マンションの建替えの円滑化等に関する法律1 2 3 4 5 6 7
マンションの建替えの円滑化等に関する法律
最終改正:平成二〇年四月三〇日法律第二三号
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 施行者
第一節 マンション建替事業の施行(第五条)
第二節 マンション建替組合
第一款 通則(第六条―第八条)
第二款 設立等(第九条―第十五条)
第三款 管理(第十六条―第三十七条)
第四款 解散(第三十八条―第四十三条)
第五款 税法上の特例(第四十四条)
第三節 個人施行者(第四十五条―第五十四条)
第三章 マンション建替事業
第一節 権利変換手続
第一款 手続の開始(第五十五条・第五十六条)
第二款 権利変換計画(第五十七条―第六十七条)
第三款 権利の変換(第六十八条―第七十八条)
第四款 施行マンション等の明渡し(第七十九条・第八十条)
第五款 工事完了等に伴う措置(第八十一条―第八十九条)
第二節 賃借人等の居住の安定の確保に関する施行者等の責務(第九十条)
第三節 雑則(第九十一条―第九十六条)
第四章 マンション建替事業の監督等(第九十七条―第百一条)
第五章 危険又は有害な状況にあるマンションの建替えの促進のための特別の措置
第一節 危険又は有害な状況にあるマンションの建替えの勧告等(第百二条・第百三条)
第二節 賃借人居住安定計画の認定等(第百四条―第百十一条)
第三節 転出区分所有者居住安定計画の認定等(第百十二条―第百十六条)
第四節 賃借人等の居住の安定の確保等に関する措置(第百十七条―第百二十四条)
第六章 雑則(第百二十五条―第百三十一条)
第七章 罰則(第百三十二条―第百四十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、マンション建替組合の設立、権利変換手続による関係権利の変換、危険又は有害な状況にあるマンションの建替えの促進のための特別の措置等マンションの建替えの円滑化等に関する措置を講ずることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義等)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 マンション 二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。
二 マンションの建替え 現に存する一又は二以上のマンションを除却するとともに、当該マンションの敷地(これに隣接する土地を含む。)にマンションを新たに建築することをいう。
三 再建マンション マンションの建替えにより新たに建築されたマンションをいう。
四 マンション建替事業 この法律(第五章を除く。)で定めるところに従って行われるマンションの建替えに関する事業及びこれに附帯する事業をいう。
五 施行者 マンション建替事業を施行する者をいう。
六 施行マンション マンション建替事業を施行する現に存するマンションをいう。
七 施行再建マンション マンション建替事業の施行により建築された再建マンションをいう。
八 区分所有権 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第一項に規定する区分所有権をいう。
九 区分所有者 区分所有法第二条第二項に規定する区分所有者をいう。
十 専有部分 区分所有法第二条第三項に規定する専有部分をいう。
十一 共用部分 区分所有法第二条第四項に規定する共用部分をいう。
十二 マンションの敷地 マンションが所在する土地及び区分所有法第五条第一項の規定によりマンションの敷地とされた土地をいう。
十三 敷地利用権 区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権をいう。
十四 借地権 建物の所有を目的とする地上権及び賃借権をいう。ただし、臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。
十五 借家権 建物の賃借権をいう。ただし、一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。
2 区分所有法第七十条第一項に規定する一括建替え決議(以下単に「一括建替え決議」という。)の内容により、区分所有法第六十九条第一項に規定する団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下「団地内建物」という。)の全部を除却するとともに、区分所有法第七十条第一項に規定する再建団地内敷地に同条第三項第二号に規定する再建団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下この項において「再建団地内建物」という。)を新たに建築する場合には、現に存する団地内建物(マンションを除く。)及び新たに建築された再建団地内建物(マンションを除く。)については、マンションとみなして、この法律を適用する。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国及び地方公共団体は、マンションの建替えの円滑化等を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
(基本方針)
第四条 国土交通大臣は、マンションの建替えの円滑化等に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 マンションの建替えの円滑化等を図るため講ずべき施策の基本的な方向
二 マンションの建替えに向けた区分所有者等の合意形成の促進に関する事項
三 マンション建替事業その他のマンションの建替えに関する事業の円滑な実施に関する事項
四 再建マンションにおける良好な居住環境の確保に関する事項
五 マンションの建替えが行われる場合における従前のマンションに居住していた賃借人(一時使用のための賃借をする者を除く。以下同じ。)及び転出区分所有者(従前のマンションの区分所有者で再建マンションの区分所有者とならないものをいう。以下同じ。)の居住の安定の確保に関する事項
六 危険又は有害な状況にあるマンションの建替えの促進に関する事項
七 その他マンションの建替えの円滑化等に関する重要事項
3 基本方針は、住生活基本法(平成十八年法律第六十一号)第十五条第一項に規定する全国計画との調和が保たれたものでなければならない。
4 国土交通大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第二章 施行者
第一節 マンション建替事業の施行
第五条 マンション建替組合(以下「組合」という。)は、マンション建替事業を施行することができる。
2 マンションの区分所有者又はその同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該マンションについてマンション建替事業を施行することができる。
第二節 マンション建替組合
第一款 通則
(法人格)
第六条 組合は、法人とする。
2 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条の規定は、組合について準用する。
(定款)
第七条 組合の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 組合の名称
二 施行マンションの名称及びその所在地
三 マンション建替事業の範囲
四 事務所の所在地
五 参加組合員に関する事項
六 事業に要する経費の分担に関する事項
七 役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項
八 総会に関する事項
九 総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項
十 事業年度
十一 公告の方法
十二 その他国土交通省令で定める事項
(名称の使用制限)
第八条 組合は、その名称中にマンション建替組合という文字を用いなければならない。
2 組合でない者は、その名称中にマンション建替組合という文字を用いてはならない。
第二款 設立等
(設立の認可)
第九条 区分所有法第六十四条の規定により区分所有法第六十二条第一項に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができる。
2 前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計が、建替え合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
