平成29年度 行政書士試験問題

正解例

法令等[問題1〜問題40は択一式(5肢択一式)]

問題1 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

 本文省略

問題2 次のア〜オの記述と、それらの記述が示す法思想等との組合せとして、最も適切なものはどれか。
ア 法を現実に通用している制定法および慣習法等の実定法とする考え方
イ 人身の自由および思想の自由等の人格的自由とともに経済的自由を最大限に尊重し、経済活動に対する法規制を最小限にとどめるべきであるとする考え方
ウ 事物の本性や人間の尊厳に基づいて普遍的に妥当する法があるとする考え方
エ 法制度の内容は、その基礎にある生産諸要素および経済的構造によって決定されるとし、私有財産制度も普遍的なものではなく、資本主義経済によって生み出されたとする考え方
オ 法制度を経済学の手法を用いて分析し、特に効率性の観点から立法および法解釈のあり方を検討する考え方

1 ア:パンデクテン法学 イ:リベラリズム ウ:自然法 エ:社会主義法学 オ:利益法学
2 ア:概念法学 イ:リバタリアニズム ウ:パターナリズム エ:コミュニタリアニズム オ:法と経済学
3 ア:法実証主義 イ:リベラリズム ウ:善きサマリア人の法 エ:マルクス主義法学 オ:利益法学
4 ア:概念法学 イ:レッセ・フェール ウ:善きサマリア人の法 エ:コミュニタリアニズム オ:ネオリベラリズム
5 ア:法実証主義 イ:リバタリアニズム ウ:自然法 エ:マルクス主義法学 オ:法と経済学

 

問題3 人権の享有主体性をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。
2 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。
3 公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる。
4 憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。
5 憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。

問題4 次の記述は、ため池の堤とう(堤塘)の使用規制を行う条例により「ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、ため池の破損、決かい等に因る災害を未然に防止するため、その財産権の行使を殆んど全面的に禁止される」ことになった事件についての最高裁判所判決に関するものである。判決の論旨として妥当でないものはどれか。

1 社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである。
2 ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていない。
3 憲法、民法の保障する財産権の行使の埓外にある行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえない。
4 事柄によっては、国において法律で一律に定めることが困難または不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに条例で定めることが容易かつ適切である。
5 憲法29 条2項は、財産権の内容を条例で定めることを禁じているが、その行使については条例で規制しても許される。

問題5 内閣に関する次の記述のうち、憲法の規定に照らし、妥当なものはどれか。

1 内閣総理大臣は、国会の同意を得て国務大臣を任命するが、その過半数は国会議員でなければならない。
2 憲法は明文で、閣議により内閣が職務を行うべきことを定めているが、閣議の意思決定方法については規定しておらず、慣例により全員一致で閣議決定が行われてきた。
3 内閣の円滑な職務遂行を保障するために、憲法は明文で、国務大臣はその在任中逮捕されず、また在任中は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない、と規定した。
4 法律および政令には、その執行責任を明確にするため、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
5 内閣の存立は衆議院の信任に依存するので、内閣は行政権の行使について、参議院に対しては連帯責任を負わない。

問題6 次の文章の空欄[ ]に当てはまる語句(ア)と、本文末尾で述べられた考え方(イ)(現在でも通説とされる。)との組合せとして、妥当なものはどれか(旧漢字・旧仮名遣い等は適宜修正した。)。

 本文省略

問題7 憲法の概念に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 通常の法律より改正手続が困難な憲法を硬性憲法、法律と同等の手続で改正できる憲法を軟性憲法という。ドイツやフランスの場合のように頻繁に改正される憲法は、法律より改正が困難であっても軟性憲法に分類される。
2 憲法の定義をめぐっては、成文の憲法典という法形式だけでなく、国家統治の基本形態など規定内容に着目する場合があり、後者は実質的意味の憲法と呼ばれる。実質的意味の憲法は、成文の憲法典以外の形式をとって存在することもある。
3 憲法は、公権力担当者を拘束する規範であると同時に、主権者が自らを拘束する規範でもある。日本国憲法においても、公務員のみならず国民もまた、憲法を尊重し擁護する義務を負うと明文で規定されている。
4 憲法には最高法規として、国内の法秩序において最上位の強い効力が認められることも多い。日本国憲法も最高法規としての性格を備えるが、判例によれば、国際協調主義がとられているため、条約は国内法として憲法より強い効力を有する。
5 憲法には通常前文が付されるが、その内容・性格は憲法によって様々に異なっている。日本国憲法の前文の場合は、政治的宣言にすぎず、法規範性を有しないと一般に解されている。

問題8 砂利採取法26条1号から4号までによる「認可の取消し」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 1号による「認可の取消し」および2号による「認可の取消し」は、いずれも行政法学上の取消しである。
2 1号による「認可の取消し」および3号による「認可の取消し」は、いずれも行政法学上の取消しである。
3 2号による「認可の取消し」および3号による「認可の取消し」は、いずれも行政法学上の撤回である。
4 2号による「認可の取消し」および4号による「認可の取消し」は、いずれも行政法学上の撤回である。
5 3号による「認可の取消し」および4号による「認可の取消し」は、いずれも行政法学上の撤回である。
(参照条文)
砂利採取法
(採取計画の認可)
第16条 砂利採取業者は、砂利の採取を行おうとするときは、当該採取に係る砂利採取場ごとに採取計画を定め、(当該砂利採取場の所在地を管轄する都道府県知事等)の認可を受けなければならない。
(遵守義務)
第21条 第16条の認可を受けた砂利採取業者は、当該認可に係る採取計画・・・に従つて砂利の採取を行なわなければならない。
(緊急措置命令等)
第23条第1項 都道府県知事又は河川管理者は、砂利の採取に伴う災害の防止のため緊急の必要があると認めるときは、採取計画についてその認可を受けた砂利採取業者に対し、砂利の採取に伴う災害の防止のための必要な措置をとるべきこと又は砂利の採取を停止すべきことを命ずることができる。(第2項以下略)
(認可の取消し等)
第26条 都道府県知事又は河川管理者は、第16条の認可を受けた砂利採取業者が次の各号の一に該当するときは、その認可を取り消し、又は6月以内の期間を定めてその認可に係る砂利採取場における砂利の採取の停止を命ずることができる。
1 第21条の規定に違反したとき。
2 ・・・第23条第1項の規定による命令に違反したとき。
3 第31条第1項の条件に違反したとき。
4 不正の手段により第16条の認可を受けたとき。
(認可の条件)
第31条第1項 第16条の認可・・・には、条件を附することができる。(第2項以下略)

