宅建試験・過去問解説集 宅建業法・平成11年
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※省略されている問題(解説)があります。
平成11年[問 30] 宅建業者の意味(免許がいるか)
宅地建物取引業の免許(以下「免許」という)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)Aが,用途地域内の自己所有の宅地を駐車場として整備し,その賃貸を業として行おうとする場合で,当該賃貸の契約を宅地建物取引業者の媒介により締結するとき,Aは免許を受ける必要はない。
(2)Bが,用途地域内の自己所有の農地について,道路を設けて区画割をし,その売却を業として行おうとする場合,Bは免許を受ける必要はない。
(3)Cが,甲県住宅供給公社が行う一団の建物の分譲について,その媒介を業として行おうとする場合,Cは免許を受ける必要はない。
(4)Dが,宅地建物取引業を営もうとする場合において,Dが信託業法の免許を受けた信託会社であるときは免許を受ける必要があるが,Dが信託業務を兼営する金融機関であるときは免許を受ける必要はない。
平成11年[問 30] 解説
(1)正しい。宅建業法が決める「取引」と「業」の,両方に当たる行いをする者は,免許を受ける必要がある。Aは,宅地を駐車場にして,賃貸を業として行おうとするのだから,「業」を行うと言える。でも,宅地を自分で貸借しても(その賃貸の契約を締結しても)宅建業法が決める「取引」を行うとは言えない。その賃貸の契約を宅建業者の媒介(紹介)で締結しても同じだ。だから,Aは免許を受ける必要がない。なお,自分で貸借しても宅建業法が決める「取引」にならないのは,宅建業法が宅地建物の取引をスムースにする目的を持つ法律だからだ。自分で貸借することを「取引」に含めると,自分でアパート・マンションを経営するにも免許がいることになり,町の大家さんはアパート・マンションを経営できなくなる。それでは,宅地建物の取引がスムースにならない(世の中にアパート・マンションを供給できない)というわけだ。
(2)誤り。用途地域内の農地は宅建業法が決める「宅地」になるが,Bは,これに道路を設けて区画割をし,その売却を業として行おうとするのだから,「業」を行うと言える。また,自分で売買するのだから,「取引」を行うともいえる。Bは,宅建業法が決める「取引」と「業」の,両方に当たる行いをすることになるから,免許を受ける必要がある。
(3)誤り。Cは,住宅供給公社が行う建物の分譲の媒介を業として行おうとするから,「業」を行うと言える。また,売買(分譲)を媒介するのだから,「取引」を行うともいえる。Cは,宅建業法が決める「取引」と「業」の,両方に当たる行いをすることになるから,免許を受ける必要がある。
(4)誤り。宅建業法が決める「取引」と「業」の,両方に当たる行いをすることになっても,「信託会社」や「信託業務を兼営する金融機関」は,特別の取扱いがされる。信託業法の免許を受けた信託会社(例:野村アセット・マネジメント)には,宅建業法の免許に関する規定が適用されないので,Dが信託会社であるときは免許を受ける必要がない。その意味で(4)は誤りだ。
信託業務を兼営する金融機関」(例:三井住友銀行等の普通の銀行)には,宅建業法の免許に関する規定が適用されるので,「Dが信託業務を兼営する金融機関であるときは免許を受ける必要はない」と言い切っている後段も誤りだ。
正解(1)
平成11年[問 31] 取引主任者(一般)
宅地建物取引主任者(以下「取引主任者」という)Aが,甲県知事から宅地建物取引主任者証(以下「取引主任者証」という)の交付を受けている場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)Aが,乙県知事に対し宅地建物取引主任者資格登録の移転の申請とともに取引主任者証の交付を申請したとき,Aは,乙県知事から新たな取引主任者証の交付を受けた後,1週間以内に甲県知事に従前の取引主任者証を返納しなければならない。
(2)Aが,乙県の区域内における業務に関して乙県知事から事務禁止の処分を受けたとき,Aは,1週間以内に乙県知事に取引主任者証を提出しなければならない。
(3)Aが,取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするとき,Aは,甲県知事が指定する講習で有効期間満了の日前1年以内に行われるものを受講しなければならない。
(4)Aが,甲県の区域内における業務に関して事務禁止の処分を受け,甲県知事に取引主任者証を提出した場合で,その処分の期間の満了後返還を請求したとき,甲県知事は,直ちに,取引主任者証をAに返還しなければならない。
平成11年[問 31] 解説
(1)誤り。登録の移転は,他の都道府県(乙県)の宅建業者で仕事をしたりするときに,できるものだ。登録の移転の申請は,他の都道府県の知事(乙県知事)にするが,その際,新しい主任者証(乙県知事が発行するもの)の交付を同時に申請できる。それが(1)の場面だ。この場合,Aは,乙県知事から新しい主任者証の交付を受けたら,「それと引き換えに,乙県知事に」,甲県知事が発行した古い主任者証を返さなければならない。(1)は,甲県知事に返せと言っているし,1週間以内に返せとも言っている。二重のウソをついている。
