宅建試験・過去問解説集 その他の分野・平成8年

presented by 宅建倶楽部

※省略されている問題(解説)があります。

平成8年[問 1] 宅地の知識

土地に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)扇状地については、大縮尺の地形図や空中写真によって、土石流や洪水流の危険度をある程度判別できることが多い。
(2)崖錐堆積物は、一般的に透水性が低く、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい。
(3)自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として良好な土地であることが多い。
(4)旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき、軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく、宅地には不適当であることが多い。


平成8年[問 1] 解説

(1)正しい。宅地選定の資料の1ツとしてあるのが、大縮尺の地形図だ。特に国土地理院の2万5千分の1の地図は、日本全国をカバーし、崖や凹地の詳しい表示もあるので、災害(土石流や洪水流)に対し、そこが危険な宅地かどうかをある程度判別できる。この国土地理院の地図を作成する元になったものが、空中写真だ。誰でも実費で買える。従って、本肢の記述は正しい。
(2)誤り。崖錐堆積物とは、崩壊転落してきた岩片などが、がけや急斜面の下の部分に円錐上にたまったものだ。このように崖錐堆積物は崩壊転落してきた岩片などだから、角張っており、そのために一般的に『透水性が高い』。つまり、崖錐堆積物は水を通しやすい。なお、「崖錐堆積物は……基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい」という記述は正しい。
(3)正しい。自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もある。だから、宅地として良好な土地であることが多い。
(4)正しい。旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなることが多い。このような場合は、軟弱地盤となるので地盤の支持力が小さい。だから、宅地には不適当であることが多い。

正解(2)


平成8年[問 22] 建物の知識

木造建築物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)木材の繊維方向に直交する方向の圧縮の材料強度は、繊維方向の圧縮の材料強度よりも大きい。
(2)木造建築物の構造設計用の荷重として、地震力より風圧力の方が大きく設定される場合がある。
(3)木造建築物の耐震性を向上させるには、軸組に筋かいを入れるほか、合板を打ち付ける方法がある。
(4)木造建築物において、地震力の大きさは、*見付面積の大きさより屋根の重さに大きく影響を受ける。
*見付面積とは、建築物の張り間方向又はけた行方向の鉛直投影面積で、立面図に見える面積に相当する。

  正解(1)

平成8年[問 28] 所得税

居住用財産を譲渡した場合における譲渡所得の所得税の課税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超える居住用財産を譲渡した場合には,居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる。
(2)譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合であっても,居住用財産の譲渡所得の 3,000万円特別控除の適用を受けるときには,居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることはできない。
(3)居住用財産を譲渡した場合に,その譲渡所得が短期譲渡所得の課税の特例の適用を受けるものであるときには,居住用財産の 3,000万円特別控除の適用を受けることはできない。
(4)居住用財産を譲渡した場合に,特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用を受けるときには,居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることはできない。

 

平成8年[問 28] 解説

(1)誤り。居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例( 6,000万円までの部分10%, 6,000万円を超える部分15%)の適用を受けることができるのは,譲渡した年の1月1日において所有期間が「10年を超える」居住用財産を譲渡した場合だ。
(2)誤り。居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例と居住用財産の譲渡所得の特別控除(3 ,000万円)は,重複して適用される。
(3)誤り。居住用財産の譲渡所得の特別控除は,短期譲渡所得であっても適用される。
(4)正しい。居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例と居住用財産の買換えの特例(特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例)は,重複して適用されない。

 正解(4)


平成8年[問 29] 省略


平成8年[問 30] 不動産取得税

不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)宅地の取得に係る不動産取得税の課税標準は、当該取得が今年中に行われた場合には、当該宅地の価格の 1/2の額とされる。
(2)不動産取得税の標準税率は5/100であるが、住宅を取得した場合の不動産取得税の税率は3/100である。
(3)不動産取得税は、相続、贈与、交換及び法人の合併により不動産を取得した場合には課せられない。
(4)不動産取得税の免税点は、土地の取得にあっては30万円、家屋の取得のうち建築に係るものにあっては一戸につき23万円、その他の家屋の取得にあっては一戸につき12万円である。

正解(1)


平成8年[問 31] 景品表示法

不当景品類及び不当表示防止法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)宅地建物取引業者が、傾斜地の割合が30パーセント以上の土地を販売する際、住宅の建築に影響を及ぼさないときには、新聞折込ビラに傾斜地を含む旨を表示しなくても、不当表示となるおそれはない。
(2)宅地建物取引業者が、実際には存在しない物件について、新聞折込ビラで広告をしても、広告の物件と同程度の物件を準備しておれば、不当表示となるおそれはない。
(3)宅地建物取引業者が、未完成である建物を販売する際、新聞折込ビラに写真に写される部分の規模、形質が同一の他の建物の内部写真を用いても、その写真が他の建物のものである旨を,写真に接する位置に明示すれば,不当表示となるおそれはない。
(4)宅地建物取引業者が、建築後1年経過している建物を販売する際、未使用であれば、新聞折込ビラで「新築」と表示しても、不当表示となるおそれはない。


