宅建試験・過去問解説集 宅建業法・平成13年

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※省略されている問題(解説)があります。

平成13年[問 30] 宅建業者の意味(免許がいるか)

次の記述のうち,宅地建物取引業法の免許を受ける必要のないものはどれか。

(1)建設業法による建設業の許可を受けているAが,建築請負契約に付帯して取り決めた約束を履行するため,建築した共同住宅の売買のあっせんを反復継続して行う場合
(2)地主Bが,都市計画法の用途地域内の所有地を,駐車場用地2区画,資材置場1区画,園芸用地3区画に分割したうえで,これらを別々に売却する場合
(3)地主Cが,その所有地に自らマンションを建設した後,それを入居希望者に賃貸し,そのマンションの管理をCが行う場合
(4)農家Dが,その所有する農地を宅地に転用し,全体を25区画に造成した後,宅地建物取引業者Eに販売代理を依頼して分譲する場合


平成13年[問 30] 解説

宅地または建物の「取引」「業」をする者は,免許を受ける必要がある。

(1)免許を受ける必要がある。Aが行うマンションの売買のあっせんは,「売買の媒介」または「売買の代理」に当たるので,「取引」をしていると言える。繰り返し何回も行うことは「業」として行っている。だから,Aは免許を受ける必要がある。
(2)免許を受ける必要がある。用途地域内の土地は「宅地」だ。Bの行為は,宅地の「売買」に当たるので,「取引」をしていると言える。3区画に分割したうえで,これらを別々に売ることは反復性があるので「業」として行っている。だから,Bは免許を受ける必要がある。
(3)免許を受ける必要がない。マンションの建設や管理は「取引」に当たらない。宅建業法上の取引とは,売買契約・交換契約・貸借契約(賃貸借契約または使用貸借契約)の,どれかに携わることを意味するからだ。ところで,Cが自分のマンションを入居希望者に賃貸する行為は,貸借契約(賃貸借契約)に携わる行為だが,「取引」には当たらない。もし,自分名義で貸借に携わる行為(自ら貸借)を取引に含めると,自分でアパート・マンションを経営するにも免許がいることになり,町の大家さんはアパート・マンションを経営できなくなるからだ。結局Cは,「取引」に当たる行為を何もしていないから,免許を受ける必要がない。
(4)免許を受ける必要がある。Dの行為は,宅地の「売買」に当たるので,「取引」をしていると言える。宅建業者に販売代理を依頼しても,実際に売っているのはDなので,Dの行為は自分名義で売買に携わる行為(自ら売買)に当たるからだ。25区画に造成したうえで,これらを分譲することは,反復性があるので「業」として行っている。だから,Dは免許を受ける必要がある。

正解(3)


平成13年[問 31] 取引主任者(一般)

宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に規定する取引主任者に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)都道府県知事は,宅地建物取引主任者資格試験を不正の手段で受験したため合格決定が取り消された者について,同試験の受験を以後5年間禁止する措置をすることができる。
(2)宅地建物取引主任者資格試験に合格した者でも,3年間以上の実務経験を有しなければ,法第18条第1項の登録を受けることができない。
(3)甲県内に所在する事務所の専任の取引主任者は,甲県知事による法第18条第1項の登録を受けている者でなければならない。
(4)宅地建物取引主任者証を滅失した取引主任者は,宅地建物取引主任者証の再交付を受けるまで,法第35条の規定による重要事項の説明をすることができない。


平成13年[問 31] 解説

(1)誤り。宅建試験を不正手段で受験した者は,合格決定が取り消されるのが当然だろう。この場合,知事は,受験を以後「3年間」禁止する措置がとれる。5年間の禁止措置ではない。
(2)誤り。取引主任者になるための登録を受けるには,「2年間以上」の実務経験がなければならないのが,原則だ。3年間以上の実務経験ではない。なお,2年以上の実務経験がない者でも,一定の実務講習を終了すれば,2年以上の実務経験がある,とみなされる。
(3)誤り。取引主任者は,自分が登録している都道府県以外でも,取引主任者としてすべき事務を行える。だから,甲県内にある事務所の専任の取引主任者が,甲県知事による登録を受けている者である必要はない。神奈川県にある事務所の専任の取引主任者は,沖縄県知事の登録を受けた者でもイイということだ。
(4)正しい。主任者証を亡くした取引主任者は,主任者証の再交付を受けることができるが,それまでは,取引主任者としてすべき事務を行えない。なぜなら,取引主任者は,取引関係者からの請求があれば主任者証を提示する(見せる)必要があり,重要事項を説明する時は,取引関係者からの請求がなくても,主任者証を提示しなければならないからだ。