(2)誤り。事務禁止の処分というのは,主任者の名義貸しをするなど悪いことをした場合に受ける処分だ。現場の知事(乙県知事)もできる。そして,事務禁止の処分を受けた場合,その主任者は主任者証を,「速やかに」「交付を受けた知事(甲県知事)」に提出しなければならない。(2)は,乙県知事に提出しろと言っているし,1週間以内に提出しろとも言っている。やはり二重のウソをついている。
(3)誤り。主任者証の有効期間は5年と長いので,主任者の法律的知識などをリフレッシュするため,有効期間の更新をしてもらおうするとき(新しい主任者証の交付を申請するとき)は,知事が指定する講習を受講しなければならない。この講習はいつ行われるものでも良いというわけではなく,新しい主任者証の交付を「申請する前6ヶ月以内」に行われる講習でなければならない。
(4)正しい。事務禁止の処分を受けた場合,その主任者は主任者証を,速やかに交付を受けた知事(甲県知事)に提出しなければならないが,「提出」というのは返納と違って,主任者証を永久に返してしまうのではなく,一時的に知事に預けておくことを意味する。だから,知事は事務禁止の処分の期間が終わった後,主任者が返してと請求すれば,主任者証を返還しなければならない。返えす時期は,主任者の返還請求があったら「直ちに」だ。
正解(4)
平成11年[問 32] 監督処分
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。
(1)Aが,乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け,その指示に従わなかった場合,甲県知事は,Aに対し業務停止の処分をすることができる。
(2)Aが,乙県の区域内の業務に関し甲県知事から指示を受け,その指示に従わなかった場合,乙県知事は,Aに対し業務停止の処分をすることができる。
(3)Aが,乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け,その指示に従わなかった場合で,情状が特に重いときには,国土交通大臣は,Aの免許を取り消すことができる。
(4)Aが,乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受けた場合,甲県に備えられる宅地建物取引業者名簿には,その指示の年月日及び内容が記載される。
平成11年[問 32] 解説
(1)正しい。宅建業者に対する監督処分というのは,宅建業者が悪いことをした場合に,お上から受ける指示処分・業務停止処分・免許取消処分の3つの処分の総称だ。(1)は指示処分(お上が「ああしろ,こうしろと指示する処分」)の話だ。指示処分は「免許権者(Aに免許を与えた甲県知事)又は現場の知事(乙県知事)」ができる。そして,宅建業者が指示処分に従わないときは,業務停止処分(1年以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命じる処分)ができる。業務停止処分も指示処分と同じく,「免許権者又は現場の知事」ができる。だから,甲県知事はAに業務停止処分ができる。
(2)正しい。指示処分は「免許権者又は現場の知事」ができ,宅建業者が指示処分に従わないときは,業務停止処分ができる。そして,業務停止処分も「免許権者又は現場の知事」ができるのだから,(2)の表現も正しい。
(3)誤り。宅建業者が指示処分に従わないときは,業務停止処分ができるが,業務停止処分になる事柄に当たったのに「情状が特に重いとき」(情状酌量の余地がないとき=すごく悪いとき)は,免許取消処分になる。ところで,免許取消処分ができるのは免許権者に限られている。いくらお上でも免許を与えてもないくせにそれを取り消すというのは理屈的におかしいからだ。Aは甲県知事免許の宅建業者だから,(3)では甲県知事が免許を取り消せる。国土交通大臣ではダメだ。
(4)正しい。宅建業者に免許を与えた免許権者は,宅建業者名簿を作ってその都道府県などに備えておかなければならない。いつでも一般の人が見ることができるようにするためだ。そこで,宅建業者名簿には「指示処分や業務停止処分が行われたときは,その年月日や内容が記載される」ことになっている。一般の人が見れば危ない業者と判断できるわけだ。
正解(3)
平成11年[問 33] 自ら売主となり買主が非業者のときだけの規制
宅地建物取引業者Aが,自ら売主として,宅地建物取引業者でない買主Bと締結した宅地の売買契約(代金4,000万円,手付金400万円)に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法及び民法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)契約に「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは,Bは手付金400万円を放棄して,Aは1,000万円を償還して,契約を解除することができる」旨定めた場合,その定めは無効である。
