宅建試験・過去問解説集 宅建業法・平成10年

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※省略されている問題(解説)があります。

平成10年[問 30] 複合問題

宅地建物取引主任者 (以下「取引主任者」という。) Aが甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録 (以下この問において「登録」という。) を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Aが、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事するため、登録の移転とともに宅地建物取引主任者証の交付を受けたとき、登録移転後の新たな宅地建物取引主任者証の有効期間は、その交付の日から5年となる。
(2)Aが、取引主任者として行う事務に関し不正な行為をしたとして、乙県知事から事務禁止処分を受けたときは、Aは、速やかに、宅地建物取引主任者証を乙県知事に提出しなければならない。
(3)Aは、氏名を変更したときは、遅滞なく変更の登録を申請するとともに、当該申請とあわせて、宅地建物取引主任者証の書換え交付を申請しなければならない。
(4)Aは、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは、甲県知事に申請し、その申請前6月以内に行われる国土交通大臣の指定する講習を受講しなければならない。

正解(3)


平成10年[問 31] 監督処分

宅地建物取引業者A(法人)が受けている宅地建物取引業の免許(以下「免許」と いう。)の取消しに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Aの取締役Bが、道路交通法に違反し懲役の刑に処せられたものの、刑の執行猶予の言渡しを受け、猶予期間中であるとき、このことを理由としてAの免許が取り消されることはない。
(2)Aの非常勤の顧問であり、Aに対し取締役と同等の支配力を有するものと認められるCが、刑法第 247条(背任)の罪により罰金の刑に処せられたとき、このことを理由としてAの免許が取り消されることはない。
(3)Aの従業者で、役員又は政令で定める使用人ではないが、専任の取引主任者であるDが、刑法第 246条(詐欺)の罪により懲役の刑に処せられたとき、このことを理由としてAの免許が取り消されることはない。
(4)Aの取締役かつ取引主任者であるEが、取引主任者の事務に関し1年間の事務禁止の処分を受けた場合で、Aの責めに帰すべき理由があるとき、情状のいかんにかかわらず、このことを理由としてAの免許が取り消されることはない。

  正解(3)

平成10年[問 32] 監督処分

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、その業務に関して広告をし、宅地建物取引業法第32条 (誇大広告等の禁止)の規定に違反し、又は違反している疑いがある場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Aが同条の規定に違反した場合、甲県知事は、Aに対して業務の停止を命ずるとともに、実際に広告に関する事務を行った取引主任者に対して必要な指示をすることができる。
(2)乙県知事は、Aが乙県の区域内における業務に関し同条の規定に違反している疑いがある場合、2週間以内にその旨を甲県知事に通知しなければならない。
(3)Aが同条の規定に違反した場合、甲県知事は、Aに対し、行政手続法の規定による意見陳述のための手続の区分に従い、弁明の機会を付与して、業務の停止を命ずることができる。
(4)Aが乙県の区域内における業務に関し同条の規定に違反し、乙県知事から業務停止処分を受けた場合で、Aがその処分に違反したとき、甲県知事は、Aの免許を取り消さなければならない。


平成10年[問 32] 解説

(1)誤り。宅建取引業者が誇大広告等の禁止の規定に違反した場合は、業務停止処分事由に該当する。その意味で本肢は正しい。しかし、広告に関する事務を行った取引主任者に対しては指示処分ができない。主任者に対する指示処分は、この場合、『取引主任者として行う事務に関し』、不正または著しく不当な行為をすることが必要だが、広告に関する事務を行うことは取引主任者として行う事務ではない(宅建取引業者の事務)からだ。
(2)誤り。現場を管轄する知事(乙県知事)が指示処分や業務停止処分をしたときは、すぐに、そのことを免許を与えたお上(甲県知事)に通知しなければならない、という制度がある。しかし(2)では、指示処分や業務停止処分をしていない。だから通知もしないで良い。
(3)誤り。宅建取引業者が誇大広告等の禁止の規定に違反した場合は、業務停止処分事由に該当するが、免許権者(甲県知事)が業務停止処分をする場合は、宅建取引業法の直接の規定により聴聞の機会を与える必要がある。行政手続法という法律の手続とは関係なく、宅建取引業法の規定によって直接に弁明の機会を与える必要があるのだ。
(4)正しい。業務停止処分に違反したとき(業務停止処分を受けた場合で、Aがその処分に違反したとき)は、免許取消事由になる。免許権者は必ず免許を取り消す必要がある。

