宅建試験・過去問解説集 法令上の制限・平成13年
presented by 宅建倶楽部
※省略されている問題(解説)があります。
平成13年[問 16] 国土利用計画法
国土利用計画法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)監視区域内において一定規模以上の面積の土地売買等の契約を締結した場合には,契約締結後2週間以内に届出をしなければならない。
(2)市町村長は,当該市町村の区域のうち,国土交通大臣が定める基準に該当し,地価の上昇によって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域を,期間を定めて,注視区域として指定することができる。
(3)監視区域内において国土利用計画法の規定に違反して必要な届出をせず,土地売買等の契約を締結した場合には,6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。
(4)注視区域内においては,都道府県の規則で定める面積以上の土地売買等の契約を締結する場合に届出が必要である。
平成13年[問 16] 解説
(1)誤り。監視区域とは,地価が急激に上昇しまたは上昇するおそれがあり,これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域だ。監視区域での一定規模以上の面積(知事が都道府県の規則で定める面積以上)の土地売買契約などは,「事前届出制」の対象になる。事前届出制とは,「契約締結前に」届け出ることだ。「契約締結後2週間以内」に届出をするのは事後届出制であり,監視区域では適用されない。
(2)誤り。注視区域を指定できるのは,市町村長ではなく「知事」だ。知事は,その都道府県の区域のうち,国土交通大臣が定める基準に該当し,地価の上昇によって適正・合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域を,期間を定めて,注視区域として指定できる。
(3)正しい。(1)で述べたように,監視区域での一定規模以上の土地売買契約などは,「事前届出制」の対象になるが,無視して,必要な届出をしなかった場合は,罰則が課せられる。その内容は,6月以下の懲役又は100万円以下の罰金だ。
(4)誤り。「都道府県の規則で定める面積以上」の土地売買契約などを締結する場合に届出が必要なのは,監視区域だ。
注視区域では,そこが都市計画法の
・市街化区域内なら……………………………………2,000u以上の一団の土地
・市街化調整区域内または非未線引区域内なら……5,000u以上の一団の土地
・都市計画区域外(準都市計画区域を含む)なら…10,000u以上の一団の土地
の場合に,届出が必要となる。
例えば、そこが注視区域で,しかも都市計画法上の市街化区域内でもある場合は,2,000u以上の一団の土地取引が,そこでの届出対象面積になるということだ。
正解(3)
平成13年[問 17] 都市計画の種類
都市計画法に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)用途地域に関する都市計画には,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を定めることとされている。
(2)第一種低層住居専用地域に関する都市計画には,建築物の高さの限度を定めることとされている。
(3)第二種中高層住居専用地域に関する都市計画には,建築物の高さの最高限度及び最低限度を定めることとされている。
(4)特定街区に関する都市計画には,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることとされている。
正解(3)
平成13年[問 18] 省略
平成13年[問 19] 開発許可
都市計画法の開発許可に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)開発許可申請書には,予定建築物の用途のほか,その構造,設備及び予定建築価額を記載しなければならない。
(2)開発許可の申請は,自己が所有している土地についてのみ行うことができる。
(3)開発許可を受けた開発区域内の土地においては,開発工事完了の公告があるまでの間は,原則として,建築物を建築することができない。
(4)開発許可処分については,開発審査会の裁決を経ることなく,常に直接その取消しの訴えを提起することができる。
平成13年[問 19] 解説
(1)誤り。開発許可を受けようとする者は,申請書を提出しなければならないが,その申請書には「開発区域の位置・規模・予定建築物の用途」を記載する。予定建築物の構造,設備,予定価格などは記載しないでよい。そもそも開発許可は無秩序な開発を防止するためのものであり,建築物の中身(予定建築物の構造,設備)や目に見えない部分(予定価格)は,無秩序な開発防止とは関係ないからだ。
(2)誤り。無秩序な開発を防止するためには,例えば,借地権者が行う開発行為に対してもお上が目を通す必要がある。したがって,開発許可の申請は,自分が所有している土地についてだけ行える,などとは言えない。借りている土地でも,そこで開発行為を行おうとするときは,むしろ開発許可を申請しなければならない。
(3)正しい。開発許可を受けた土地は,工事着手→工事完了→工事完了届→検査→検査済証交付→工事完了公告と,手続きが進んで行く。お上の工事完了公告があって,はじめて法律上も出来上がったと言える。だから,工事完了公告があるまでの間は,原則として,建築物を建築できないことになっている。