(2)契約に「Aが瑕疵(かし)担保責任を負う場合,Bは,損害賠償の請求をすることができるが,契約の解除ができるのは瑕疵により契約をした目的を達成できないときに限る」旨定めた場合,その定めは無効である。
(3)契約に「Aは,宅地の引渡しの日から2年間瑕疵担保責任を負うが,Bが知っていた瑕疵(かし)についてはその責任を負わない」旨定めた場合,その定めは無効である。
(4)契約に「債務不履行による契約の解除に伴う損害賠償額の予定及び違約金の合計額を代金の額の3割とする」旨定めた場合,その定めは,当該合計額につき800万円を超える部分については,無効である。
平成11年[問 33] 解説

(1)誤り。宅建業者が自ら売主となり買主が宅建業者でないときは,手付は解約手付となる。解約手付というのは,相手が契約を実際に行う準備をするまで(契約の履行に着手するまで)は,「買主は手付金(400万)を放棄し,売主は手付金の倍額(800万円)を返して」契約を解除できるという性質を持った手付だ。そして,この解約手付の性質に反する定めは,「買主に不利なものは無効」になる。逆に言えば「買主に有利なものは有効」だ。(1)の定めは買主に有利なので有効だ。売主は手付金の倍額以上の1,000万円を返還しなければ解除できないと定めていることになるからだ。
(2)誤り。宅建業者が自ら売主となり買主が宅建業者でないときは,瑕疵担保責任(売主が欠陥商品を売った場合の責任)に関して,「民法の決まりより,買主に不利になる定めは無効」になる。瑕疵担保責任の民法の決まりでは,欠陥商品を買った買主が契約を解除できるのは,欠陥により契約をした意味がないとき(瑕疵により契約をした目的を達成できないとき)に限ることになっている。だから(2)の定めは民法の決まりと同じなので,民法の決まりより買主に不利になる定めとは言えない。有効だ。
(3)誤り。瑕疵担保責任に関して,「民法の決まりより,買主に不利になる定めは無効」になるが,瑕疵担保責任の民法の決まりでは,買主が知っていた欠陥(瑕疵)については売主は責任を負わないで良いことになっている。だから(3)の定めも民法の決まりと同じなので,民法の決まりより買主に不利になる定めとは言えない。有効だ。
(4)正しい。宅建業者が自ら売主となり買主が宅建業者でないときは,損害賠償の予定や違約金の定め(買主がいい加減(かげん)な事をした場合に前もって定める損害賠償額や違約金の定め)の合計額が,「代金額の2割を超える定めをした場合は,2割を超える部分が無効」になる。(4)では合計額を代金額の3割にすると定めているので,代金額の2割である800万円を超える部分が無効になる。
正解(4)
平成11年[問 34] 契約前の規制(重要事項の説明義務)
宅地建物取引業者Aが,自ら売主として,宅地建物取引業者でないBと土地付建物の売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,この問において「重要事項説明書」とは,同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面をいうものとする。
(1)当該建物の敷地の一部に甲市所有の旧道路敷が含まれていることが判明したため,甲市に払下げを申請中である場合,Aは,重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し,その旨をBに説明すれば,売買契約を締結することができる。
(2)Bが,当該建物の近所に長年住んでおり,その建物に関する事項を熱知していると言っている場合,Aは,Bに対して重要事項説明書を交付すれば,重要事項の説明を行うことなく,売買契約を締結することができる。
(3)損害賠償額の予定及び違約金について,Bから提示された内容のとおりとする場合,Aは,重要事項説明書に記載してその内容を説明することなく,売買契約を締結することができる。
(4)Aが,遠隔地に住んでいるBの了承を得て,「Bが希望する時期に説明をする」旨の条件付きで重要事項説明書を郵送した場合で,Bから希望する時期を明示されないときでも,Aは,重要事項の説明を行った後に限り,売買契約を締結することができる。
正解(4)
平成11年[問 35] 契約後の規制(37条書面の交付義務)
宅地建物取引業者が,その媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合に,宅地建物取引業法第37条の規定に基づく契約内容を記載した書面に必ず記載しなければならない事項は,次のうちどれか。
(1)借賃についての融資のあっせんに関する定めがあるときは,当該融資が成立しないときの措置
(2)天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは,その内容
(3)当該建物の瑕疵を担保する責任についての定めがあるときは,その内容
(4)当該建物に係る租税等の公課の負担に関する定めがあるときは,その内容
平成11年[問 35] 解説
宅建業者が「貸借にたずさわる(貸し借りの媒介又は代理を行う)とき」に,37条書面に記載しなければならないのは,次の事項だ。
@ 当事者の氏名・住所
A 宅地建物を特定するために必要な表示