  正解(4)

平成10年[問 33] 免許(免許取得後の事情変更)

宅地建物取引業者A(法人)が甲県知事から免許を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Aが、甲県の区域内の事務所を廃止し、乙県の区域内のみに事務所を設置して引き続き事業を営もうとする場合、Aは、乙県知事に対し免許換えの申請をし、乙県知事の免許を受けた後、甲県知事に廃業の届出をしなければならない。
(2)Aの役員aが退職し、後任にbを充てた場合、当該役員の職が非常勤のものであっても、Aは、甲県知事に変更の届出をしなければならない。
(3)Aが甲県知事から業務の全部の停止を命じられた場合、Aは、免許の更新の申請を行っても、その停止の期間内には免許の更新を受けることはできない。
(4)AがB法人に吸収合併され消滅した場合、Bを代表する役員は、30日以内に、甲県知事にその旨の届出をしなければならない。


平成10年[問 33] 解説

(1)誤り。Aは、甲県の事務所を廃止し、乙県にのみ事務所を新設して、引き続き宅建取引業を営もうとするのであるから、免許換えを申請する必要がある。しかし、廃業の届出をする必要はない。廃業の届出は宅建取引業を全部やめる場合にするものだからだ。
(2)正しい。変更の届出をしなければならないのは、次の事項が変わった場合だ。
@商号・名称
A役員・政令で定める使用人の氏名
B事務所の名称・所在地
C専任の取引主任者の氏名
本肢はAに該当する。aが退職し後任にbを充てた場合も役員の氏名の変更だ。
また、役員は非常勤役員も含む。従って、Aは甲県知事に変更の届出をしなければならない。
(3)誤り。免許の更新は、有効期間の満了後引き続き宅建取引業を営もうとする以上『義務』だ。従って、業務の全部の停止を命じられた場合でも免許の更新を受けなければならない。そして、前の免許の停止の期間内は、更新後の免許の効力も停止され、その間、業務の停止を命ぜられたことになる。もっとも、免許権者は、「免許申請前5年以内に、宅建取引業に関し、不正または著しく不当な行為を行った」として、更新免許を与えないこともできる…。
(4)誤り。法人が合併により消滅した場合は、その日から『30日以内』に、『消滅した法人(A)を代表する役員であった者』が、その旨をその免許を受けた知事に届けなければならない。廃業等の届出の話だ。本肢は、「消滅しなかったB法人を代表する役員」が届けろ、と言っているので誤り。

  正解(2)

平成10年[問 34] 契約前の規制(一般)

宅地建物取引業者Aが、建物の売買に関し広告をし、又は注文を受けた場合の取引態様の明示に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)Aは、取引態様の別を明示すべき義務に違反する広告をした場合、業務停止処分の対象になることがあり、情状が特に重いとき、免許を取り消される。
(2)Aは、取引態様の別を明示した広告を見た者から建物の売買に関する注文を受けた場合、注文を受けた際に改めて取引態様の別を明示する必要はない。
(3)Aは、建物の売買に関する注文を受けた場合、注文者に対して、必ず文書により取引態様の別を明示しなければならない。
(4)Aは、他の宅地建物取引業者から建物の売買に関する注文を受けた場合、取引態様の別を明示する必要はない。


平成10年[問 34] 解説

(1)正しい。取引態様の明示義務に違反したときは、業務停止処分事由に該当する。そして、業務停止処分事由に該当し『情状が特に重いとき』は、免許取消処分になる。従って本肢の場合、Aの情状が特に重ければ、免許が取り消される。
(2)誤り。取引態様は既に広告に明示してあっても、注文を受けたときは、もう一度明示しなければならない。
(3)誤り。取引態様の別は口頭で明示してもよい(文書でしなくてもよい)。
(4)誤り。相手が業者でも、取引態様の明示は省略できない。
  正解(1)

