宅建試験・過去問解説集 その他の分野・平成10年

presented by 宅建倶楽部

※省略されている問題(解説)があります。

平成10年[問 26] 登録免許税

住宅用家屋の所有権の保存登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の適用に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)この税率の軽減措置は,従業員の社宅として新築した住宅用家屋について法人が受ける登記には適用されない。
(2)この税率の軽減措置は,既にこの税率の軽減措置の適用を受けたことのある者が受ける登記には適用されない。
(3)この税率の軽減措置は,鉄筋コンクリート造の住宅用家屋の登記にのみ適用があり,木造の住宅用家屋の登記には適用されない。
(4)この税率の軽減措置は,その登記を受ける年分の合計所得金額が 3,000万円超である個人が受ける登記には適用されない。

 

平成10年[問 26] 解説

(1)正しい。住宅用家屋の所有権の保存登記に係る登録免許税の税率の軽減措置とは,「個人」が,新築の住宅用家屋の所有権の保存の登記を受ける場合の登録免許税の標準税率(4/1,000)が,一定の場合に 1.5/1,000に軽減される,という措置だ。したがって,法人が受ける登記には適用されない。
(2)誤り。この新築の住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減措置は,個人が,次の2ツの要件を満たせば適用される。
  @床面積が50u以上であること
  A新築後または購入後1年以内に登記すること
したがって,既にこの税率の軽減措置の適用を受けたことのある者が受ける登記でも適用される。
(3)誤り。この税率の軽減措置は,住宅の構造を問わず適用される。
(4)誤り。この税率の軽減措置は,その登記を受ける年分の合計所得金額が 3,000万円を超える個人についても適用される。所得税の住宅ローン控除と混同しないこと。

 正解(1)


平成10年[問 27] 所得税

個人が今年中に今年1月1日において所有期間が11年である土地を譲渡した場合の譲渡所得の課税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)土地が収用事業のために買い取られた場合において,収用交換等の場合の 5,000 万円特別控除の適用を受けるときでも,特別控除後の譲渡益について優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる。
(2)土地が収用事業のために買い取られた場合において,収用交換等の場合の5,000 万円特別控除の適用を受けるときでも,その土地が居住用財産に該当するなど所定の要件を満たせば,特別控除後の譲渡益について居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる。
(3)その土地が居住用財産に該当するなど所定の要件を満たせば,前々年に特定の居住用財産の買換えの場合の課税の特例の適用を受けているときでも,居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円特別控除の適用を受けることができる。
(4)その土地が居住用財産に該当する場合であっても,居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円特別控除の適用を受けるときは,特別控除後の譲渡益について居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができない。

 

平成10年[問 27] 解説

(1)誤り。収用交換等の場合の特別控除( 5,000万円)と優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の軽減税率の特例(2,000 万円までの部分10%,2,000 万円を超える部分15%)は,重複して適用されない。
(2)正しい。収用交換等の場合の特別控除(5,000 万円)と所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(6,000 万円までの部分10%,6,000 万円を超える部分15%)は,重複して適用される。
(3)誤り。譲渡した年(今年)の前年(去年)または前々年(おととし)において,居住用財産の買換えの場合の課税の特例の適用を受けているときは,居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円特別控除の適用を受けることができない。
(4)誤り。居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円特別控除と所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(6,000 万円までの部分10%,6,000 万円を超える部分15%)は,重複して適用される。

 正解(2)


平成10年[問 28] 不動産取得税

不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)不動産取得税は、不動産の取得に対し、当該不動産の所在する市町村において、当該不動産の取得者に課せられる。
(2)宅地の取得に係る不動産取得税の課税標準は、当該取得が今年中に行われた場合には、当該宅地の価格の3分の2の額とされる。
(3)不動産取得税の標準税率は100分の4であるが、住宅を取得した場合の不動産取得税の標準税率は100分の1.4である。
(4)今年取得された床面積240uの新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の算定については、当該新築住宅の価格から1,200万円が控除される。

  正解(4)

平成10年[問 29] 不動産の鑑定評価

不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)取引事例比較法における取引事例としては、特殊事情のある事例でもその具体的な状況が判明しており、補正できるものであれば採用することができるが、投機的取引であると認められる事例は採用できない。
(2)土地についての原価法の適用において、宅地造成直後と価格時点とを比較し公共施設の整備等による環境の変化が価格水準に影響を与えていると認められる場合は、熟成度として地域要因の変化の程度に応じた増加額を加算できる。
(3)原価法では価格時点における対象不動産の再調達原価を求める必要があるため、建設資材、工法等の変遷により対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合には、鑑定評価に当たって原価法を適用することはできない。
(4)収益還元法は、学校、公園等公共又は公益の目的に供されている不動産でその収益の把握が困難なものについては適用すべきではないが、自用の住宅地については賃貸を想定することにより適用できる。