平成8年[問 31] 解説

(1)誤り。公正競争規約によれば、『傾斜地を含む土地で、傾斜地の割合がおおむね30%以上の場合や、傾斜地を含むことにより土地の有効利用が著しく阻害される場合は、傾斜地を含む旨およびその面積を表示すること』になっている。従って、傾斜地の割合が30%以上の場合は、住宅の建築に影響を及ぼさなくても(土地の有効利用が著しく阻害されなくても)、傾斜地を含む旨およびその面積を表示しないと、不当表示となるおそれがある。
(2)誤り。公正競争規約では、『おとり広告を禁止する』。実際には存在しない不動産について、取引できると誤認されるおそれのある表示は、おとり広告になる。広告と同程度の物件を準備していても同じだ。
(3)正しい。公正競争規約によれば、『取引しようとする建物が工事完了前(未完成)』の場合は,他の建物の写真を用いることができる。この場合,建物の内部写真は,『写真に写される部分の規模,形質等が同一のもの』について『その写真が他の建物のものである旨を,写真に接する位置に明示すれば』,用いることができる。従って(3)は不当表示となるおそれはない。
(4)誤り。公正競争規約によれば、『新築という文言は、建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものであるという意味で用いること』になっている。従って、未使用でも建築後1年経過しているものを「新築」と表示することは、不当表示となるおそれがある。

  正解(3)

平成8年[問 32] 省略


平成8年[問 33] 地価公示法

地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)都市及びその周辺の地域において土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を規準として取引を行わなければならない。
(2)標準地の正常な価格は、土地鑑定委員会が各標準地について2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って判定される。
(3)標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額の平均を求めることにより行われる。
(4)標準地の正常な価格とは、当該土地に建物がある場合にはその建物が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいうので、標準地の利用の現況は、官報で公示すべき事項に含まれていない。


平成8年[問 33] 解説

(1)誤り。都市及びその周辺の地域において土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を『指標』として取引を行うよう努めなければならない。
(2)正しい。公示価格を求める前提として、土地鑑定委員会は、各標準地について2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めることになっているが、その結果をそのまま信じるのではなく、審査し必要な調整を行って、公示価格が判定される。
(3)誤り。標準地の鑑定評価を行うに当たっては……
@近傍類地の取引価格から算定される推定の価格(取引事例比較法によった比準価格)
A近傍類地の地代等から算定される推定の価格(収益還元法によった収益価格)
B同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額(原価法によった積算価格)
の3ツを『勘案して行わなければならない』。標準地の鑑定評価は、その3ツの平均を求めることにより行うのではない。
(4)誤り。確かに、標準地の正常な価格は、その土地に建物がある場合にはその建物が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいう。だからと言って、「標準地の利用の現況が官報で公示すべき事項に含まれていない」という理屈は成り立たない。官報で公示すべき事項には標準地の利用の現況(標準地の利用状況)が含まれている。

  正解(2)

平成8年[問 34] 不動産の統計

宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)平成20年3月に公表された地価公示(国土交通省)によれば,平成19年1年間の地価の概況は,三大都市圏において住宅地,商業地はともに下落しており,地方圏において住宅地は横ばい,商業地はわずかな上昇となっている。
(2)住宅着工統計(国土交通省)によれば,平成19年1年間の新設住宅着工戸数は,貸家,分譲住宅ともに対前年比でわずかに増加している。
(3)土地白書によれば,年間の売買による土地取引件数(売買による土地の所有権移転登記の件数)は,平成14年から平成18年は,155万件から160万件の間を推移している。
(4)平成18年度における指定流通機構の売り物件の物件種類別新規登録件数は,土地が最も少なくなっている。

 

平成8年[問 34] 解説

(1)誤り。平成19年1年間の地価の概況(平成20年地価公示)は,「三大都市圏」は,住宅地・商業地ともに「上昇」した。具体的には,住宅地は4.3%上昇,商業地は10.4%上昇だ。「地方圏」は,住宅地,商業地ともに「下落」した。具体的には,住宅地は1.8%下落,商業地は1.4%下落だ。
(2)誤り。平成19年の新設住宅着工戸数は,貸家,分譲住宅ともに,対前年比でマイナスとなった。
貸家は対前年比で18.7%減少,分譲住宅は22.3%減少だ。
(3)正しい。年間の売買による土地取引件数は,
  ・平成11年…172万件   ・平成12年…170万件
  ・平成13年…164万件   ・平成14年…160万件
  ・平成15年…161万件   ・平成16年…160万件
  ・平成17年…158万件   ・平成18年…155万件
だ。したがって,「平成14年から平成18年は,155万件から160万件の間を推移している」と言える。
(4)誤り。平成18年度の売り物件の物件種類別新規登録件数は,一戸建住宅,土地,マンションの順に多かった。したがって,「土地が最も少なくなっている」とは言えない。

 正解(3)