平成10年[問 35] 契約前の規制(媒介契約の規制)

次の事項のうち、指定流通機構への登録事項に該当しないものはどれか。

(1)登録に係る宅地の所在、規模及び形質
(2)登録に係る宅地の所有者の氏名及び住所
(3)登録に係る宅地を売買すべき価額
(4)登録に係る宅地の都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの

  正解(2)

平成10年[問 36] 自ら売主となり買主が非業者のときだけの規制

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)売買契約の締結に際し、AがBから預り金の名義をもって50万円を受領しようとする場合で、当該預り金が売買代金に充当されないものであるとき、Aは、国土交通省令で定める保全措置を講じなければならない。
(2)売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を売買代金の額の2割と予定した場合には、違約金を定めることはできない。
(3)BがAの事務所で買受けの申込みをし、1週間後にBの自宅の近所の喫茶店で売買契約を締結した場合、Bは、当該契約を締結した日から8日以内であれば、宅地建物取引業法第37条の2の規定により契約を解除することができる。
(4)売買契約でAの債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定した場合は、Aの宅地の瑕疵を担保すべき責任に関し、その宅地の引渡しの日から1年となる特約をすることができる。


平成10年[問 36] 解説

(1)誤り。預り金(50万円以上で、売買代金に充当されないもの)を受領しようとする場合、国土交通省令で定める保全措置(例:預り金について銀行等と一般保証委託契約を締結すること)を『講ずるかどうか』、及び、その措置を講ずる場合の概要は、重要事項として説明する義務がある。しかし、ここでいう国土交通省令で定める保全措置をとるかどうかは、手付金等の保全措置と違って、業者の任意であり義務ではない。
(2)正しい。業者が自ら売主となり買主が非業者の場合、損害賠償額の予定または違約金の定めは、これらを『合算した額が代金額の2/10を超えることとなる定めをしてはならない』。従って、損害賠償の額を売買代金の額の2割と予定した場合には、それで代金額の2/10が一杯になってしまうから、違約金を定めることはできない。
(3)誤り。業者が自ら売主となり、買主が非業者であるときは、『事務所等以外の場所』(本肢の喫茶店)で、買い受けの申込等をした買主は、クーリングオフできるが、契約の『申込み』が事務所等以外の場所でない所(本肢の事務所)で行われた場合は、その後、契約の『締結』が事務所等以外の場所(本肢の喫茶店)で行われても、解除(クーリングオフ)できない。
(4)誤り。業者が自ら売主となり、買主が非業者であるとき、瑕疵担保責任に関し、民法の規定より買主に不利となる特約ができないが、唯一、瑕疵担保責任の行使期間について、『目的物を引渡した時から2年以上』とする特約だけが許される。従って、損害賠償の額を予定したとしても、宅地の引渡しの日から1年となる特約をすることはできない。

  正解(2)

平成10年[問 37] 担保(営業保証金)

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Aは、本店について1,000万円、支店1ヵ所について500万円の営業保証金を、それぞれの事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
(2)Aが免許を受けてから1月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合は、甲県知事から届出をすべき旨の催告を受け、さらに催告が到達した日から1月以内に届出をしないと免許を取り消されることがある。
(3)Aは、事業の開始後新たに1の支店を設置したときは、500万円の営業保証金を供託しなければならないが、この供託をした後であれば、その旨の届出をする前においても、当該支店における事業を行うことができる。
(4)Aは、免許失効に伴う営業保証金の取戻しのため、Aとの宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。