B 借賃の額,ならびに支払時期・支払方法
C 宅地建物の引渡し時期
D 借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは,その額,その金銭の授受の時期・目的
E 契約の解除に関する定めがあるときは,その内容
F 損害賠償の予定または違約金に関する定めがあるときは,その内容
G 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは,その内容
(1)37条書面に記載しないでよい。@〜Gのどれにも当たらない。宅建業者が「売買にたずさわるとき」は,代金について銀行などの融資を取り持つ定めがあるときは,その融資が成立しないときの措置を37条書面に記載しなければならない。でも,借賃(家賃)を銀行から融資してもらうということは普通は考えられないので,37条書面に記載しないでよいことになっている。
(2)37条書面に必ず記載しなければならない。Gに当たる。問題文の(2)とGで言っていることは,「人の力ではどうすることもできない原因(例:地震)による損害は誰が負担するかに関する定めがあるときは,その内容」ということだ。
(3)37条書面に記載しないでよい。@〜Gのどれにも当たらない。宅建業者が「売買にたずさわるとき」は,物件の瑕疵担保責任(売主が欠陥建物を売った場合の責任)の定めがあれば,その内容を37条書面に記載しなければならない。でも,貸借にたずさわるときは売主の責任は考えられない(いるのは売主ではなく貸主!)ので,37条書面に記載しないでよいことになっている。
(4)37条書面に記載しないでよい。@〜Gのどれにも当たらない。宅建業者が「売買にたずさわるとき」は,その物件の固定資産税などの税金は誰が負担するか(売主と買主のどちらが負担するか)に関する定めがあれば,その内容を37条書面に記載しなければならない。でも,貸借にたずさわるときは借主が税金を負担することは考えられないので,37条書面に記載しないでよいことになっている。
正解(2)
平成11年[問 36] 複合問題
宅地建物取引業者A及びその従業者である取引主任者に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)宅地建物取引業法第34条の2の規定に基づきAが媒介契約の依頼者に交付すべき書面には,取引主任者の記名押印が必要である。
(2)Aが,取引主任者をして宅地建物取引業法第37条に規定する契約内容を記載した書面を相手方に交付させる場合には,取引主任者は,当該相手方から請求があったときに取引主任者証を提示すれば足りる。
(3)Aが,建物の売買の媒介についてその依頼者から国土交通大臣が定めた報酬の限度額の報酬を受けた場合でも,取引主任者は,別途当該依頼者から媒介の報酬を受けることができる。
(4)Aは,一団の建物の分譲をするため案内所を設置した場合は,その案内所で契約を締結することなく,及び契約の申込みを受けることがないときでも,1名以上の専任の取引主任者を置かなければならない。
正解(2)
平成11年[問 37] 契約前の規制(媒介契約の規制)
宅地建物取引業者Aが,Bから宅地の売却の依頼を受け,Bと専属専任媒介契約(以下この問において「媒介契約」という)を締結した場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)「媒介契約の有効期間内に宅地の売買契約が成立しないときは,同一の期間で契約を自動更新する」旨の特約を定めた場合,媒介契約全体が無効となる。
(2)宅地の買主の探索が容易で,指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができると認められる場合には,Aは,契約の相手方を探索するため,当該宅地について指定流通機構に登録する必要はない。
(3)Bが宅地建物取引業者である場合でも,Aが媒介契約を締結したときにBに交付すべき書面には,BがAの探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければならない。
(4)媒介契約において,「Bが他の宅地建物取引業者の媒介によって宅地の売買契約を成立させた場合,宅地の売買価額の3パーセントの額を違約金としてAに支払う」旨の特約は,無効である。
正解(3)
平成11年[問 38] 担保(営業保証金)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)Aが有価証券を営業保証金に充てるときは,国債証券についてはその額面金額を,地方債証券又はそれら以外の債券についてはその額面金額の百分の九十を有価証券の価額としなければならない。
(2)Aは,取引の相手方の権利の実行により営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなったときは,甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。
(3)Aが販売する宅地建物についての販売広告を受託した者は,その広告代金債権に関し,Aが供託した営業保証金について弁済を受ける権利を有する。