問題9 無効の行政行為に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 無効の行政行為については、それを争う訴訟として無効確認訴訟が法定されており、その無効を実質的当事者訴訟や民事訴訟において主張することは許されない。
2 無効の行政行為については、それを取り消すことはできないから、たとえ出訴期間内であっても、それに対して提起された取消訴訟は不適法とされる。
3 無効の行政行為については、当該処分の取消訴訟について、個別法に審査請求前置が規定されていても、直ちに無効確認訴訟を提起することが許される。
4 無効の行政行為については、客観的に効力が認められないのであるから、その無効を主張する者は、何人でも、無効確認訴訟を提起して、これを争うことができる。
5 無効の行政行為については、その執行は認められず、これを何人も無視できるから、無効確認訴訟には、仮の救済のための執行停止制度の準用はなされていない。

問題10 執行罰に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 執行罰とは、行政上の義務の不履行について、罰金を科すことにより、義務の履行を促す制度であり、行政上の強制執行の一類型とされる。
2 執行罰は、行政上の義務の履行確保のために科されるものであるが、行政機関の申立てにより、非訟事件手続法の定める手続に従って、裁判所の決定によって科される。
3 執行罰は、刑罰ではないため、二重処罰の禁止の原則の適用はなく、同一の義務の不履行について、これを複数回にわたり科すことも認められる。
4 執行罰については、それを認める一般法は存在せず、これを認める個別の法令の定めが必要であるが、行政代執行法は、執行罰の規定を条例で定めることも明文で許容している。
5 執行罰は、多くの法令において、各種の届出義務などの軽微な手続上の義務への違反に科されることとされている。

問題11 次の文章は、行政手続法1条1項の条文である。空欄[ア]〜[オ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
第1条 この法律は、[ア]、行政指導及び[イ]に関する手続並びに[ウ]等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における[エ]の確保と透明性(略)の向上を図り、もって[オ]に資することを目的とする。

   [ア]     [イ]     [ウ]     [エ]     [オ]
1 行政行為   届出   行政計画   迅速性   国民の権利利益の保護
2 処分     公証   行政契約   効率性   行政の適正な運営
3 行政行為   公証   命令     公正    国民の権利利益の保護
4 行政行為   通知   行政計画   効率性   行政の適正な運営
5 処分     届出   命令     公正    国民の権利利益の保護

問題12 処分理由の提示に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 行政手続法が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接義務を課し、またはその権利を制限するという同処分の性質にかんがみたものであるから、行政手続法には、申請に対する拒否処分に関する理由の提示の定めはない。
2 一級建築士免許取消処分をするに際し、行政庁が行政手続法に基づいて提示した理由が不十分であったとしても、行政手続法には理由の提示が不十分であった場合の処分の効果に関する規定は置かれていないから、その違法により裁判所は当該処分を取り消すことはできない。
3 行政手続法は、不利益処分をする場合にはその名宛人に対し同時に当該不利益処分の理由を示さなければならないと定める一方、「当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合はこの限りでない。」としている。
4 青色申告について行政庁が行った更正処分における理由附記の不備という違法は、同処分に対する審査裁決において処分理由が明らかにされた場合には、治癒され、更正処分の取消事由とはならない。
5 情報公開条例に基づく公文書の非公開決定において、行政庁がその処分理由を通知している場合に、通知書に理由を附記した以上、行政庁が当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することは許されない。

問題13 行政手続法の定める聴聞に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、調書は、聴聞の審理の経過を記載した書面であり、報告書は、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した書面である。

1 聴聞の主宰者は、調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者および参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。
2 聴聞の主宰者は、聴聞の終結後、速やかに報告書を作成し、調書とともに行政庁に提出しなければならない。
3 聴聞の当事者または参加人は、聴聞の主宰者によって作成された調書および報告書の閲覧を求めることができる。
4 聴聞の終結後、聴聞の主宰者から調書および報告書が提出されたときは、行政庁は、聴聞の再開を命ずることはできない。
5 行政庁は、不利益処分の決定をするときは、調書の内容および報告書に記載された聴聞の主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。

問題14 行政不服審査法の定める審査請求の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 全ての行政庁の処分は、行政不服審査法または個別の法律に特別の定めがない限り、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となる。
2 地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例または規則に置かれているものに限る。)についての審査請求には、当該地方公共団体の定める行政不服審査条例が適用され、行政不服審査法は適用されない。
3 地方公共団体は、自己に対する処分でその固有の資格において処分の相手方となるものに不服がある場合、行政不服審査法に基づく審査請求をした後でなければ当該処分の取消訴訟を提起することができない。
4 行政指導の相手方は、当該行政指導が違法だと思料するときは、行政不服審査法に基づく審査請求によって当該行政指導の中止を求めることができる。
5 個別の法律により再調査の請求の対象とされている処分は、行政不服審査法に基づく審査請求の対象とはならない。

問題15 行政不服審査法の定める審査請求人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 法人でない社団であっても、代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができる。
2 審査請求人は、国の機関が行う処分について処分庁に上級行政庁が存在しない場合、特別の定めがない限り、行政不服審査会に審査請求をすることができる。
3 審査請求人は、処分庁が提出した反論書に記載された事項について、弁明書を提出することができる。
4 審査請求人の代理人は、特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる。
5 共同審査請求人の総代は、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを含め、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。

問題16 行政不服審査法の定める執行停止に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てによりまたは職権で、処分の効力、処分の執行または手続の続行の全部または一部の停止その他の措置をとることができる。
2 審査庁は、処分、処分の執行または手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査請求人の申立てがなくとも、職権で執行停止をしなければならない。
3 審理員は、必要があると認める場合には、審査庁に対し、執行停止をすべき旨の意見書を提出することができ、意見書の提出があった場合、審査庁は、速やかに執行停止をしなければならない。
4 執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更したときには、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。
5 処分庁の上級行政庁または処分庁が審査庁である場合には、処分の執行の停止によって目的を達することができる場合であっても、処分の効力の停止をすることができる。

問題17 許認可の申請拒否処分の取消訴訟に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 申請拒否処分の取消訴訟には、申請された許認可を命ずることを求める義務付け訴訟を併合提起できるが、当該申請拒否処分の取消訴訟のみを単独で提起することも許される。
2 申請拒否処分の取消訴訟を提起した者は、終局判決の確定まで、申請された許認可の効果を仮に発生させるため、当該申請拒否処分の効力の停止を申し立てることができる。
3 申請拒否処分の取消訴訟については、出訴期間の制限はなく、申請を拒否された者は、申請された許認可がなされない限り、当該申請拒否処分の取消訴訟を提起できる。
4 申請拒否処分の取消訴訟の係属中に当該申請拒否処分が職権で取り消され、許認可がなされた場合には、当該取消訴訟は訴えの利益を失い、請求は棄却されることとなる。
5 申請拒否処分の取消訴訟において、当該申請拒否処分の取消しの判決が確定した場合には、その判決の理由のいかんにかかわらず、処分庁は、再度、申請拒否処分をすることは許されない。