平成10年[問 37] 解説

(1)誤り。営業保証金の金額は正しい。しかし、営業保証金の供託先は、すべての事務所の分について『主たる事務所のもよりの』供託所である。「それぞれの事務所のもより」の供託所ではない。
(2)誤り。宅建取引業者が、免許を受けた日から『3ヶ月以内』に営業保証金の供託をした旨の届出をしないときは、免許権者(甲県知事)は、その届出をすべき旨の催告をしなければならない。本肢は1月以内とあるので、その点で誤り。なお、その催告から『1ヶ月以内』に宅建取引業者が届出をしないときは、免許権者は、免許を取り消すことができる。その点では、正しい記述だ。
(3)誤り。事業開始後新たに事務所を設置したときは、その新設事務所における業務は、所定の金額(1ヵ所 500万円)の営業保証金を供託した上、その旨を免許権者(甲県知事)に届け出た時点で開始できる。従って、供託した後であっても、その旨の届出をする前には支店における事業を行うことができない。
(4)正しい。免許失効に伴う営業保証金の取戻しのためには、宅建取引業者は、宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をする必要がある。そこで、その公告をした旨を免許権者(甲県知事)に把握させるために、届け出させる制度がある。

  正解(4)

平成10年[問 38] 担保(保証協会)

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に加入しようとし、又は加入した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Aは、弁済業務保証金分担金を金銭をもって保証協会に納付しなければならないが、保証協会は、弁済業務保証金を国債証券その他一定の有価証券をもって供託所に供託することができる。
(2)Aと取引した者が複数ある場合で、これらの者からそれぞれ保証協会に対し認証の申出があったとき、保証協会は、これらの者の有する債権の発生の時期の順序に従って認証に係る事務を処理しなければならない。
(3)Aが保証協会に対して有する弁済業務保証金分担金の返還請求権を第三者Bが差し押さえ、転付命令を受けた場合で、その差押えの後に保証協会がAに対して還付充当金の支払請求権を取得したとき、保証協会は、弁済を受けるべき還付充当金相当額についても、Bに対して支払いを拒否できない。
(4)Aが、保証協会の社員の地位を失ったため、その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託した場合、Aは、その旨を甲県知事に届け出なければ、指示処分を受けることなく、直ちに業務停止処分を受けることがある。


平成10年[問 38] 解説

(1)正しい。保証協会に加入するための弁済業務保証金分担金の納付は、有価証券ではできず、金銭(現金)納付に限る。それに対して、保証協会が供託所に供託する弁済業務保証金は、国債証券その他一定の有価証券で納付できる。
(2)誤り。保証協会は、「債権の発生の時期の順序」ではなく『認証の申出書の受理の順序』に従って、認証に係る事務を処理する必要がある。
(3)誤り。



民法の規定によれば、債権に対する差押えがされたときは、債務者は債権者に弁済することが禁じられ、差し押さえた者に支払う必要がある(民法 481条1項)。従って本肢では、保証協会は『弁済業務保証金分担金』を業者Aではなく差し押さえたBに支払う必要がある。しかし保証協会は、『還付充当金』についてまでBに支払う必要はない。Bが差し押さえたのは弁済業務保証金分担金であり還付充当金ではないからだ。
(4)誤り。保証協会の社員の地位を失ったときは、その地位を失った日から『1週間以内』に営業保証金を供託しなければならない。この期間内に供託しないときは、業務停止処分を受けることがある。しかし、本肢のように1週間以内に営業保証金を供託した以上、その旨を届け出なくても直ちに業務停止処分を受けることはない。つまり、この届出を怠ること自体は業務停止処分事由に該当しない。なお、指示処分を受けることはある。

  正解(1)

平成10年[問 39] 省略


平成10年[問 40] 公共性による規制(報酬額の制限)

A、B及びCが、宅地建物取引業に関して報酬を受領した場合に関する次の三つの記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものは、いくつあるか。なお、A、B及びCは、いずれも宅地建物取引業者である。

ア 消費税の課税業者であるAが、甲及び乙から依頼を受け、甲所有の価額2,400万円の宅地と乙所有の価額 2,000万円の宅地を交換する契約を媒介して成立させ、甲及び乙からそれぞれ80万円の報酬を受領した。
イ 消費税の免税業者であるBが、消費税の免税業者である丙から依頼を受け、借賃月額10万円、権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で返還されないもの)200万円で丙所有の店舗用建物の貸借契約を媒介して成立させ、丙から12万円の報酬を受領した。
ウ 消費税の免税業者であるCが、消費税の課税業者である丁から依頼を受け、丁所有の価額2,000万円の宅地と価額1,680万円(消費税・地方消費税込み)の建物の売買契約を媒介して成立させ、丁から116万円の報酬を受領した。