(4)Aが,営業保証金を金銭と有価証券で供託している場合で,本店を移転したためもよりの供託所が変更したとき,Aは,金銭の部分に限り,移転後の本店のもよりの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
平成11年[問 38] 解説
(1)誤り。営業保証金は有価証券でも供託できるが,有価証券で供託する場合の,その有価証券の価額,つまり値段(評価額)は次の通りだ。
@国債………………………………額面金額
A地方債・政府が保証した債券…額面金額の90%
B@A以外の債券…………………額面金額の80%
(1)はBを無視しているから誤り。
(2)正しい。営業保証金の額は政令で定められている(本店1,000万円,支店1ヶ所500万円)が,宅建業者が何か事故を起こし取引の相手方が営業保証金から弁償を受ければ,当然政令で定められた営業保証金が不足する。その場合,免許権者(甲県知事)は,不足額を早く預けろ(供託しろ)という通知書を宅建業者に送らなければならない。そして,宅建業者は,その通知書が送られて来た日から「2週間以内」に,その不足額を預けなければならないことになっている。
(3)誤り。もともと営業保証金制度は,宅建業者と「宅地や建物に関する取引」をしたお客さんを保護するものなので,宅建業者と広告に関する取引をした者(広告代理店・印刷業者など)は,営業保証金から弁償してもらえない。
(4)誤り。営業保証金の預け先(供託先)は,本店のもよりの供託所(法務局だ)なので,本店を移転したことで,もよりの供託所が変われば,営業保証金を預ける供託所も変わる。この場合は,次のことをする必要がある。
@今まで金銭だけで供託していた場合…移転前の本店のもよりの供託所に,保管替えを請求する
A@以外の場合(今までの供託に有価証券が入っている場合)…移転後の本店のもよりの供託所に,新たに供託する(金銭の部分も)
簡単に言えば,「保管替え」は帳簿上の振り替え(実際の移動がない),「新たに供託」はもう一度別に供託する(実際の移動がある)ことを意味する。(4)はAに当たるのに@ができる,と言っているので誤りだ。
正解(2)
平成11年[問 39] 契約前の規制(媒介契約の規制)
宅地建物取引業者Aが,宅地の所有者Bからその宅地の売買の媒介を依頼され,媒介契約を締結した場合の指定流通機構への登録に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)AB間の媒介契約が専任媒介契約でない場合,Aは,契約の相手方を探索するため,当該宅地について指定流通機構に登録することはできない。
(2)AB間の媒介契約が専属専任媒介契約である場合,Aは,契約締結の日から3日(休業日を除く)以内に,契約の相手方を探索するため,当該宅地について指定流通機構に登録しなければならない。
(3)AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合で,Aが,当該宅地について指定流通機構に登録をし,当該登録を証する書面の発行を受けたとき,Aは,その書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。
(4)AB間の媒介契約が専属専任媒介契約である場合で,Aが所定の期間内に指定流通機構に登録をしなかったとき,Aは,そのことを理由として直ちに罰則の適用を受けることがある。
平成11年[問 39] 解説
(1)誤り。媒介契約は専任媒介契約と一般媒介契約に大別できる。依頼者(B)が,A以外の他の宅建業者に同じ宅地の媒介・代理を重ねて依頼「できない」ものが専任媒介契約で,重ねて依頼「できる」ものが一般媒介契約だ。専任媒介契約は,いわば依頼者の浮気を禁止するタイプなので少しでも早く相手方(買主)が見つかるように,指定流通機構への登録が義務付けられる。一般媒介契約は登録が義務付けられないが,少しでも早く相手方が見つかるに越したことはないので,指定流通機構に登録「できる」ことになっている。(1)は,「AB間の媒介契約が専任媒介契約でない場合」と表現しているので一般媒介契約だが,一般媒介契約は登録禁止と言っているので誤り。
(2)誤り。専属専任媒介契約は,依頼者(B)が,A以外の他の宅建業者に同じ宅地の媒介・代理を重ねて依頼できないもの(専任媒介契約)の一種で,依頼者が自分で相手方(買主)を見つけてくること(自己発見取引)もできない特約をつけたタイプだ。こういう媒介契約は依頼者を拘束する度合いが一番強い。そこで,契約締結の日から休業日を除いて「5日以内」に,指定流通機構への登録が義務付けられる。3日以内ではない。
(3)正しい。専任媒介契約は,指定流通機構への登録が義務付けられるが,登録した場合は,指定流通機構から確かに登録したという証明書(登録を証する書面)が発行される。そこで宅建業者は,その証明書を遅滞なく(遅れることなく)依頼者に引き渡さなければならない。依頼者を安心させるためだ。
(4)誤り。指定流通機構への登録義務に違反した宅建業者は,指示処分や業務停止処分などの「監督処分」になることがある。でも,登録義務違反を理由に直接に(直ちに)罰則(懲役または罰金)を受けることはない。宅建業法に罰則規定がないからだが,実質的な理由は,登録義務違反があってもそれだけでは懲役や罰金にするほどの実害(じつがい)の発生やその危険が,まだない,という点にある。