平成10年[問 29] 解説

(1)正しい。取引事例比較法は、自分と似たような所ではいくらで取引されたかを求める方法なので、投機的取引であると認められる事例を用いることは、正常な価格の算出を困難にするので、禁止される。
(2)正しい。本肢は原価法における再調達原価を求める方法の話だ。土地についての再調達原価は、その素材となる土地の標準的な取得価格に当該土地の標準的な造成費と発注者が直接負担すべき通常の付帯費を加算して求めるのが、原則だ。でも、その後に公共施設の整備等によって環境が良くなったときは、良くなった分(熟成度として地域要因の変化の程度に応じた増加額)を、加算して再調達原価を求めることができる、というのが本肢だ。
(3)誤り。建設資材、工法等の変遷により対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合でも、原価法を適用できなくなるわけではない。このような場合は、対象不動産と同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(これを置換原価という)を、再調達原価とみなすことになっている。なお置換原価は、発注者が請負者に対して支払う標準的な造成費と発注者が直接負担すべき通常の付帯費を加算して求める。
(4)正しい。収益還元法は自分の所がいくらのタマゴ(賃料)を生み出す可能性があるかを求める方法だ。賃貸用不動産等に限らず、自用の住宅地についても、それを賃貸していくらの賃料が生み出されるかを想定することは、充分可能なので、収益還元法は、自用の住宅地の価格を求める場合にも適用される。

  正解(3)

平成10年[問 46] 不動産の統計

宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)平成20年3月に公表された地価公示(国土交通省)によれば,平成19年1年間の地価の概況は,商業地については,三大都市圏,地方圏とも,わずかながら下落幅が拡大した。
(2)土地白書によれば,全国の売買による土地の所有権移転登記の件数は,平成14年から平成18年まで毎年,前年比で増加を続けている。
(3)住宅着工統計(国土交通省)によれば,平成19年の新設住宅着工戸数は,115万戸台で前年比約2.5パーセントの減少となっている。
(4)平成19年3月末現在で指定流通機構に登録されている物件情報の総数は,約55万件となっている。

 

平成10年[問 46] 解説

(1)誤り。平成19年1年間の地価の概況(平成20年地価公示)は,商業地については,「三大都市」では「上昇幅が拡大」し,「地方圏」では「下落幅が縮小」した。
具体的には,
  ・三大都市圏の商業地…8.9%上昇(平成18年)→10.4%上昇(平成19年)
  ・地方圏の商業地………2.8%下落(平成18年)→ 1.4%下落(平成19年)
(2)誤り。売買による土地取引件数(売買による土地の所有権移転登記の件数)は,昭和48年の351万件をピークに長期的には減少傾向にある。最近では,平成14年160万件,平成15年161万件,平成16年160万件,平成17年158万件,平成18年155万件になっている。したがって,「平成14年から平成18年まで毎年,前年比で増加を続けている」という表現はウソ。
(3)誤り。平成19年の新設住宅着工戸数は約「106万」だ。前年の平成18年は約129万戸だったので,平成19年の新設住宅着工戸数は,前年比約「17.8%の減少」だ。
(4)正しい。平成19年3月末現在で指定流通機構に登録されている物件情報の総数は,55万2千件だ。
なお,平成18年度(平成18年4月〜平成19年3月)1年間の新規登録件数は311万件だが,これと混同しないこと。平成19年3月末の「年度末時点での未成約物件が約55万件残っていた」ということだ。

 正解(4)


平成10年[問 47] 省略


平成10年[問 48] 建物の知識

木造建築物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)枠組壁工法は、木材で組まれた枠組みに構造用合板等を釘打ちした壁及び床により構造体が形成される。
(2)建築物の設計においては、クリープ(一定過重のもとで時間の経過とともに歪みが増大する現象)を考慮する必要がある。
(3)建築物に用いる木材は、気乾状態に比べて湿潤状態の方が強度が大きくなるが、湿潤状態では、しろあり等の虫害や腐朽菌の害を受けやすい。
(4)鉄筋コンクリート造の布基礎とすれば、耐震性を向上させることができる。


平成10年[問 48] 解説

(1)正しい。枠組壁工法とはツーバイフォー工法のことだ。ツーバイフォーは、木材で組まれた枠組みに構造用合板等を釘打ちした壁及び床により構造体が形成される。
(2)正しい。建築物の設計において、一定過重のもとで時間の経過とともに歪みが増大する現象を考慮する必要があるのは、当然だ。
(3)誤り。木材は、気乾状態(空気が乾燥している状態)に比べて湿潤状態(湿っている状態)の方が強度が『小さくなる』。ヨーロッパの著名なバイオリニストやギタリストは、日本での演奏会に名器を持って来るのをいやがるというが、わが国は湿気が多く、木材強度が小さくなり楽器が壊れやすいからだ。なお、湿潤状態では、しろあり等の虫害や腐朽菌の害を受けやすい、という記述は正しい。
(4)正しい。木造建築物の基礎は、コンクリート造の布(ぬの)基礎とするのが、原則である。耐震性を図るためだ。単なるコンクリート造でなく、鉄筋コンクート造の布基礎とすれば、より耐震性を向上させることができる。