(1)一つ
(2)二つ
(3)三つ
(4)なし

  正解(2)

平成10年[問 41] 契約前の規制(重要事項の説明義務)

宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合の宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)当該建物について建築基準法に基づき容積率又は建ぺい率に関する制限があるときは、その概要について説明しなければならない。
(2)敷金の授受の定めがあるときは、当該建物の借賃の額のほか、敷金の額及び授受の目的についても説明しなければならない。
(3)当該建物の貸借について、契約期間及び契約の更新に関する事項の定めがないときは、その旨説明しなければならない。
(4)当該建物が、建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的である場合で、同条第4項に規定する共用部分に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容を説明しなければならない。


平成10年[問 41] 解説

(1)誤り。建築物の用途制限に関する事項の概要や容積率又は建ぺい率に関する制限の概要は、建物の貸借以外の契約の場合(例:売買の媒介)には、重要事項として説明しなければならない。しかし、本問のように建物の『貸借』の契約の場合には、重要事項として説明しないでよい。
(2)誤り。敷金その他契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項は、建物の『貸借』の契約の場合に、重要事項として説明しなければならない。しかし、そもそも借賃の額は重要事項として説明しなければならない事項ではないので、本肢はその意味で誤り。
(3)正しい。建物の『貸借』の契約について、契約期間及び契約の更新に関する事項は、重要事項として説明しなければならない。そのような定めがないときは、その旨(定めがない旨)説明しなければならない。
(4)誤り。その建物が区分所有権の目的である場合の共用部分に関する規約の定め(その案を含む)は、建物の貸借以外の契約の場合(例:売買の媒介)には、重要事項として説明しなければならない。しかし、本問のように建物の『貸借』の契約の場合には、重要事項として説明しないでよい。

  正解(3)

平成10年[問 42] 契約前の規制(一般)

宅地の売買に関して宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

(1)Aは、実在しない宅地について広告をすることができず、また、宅地が実在しても実際に取引する意思がない宅地について広告をすることができない。
(2)AがBから宅地を購入するため交渉中であり、Aが購入後売主として売買するか、又は媒介してBの宅地を売買するか未定であるとき、Aは、取引態様の別を明示することなく、当該宅地の売買に関する広告をすることができる。
(3)Aは、広告中の購入代金に関する融資のあっせんに関し、その融資の利息の利率についてアド・オン方式で表示したとき、その旨を明示したとしても、年利建ての実質金利を付記しなければ、広告をすることができない。
(4)Aが、宅地建物取引業法第33条に規定する広告の開始時期の制限に違反した場合、甲県知事は、Aに対して必要な指示をすることができ、Aがその指示に従わないとき業務停止処分をすることができる。

  正解(2)

平成10年[問 43] 契約後の規制(37条書面の交付義務)

宅地建物取引業者Aが、宅地の所有者Bから定期借地権(借地借家法第22条)の設定を受けてその宅地に建物を建築し、Bの承諾を得て定期借地権付きで建物をCに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、「37条書面」とは、同法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。

(1)Aは、Cに対し、取引主任者をして、建物の敷地に関する権利が定期借地権である旨を記載した37条書面を交付して説明をさせなければならない。
(2)Aは、当該契約を締結する時に建物の完成時期が確定していない場合でCの了解を得たとき、37条書面に建物の引渡しの時期を記載する必要はない。
(3)Aは、37条書面に、定期借地権の存続期間終了時における建物の取壊しに関する事項の内容を記載しなければならない。
(4)Aは、取引主任者をして37条書面に記名押印させなければならず、これに違反したときは、指示処分を受けるほか、罰金に処せられることがある。