正解(3)
平成11年[問 40] 複合問題
宅地建物取引業者Aが,自ら売主として,建物を販売する場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
(1)Aは,建物を新築するため建築確認の申請中であったので,「建築確認申請済」と表示して,その建物の販売に関する広告を行い、販売の契約は建築確認を受けた後に締結した。
(2)Aが,建物を新築するため建築確認の申請中であったので,宅地建物取引業者Bに対し,その建物を販売する契約の予約を締結した。
(3)Aは,中古の建物を,その所有者Cから停止条件付きで取得する契約を締結し,当該条件の未成就のまま,その建物を宅地建物取引業者Dに対し販売する契約を締結した。
(4)Aは,都道府県知事から業務の全部の停止を命じられ,その停止の期間中に建物の販売に関する広告を行ったが,販売の契約は当該期間の経過後に締結した。
正解(3)
平成11年[問 41] 契約前の規制(重要事項の説明義務)
1棟の建物に属する区分所有建物の貸借の媒介を行う場合の宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)当該1棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容を説明しなければならない。
(2)台所,浴室,便所その他の当該区分所有建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。
(3)当該1棟の建物及びその敷地の管理がA(個人)に委託されている場合には,Aの氏名及び住所を説明しなければならない。
(4)貸借契約終了時における敷金その他の金銭の精算に関する事項が定まっていない場合には,その旨を説明しなければならない。
平成11年[問 41] 解説
「貸借」の媒介がキーワードだ。貸し借り(貸借)を紹介(媒介)するときは,売り買い(売買)の紹介のときと比べ,重要事項の説明を省ける場合がある,という話だ。
(1)誤り。分譲マンションの敷地に関する権利の種類と内容(所有権か借地権か,というようなこと)は,分譲マンションを売買するときは買主にとって重大だから,重要事項として説明する必要がある。でも,そんなことは分譲マンションを貸し借りするときの借主には関係ない。だから,説明しないで良い。
(2)正しい。台所,浴室,便所その他のマンションの設備の整備の状況は,分譲マンションを売買するときは買主にとって重大だから,重要事項として説明する必要がある。このような快適な日常生活に関係する事柄は,分譲マンションを貸し借りするときの借主にとっても買主と同じく重大だ。だから,説明しなければならない。
(3)正しい。どんな人が管理しているか(管理者の住所・氏名)は,分譲マンションを売買するときの買主に限らず,貸し借りするときの借主にとっても重大だから,説明する必要がある。管理の良し悪しは,そのマンションに暮らす以上,快適な日常生活に関係するからだ。
(4)正しい。貸し借りが終わった時の敷金などの金銭の処理(精算)の事項は,そのような事が決まっていても,決まっていなくても,財布の中身に影響する事柄だから,借主にとって重大だ。だから,決まっていればその内容を,決まっていなければ決まっていないことを,説明しなければならない。
正解(1)
平成11年[問 42] 契約前の規制(一般)
宅地建物取引業者Aが,宅地の所有者Bの依頼を受けてBC間の宅地の売買の媒介を行おうとし,又は行った場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法第47条(業務に関する禁止事項)の規定に違反しないものはどれか。
(1)Aは,Bとの媒介契約の締結に当たり不当に高額の報酬を要求したが,BC間の売買契約が成立した後に実際にAがBから受領した報酬額は,国土交通大臣が定めた報酬額の限度内であった。
(2)Aは,Cに対し手付を貸し付けるという条件で,BC間の売買契約の締結を誘引したが,Cは,その契約の締結に応じなかった。
(3)Aは,当該宅地に対抗力のある借地権を有する第三者が存在することを知っていたが,当該借地権は登記されていなかったので,Cに対して告げることなく,BC間の売買契約を締結させた。
(4)Aは,B及びCに対し,手付金について当初Bが提示した金額より減額するという条件でBC間の売買契約の締結を誘引し,その契約を締結させた。
平成11年[問 42] 解説
(1)違反する。宅建業者が媒介(紹介)を成功させれば,国土交通大臣が定めた限度内の報酬を受領できる。でも,限度内の報酬しか受領しなかったとしても,限度内の報酬額を基準にして「不当に高額な報酬」を要求することは,要求すること自体が禁止され,宅建業法に違反する。なぜなら,宅建業には公共性があると見られるからだ。公共交通機関であるタクシーの運転手は「メーターの3倍くださいよ」と要求しただけで処罰されるが,それと同じだ。