(4)誤り。「開発許可に関するお上の処分」とは,例えば,開発許可をしないという決定だ。これに不服がある者は,裁判所に訴え(裁判)を起こせるのが,わが国の法制度だ。ところで,裁判官は法律の専門家とはいっても,開発許可に関係する事項について,その事実を完全に調査する能力までは持ち合わせていない。そこで,知事等が行った決定に不服がある者は,「開発審査会の審査を経た後でなければ」,その決定を取り消す訴えを起こせないようになっている。開発審査会が事実関係を調査した方が丸く収まる,ということだ。
正解(3)
平成13年[問 20] 防火・準防火地域
防火地域又は準防火地域に関する次の記述のうち,建築基準法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)防火地域内において,延べ面積が50uの平屋建の附属建築物で,外壁及び軒裏が防火構造のものは,必ず耐火建築物としなければならない。
(2)準防火地域内にある木造建築物の外壁及びその軒裏で延焼のおそれのある部分は,防火構造としなければならない。
(3)建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては,その全部について準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
(4)防火地域又は準防火地域以外においても,建築物の高さが15mを超える建築物は,必ず耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。
平成13年[問 20] 解説
(1)誤り。防火地域では,延べ面積が100uを超え,または3階以上の建築物は,耐火建築物にする必要があり,それ以外の建築物は,耐火建築物または準耐火建築物にする必要がある。ただし,防火地域でも,延べ面積が50u以内の平家建ての附属建築物で,外壁および軒裏が防火構造のものは,上の制限がない。したがって,(1)の附属建築物(物置)は木造でもかまわない。
(2)正しい。準防火地域内にある木造建築物等ついては,次のような制限がある。
@その外壁および軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とする必要がある。
A@に附属する高さ2mを超える門または塀で,その門または塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該
当する部分を,不燃材料で造り,又はおおう必要がある。
本肢は@のことを言っている。
(3)誤り。建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合は,その全部について,「厳しい方の防火地域に関する規定」が適用される。運が悪い人がいて,自宅を新築するときに,敷地の半分が防火地域,残り半分が準防火地域にあったとする。その人は,全部について防火地域の定めに違反しないように建築しろ,ということだ。火事関係は国民の生命身体の安全に直結するから厳しくしているのだ。
(4)誤り。耐火建築物又は準耐火建築物としなければならないのは,「防火地域または準防火地域内」にある建築物で,かつ,「一定の階数以上」の建築物に限られる。防火地域では,3階以上は耐火建築物,それ以外は耐火または準耐火建築物とする決まりがある。準防火地域では,4階以上は耐火建築物,3階建ては耐火または準耐火建築物とする決まりがある。しかし,防火地域または準防火地域内「外」にある建築物については,階数ないし高さ(メートル数)によって,耐火または準耐火建築物とするような決まりはない。
正解(2)
平成13年[問 21] 複合問題(建築基準法)
建築基準法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)幅員4m未満の道路は,建築物の敷地と道路との関係において,道路とみなされることはない。
(2)第一種低層住居専用地域内においては,高さが10mを超える建築物を建築できる場合はない。
(3)建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は,都市計画において定められた数値以下でありさえすればよい。
(4)商業地域内で,かつ,防火地域内にある耐火建築物については,建築面積の敷地面積に対する割合の制限を受けない。
正解(4)
平成13年[問 22] 土地区画整理法
土地区画整理法における土地区画整理事業に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)施行者が,道路法にいう道路の用に供する土地を,道路管理者の了解を得ることなく造成した場合でも,当該道路管理者は,施行者に対して,その造成費用の全部を支払わなければならない。
(2)施行者は,仮換地の指定を行うに当たっては,従前の宅地について抵当権を有する者に対して,仮換地について仮にその目的となるべき宅地又はその部分を指定しなければならない。
(3)換地処分があった場合,従前の宅地に存した未登記及び未申告の借地権は,その公告があった日が終了した時において消滅し,従前の宅地とみなされる換地について存続することはない。