問題18 行政事件訴訟法3条3項による「裁決の取消しの訴え」に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 「裁決の取消しの訴え」の対象とされている裁決は、「義務付けの訴え」や「差止めの訴え」の対象ともされている。
2 「裁決の取消しの訴え」について、原告適格が認められるのは、裁決の相手方である審査請求人に限られ、それ以外の者には、原告適格は認められない。
3 「裁決の取消しの訴え」は、審査請求の対象とされた原処分に対する「処分の取消しの訴え」の提起が許されない場合に限り、提起が認められる。
4 「裁決の取消しの訴え」については、審査請求に対する裁決のみが対象とされており、再調査の請求に対する決定は、「処分の取消しの訴え」の対象とされている。
5 「裁決の取消しの訴え」については、「処分の取消しの訴え」における執行停止の規定は準用されていないから、裁決について、執行停止を求めることはできない。

問題19 行政事件訴訟法の定める仮の差止めに関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 仮の差止めの申立てについては、執行停止における内閣総理大臣の異議の規定は準用されていない。
2 仮の差止めの申立てがなされた場合、行政庁は、仮の差止めの可否に関する決定がなされるまで、対象とされた処分をすることができない。
3 仮の差止めは、処分がされることにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、申立てにより、または職権で裁判所がこれを命ずる。
4 仮の差止めは、緊急の必要があるときは、本案訴訟である差止めの訴えの提起に先立って、申し立てることができる。
5 仮の差止めについては、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、裁判所は、これを命ずる決定をすることができない。

問題20 国家賠償法1条に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 通達は、本来、法規としての性質を有しない行政組織内部の命令にすぎず、その違法性を裁判所が独自に判断できるから、国の担当者が、法律の解釈を誤って通達を定め、この通達に従った取扱いを継続したことは、国家賠償法1条1項の適用上も当然に違法なものと評価される。
2 検察官は合理的な嫌疑があれば公訴を提起することが許されるのであるから、検察官が起訴した裁判において最終的に無罪判決が確定したからといって、当該起訴が国家賠償法1条1項の適用上も当然に違法となるわけではない。
3 裁判官のなす裁判も国家賠償法1条の定める「公権力の行使」に該当するが、裁判官が行う裁判においては自由心証主義が認められるから、裁判官の行う裁判が国家賠償法1条1項の適用上違法と判断されることはない。
4 国会議員の立法行為(立法不作為を含む。)は、国家賠償法1条の定める「公権力の行使」に該当するものではなく、立法の内容が憲法の規定に違反する場合であっても、国会議員の当該立法の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けることはない。
5 政府が、ある政策目標を実現するためにとるべき具体的な措置についての判断を誤り、ないしはその措置に適切を欠いたため当該目標を達成できなかった場合には、国家賠償法1条1項の適用上当然に違法の評価を受ける。

問題21 次の文章は、国家賠償法に関する最高裁判所判決の一節である。空欄[T]〜[X]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。
 原判決は、本件火災は第一次出火の際の残り火が再燃して発生したものであるが、上告人の職員である消防署職員の消火活動について失火ノ責任ニ関スル法律(以下「失火責任法」という。)は適用されず、第一次出火の消火活動に出動した消防署職員に残り火の点検、再出火の危険回避を怠つた[T]がある以上、上告人は被上告人に対し国家賠償法一条一項により損害を賠償する義務があるとし、被上告人の請求のうち一部を認容した。
 思うに、国又は公共団体の損害賠償の責任について、国家賠償法四条は、同法一条一項の規定が適用される場合においても、民法の規定が[U]ことを明らかにしているところ、失火責任法は、失火者の責任条件について民法七〇九条の特則を規定したものであるから、国家賠償法四条の「民法」に[V]と解するのが相当である。また、失火責任法の趣旨にかんがみても、公権力の行使にあたる公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任についてのみ同法の[W]合理的理由も存しない。したがつて、公権力の行使にあたる公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任については、国家賠償法四条により失火責任法が適用され、当該公務員に[X]のあることを必要とするものといわなければならない。
(最二小判昭和53年7月17日民集32巻5号1000頁)
   ア             イ
T 重大な過失       過失
U 補充的に適用される   優先的に適用される
V 含まれる        含まれない
W 適用を排除すべき    適用を認めるべき
X 重大な過失       過失

  T   U   V   W   X
1 ア   ア   ア   イ   イ
2 ア   イ   イ   ア   イ
3 イ   ア   ア   ア   ア
4 イ   イ   ア   イ   ア
5 イ   イ   イ   ア   ア

問題22 地方自治法が定める公の施設に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 普通地方公共団体は、法律またはこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置に関する事項を、条例で定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならないが、正当な理由があれば、利用を拒むことができる。
3 普通地方公共団体は、公の施設を管理する指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ議会の議決を経なければならない。
4 公の施設は、住民の利用に供するために設けられるものであり、普通地方公共団体は、その区域外において、公の施設を設けることはできない。
5 普通地方公共団体が、公の施設の管理を指定管理者に行わせる場合には、指定管理者の指定の手続等の必要な事項を条例で定めなければならない。

問題23 地方自治法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 町村は、議会に代えて、選挙権を有する者の総会を設ける場合、住民投票を経なければならない。
2 普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した者について、正当な理由がある場合には、その者が議員となることを拒むことができる。
3 普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、専決処分にすることができる。
4 普通地方公共団体が処理する事務のうち、自治事務についても、法定受託事務と同様に、地方自治法により複数の種類が法定されている。
5 自治事務とは異なり、法定受託事務に関する普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与については、法律に基づかないでなすことも認められている。

問題24 地方自治法による住民監査請求と住民訴訟に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 地方公共団体が随意契約の制限に関する法令の規定に違反して契約を締結した場合、当該契約は当然に無効であり、住民は、その債務の履行の差止めを求める住民訴訟を提起することができる。
2 住民訴訟によって、住民は、地方公共団体の契約締結の相手方に対し、不当利得返還等の代位請求をすることができる。
3 住民監査請求をするに当たって、住民は、当該地方公共団体の有権者のうち一定数以上の者とともに、これをしなければならない。
4 地方公共団体の住民が違法な公金の支出の差止めを求める住民訴訟を適法に提起した場合において、公金の支出がなされることによる重大な損害を避けるため、同時に執行停止の申立ても行うことができる。
5 監査委員が適法な住民監査請求を不適法として却下した場合、当該請求をした住民は、適法な住民監査請求を経たものとして、直ちに住民訴訟を提起することができる。