  正解(4)

平成13年[問 32] 取引主任者(一般)

宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に規定する取引主任者に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)取引主任者は,法第35条の規定による重要事項の説明をするときに,その相手方から要求がなければ,宅地建物取引主任者証の提示はしなくてもよい。
(2)宅地建物取引業者は,10戸以上の一団の建物を分譲するために案内所を設置し,当該案内所において契約締結を行うときは,1名以上の成年者である専任の取引主任者を置かなければならない。
(3)取引主任者は,取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受けたときは,2週間以内に,宅地建物取引主任者証をその処分を行った都道府県知事に提出しなければならない。
(4)取引主任者は,法第18条第1項の登録を受けた後に他の都道府県知事にその登録を移転したときには,移転前の都道府県知事から交付を受けた宅地建物取引主任者証を用いて引き続き業務を行うことができる。

  正解(2)

平成13年[問 33] 担保(営業保証金)

宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)営業保証金の供託は,必ず,主たる事務所のもよりの供託所に金銭を供託する方法によらなければならない。
(2)新たに宅地建物取引業を営もうとする者は,営業保証金を供託所に供託した後に,国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。
(3)宅地建物取引業者は,営業保証金の還付が行われ,営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは,通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ,業務停止の処分を受けることがあるが,免許取消しの処分を受けることはない。
(4)宅地建物取引業者との取引により生じた債権であっても,内装業者の内装工事代金債権については,当該内装業者は,営業継続中の宅地建物取引業者が供託している営業保証金について,その弁済を受ける権利を有しない。


平成13年[問 33] 解説

(1)誤り。「営業保証金の供託は,必ず,本店のもよりの供託所に…しなければならない」という点では,(1)は正しい。しかし営業保証金は,国債証券や地方債証券(例:東京都債券)等の,国土交通省令で定める有価証券でも供託できる。金銭でなくても供託できるわけだ。
(2)誤り。順番が逆だ。新しく宅建業を営もうとするなら,まず最初に,大臣又は知事の免許を受け,それから営業保証金を供託所に供託する,という順番になる。
(3)誤り。営業保証金の還付とは,宅建業者が倒産して,お客さんから預ったお金を返せなくなった場合などに,お客さんが,営業保証金から弁償してもらうことだ。営業保証金の還付が行われ,営業保証金が政令で定める額(本店1,000万円,支店1ヶ所500万円の合計額)に不足することになったときは,免許を与えたお上が通知書を送り,宅建業者は,その通知書の送付を受けた日から2週間以内に,その不足額を供託しなければならない。これを怠ると,業務停止処分を受けることがある。
ところで,このように業務停止処分の事由(理由)に当たった場合,情状が特に重い(情状酌量の余地がない。つまりスゴク悪い)と,いきなり免許取消処分になる。だから,(3)のように「免許取消処分を受けることはない」と言い切ることは出来ない。
(4)正しい。営業保証金から弁償(還付)してもらえる権利があるのは,宅建業者と「宅建業に関する取引」をした者,つまり不動産屋さんのお客さんだ。いくら宅建業者からお金をもらえる権利があるとしても,内装業者は,その意味では不動産屋さんのお客さんじゃない(取引先にすぎない)から,たとえ宅建業者が倒産しても,営業保証金からは弁償(還付)してもらえない。

  正解(4)

平成13年[問 34] 契約前の規制(一般)

宅地建物取引業者が,その業務に関して行う次の行為のうち,宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。

ア 都市計画法による市街化調整区域内の土地について,「近々,市街化区域と市街化調整区域との区分(線引き)を定めることが都道府県の義務でなくなる。」と記載し,当該土地について,すぐにでも市街化区域に変更されるがごとく表示して広告すること
イ 定期建物賃貸借を媒介する場合に,宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明において,期間の定めがない旨の説明を行うこと
ウ 建築に関する工事の完了前において,建築基準法第6条第1項の確認を受ける必要のある建物について,その確認の申請後,確認を受ける前に,当該確認を受けることができるのは確実である旨表示して,当該建物の分譲の広告をすること
エ 競売開始決定がなされた自己の所有に属しない宅地について,裁判所による競売の公告がなされた後,入札前に,自ら売主として宅地建物取引業者でない者と当該宅地の売買契約を締結すること