(2)違反する。手付を貸してあげるとは,いかにも親切そうな宅建業者に見える。でも,そういうことをして契約の締結を誘うことは,契約が締結されなかったとしても,誘うこと自体が禁止され,宅建業法に違反する。(手付貸与等による契約締結の誘引禁止違反)。理由はこうだ。「手付を貸すということは,お客さんから見れば借金だ」。お客さんに借金が残ると,お客さんは気が変わっても事実上,その契約を解除できなくなり,気の毒なことになる(手付放棄による解除をしようとしても,その手付は借金だから,別な所から調達しなければならず,それなら解除をあきらめようとなる!)。手付貸与等による契約締結の誘引は,「お客さんに借金が残る」から禁止されるのだ。
(3)違反する。宅建業者は,お客さんに対して「一定の事項」の事実を隠してはいけない。むずかしい言葉では,「事実不告知等の禁止」という。宅建業には公共性があるから,フェアプレーの精神で商売しろということだ。ここでいう「一定の事項」には、本肢のような「取引条件で相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」が含まれる。
(4)違反しない。(4)は手付金を減額(おまけ)するというのだから,(2)と同様に,手付貸与等による契約締結の誘引になるようにみえる。でも,これは(2)で述べたように「お客さんに借金が残る」から禁止されるのだ。ところが(4)では,お客さんに借金など残らない。だから,宅建業法違反ではない。
正解(4)
平成11年[問 43] 公共性による規制(一般)
宅地建物取引業法に規定する標識に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)複数の宅地建物取引業者が,業務に関し展示会を共同で実施する場合,その実施の場所に,すべての宅地建物取引業者が自己の標識を掲示しなければならない。
(2)宅地建物取引業者は,一団の宅地の分譲を行う案内所で契約の締結を行わない場合,その案内所には標識を掲示しなくてもよい。
(3)宅地建物取引業者は,一団の建物の分譲を,当該建物の所在する場所から約800m離れた駅前に案内所を設置して行う場合で,当該建物の所在する場所に標識を掲示したとき,案内所には標識を掲示する必要はない。
(4)宅地建物取引業者の標識の様式及び記載事項は,その掲示する場所が契約の締結を行う案内所であれば,事務所と同一でなければならない。
平成11年[問 43] 解説
(1)正しい。宅建業者は,事務所ごとに,又は,国土交通省令で定める場所ごとに標識を掲げる必要があるが,「展示会を実施する場所」は国土交通省令で定める場所に当たるので,標識を掲げなければならない。ところで,標識は国土交通省令で定める場所「ごとに」掲げるので,(1)のように複数の業者が共同で展示会を実施する場合,展示会を実施する場所は業者の数だけ存在することになる。だから,実施する場所には,すべての業者が自分の標識を掲げなければならない。
(2)誤り。標識を掲げる必要がある国土交通省令で定める場所には「案内所」も含まれる。この案内所は,「契約にたずさわる可能性がある」案内所に限定されないので,(2)のような案内所にも標識を掲げる必要がある。もともと標識を掲げさせるのは,宅建業の公共性による(通りがかりの人にも「そこで何をしているか」を知らせるためにある)からだ。なお,専任の取引主任者を1人以上置かなければならない案内所は,「契約にたずさわる可能性がある」案内所に限定されているが,それと混同しないこと。
(3)誤り。一団(一群)の建物の分譲をする場合には,「建物がある場所」にも標識を掲げる必要がある(つまり,建物がある現場も,案内所と同様に,標識を掲げる必要がある国土交通省令で定める場所に含まれる)。そして,標識は国土交通省令で定める場所「ごとに」掲げるので,(3)のような場合は、駅前の案内所と建物がある場所の両方に,標識を掲げなければならない。
(4)誤り。標識の「記載事項」は,違わなければならない。標識は,事務所「ごとに」,国土交通省令で定める場所「ごとに」掲げる必要があるからだ。標識の「様式(形)」も違う。案内所は一時的な場所なので,そこで行う「業務の内容」を書く欄があるが,事務所は常設なので「業務の内容」を書く欄はない。なお,(4)の案内所は事務所と同様に専任の取引主任者を置く必要があるので,そこに置かれている専任の取引主任者の氏名を書く欄がある点では,同じだ。
正解(1)
平成11年[問 44] 担保(保証協会)
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)保証協会に加入しようとする者は,加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならないが,加入に際して,加入前の宅地建物取引業に関する取引により生じたその者の債務に関し,保証協会から担保の提供を求められることはない。
(2)弁済業務保証金の還付を受けようとする者は,保証協会の認証を受けなければならず,認証申出書の提出に当たっては,弁済を受ける権利を有することを証する確定判決の正本を必ず添付しなければならない。