問題25 次の文章は、都市計画における建設大臣(当時)の裁量権の範囲に関する原審の判断を覆した最高裁判所判決の一節である。空欄[T]〜[W]には、それぞれあとの[ア]〜[エ]のいずれかの文が入る。原審の判断を覆すための論理の展開を示すものとして妥当なものの組合せはどれか。
 都市施設は、その性質上、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めなければならないものであるから、都市施設の区域は、当該都市施設が適切な規模で必要な位置に配置されたものとなるような合理性をもって定められるべきものである。この場合において、民有地に代えて公有地を利用することができるときには、そのことも上記の合理性を判断する一つの考慮要素となり得ると解すべきである。
 [T]。しかし、[U]。
 そして、[V]のであり、[W]。
 以上によれば、南門の位置を変更することにより林業試験場の樹木に悪影響が生ずるか等について十分に審理することなく、本件都市計画決定について裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してしたものであるということはできないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
(最二小判平成18年9月4日判例時報1948号26頁)
ア 原審は、南門の位置を変更し、本件民有地ではなく本件国有地を本件公園の用地として利用することにより、林業試験場の樹木に悪影響が生ずるか、悪影響が生ずるとして、これを樹木の植え替えなどによって回避するのは困難であるかなど、樹木の保全のためには南門の位置は現状のとおりとするのが望ましいという建設大臣の判断が合理性を欠くものであるかどうかを判断するに足りる具体的な事実を確定していないのであって、原審の確定した事実のみから、南門の位置を現状のとおりとする必要があることを肯定し、建設大臣がそのような前提の下に本件国有地ではなく本件民有地を本件公園の区域と定めたことについて合理性に欠けるものではないとすることはできないといわざるを得ない
イ 本件国有地ではなく本件民有地を本件公園の区域と定めた建設大臣の判断が合理性を欠くものであるということができるときには、その建設大臣の判断は、他に特段の事情のない限り、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものとなるのであって、本件都市計画決定は、裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるのである
ウ 樹木の保全のためには南門の位置は現状のとおりとするのが望ましいという建設大臣の判断が合理性を欠くものであるということができる場合には、更に、本件民有地及び本件国有地の利用等の現状及び将来の見通しなどを勘案して、本件国有地ではなく本件民有地を本件公園の区域と定めた建設大臣の判断が合理性を欠くものであるということができるかどうかを判断しなければならない
エ 原審は、建設大臣が林業試験場には貴重な樹木が多いことからその保全のため南門の位置は現状のとおりとすることになるという前提の下に本件民有地を本件公園の区域と定めたことは合理性に欠けるものではないとして、本件都市計画決定について裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してしたものであるということはできないとする

  T   U   V   W
1 ア   ウ   エ   イ
2 イ   エ   ア   ウ
3 イ   エ   ウ   ア
4 ウ   イ   エ   ア
5 エ   ア   ウ   イ

問題26 次の文章は、X県知事により行われる、ある行政処分に付される教示である。これに関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
(教示)
 この処分に不服があるときは、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内にX県知事に審査請求をすることができます(処分のあった日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。
 また、この処分に対する取消訴訟については、[a]を被告として、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。ただし、処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に審査請求をした場合には、処分の取消訴訟は、その審査請求に対する裁決の送達を受けた日の翌日から起算して6か月以内に提起しなければなりません(裁決のあった日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。
ア この教示を怠っても、当該処分がそれを理由として取り消されることはない。
イ 空欄[a]に当てはまるものは、X県知事である。
ウ この教示は、行政不服審査法と行政事件訴訟法に基づいて行われている。
エ この教示が示す期間が過ぎた場合には、取消訴訟を提起することはできないが、正当な理由がある場合には、審査請求のみは許される。
オ この教示は、審査請求の裁決を経てからでなければ、取消訴訟が提起できないことを示している。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・ウ
4 ウ・オ
5 エ・オ

問題27 自然人A(以下「A」という。)が団体B(以下「B」という。)に所属している場合に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
ア Bが法人である場合に、AがBの理事として第三者と法律行為をするときは、Aは、Bの代表としてではなく、Bの構成員全員の代理人として当該法律行為を行う。
イ Bが権利能力のない社団である場合には、Bの財産は、Bを構成するAら総社員の総有に属する。
ウ Bが組合である場合には、Aは、いつでも組合財産についてAの共有持分に応じた分割を請求することができる。
エ Bが組合であり、Aが組合の業務を執行する組合員である場合は、Aは、組合財産から当然に報酬を得ることができる。
オ Bが組合であり、Aが組合の業務を執行する組合員である場合に、組合契約によりAの業務執行権限を制限しても、組合は、善意無過失の第三者には対抗できない。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・オ
5 エ・オ

問題28 錯誤等に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 要素の錯誤が成立する場合において、表意者に錯誤に基づく無効を主張する意思がないときであっても、表意者自身が錯誤を認めており、表意者に対する債権を保全する必要がある場合、表意者の債権者は、表意者の錯誤を理由とする無効を主張することができる。
2 売買代金に関する立替金返還債務のための保証において、実際には売買契約が偽装されたものであったにもかかわらず、保証人がこれを知らずに保証契約を締結した場合、売買契約の成否は、原則として、立替金返還債務を主たる債務とする保証契約の重要な内容であるから、保証人の錯誤は要素の錯誤に当たる。
3 婚姻あるいは養子縁組などの身分行為は錯誤に基づく無効の対象とならず、人違いによって当事者間に婚姻または縁組をする意思がないときであっても、やむを得ない事由がない限り、その婚姻あるいは養子縁組は無効とならない。
4 連帯保証人が、他にも連帯保証人が存在すると誤信して保証契約を締結した場合、他に連帯保証人があるかどうかは、通常は保証契約の動機にすぎないから、その存在を特に保証契約の内容とした旨の主張立証がなければ、連帯保証人の錯誤は要素の錯誤に当たらない。
5 離婚に伴う財産分与に際して夫が自己所有の不動産を妻に譲渡した場合において、実際には分与者である夫に課税されるにもかかわらず、夫婦ともに課税負担は専ら妻が負うものと認識しており、夫において、課税負担の有無を重視するとともに、自己に課税されないことを前提とする旨を黙示的に表示していたと認められるときは、要素の錯誤が認められる。

問題29 物権の成立に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。
ア 他人の土地の地下または空間の一部について、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権を設定することは認められない。
イ 一筆の土地の一部について、所有権を時効によって取得することは認められる。
ウ 構成部分の変動する集合動産について、一括して譲渡担保の目的とすることは認められない。
エ 土地に生育する樹木について、明認方法を施した上で、土地とは独立した目的物として売却することは認められる。
オ 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題30 Aは、甲不動産をその占有者Bから購入し引渡しを受けていたが、実は甲不動産はC所有の不動産であった。BおよびAの占有の態様および期間に関する次の場合のうち、民法の規定および判例に照らし、Aが、自己の占有、または自己の占有にBの占有を併せた占有を主張しても甲不動産を時効取得できないものはどれか。