(1)一つ
(2)二つ
(3)三つ
(4)四つ


平成13年[問 34] 解説

ア 違反する。ウソおおげさな広告を禁止する,宅建業法の規定(定め)に違反する。宅建業法は,宅地建物の「将来の利用の制限」について,ウソおおげさな広告を禁止しているが,アのような広告はこれに当たる。都市計画法によれば,市街化調整区域という所では,ふつう家が建てられないからだ。アのような広告は,お客さんに,すぐにでも家を建てられると誤解を与える(将来の利用の制限がないと思わせる)のだ。
イ 違反する。宅建業者は,その業務に関して,相手方等に対して,次のいずれかに該当する事項について,故意に事実を告げず,または不実のことを告げる行為をしてはならない。
@供託所等の説明義務の内容
A重要事項の種類 
B37条書面の記載事項
Cその他,取引条件や宅建業者等の資力・信用に関する事項であって,相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの
本肢は,上のAについて,不実のことを告げる行為をしたことになる。
ウ 違反する。広告を開始する時期を制限する,宅建業法の規定に違反する。工事完了前(つまり未完成)の建物の広告は,建築確認等のお上のお墨付きがないと,まだ出来ない。いくら建築確認を受けることができるのは確実であるとしても,まだ「建築確認の申請後,確認を受ける前」の段階なのだから,お上のお墨付きがないことに変わりない。ウのような広告は,広告を開始する時期に制限に反する。
エ 違反する。自己の所有に属しない物件の売買を禁止する,宅建業法の規定に違反する。宅建業者が自ら売主となり,かつ,買主が宅建業者でないときは,素人の買主を保護するため,「売主業者がまだ所有権を取得していない宅地建物」は売るな,というのが自己の所有に属しない物件の売買禁止だ。エの場合は,裁判所でオークションが開始されることが決定したと言っても,まだオークションが開かれたわけでもなく,物件は売主業者の所有になっていない。

結局ア〜エの4つとも宅建業法に違反するので,正解は(4)になる。

  正解(4)

平成13年[問 35] 契約後の規制(37条書面の交付義務)

宅地建物取引業者Aは,宅地の売買を媒介し,契約が成立した場合,宅地建物取引業法第37条の規定により,その契約の各当事者に書面を交付しなければならないが,次の事項のうち,当該書面に記載しなくてもよいものはどれか。

(1)代金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは,その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
(2)当該宅地上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記記録の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあっては,その名称)
(3)損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは,その内容
(4)当該宅地に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは,その内容


平成13年[問 35] 解説

宅建業者が,宅地建物の売買を媒介(紹介)し,契約が成立した場合には,その契約の大切な部分を37条書面に必ず記載しなければならないが,具体的には次の12個の事項だ。
@当事者の氏名・住所
A宅地建物を特定するために必要な表示
B代金の額,ならびに支払時期・支払方法
C宅地建物の引渡し時期
D移転登記の申請時期
E代金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは,その額,その金銭の授受の時期・目的
F契約の解除に関する定めがあるときは,その内容
G損害賠償の予定または違約金に関する定めがあるときは,その内容
H代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがあるときは,その内容,そのあっせんによる金銭の貸借が成立しないときの措置
I天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは,その内容
J宅地建物の瑕疵を担保すべき責任,または,その責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置について定めがあるときは,その内容
K宅地建物の租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは,その内容

(1)37条書面に記載しなければならない。
上のEに当たる。売買契約では,必ず「代金以外の金銭」が授受されるとは限らないが,売主と買主の間で代金以外の金銭の授受を定めをした以上,それは契約の大切な部分になるから(一般に金額が大きい!),37条書面の記載事項となるのだ。
(2)37条書面に記載しなくてもよい。
これは「物件の上に存在する登記された権利の種類・内容など」のことだが,このような事項は,契約が成立する「前」に,すでに重要事項説明書(35条書面)に記載して説明することが義務付けられている。「物件の上に存在する登記された権利の種類・内容など」は,これから契約するかどうかを決める重要な判断材料になるので,契約が成立する「前」に35条書面に記載することであり,契約が成立した「後」に37条書面に記載しても遅いのだ。そもそも37条書面は,契約が成立した「後」に,お客さんに交付する書面だ。
(3)37条書面に記載しなければならない。
上のGに当たる。売買契約では,必ず「損害賠償の予定または違約金に関する定め」がされるとは限らないが,売主と買主の間で,約束を破ったときのお金について定めた以上,それは契約の大切な部分になるから,37条書面の記載事項となるのだ。
(4)37条書面に記載しなければならない。
上のKに当たる。売買契約では,必ず「租税その他の公課の負担に関する定め」がされるとは限らないが,売主と買主の間で,その宅地に関する税金をどっち負担するかを定めた以上,それは契約の大切な部分になるから,37条書面の記載事項となるのだ。