3 区分所有法第七十条第四項において準用する区分所有法第六十四条の規定により一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該一括建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「一括建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を受けて組合を設立することができる。
4 第一項の規定による認可を申請しようとする一括建替え合意者は、組合の設立について、一括建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第七十条第二項において準用する区分所有法第六十九条第二項の議決権の合計が、一括建替え合意者の同項の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンションをいう。以下同じ。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の三分の二以上の同意(各マンションごとに、同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計が、それぞれその区分所有権を有する一括建替え合意者の同条の議決権の合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得なければならない。
5 前各項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の建替え合意者又は一括建替え合意者(以下「建替え合意者等」という。)とみなす。
6 二以上の建替え決議マンション(建替え決議に係るマンションであって一括建替え決議マンション群に属さないものをいう。以下同じ。)若しくは一括建替え決議マンション群又は一以上の建替え決議マンション及び一括建替え決議マンション群に係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、第二項の規定は建替え決議マンションごとに、第四項の規定は一括建替え決議マンション群ごとに、適用する。
7 第一項の規定による認可の申請は、施行マンションとなるべきマンションの所在地の市町村長を経由して行わなければならない。
(事業計画)
第十条 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施行マンションの状況、その敷地の区域及びその住戸(人の居住の用に供するマンションの部分をいう。以下同じ。)の状況、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域、事業施行期間、資金計画その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
2 事業計画は、建替え決議又は一括建替え決議(以下「建替え決議等」という。)の内容に適合したものでなければならない。
(事業計画の縦覧及び意見書の処理)
第十一条 都道府県知事は、第九条第一項の規定による認可の申請があったときは、施行マンションとなるべきマンションの敷地(これに隣接する土地を合わせて施行再建マンションの敷地とする場合における当該土地(以下「隣接施行敷地」という。)を含む。)の所在地の市町村長に、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当しない事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。
2 施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。
3 都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があったときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
4 前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
5 第九条第一項の規定による認可を申請した者が、第三項の規定により事業計画に修正を加え、その旨を都道府県知事に申告したときは、その修正に係る部分について、更にこの条に規定する手続を行うべきものとする。
(認可の基準)
第十二条 都道府県知事は、第九条第一項の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一 申請手続が法令に違反するものでないこと。
二 定款又は事業計画の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあっては、前条第三項に規定する都道府県知事の命令を含む。)に違反するものでないこと。
三 施行再建マンションの敷地とする隣接施行敷地に建築物その他の工作物が存しないこと又はこれに存する建築物その他の工作物を除却し、若しくは移転することができることが確実であること。
四 施行マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
五 施行マンションの住戸の規模、構造及び設備の状況にかんがみ、その建替えを行うことが、マンションにおける良好な居住環境の確保のために必要であること。
六 施行再建マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
七 施行再建マンションの住戸の規模、構造及び設備が、当該住戸に居住すべき者の世帯構成等を勘案して国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
八 事業施行期間が適切なものであること。
九 当該マンション建替事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。
十 その他基本方針に照らして適切なものであること。
(組合の成立)
第十三条 組合は、第九条第一項の規定による認可により成立する。
(認可の公告等)
第十四条 都道府県知事は、第九条第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、組合の名称、施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの敷地の区域、事業施行期間その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域その他国土交通省令で定める事項を表示する図書を送付しなければならない。
2 組合は、前項の公告があるまでは、組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、組合員その他の第三者に対抗することができない。
3 市町村長は、第三十八条第六項又は第八十一条の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
(区分所有権及び敷地利用権の売渡し請求)
第十五条 組合は、前条第一項の公告の日(その日が区分所有法第六十三条第二項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)の期間の満了の日前であるときは、当該期間の満了の日)から二月以内に、区分所有法第六十三条第四項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)に規定する建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建替え決議等があった後に当該区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)の敷地利用権についても、同様とする。
2 前項の規定による請求は、建替え決議等の日から一年以内にしなければならない。ただし、この期間内に請求することができなかったことに正当な理由があるときは、この限りでない。
3 区分所有法第六十三条第五項から第七項まで(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第六項中「第四項」とあるのは、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律第十五条第一項」と読み替えるものとする。
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