平成10年[問 43] 解説

(1)誤り。そもそも「建物の敷地に関する権利が定期借地権である旨」は、37条書面の記載事項ではない。なお、37条書面の交付は取引主任者でなくてもできる。
(2)誤り。物件の『引渡しの時期』は、常に(定め−特約−がないときでも)、37条書面に記載しなければならない。相手方の承諾があっても同じだ。
(3)誤り。定期借地権の存続期間終了時における建物の取壊しに関する事項の内容は、そもそも37条書面の記載事項になっていない。
(4)正しい。37条書面に記名・押印することは取引主任者がしなければならないから、Aがこれに違反したときは宅建取引業法違反になる。宅建取引業法の規定に違反した場合は、どんな規定に違反しても、最低、指示処分事由になる。また、37条書面の規定に違反した場合は30万円以下の罰金に処せられることがある。

  正解(4)

平成10年[問 44] 取引主任者(登録後の事情変更)

Aが、甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録(以下この問において「登録」という。)を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、B社及びC社は、いずれも宅地建物取引業者である。

(1)Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。
(2)Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、30日以内に、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。
(3)Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、30日以内に、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。
(4)Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。


平成10年[問 44] 解説

(1)誤り。登録の移転は権利であり義務ではないから、登録の移転について、申請を『しなければならない』という言い方は、誤り。
(2)誤り。取引主任者が住所を変更したときは、遅滞なく、変更の登録の申請をしなければならない。変更の登録を申請しなければならない時期は、30日以内ではなく、遅滞なく、である。
(3)誤り。登録の移転は権利であり義務ではない。従って、どのような場合でも、登録の移転の申請を『しなければならない』というようなことはない。
(4)正しい。取引主任者が宅建取引業の業務に従事する場合に、その業者(会社)の商号が変わった場合ときは、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない。AがB社からC社に転職すればその業者(会社)の商号が変わるわけだから、Aは、遅滞なく甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。

  正解(4)

平成10年[問 45] 契約前の規制(媒介契約の規制)

宅地建物取引業者Aが、Bの所有する宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)媒介契約が専任媒介契約以外の一般媒介契約である場合、Aは、媒介契約を締結したときにBに対し交付すべき書面に、当該宅地の指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。
(2)媒介契約が専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。)である場合、Aは、契約の相手方を探索するため、契約締結の日から5日(休業日を除く。)以内に、当該宅地につき所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
(3)媒介契約が専任媒介契約である場合で、指定流通機構への登録後当該宅地の売買の契約が成立したとき、Aは、遅滞なく、登録番号、宅地の取引価格及び売買の契約の成立した年月日を当該指定流通機構に通知しなければならない。
(4)媒介契約が専属専任媒介契約である場合で、当該契約に「Aは、Bに対し業務の処理状況を10日ごとに報告しなければならない」旨の特約を定めたとき、その特約は有効である。


平成10年[問 45] 解説

(1)誤り。『指定流通機構への登録に関する事項』は、媒介契約書に記載しなければならない事項だ。一般媒介契約の場合は指定流通機構への登録義務がないが、この記載を省略できない。なお、指定流通機構への登録に関する事項とは、登録の有無および登録をする場合の指定流通機構の名称だ。だから、一般媒介契約で指定流通機構へ登録しない場合は、登録しない旨を記載する必要がある。
(2)誤り。専属専任媒介でない普通の専任媒介契約の場合、契約締結の日から『7日(休業日を除く)以内』に、指定流通機構に登録する必要がある。5日以内に登録するのは専属専任媒介契約の場合だ。
(3)正しい。専任媒介契約を締結し指定流通機構へ登録した後に、その物件の売買または交換の契約が成立したときは、遅滞なく、その旨を指定流通機構へ通知しなければならない。この場合、指定流通機構への通知は次の事項について行う必要がある。
@登録番号
A宅地又は建物の取引価格
B売買又は交換の契約の成立した年月日
従って、本肢は正しい。
(4)誤り。専属専任媒介契約では、『1週間に1回以上』業務の処理状況を報告しなければならない。10日ごとに報告する旨の特約は、1週間に1回以上の要件を満たさない。従って、その特約は無効である。

  正解(3)


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