(3)保証協会は,弁済業務保証金の還付があった場合は,当該還付に係る社員又は社員であった者に対し,その還付額に相当する額の還付充当金を法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に納付すべきことを通知しなければならない。
(4)保証協会は,社員に対して債権を有する場合は,当該社員が社員の地位を失ったときでも,その債権に関し弁済が完了するまで弁済業務保証金分担金をその者に返還する必要はない。
平成11年[問 44] 解説
(1)誤り。加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金(本店60万円,支店1ヶ所30万円)を納付しなければならない,という点は正しい。でも,(1)のような場合は,保証協会から担保の提供(それまでの宅建業に関する取引により生じたその者の借金に関して,保証協会から,払えないときの保証となるものの提出)を求められることがあるので,誤り。なぜ担保の提供を求められるのか。保証協会は,その業者が会員(社員)になる前に負った債務(借金)についても,お客さんに弁償しなければならない(弁済義務を負う)からだ。
(2)誤り。弁済業務保証金から弁償(還付)を受けようとする者(お客さん)は保証協会の証明(認証)を受けなければならない,という点は正しい。でも,そのために,確定判決の正本(弁償を受ける権利があることを証明する確定した裁判の判決について裁判所書記官が作成した文書)など添える必要はないので,誤り。お客さんが弁償してもらうときに裁判になるとは限らないからだ。もともと保証協会の認証が必要なのは,ウソの弁償請求(還付請求)を防ぐためにある。だから,お客さんは認証を願い出る書類(認証申出書)に,いきさつがわかる書類(宅建業者との契約書,取引が成立した時期など)を添えればよいことになっている。
(3)誤り。保証協会は,弁済業務保証金の還付があった(弁済業務保証金から取引の相手方に弁償がされた)場合は,還付充当金(弁償された金額)を、「保証協会」に納付するように通知する必要がある。還付充当金の納付先は供託所ではなく保証協会だから,通知も,「保証協会」に納付するようにするのだ。保証協会制度では,宅建業者と供託所との間に必ず保証協会が入るから,業者が直接に供託所と接触することは一切ない。
(4)正しい。弁済業務保証金分担金は会員権(社員となる権利)を買うお金なので,会員でなくなれば保証協会から返してもらえるのが原則だ。でも,保証協会から見れば,社員が借金を払う義務を果たさない以上,保証協会も自分の義務(弁済業務保証金分担金を返すこと)を拒めた方が,お互い公平だ。つまり,保証協会には同時履行の抗弁権を認めるべきだ。そこで,(4)のような場合,保証協会は,社員の借金の弁済が完了するまで,弁済業務保証金分担金を返還しないで良いことになっている。
正解(4)
平成11年[問 45] 取引主任者(登録後の事情変更)
宅地建物取引業者Aの取引主任者Bが,甲県知事の宅地建物取引主任者資格試験に合格し,同知事の宅地建物取引主任者資格登録(以下この問において「登録」という)を受けている場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)Bが甲県から乙県に転居しようとする場合,Bは,転居を理由として乙県知事に登録の移転を申請することができる。
(2)Bが,事務禁止の処分を受けている間は,Aの商号に変更があった場合でも,Bは,変更の登録の申請を行うことはできない。
(3)Bは,乙県知事への登録の移転を受けなくても,乙県に所在するAの事務所において専任の取引主任者となることができる。
(4)Bが乙県知事への登録の移転を受けた後,乙県知事に登録を消除され,再度登録を受けようとする場合,Bは,乙県知事に登録の申請をすることができる。
平成11年[問 45] 解説
(1)誤り。登録の移転は,他の都道府県(乙県)の宅建業者で仕事をしたりするときに,申請できる。つまり,登録の移転の申請は,「勤務する事務所を変える」ときにできるものだから,単に他県に引っ越しただけでは,できない。
(2)誤り。宅建業の業務に従事する主任者(B)は,その宅建業者(A)の商号(会社名)が変わったときは,変更の登録を申請しなければならない。Bが何か悪いことをして事務禁止の処分を受けている間も,同じだ。なぜなら,事務禁止の処分は,取引主任者としての事務を禁止されるだけであり,それ以上のことを禁止されるわけではないからだ。
(3)正しい。取引主任者は,何県知事の登録を受けたかに関係なく,全国で,取引主任者としての事務を行える。だから,Bは,甲県知事の登録のままでも(乙県知事への登録の移転を受けなくても),乙県にあるAの事務所で専任の取引主任者となれる。
(4)誤り。宅建試験に合格した事実は一生有効だから,Bはもう1度登録を受けることができるが,その場合は,新規登録者と同じ扱いになる。登録を消除(抹消)されたときは,登録を全然受けていない振り出し状態にもどるからだ。そして新規登録は,「宅建試験を行った」知事に申請することになっている。Bに宅建試験を行ったのは甲県知事だから,Bは,乙県知事には登録を申請できない。
正解(3)
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