1 Bが悪意で5年間、Aが善意無過失で10年間
2 Bが悪意で18年間、Aが善意無過失で2年間
3 Bが悪意で5年間、Aが善意無過失で5年間
4 Bが善意無過失で7年間、Aが悪意で3年間
5 Bが善意無過失で3年間その後悪意となり2年間、Aが善意無過失で3年間その後悪意となり3年間

問題31 物権的請求権等に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 Aが所有する甲土地の上に、Bが権原なく乙建物を建設してこれをCに譲渡した場合、無権原で乙建物を建設することによってAの土地所有権を侵害したのはBであるから、AはBに対してのみ乙建物の収去を求めることができる。
2 第三者が抵当不動産を不法占有することによって同不動産の交換価値の実現が妨げられ、抵当権者の優先弁済権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権に基づく妨害排除請求権が認められるが、抵当権は占有を目的とする権利ではないため、抵当権者が占有者に対し直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることは常にできない。
3 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還を請求することはできるが、損害の賠償を請求することはできない。
4 第三者が賃貸不動産を不法占有している場合、賃借人は、その賃借権が対抗要件を具備しているか否かを問わず、その不法占有者に対して、当該不動産に関する賃借権に基づく妨害排除請求を行うことができる。
5 Dが所有する丙土地の上に、Eが権原なく丁建物を建設し、自己所有名義で建物保存登記を行った上でこれをFに譲渡したが、建物所有権登記がE名義のままとなっていた場合、Dは登記名義人であるEに対して丁建物の収去を求めることができる。

問題32 共同事業を営むAとBは、Cから事業資金の融資を受けるに際して、共に弁済期を1年後としてCに対し連帯して1,000万円の貸金債務(以下「本件貸金債務」という。)を負担した(負担部分は2分の1ずつとする。)。この事実を前提とする次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 本件貸金債務につき、融資を受けるに際してAが要素の錯誤に陥っており、錯誤に基づく無効を主張してこれが認められた場合であっても、これによってBが債務を免れることはない。
2 本件貸金債務につき、A・C間の更改により、AがCに対して甲建物を給付する債務に変更した場合、Bは本件貸金債務を免れる。
3 本件貸金債務につき、弁済期到来後にAがCに対して弁済の猶予を求め、その後更に期間が経過して、弁済期の到来から起算して時効期間が満了した場合に、Bは、Cに対して消滅時効を援用することはできない。
4 本件貸金債務につき、Cから履行を求められたAが、あらかじめその旨をBに通知することなくCに弁済した。その当時、BはCに対して500万円の金銭債権を有しており、既にその弁済期が到来していた場合、BはAから500万円を求償されたとしても相殺をもって対抗することができる。
5 本件貸金債務につき、AがCに弁済した後にBに対してその旨を通知しなかったため、Bは、これを知らずに、Aに対して事前に弁済する旨の通知をして、Cに弁済した。この場合に、Bは、Aの求償を拒み、自己がAに対して500万円を求償することができる。

問題33 Aは自己所有の甲機械(以下「甲」という。)をBに賃貸し(以下、これを「本件賃貸借契約」という。)、その後、本件賃貸借契約の期間中にCがBから甲の修理を請け負い、Cによる修理が終了した。この事実を前提とする次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 Bは、本件賃貸借契約において、Aの負担に属するとされる甲の修理費用について直ちに償還請求することができる旨の特約がない限り、契約終了時でなければ、Aに対して償還を求めることはできない。
2 CがBに対して甲を返還しようとしたところ、Bから修理代金の提供がなかったため、Cは甲を保管することとした。Cが甲を留置している間は留置権の行使が認められるため、修理代金債権に関する消滅時効は進行しない。
3 CはBに対して甲を返還したが、Bが修理代金を支払わない場合、Cは、Bが占有する甲につき、動産保存の先取特権を行使することができる。
4 CはBに対して甲を返還したが、Bは修理代金を支払わないまま無資力となり、本件賃貸借契約が解除されたことにより甲はAに返還された。本件賃貸借契約において、甲の修理費用をBの負担とする旨の特約が存するとともに、これに相応して賃料が減額されていた場合、CはAに対して、事務管理に基づいて修理費用相当額の支払を求めることができる。
5 CはBに対して甲を返還したが、Bは修理代金を支払わないまま無資力となり、本件賃貸借契約が解除されたことにより甲はAに返還された。本件賃貸借契約において、甲の修理費用をBの負担とする旨の特約が存するとともに、これに相応して賃料が減額されていた場合、CはAに対して、不当利得に基づいて修理費用相当額の支払を求めることはできない。

問題34 不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 景観の良否についての判断は個々人によって異なる主観的かつ多様性のあるものであることから、個々人が良好な景観の恵沢を享受する利益は、法律上保護される利益ではなく、当該利益を侵害しても、不法行為は成立しない。
2 人がその品性、徳行、名声、信用などについて社会から受けるべき客観的な社会的評価が低下させられた場合だけではなく、人が自己自身に対して与えている主観的な名誉感情が侵害された場合にも、名誉毀損による不法行為が成立し、損害賠償の方法として原状回復も認められる。
3 宗教上の理由から輸血拒否の意思表示を明確にしている患者に対して、輸血以外に救命手段がない場合には輸血することがある旨を医療機関が説明しないで手術を行い輸血をしてしまったときでも、患者が宗教上の信念に基づいて当該手術を受けるか否かを意思決定する権利はそもそも人格権の一内容として法的に保護に値するものではないので、不法行為は成立しない。
4 医師の過失により医療水準に適かなった医療行為が行われず患者が死亡した場合において、医療行為と患者の死亡との間の因果関係が証明されなくても、医療水準に適った医療行為が行われていたならば患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性の存在が証明されるときは、不法行為が成立する。
5 交通事故の被害者が後遺症のために身体的機能の一部を喪失した場合には、その後遺症の程度が軽微であって被害者の現在または将来における収入の減少が認められないときでも、労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害が認められる。

問題35 遺言に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア 15歳に達した者は、遺言をすることができるが、遺言の証人または立会人となることはできない。
イ 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書してこれに押印しなければならず、遺言を変更する場合には、変更の場所を指示し、変更内容を付記して署名するか、または変更の場所に押印しなければ効力を生じない。
ウ 公正証書によって遺言をするには、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授しなければならないが、遺言者が障害等により口頭で述べることができない場合には、公証人の質問に対してうなずくこと、または首を左右に振ること等の動作で口授があったものとみなす。
エ 秘密証書によって遺言をするには、遺言者が、証書に署名、押印した上、その証書を証書に用いた印章により封印し、公証人一人および証人二人以上の面前で、当該封書が自己の遺言書である旨ならびにその筆者の氏名および住所を申述する必要があるが、証書は自書によらず、ワープロ等の機械により作成されたものであってもよい。
オ 成年被後見人は、事理弁識能力を欠いている場合には遺言をすることができないが、一時的に事理弁識能力を回復した場合には遺言をすることができ、その場合、法定代理人または3親等内の親族二人の立会いのもとで遺言書を作成しなければならない。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・オ
5 エ・オ