  正解(2)

平成13年[問 36] 契約前の規制(重要事項の説明義務)

宅地建物取引業者が,マンションの1戸の賃貸借の媒介を行うに際し,宅地建物取引業法第35条の規定による重要事項の説明を行った。この場合,次の記述のうち,同条の規定に違反しないものはどれか。

(1)マンションの所有者についての登記名義人は説明したが,当該マンションに係る登記されている抵当権については説明しなかった。
(2)敷金の額については説明したが,その敷金をどのように精算するかについては説明しなかった。
(3)建物の区分所有等に関する法律に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(その案を含む。)がなかったので,そのことについては説明しなかった。
(4)マンションの管理の委託を受けている法人については,その商号又は名称は説明したが,その主たる事務所の所在地については説明しなかった。

  正解(3)

平成13年[問 37] 複合問題

宅地建物取引業者Aは,Bから住宅用地の購入について依頼を受け媒介契約を締結していたところ,古い空き家が建った土地(甲地)を見つけ,甲地の所有者とBとの売買契約を締結させ,又はさせようとしている。この場合,宅地建物取引業法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1)Aは,Bが住宅の建設を急いでおり更地の取得を希望していることを知っていた場合でも,空き家について登記がされていないときは,Bに対して空き家が存する事実を告げる必要はない。
(2)甲地が都市計画法による第二種低層住居専用地域に指定されている場合で,その制限について宅地建物取引業法第35条の規定による重要事項の説明をするとき,Aは,Bに対して,低層の住宅が建築できることを告げれば足りる。
(3)AがBに対して,甲地の現況を説明しようとする場合,Aが甲地の地中の埋設管の有無について土地利用状況の経歴,関係者への照会等の調査を実施したが判明せず,埋設管の無いことを断定するためには掘削その他の特別の調査が必要であるときは,Aは,その旨を告げれば足りる。
(4)Bが甲地を取得し,自ら古い空き家を除去するつもりである場合で,媒介契約に特別の定めがないとき,Aは,Bが甲地を取得した後も,その空家の除去が完成するまでは,媒介報酬の支払を請求することはできない。

  正解(3)

平成13年[問 38] 契約前の規制(媒介契約の規制)

宅地建物取引業者Aが,BからB所有の土地付建物の売却の媒介を依頼され,媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。

(1)AB間で媒介契約が締結されたときは,Aは遅滞なく宅地建物取引業法第34条の2の規定に基づく媒介契約の内容を記載した書面を作成し,記名押印して,Bに交付しなければならない。
(2)AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合,Aは契約の相手方を探すため,当該物件につき必要な事項を,媒介契約締結の日から休業日数を除き7日以内(専属専任媒介契約の場合は5日以内)に指定流通機構に登録しなければならない。
(3)Aが当該物件を売買すべき価額に対して意見を述べるときは,Bに対してその根拠を明らかにしなければならない。
(4)AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合,その有効期間の満了に際して,Bからの更新の申出がなくても,その有効期間を自動的に更新するためには,当該契約の締結時にあらかじめBの承諾を得ておかなければならない。


