5 第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
[9534へのレス] 無題 投稿者:個人の利益より企業が優先 投稿日:8/2-12:29
不良債権を処理し易くする為に新設された。
なお、賃貸者はその競売者に対して、あらかじめ預けた敷金等の返却も請求できないので..。
借りる者も自己責任が必要となる時代ですから...。早めに自らの力で取得することが最大の対抗手段です。
[9534へのレス] 無題 投稿者:悩める独学者 投稿日:8/2-18:17
丁寧な書き込みに感謝します よく理解できました。皆さんの知識には感服 。。。それにしても貴方達は一体何者(失礼)なんでしょうねぇ
[9534へのレス] 無題 投稿者:悩める独学者 さんへ 投稿日:8/2-23:43
民法は結論だけを覚えていても、ちょっとひねって出題されると、引っかかりますので、このように制定の背景から理解して覚える必要があります。
[9534へのレス] 無題 投稿者:神崎敏郎 投稿日:8/3-10:28
かるくヤバイ
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