  正解(3)

平成10年[問 49] 景品表示法

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)分譲共同住宅の広告について、広告スペースの関係からすべての住宅の価格を表示することが困難であるときは、最低価格、最高価格、最多価格帯及びそれらの戸数が表示してあれば、不当表示となることはない。
(2)建築基準法第42条に規定する道路に適法に接していない宅地を販売するときは、「道路位置指定無」と表示していれば、「再建築不可」又は「建築不可」の表示をしていなくても、不当表示となることはない。
(3)売約済みの物件の広告を行い、顧客に対しては別の物件を勧めたとしても、売約済みの物件が実際に存在するのであれば、不当表示となることはない。
(4)窓その他の開口部が建築基準法第28条(居室の採光及び換気)の規定に適合しない納戸について、その床面積が一定規模以上であるときは、居室として表示しても、不当表示となることはない。


平成10年[問 49] 解説

(1)正しい。公正競争規約によれば、『すべての住戸の価格を示すことが困難であるときは,新築分譲住宅及び新築分譲マンションの価格については,1戸当たりの最低価格,最高価格及び最多価格並びにその価格帯に属する住宅又は住戸の戸数を表示すること』になっている。(1)はこの要件を満たしているから,不当表示となるおそれはない。
(2)誤り。公正競争規約によれば、『建築基準法(42条)に規定する道路に2m以上接していない土地については「再建築不可または建築不可」と表示すること』になっている。従って、「道路位置指定無」と表示したのでは、不当表示となるおそれがある。
(3)誤り。公正競争規約では、『おとり広告を禁止する』。実際には取引する意思がないと認められる不動産について、取引できると誤認されるおそれのある表示をすることは、おとり広告となる。本肢の場合は、売約済みの物件を広告しているので、これに該当する。
(4)誤り。公正競争規約によれば,『採光及び換気のための窓その他の開口部の面積の,その部屋の床面積に対する割合が,建築基準法の規定に適合しないため,同法において居室と認められない納戸その他の部分については,その旨を「納戸」等と表示しなければならない』になっている。その床面積の広さに関係ない。

  正解(1)

平成10年[問 50] 宅地の知識

土地に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)近年、洪水氾濫危険区域図、土砂災害危険区域図等災害時に危険性があると予想される区域を表示した図書が一般に公表されており、これらは安全な宅地を選定するための資料として有益である。
(2)自然斜面は、地層分布、土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので、特にのり高の大きい切土を行う際は、のり面の安定性の検討をする必要がある。
(3)都市内の中小河川の氾濫被害が多発している原因としては、急速な都市化・宅地化に伴う流出形態の変化によって、降雨時に雨水が時間をかけて河川に流れ込むことがあげられる。
(4)崩壊跡地は、微地形的には馬蹄形状の凹地形を示すことが多く、また地下水位が高いため竹などの好湿性の植物が繁茂することが多い。


平成10年[問 50] 解説

(1)正しい。近年、洪水氾濫危険区域図、土砂災害危険区域図等災害時に危険性があると予想される区域を表示した図書が、市役所等によって、一般に公表されている。これらの図書は、台風などによって洪水や土砂災害の危険がせまった時の素早い避難に最も効果を発揮するが、安全な宅地を選定するための資料としても有益性がある。
(2)正しい。自然斜面(自然にできた斜面)は、地層分布、土質等が複雑かつ不均一なことが多いため、地盤の強さが場所により異なりやすい。だから、のり高の大きい切土を行う際は、のり面(斜面)の安定性の検討をする必要がある。
(3)誤り。都市内の中小河川の氾濫被害が多発している原因は、急速な都市化・宅地化に伴う流出形態の変化にある。つまり、昔は雨水が土にしみこんだが、舗装道路が増えた現在では土にしみこまず都市内の中小河川に流れ込む、という流出形態の変化だ。従って、降雨時には雨水が『時間をかけずに急速に』河川に流れ込むようになるので、都市内の中小河川の氾濫被害が多発するのだ。雨水が「時間をかけて」河川に流れ込む、という表現が誤り。
(4)正しい。崩壊跡地は、微地形的には(地形を細かく観察すると)馬蹄形状の凹地形を示すことが多い。また、崩壊跡地は地下水位が高いことも多い(崩れた後だから低くなっているので)。だから、好湿性の植物が繁茂することが多い。竹は好湿性の植物だ。

  正解(3)


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