平成13年[問 38] 解説

(1)正しい。宅建業者は,高額な物件を紹介する仕事なのに,昔は,口約束で処理することが多かった。それではお客さんの保護にならない。そこで宅建業法は,媒介契約を締結した宅建業者は,遅れることなく,媒介契約の内容(依頼された内容)を記載した書面を作成し,記名しハンコを押して,依頼者(B)に交付しなければならないことにした。「媒介契約の規制」とは,一言で言うと,このような制度だ。
(2)正しい。専任媒介契約とは,依頼したお客さんが,他の宅建業者に重ねて同じ物件の媒介等を依頼できないタイプの媒介契約だ。お客さんの浮気を禁止するのが専任媒介契約と言える。お客さんとしては,依頼した宅建業者の情報量次第で,早く買主を見つけることが出来る。そこで宅建業法は,「専任媒介契約の場合は,契約の相手方を探すため,その物件について必要な事項を,媒介契約締結の日から休業日数を除いて7日以内(専属専任媒介契約の場合は5日以内)に,大臣が指定した物件情報センターに登録しなければならない」としている。
なお専属専任媒介契約とは,専任媒介契約の一種だが,お客さんの浮気を禁止するばかりか,「お客さんが自分で相手方を探してくることも禁止する」タイプを言う。
(3)正しい。宅建業者は,お客さんから依頼された物件の値段に意見を述べるときは,お客さんに,根拠を明らかにしなければならない。「勘で物を言ってはダメ」ということだ。例えば,お客さんの希望価格は3,000万円だが,2,500万円でしか売れないと判断した場合は,科学的な根拠をお客さんに示し,勘や経験だけでお客さんを言いくるめてはダメだ。
(4)誤り。専任媒介契約を結んだお客さんは,依頼した宅建業者の情報量次第で,早く買主を見つけることが出来る。言い換えれば,宅建業者の腕が悪ければ,いつまで経っても相手を見つけられない。そこで宅建業法は,専任媒介契約については,有効期間が終了しても,その有効期間を「自動更新」することを許していない。専任媒介契約の有効期間を更新するには,「有効期間の終了に際して,改めて依頼者の承諾がある」ことを必要としている。

  正解(4)

平成13年[問 39] 複合問題

宅地建物取引業者が,宅地又は建物の売買の媒介に際して相手方に交付する必要のある書面に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,この問において,「重要事項説明書」又は「契約書面」とは,それぞれ同法第35条又は同法第37条の規定に基づく書面をいう。

(1)契約の解除については,特に定めをしなかったため,重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが,契約書面には記載しなかった。
(2)代金の額及びその支払の時期については,重要事項説明書に記載し内容を説明したが,契約書面には記載しなかった。
(3)宅地及び建物の引渡しの時期については,特に定めをしなかったため,重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが,契約書面には記載しなかった。
(4)移転登記の申請の時期については,特に定めをしなかったため,重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが,契約書面には記載しなかった。

  正解(1)

平成13年[問 40] 担保(保証協会)

宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に加入した場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)Aについて弁済業務保証金が還付された場合で,Aが,その還付された分に充当されるべき金額を,保証協会の通知を受けた日から2週間以内に保証協会に納付しないときは,保証協会の社員としての地位を失う。
(2)Aは,保証協会に加入したときは,その加入の日から2週間以内に,弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
(3)弁済業務保証金について弁済を受けることのできる権利を有する者には,Aがチラシの制作を依頼し,代金が未払である広告代理店も含まれる。
(4)弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者には,Aが保証協会の社員となる前にAと宅地建物の取引をした者は含まれない。


平成13年[問 40] 解説

(1)正しい。弁済業務保証金の還付とは,保証協会の会員(社員)である宅建業者が倒産して,お客さんから預ったお金を返せなくなった場合などに,お客さんが,弁済業務保証金から弁償してもらうことだ。詳しく言うと,弁済業務保証金の還付の手続きは,次の順番で行われる。
@最初に,お客さんが弁済業務保証金から弁償(還付)してもらう。
A次に,保証協会が,「2週間以内」に還付された額と同じ額の弁済業務保証金を,供託所に供託する必要がある。
Bそれから,保証協会が,社員または社員だった宅建業者に,還付された額と同じ額の還付充当金を,保証協会に納付しろと通知する必要がある。
C社員または社員だった宅建業者は,Bの通知を受けた日から「2週間以内」に通知された額と同じ額の還付充当金を,保証協会に納付する必要がある。
D社員である宅建業者は,Cの納付をしないと,社員の地位を失う。
(1)の問題文は,上の@CDを正しく表現している。なお「社員の地位を失う」とは,保証協会の会員を除名される,ということだ。
(2)誤り。順番が違う。保証協会に加入したいなら,まず最初に,弁済業務保証金にあてるための弁済業務保証金分担金(負担金)を保証協会に納付しなければならない。つまり,保証協会に「加入しようとする日までに」,負担金を保証協会に納付しなければならない。
(3)誤り。弁済業務保証金から弁償(還付)してもらえる権利があるのは,宅建業者と「宅建業に関する取引」をした者,つまり不動産屋さんのお客さんだ。
いくら宅建業者からお金をもらえる権利があるとしても,広告代理店は,その意味では不動産屋さんのお客さんではない(取引先にすぎない)から,たとえ宅建業者が倒産しても,弁済業務保証金から弁償(還付)してもらえない。
(4)誤り。弁済業務保証金から弁償してもらえる権利が有る者には,Aが保証協会の会員となる「前」に,Aと宅地建物の取引をした者が含まれる。なぜなら,保証協会の社員となった宅建業者は,営業保証金を供託していないので,昔のことについても保証協会の弁済業務保証金制度で面倒を見ないと,お客さんが保護されないからだ。