問題36 商人および商行為に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1 商人とは、自己の計算において商行為をすることを業とする者をいう。
2 店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。
3 商人の行為は、その営業のためにするものとみなされ、全て商行為となる。
4 商法は一定の行為を掲げて商行為を明らかにしているが、これらの行為は全て営業としてするときに限り商行為となる。
5 商行為とは、商人が営業としてする行為または営業のためにする行為のいずれかに当たり、商人でない者の行為は、商行為となることはない。

問題37 株式会社(種類株式発行会社を除く。)の設立に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1 株式会社の定款には、当該株式会社の目的、商号、本店の所在地、資本金の額、設立時発行株式の数、ならびに発起人の氏名または名称および住所を記載または記録しなければならない。
2 金銭以外の財産を出資する場合には、株式会社の定款において、その者の氏名または名称、当該財産およびその価額、ならびにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数を記載または記録しなければ、その効力を生じない。
3 発起人は、その引き受けた設立時発行株式について、その出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付した時に、設立時発行株式の株主となる。
4 設立時募集株式の引受人がその引き受けた設立時募集株式に係る出資を履行していない場合には、株主は、訴えの方法により当該株式会社の設立の取消しを請求することができる。
5 発起設立または募集設立のいずれの手続においても、設立時取締役の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。

問題38 発行済株式の総数の増減に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1 発行済株式の総数は、会社が反対株主の株式買取請求に応じることにより減少する。
2 発行済株式の総数は、会社が自己株式を消却することにより減少する。
3 発行済株式の総数は、会社が単元株式数を定款に定めることにより減少する。
4 発行済株式の総数は、会社が自己株式を処分することにより増加する。
5 発行済株式の総数は、会社が募集新株予約権を発行することにより増加する。

問題39 株式会社の取締役の報酬等に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。
ア 取締役の報酬等は、当該株式会社の分配可能額の中から剰余金の処分として支給され、分配可能額がない場合には、報酬等を支給することはできない。
イ 指名委員会等設置会社でない株式会社において、取締役の報酬等として当該株式会社の株式または新株予約権を取締役に付与する場合には、取締役の報酬等に関する定款の定めも株主総会の決議も要しない。
ウ 監査等委員会設置会社において、監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員以外の取締役の報酬等について、監査等委員会の意見を述べることができる。
エ 指名委員会等設置会社において、報酬委員会は取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならず、当該方針に従って、報酬委員会は取締役の個人別の報酬等の内容を決定する。
オ 監査等委員会設置会社において、監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題40 次の記述のうち、全ての株式会社に共通する内容として、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。
ア 株主の責任の上限は、その有する株式の引受価額である。
イ 株主は、その有する株式を譲渡することができる。
ウ 募集株式の発行に係る募集事項は、株主総会の決議により決定する。
エ 株主総会は、その決議によって取締役を1人以上選任する。
オ 株式会社の最低資本金は、300万円である。

1 ア・イ
2 イ・ウ
3 ウ・エ
4 ウ・オ
5 エ・オ

[問題41〜問題43は択一式(多肢選択式)]

問題41 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
 その保障の根拠に照らして考えるならば、表現の自由といつても、そこにやはり一定の限界があることを否定し難い。[ア]が真実に反する場合、そのすべての言論を保護する必要性・有益性のないこともまた認めざるをえないのである。特に、その[ア]が真実に反するものであつて、他人の[イ]としての名誉を侵害・毀損する場合においては、[イ]の保護の観点からも、この点の考慮が要請されるわけである。私は、その限界は以下のところにあると考える。すなわち、表現の事前規制は、事後規制の場合に比して格段の慎重さが求められるのであり、名誉の侵害・毀損の被害者が公務員、公選による公職の候補者等の[ウ]人物であつて、その[ア]が[ウ]問題に関する場合には、表現にかかる事実が真実に反していてもたやすく規制の対象とすべきではない。しかし、その表現行為がいわゆる[エ]をもつてされた場合、換言すれば、表現にかかる事実が真実に反し虚偽であることを知りながらその行為に及んだとき又は虚偽であるか否かを無謀にも無視して表現行為に踏み切つた場合には、表現の自由の優越的保障は後退し、その保護を主張しえないものと考える。けだし、右の場合には、故意に虚偽の情報を流すか、[ア]の真実性に無関心であつたものというべく、表現の自由の優越を保障した憲法二一条の根拠に鑑み、かかる表現行為を保護する必要性・有益性はないと考えられるからである。
(最大判昭和61年6月11日民集40巻4号872頁・裁判官谷口正孝の補足意見)

1 差別的表現  2 不公正な論評  3 私的領域  4 相当な誤信  5 公益的  6 社会的  7 人物評価  8 自己決定権  9 公的  10 誹謗中傷  11 表現手段  12 ダブル・スタンダード  13 公的領域  14 公知の  15 自己実現  16 明白かつ現在の危険  17 人格権  18 論争的  19 現実の悪意  20 表現内容

問題42 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
 行政機関は、多くの場合、自らその活動のための基準を設定する。この種の設定行為および設定された基準は、通例、[ア]と呼ばれる。この[ア]には、行政法学上で[イ]と[ウ]と呼ばれる2種類の規範が含まれる。前者が法的拘束力を持つのに対し後者はこれを持たないものとして区別されている。[エ]は、行政機関が意思決定や事実を公に知らせる形式であるが、[ア]の一種として用いられることがある。この場合、それが[イ]に当たるのかそれとも[ウ]に当たるのかがしばしば問題とされてきた。例えば、文部科学大臣の[エ]である学習指導要領を[イ]だと解する見解によれば、学習指導要領には法的拘束力が認められるのに対し、学習指導要領は単なる指導助言文書だと解する見解によれば、そのような法的拘束力は認められないことになる。また、[エ]のうち、政策的な目標や指針と解される定めは、[ウ]と位置付けられることになろう。以上のように、[エ]の法的性質については一律に確定することができず、個別に判断する必要がある。

1 行政指導指針  2 行政処分  3 行政規則  4 施行規則  5 定款  6 行政立法  7 処分基準  8 解釈基準  9 法規命令  10 職務命令  11 政令  12 省令  13 告示  14 訓令  15 通達  16 審査基準  17 委任命令  18 附款  19 裁量基準  20 執行命令