(4)土地区画整理組合が成立した場合において,施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者はすべて組合員となるが,施行地区内の借家人は組合員とはならない。
平成13年[問 22] 解説
(1)誤り。(1)は,重要な公共施設である道路の造成を目的とする土地区画整理事業と思われる。このような土地区画整理事業では,施行者は,その道路管理者に対して費用の負担を求めることができることになっている(土地区画整理法120条1項)。もっとも,施行者が費用の負担を求めるには,あらかじめ,その道路管理者と協議し,負担させる額を事業計画で定めておく必要がある(土地区画整理法120条2項)。したがって,施行者が勝手に造成した道路の造成費については,道路管理者がその全部を支払う必要はないと解釈できる(どのくらい支払うかは,民法の不当利得の解釈によるだろう)。世間に余りよい解説がないので,この解説の説得力を増すため,あえて条文を持ち出さざるを得なかった。
(2)誤り。仮換地の指定は,施行者が,従前の宅地を「使用・収益できる権利を有する者(所有者,借地権者など)」に対して,仮換地の位置などを「通知する」ことで行われる。したがって,抵当権者には通知しないでよい。なぜなら,抵当権者には従前の宅地を「使用・収益できる権利」がないからだ。「抵当権者には抵当にとった土地の利用権(使用収益権)がない!」という点は,民法の基本的な知識。
(3)誤り。個人以外の者が土地区画整理事業を施行するときは,施行地区内の宅地に未登記の借地権を有する者は,その借地権を,施行者に申告し又は届け出る必要がある。そこで,未登記の借地権を有する者が申告又は届出を怠ったときは,個人以外の施行者は,その借地権が存しないものとみなして,換地処分ができることになっている。もっとも,未登記の借地権が当然に消滅するわけではない。そのような権利でも,施行者によって換地が定められれば,存続して,換地に引き継がれる。
(4)正しい。土地区画整理組合が設立されると,施行地区内の宅地について所有権または借地権を有する者は,すべて(組合に加入したいと言わなくても)その土地区画整理組合の組合員とされる。でないと土地区画整理事業の統制が取れないからだ。なお,土地区画整理事業を施行する地区内のアパートに住んでいるような者(借家権を有する者)は,入れ替わりが激しいので,組合員になることはない。
正解(4)
平成13年[問 23] 農地法
農地法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)現況は農地であるが,土地登記簿上の地目が「山林」である土地を住宅建設の目的で取得する場合には,農地法第5条の許可を要しない。
(2)農地法第3条又は第5条の許可を要する農地の権利移転について,これらの許可を受けないでした行為は,その効力を生じない。
(3)市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には,あらかじめ農業委員会に届け出れば,農地法第3条の許可を要しない。
(4)農地法第4条の許可を受けた農地について,転用工事に着手する前に同一の転用目的で第三者にその所有権を移転する場合には,改めて農地法第5条の許可を要しない。
平成13年[問 23] 解説
(1)誤り。農地を転用目的で権利移動する(農地を住宅建設の目的で取得する)には5条許可が必要だ。ところで,農地法の「農地」かどうかは,現況(現在の状態)で判断する。だから,地目(ちもく)(登記簿上の土地の主な利用目的)が山林になっていても,現在の状態が農地であれば,農地法の「農地」と言える。したがって,(1)は5条許可を受けなければならない。
(2)正しい。農地法上必要な許可(3条許可または5条許可)を受けないで売買などの権利移動をした場合は、その権利移動は「効力を生じない」(無効だ)。例えば,3条許可を要するのに受けないで農地を売買した場合,買主はその農地の所有権を取得できない,ということだ。
(3)誤り。(3)は,農地を耕作目的で権利移動(取得)する場合なので,3条許可の話になる。4条許可(転用するときの許可)や5条許可(転用目的で権利移動するときの許可)の場合は,それが「市街化区域内の農地」なら,あらかじめ農業委員会に届け出れば、許可を受ける必要がないという特例がある。この特例を「市街化区域内特例」という。市街化区域内の農地は農業生産力が高いとはいえず,転用関係の規制(4条許可・5条許可)を緩め,農業委員会への届出でよい,とする合理的理由があるからだ。しかし、3条許可の話では市街化区域内特例はない。3条許可は耕作者の地位の安定を図る(お百姓さんの耕やす権利を保護する)のが目的であり,だとすると,市街化区域内の農地であるか市街化区域外の農地であるかによって,結論を違える理由がないからだ。駅前の農地を所有する農家だって,その地位の安定を強化すべきであり,農業委員会への届出でよい,というように規制を緩めることには合理的な理由がないのだ。
(4)誤り。4条許可は「転用するとき」の許可だから,許可申請に対して,お上は,その農地転用(たんぼをつぶすこと)が妥当かどうかを判断する。それに対して,5条許可は「転用目的で権利移動するとき」の許可だから,お上は,その農地転用が妥当かどうか以外に,権利移動の相手方が誰かについても目を通す必要がある。したがって,すでに4条許可を受けた農地でも,「転用目的で権利移動するとき」は改めて5条許可を受けなければならない。小(お上が転用についてだけ目を通す)は大(お上が転用+権利移動について目を通す)を兼ねないからだ!