  正解(1)

平成13年[問 41] 自ら売主となり買主が非業者のときだけの規制

宅地建物取引業者Aは,自ら売主となって,宅地建物取引業者でない買主Bに,建築工事完了前のマンションを価格4,000万円で譲渡する契約を締結し,手付金300万円を受け取った。この場合,宅地建物取引業法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。なお,この問において「保全措置」とは,同法第41条第1項の規定による手付金等の保全措置をいう。

(1)Bが契約前に申込証拠金10万円を支払っている場合で,契約締結後,当該申込証拠金を代金に充当するときは,Aは,その申込証拠金についても保全措置を講ずる必要がある。
(2)Aが手付金について銀行との間に保全措置を講じている場合で,Aが資金繰りに困り工事の請負代金を支払うことができず,マンションの譲渡が不可能となったときには,Bは,手付金の全額の返還を当該銀行に請求できる。
(3)AB間の契約においては,「Aがマンションの引渡しができない場合には,当該手付金の全額を返還するので,Bの履行着手前にAが契約を解除してもBは損害賠償その他の金銭を請求しない」旨の特約をすることができる。
(4)Aは,手付金300万円を受け取ったのち,工事中にさらに中間金として100万円をBから受け取る場合は,当該中間金についても保全措置を講ずる必要がある。


平成13年[問 41] 解説

(1)正しい。工事完了「前」の物件について,宅建業者が,自分で売主となって,宅建業者でない者に売る場合は,受領しようとする「手付金等」の額が,代金額の5%(本問の場合は200万円)を超えるときは,「手付金等の全部」について(申込証拠金10万円+手付金300万円=310万円),保全措置(宅建業者が倒産してもお客さんに迷惑をかけない措置)を講じる必要がある。
なお,手付金等とは,売買契約の締結から物件の引渡しまでの間に,買主が売主に払うお金を指し,手付金の他に,本問の申込証拠金も含まれる。
(2)正しい。手付金等の保全措置は銀行との間で講じられることが多い。この場合,保全措置を依頼した宅建業者がお客さんに迷惑をかければ,銀行は,宅建業者が受領した手付金等の「全額」について,連帯保証人として弁償する義務を負うことになっている。したがって,Bは手付金の全額の返還をその銀行に請求できる。
(3)誤り。宅建業者が,自分で売主となって,宅建業者でない者に売る場合は,宅建業者が受領した手付金は「解約手付」になる。解約手付になった場合,Bが代金を準備する前に,売主である宅建業者Aの方から,契約を解除するには,受領した手付金の倍額(本問では600万円)を返還しなければならない,という決まりになっている。この決まりに反する特別の約束で,「買主に不利」なものは無効であり,することが出来ない。(3)の約束は,買主のBに不利だ。手付金全額の返還だけで我慢させるものだからだ。したがって,このような特別の約束は出来ない。
(4)正しい。(1)で述べたように,工事完了「前」の物件について,宅建業者が,自分で売主となって,宅建業者でない者に売る場合は,受領しようとする「手付金等」の額が,代金額の5%を超えるときは,「手付金等の全部」について,保全措置を講じる必要がある。ところで手付金等とは,売買契約の締結から物件の引渡しまでの間に,買主が売主に払うお金を指すから,(4)では手付金の他に,中間金(買主が手付金を支払った後で,物件の引渡しを受けるまでに支払う金銭)も含まれる。したがってAは,手付金300万円+中間金100万円=400万円の,「手付金等の全部」について,保全措置を講ずる必要がある。

  正解(3)

平成13年[問 42] 複合問題

宅地建物取引業者Aが,自ら売主となり,宅地建物取引業者Bと建物の売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。