問題43 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
 行政救済制度としては、違法な行政行為の効力を争いその取消し等を求めるものとして行政上の不服申立手続及び抗告訴訟があり、違法な公権力の行使の結果生じた損害をてん補するものとして・・・[ア]請求がある。両者はその目的・要件・効果を異にしており、別個独立の手段として、あいまって行政救済を完全なものとしていると理解することができる。後者は、憲法17条を淵源とする制度であって歴史的意義を有し、被害者を実効的に救済する機能のみならず制裁的機能及び将来の違法行為を抑止するという機能を有している。このように公務員の不法行為について国又は公共団体が・・・責任を負うという憲法上の原則及び[ア]請求が果たすべき機能をも考えると、違法な行政処分により被った損害について[ア]請求をするに際しては、あらかじめ当該行政処分についての取消し又は[イ]確認の判決を得なければならないものではないというべきである。この理は、金銭の徴収や給付を目的とする行政処分についても同じであって、これらについてのみ、法律関係を早期に安定させる利益を優先させなければならないという理由はない。原審は、・・・固定資産税等の賦課決定のような行政処分については、過納金相当額を損害とする[ア]請求を許容すると、実質的に[ウ]の取消訴訟と同一の効果を生じさせることとなって、[ウ]等の不服申立方法・期間を制限した趣旨を潜脱することになり、[ウ]の[エ]をも否定することになる等として、[ウ]に[イ]原因がない場合は、それが適法に取り消されない限り、[ア]請求をすることは許されないとしている。しかしながら、効果を同じくするのは[ウ]が金銭の徴収を目的とする行政処分であるからにすぎず、[ウ]の[エ]と整合させるために法律上の根拠なくそのように異なった取扱いをすることは、相当でないと思われる。
(最一小判平成22年6月3日民集64巻4号1010頁・裁判官宮川光治の補足意見)

1 不当  2 損失補償  3 授益処分  4 撤回  5 住民監査  6 無効  7 執行力  8 強制徴収  9 既判力  10 課税処分  11 国家賠償  12 不存在  13 取立  14 形成力  15 差止  16 支払  17 不作為  18 不可変更力  19 通知  20 公定力

[問題44〜問題46は記述式](解答は、必ず答案用紙裏面の解答欄(マス目)に記述すること。なお、字数には、句読点も含む。)

問題44 A市は、市内へのパチンコ店の出店を規制するため、同市内のほぼ全域を出店禁止区域とする条例を制定した。しかし、事業者Yは、この条例は国の法令に抵触するなどと主張して、禁止区域内でのパチンコ店の建設に着手した。これに対して、A市は、同条例に基づき市長名で建設の中止命令を発したが、これをYが無視して建設を続行しているため、A市は、Yを被告として建設の中止を求める訴訟を提起した。最高裁判所の判例によれば、こうした訴訟は、どのような立場でA市が提起したものであるとされ、また、どのような理由で、どのような判決がなされるべきこととなるか。40字程度で記述しなさい。

問題45 AはBに対して100万円の売買代金債権を有していたが、同債権については、A・B間で譲渡禁止特約が付されていた。しかし、Aは、特約に違反して、上記100万円の売買代金債権をその弁済期経過後にCに対して譲渡し、その後、Aが、Bに対し、Cに譲渡した旨の通知をした。Bは、その通知があった後直ちに、Aに対し、上記特約違反について抗議しようとしていたところ、Cが上記100万円の売買代金の支払を請求してきた。この場合に、Bは、Cの請求に応じなければならないかについて、民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。

問題46 不法行為による損害賠償請求権は、被害者またはその法定代理人が、いつの時点から何年間行使しないときに消滅するかについて、民法が規定する2つの場合を、40字程度で記述しなさい。

一般知識等[問題47〜問題60は択一式(5肢択一式)]

問題47 各国の政治指導者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 北朝鮮の最高指導者の金正恩(キム=ジョンウン)は、かつての最高指導者の金日成(キム=イルソン)の孫である。
2 アメリカのG.W.ブッシュ第43代大統領は、G.H.W.ブッシュ第41代大統領の孫である。
3 韓国大統領を罷免された朴槿恵(パク=クネ)は、かつての大統領である朴正煕(パク=チョンヒ)の孫である。
4 日本の安倍晋三首相は、かつての首相である吉田茂の孫である。
5 インドの首相を務めたインディラ=ガンディーは、「独立の父」マハトマ=ガンディーの孫である。

問題48 日本の公的年金制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 国民皆年金の考え方に基づき、満18 歳以上の国民は公的年金に加入することが、法律で義務付けられている。
2 私的年金には確定拠出型と確定給付型があるが、日本の公的年金では、これまで確定拠出型が採用されてきた。
3 老齢基礎年金の受給資格を得ることができるのは、年金保険料を5年以上納付した場合だけである。
4 地方分権改革を通じて、年金保険料の徴収事務は、国から市町村へと移管され、今日では市町村がその事務を担っている。
5 老齢年金の給付により受け取った所得は、所得税の課税対象とされている。

問題49 最近の日本の農業政策に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 外国人の農業現場での就労は技能実習生に限って認められていたが、農業の担い手確保に向けて、専門技術を持つ外国人の就農が全国的に認められることとなった。
イ 耕作する自然人以外の主体が農地を所有・借用することは認められていなかったが、法人が農業を行う場合には、農地の借用のみはできることとなった。
ウ 農業協同組合の組織の見直しが進められており、全国の農業協同組合を取りまとめる全国農業協同組合中央会は廃止され、農業協同組合は株式会社化されることとなった。
エ 国の独立行政法人や都道府県が有する種苗の生産に関する知見については、農業の競争力強化に向けて積極的に民間事業者に提供していくこととなった。
オ 農地に関する業務を担う農業委員会は市区町村に設置されているが、農業委員の選挙制は廃止され、市区町村長の任命制に改められた。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題50 ビットコインに関する次の文章の空欄[T]〜[W]に入る適切な語の組合せとして、妥当なものはどれか。
 仮想通貨とは「国家の裏付けがなくネットワークなどを介して流通する決済手段」のことを指す。仮想通貨にはこれまで様々な種類の仕組みが開発されてきたが、その1つがビットコインである。ビットコインは分散型仮想通貨と呼ばれるが、実際の貨幣と同様、当事者間で直接譲渡が可能な流通性を備えることから[T]と異なる。[U]型で、通常の通貨とは異なり国家の裏付けがなくネットワークのみを通じて流通する決済手段である。ビットコインを送金するためには、電子財布に格納されている秘密鍵で作成する電子署名と、これを検証するための公開鍵が必要となる。
 [U]型ネットワークをベースにするため、中心となるサーバもないし、取引所で取引を一括して把握するようなメカニズムも存在しない。取引データは利用者それぞれの端末に記録され、そうした記録がブロックチェーンに蓄積される。
 ブロックチェーンとは、ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードが連続的に増加していくリストを持った[V]型データベースをいい、それぞれのブロックには[W]と前のブロックへのリンクが含まれている。一度生成記録されたデータは遡及的に変更できない。この仕組みがビットコインの参加者に過去の取引に対する検証と監査を可能としている。
   ア       イ
T 電子マネー  クレジットカード
U P2P      解放
V 分散     集約
W 所有者名   タイムスタンプ