なお,すでに5条許可を受けた農地について,自分で「転用するとき」は,改めて4条許可を受ける必要がないことと比較しておくとよい。この場合は,大(お上が転用+権利移動について目を通す)は小(お上が転用についてだけ目を通す)を兼ねるからだ。
正解(2)
平成13年[問 24] その他の法令制限
次の記述のうち誤っているものはどれか。
(1)宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の請負人は,工事に着手する前に,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
(2)生産緑地法によれば,生産緑地地区内において建築物の新築,改築又は増築を行おうとする者は,原則として市町村長の許可を受けなければならない。
(3)河川法によれば,河川保全区域内において工作物の新築又は改築をしようとする者は,原則として河川管理者の許可を受けなければならない。
(4)流通業務市街地の整備に関する法律によれば,流通業務地区において住宅を建設しようとする者は,原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
平成13年[問 24] 解説
(1)誤り。宅地造成等規制法によれば,宅地造成工事規制区域内で行われる宅地造成工事の「造成主」は,工事を始める前に,原則として知事の許可を受けなければならない。許可を受けなければならないのは工事の請負人ではなく,造成主だ。
造成主とは, @工事の請負契約の注文者 A請負契約によらないで自ら工事をする者..のどちらかを指す。
要するに「オーナー」のことだが,自分が素人なら@,土建屋ならAが,造成主ということだ。
(2)正しい。法令制限に関する法律では,建物などを建てようとしたり土地をイジロウとする者は,それが自分の物でも「知事の許可」を得るのが原則だ。他人に影響を及ぼすからだ。ただし,知事以外のお上の目を通した方が合理的な場合は知事許可にはならない。(2)〜(4)は,原則通り知事の許可か,そうはならないか,その区別を聞いている。
生産緑地法によれば,生産緑地地区内で建物などを建てようとする者は,原則として「市町村長の許可」を受けなければならない。生産緑地というのは,市街化区域内の農地等について,計画的な保全を図るために定める場所(都市計画法による都市計画の一種でもある)だが,農地の保全を図るかどうかは,知事より地元レベルで(市町村長に)決めさせた方が,計画のキメ細かさが期待できるからだ。
(3)正しい。河川法によれば,河川保全区域内(河川敷など)で建物など(工作物)を建てようとする者は,原則として「河川管理者の許可」を受けなければならない。河川には,一級河川・二級河川・準用河川があり,それぞれ国土交通大臣・知事・市町村長が管理者になる。このように河川と一口に言ってもイロイロあるので,「知事の許可」では大雑把すぎる。だから「河川管理者の許可」と表現するのだ。
(4)正しい。流通業務市街地の整備に関する法律によれば,流通業務地区で建物などを建てようとする者は,原則として「知事の許可」を受けなければならない。流通業務地区というのは,トラックターミナル,鉄道の貨物駅,卸売市場など,流通機能の向上のために定める場所(都市計画法による都市計画の一種でもある)だが,こういう場所をどのように扱うかは,地元レベル(市町村長)より知事に決めさせた方が,妥当な解決が得られる。流通機能は広域的見地(都道府県単位)を無視できないからだ。そこで本肢では,原則通り知事の許可が必要になる。
正解(1)
平成13年[問 25] 省略
MAP 資格 行政書士 社会保険労務士 FP 宅建 マンション管理士 管理業務主任者 行政書士試験 資格人生 行政書士久留米市 相続遺言 相続相談 遺言 遺産相続 保証人 公的融資 公正証書 法務会計研究会 SEO対策