(1)AがBから受け取る手付金の額が売買代金の2割を超える場合には,その手付金について宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じなければならない。
(2)買主Bも宅地建物取引業者であるので,AがBに対し手付金を貸し付けて契約の締結を誘引してもさしつかえない。
(3)売買予定の建物が,建築工事完了前の建物である場合には,Aは,建築基準法第6条第1項の確認の申請をすれば,Bと売買契約を締結することができる。
(4)AB間で,建物の譲渡価格について値引きをするかわりに,瑕疵(かし)担保責任の期間については,引渡しの日から6月間とする特約を結ぶ場合,この特約は有効である。

  正解(4)

平成13年[問 43] 複合問題

宅地建物取引業者Aが,自ら所有する土地を20区画の一団の宅地に造成し,これを分譲しようとしている。この場合,宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1)Aが,現地案内所を設置して,そこで法第35条の規定による重要事項の説明をさせようとするときには,その業務を行うのは,専任の取引主任者でなければならない。
(2)Aは,分譲の代理を,他の宅地建物取引業者Bに依頼した。Bは単独でその分譲のために現地案内所を設置したが,Aは,この案内所の場所について,法第50条第2項の規定による届出をしなければならない。
(3)Aは,現地案内所を設置して,そこで分譲を行おうとしているが,当該案内所には,法第50条第1項による国土交通省令で定める標識(宅地建物取引業者票)を掲げなければならない。
(4)Aが,法第15条第1項の規定により専任の取引主任者を置いて現地案内所を設置している場合に,当該案内所で買受けの申込みをした者は,申込みの日から起算して8日以内であれば,無条件で申込みの撤回をすることができる。

  正解(3)

平成13年[問 44] 自ら売主となり買主が非業者のときだけの規制

宅地建物取引業者でないAは,宅地建物取引業者Bに対し,Bが売主である宅地建物について,Aの自宅付近の喫茶店で,その買受けの申込みをした。この場合,宅地建物取引業法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1)Bは,申込みの撤回ができる旨及び撤回の方法の告知は書面で行う必要があるが,口頭で告知した2日後に書面を交付した場合,申込みの撤回が可能な期間の起算日は,口頭での告知のあった日である。
(2)Aは,申込みの撤回を書面により行う必要があり,その効力は,Aが申込みの撤回を行う旨の書面を発した時に生ずる。
(3)買受けの申込みに際して申込証拠金がAから支払われている場合で,Aが申込みの撤回を行ったとき,Bは,遅滞なくその全額をAに返還しなければならないが,申込みの撤回に伴う損害があった場合は,別途これをAに請求できる。
(4)申込みの撤回を行う前にAが売買代金の一部を支払い,かつ,引渡し日を決定した場合は,Aは申込みの撤回はできない。


平成13年[問 44] 解説

宅建業者(B)が,自分で売主となって,宅建業者でない者(A)と売買契約を結んだ場合,事務所なんかじゃない場所で買ってきたお客さんは,クーリングオフできる。衝動買いしたお客さんを救済する趣旨だ。

(1)誤り。お客さんがクーリングオフできるのは,クーリングオフできること,および,クーリングの方法を「宅建業者から書面で告げられた日」から数えて8日以内だ。したがって,「口頭で告げた2日後に書面を交付した場合」,クーリングオフが可能な期間(8日)を数えるのは,書面を交付した日からだ。口頭で告げた日からではない。
(2)正しい。お客さん(A)は,クーリングオフを書面により行う必要がある。そして,クーリングオフの効力が生じる時期は,Aがクーリングオフすることの書面を郵便局に出した時(書面を発信した時)だ。このように早めにクーリングオフの効力を認めることで,お客さんをより保護できる。なぜなら,宅建業者が夜逃げなどして書面が到達(到着)しなくても,クーリングオフしたことになるからだ。
(3)誤り。お客さんがクーリングオフした場合,宅建業者は,お客さんに損害賠償や違約金を請求できない。契約は解除できる(クーリングオフできる)が,金銭的な損害がお客さんに及ぶのでは,衝動買いしたお客さんを救済したことにならないからだ。
(4)誤り。お客さんが不動産の引渡しを受け,しかも,代金の全部を払ったときは,その時点でクーリングオフできなくなる。引渡しを受け,しかも,お金まで全額払ったということは,「よくよく考えてのこと」だから,もはや衝動買いしたとは言えないからだ。しかし,代金の一部を支払い,引渡し日を決定したくらいでは,まだ「よくよく考えてのこと」とは言えず衝動買いは治癒されない。したがって,Aはまだクーリングオフできる。

  正解(2)

平成13年[問 45] 省略


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