  T   U   V   W
1 ア   ア   ア   ア
2 ア   ア   ア   イ
3 ア   イ   ア   イ
4 イ   ア   イ   ア
5 イ   イ   イ   ア

問題51 度量衡に関する次の記述のうち、Aの方がBよりも大きな値となるものはどれ
か。

  A     B
1 1坪    1平方メートル
2 1間    2メートル
3 1町歩   1平方キロメートル
4 1升    2リットル
5 1里    10キロメートル

問題52 消費者問題・消費者保護に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 不当な表示による顧客の誘引を防止するため、不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度が導入され、被害回復を促進するため、顧客への返金による課徴金額の減額等の措置も講じられている。
イ クレジットカードの国内発行枚数は、10億枚を超えており、無計画なクレジット利用から自己破産に陥る人数は、今世紀に入り毎年増加し続け、年100万人を超えている。
ウ 自動車のリコールとは、欠陥車が発見された場合、消費者庁が回収し自動車メーカーが無料で修理する制度のことをいう。
エ 全国規模のNPO法人である国民生活センターは、国民生活に関する情報の提供および調査研究を行うことはできるが、個別の消費者紛争の解決に直接的に関与することはできない。
オ 地方公共団体の消費生活センターは、消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を受け付け、専門の相談員が対応している。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題53 次の記述のうち、社会の様々な問題を題材に取り上げた小説家・山崎豊子の著作として、妥当なものはどれか。

1 『官僚たちの夏』では、政権交代によって政治主導の政策形成が強まるなかで、筋を通した大蔵省官僚が、官邸の政治力の前に挫折する姿を描いた。
2 『苦海浄土』では、原子力発電所事故による放射能汚染によって故郷を追われた避難者の姿を通して、原子力安全神話の問題性を告発した。
3 『白い巨塔』では、国立大学医学部における教授選挙を巡る闘争や、外科手術に関連する医療過誤訴訟を描いた。
4 『蟹工船』では、日本とソ連崩壊後のロシアとの間の北方領土と北洋の「共同開発」を巡る利権争いを、労働者の視点から描き出した。
5 『複合汚染』では、全国各地の湾岸の埋立地が、様々な物質によって汚染されている実態を明らかにした。

問題54 次の文章の[ア]〜[オ]に当てはまる用語の組合せとして、妥当なものはどれか。
 「クラウド」は、[ア]の意味である場合と、[イ]の意味である場合がある。ネットワークを通じて、多くの人からアイデアを募ったり、サービスを提供してもらう[ウ]ではクラウドは[ア]の意味であり、多くの人から資金を募る[エ]も同じく[ア]の意味である。これに対し、端末ではなく、ネットワーク上でアプリケーションやデータを操作する[オ]においては、クラウドは[イ]の意味で用いられている。

1 ア:Cloud イ:Crowd ウ:クラウドソーシング エ:クラウドファンディング オ:クラウドコンピューティング
2 ア:Crowd イ:Cloud ウ:クラウドファンディング エ:クラウドコンピューティング オ:クラウドソーシング
3 ア:Cloud イ:Crowd ウ:クラウドコンピューティング エ:クラウドファンディング オ:クラウドソーシング
4 ア:Cloud イ:Crowd ウ:クラウドソーシング エ:クラウドコンピューティング オ:クラウドファンディング
5 ア:Crowd イ:Cloud ウ:クラウドソーシング エ:クラウドファンディング オ:クラウドコンピューティング

問題55 日本の著作権に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 裁判所の出す判決は、裁判官らによって書かれているが、その公共性の高さから著作権が認められていない。
イ 著作権法の目的は、権利者の保護、著作物の普及推進、国民経済の発展の三つとされている。
ウ 著作物に該当するかどうかは、創作性、表現性、財産性の三つから判断することとされている。
エ データベースは著作物ではないので著作権法の保護の対象とならない。
オ 原作を映画化したり脚色した作品も、原作とは別に著作権法上保護の対象となる。

1 ア・ウ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 エ・オ

問題56 情報技術に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア ワームとはアプリケーションの開発時に発生したプログラムのミスが原因で起きる不具合のことをいう。
イ DNSとはDigital Network Solution の略であり、コンピュータ・ネットワークにおいてセキュリティを確保するための国際的に標準化された仕組みである。
ウ クッキー(cookie)とは、ブラウザにデータとして蓄積されている閲覧先リストを指す。ウェブ・サーバーとブラウザ間でやり取りされる通信プロトコルの一種でもあるが、一般的には、利用者がどのようなサイトを訪れたかに関する情報をいう。
エ トロイの木馬とは、トロイ戦争で木馬の中に兵を潜ませた逸話に模した手法である。ウイルスをユーザーに気付かれずにメールに添付したりソフトウェアに潜ませたりして感染させる。
オ ホストとは、コンピュータOSにおいて管理者権限を持つ者を指す用語である。システムを中心的に操作する者という意味で名付けられた。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

問題57 情報公開法制と個人情報保護法制に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律は、国・地方公共団体を問わず、等しく適用される。これに対し、情報公開法制は、国の行政機関の保有する情報の公開に関する法律と地方公共団体の情報公開条例の二本立てとなっている。
2 行政機関の保有する情報の公開に関する法律は、国・地方公共団体を問わず、等しく適用される。これに対し、個人情報保護法制は、国の法律と地方公共団体の条例の二本立てとなっている。
3 情報公開法制・個人情報保護法制に基づく開示請求については、法定受託事務に関する文書・情報の場合、地方公共団体が当該文書・情報を管理している場合においても、主務大臣がその開示の許否を判断する。
4 個人情報の訂正請求に対する地方公共団体による拒否決定について、地方公共団体の個人情報保護に関する審査会が示した決定に不服のある者は、国の情報公開・個人情報保護審査会に対し審査請求をすることができる。
5 国の行政機関の長は、国に対する開示請求に係る文書に、国・地方公共団体等の事務または事業に関する情報が含まれており、監査・検査など当該事務事業の性質上、公開によりその適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるときには、その開示を拒否することができる。

問題58 本文中の空欄[T]〜[W]には、それぞれあとのア〜エのいずれかの文が入る。その組合せとして妥当なものはどれか。

 本文省略

問題59 本文中の空欄[T]〜[W]に入る語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

 本文省略

問題60 本文中の空欄[ ]に入る文章を、あとのア〜オを並べ替えて作る場合、その順序として妥当なものはどれか。

 本文省略