平成23年度 行政書士試験問題

正解例

法令等[問題1〜問題40は択一式(5肢択一式)]

問題1 わが国の法律に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 わが国の法律は基本的には属人主義をとっており、法律によって日本国民以外の者に権利を付与することはできない。
2 限時法とは、特定の事態に対応するために制定され、その事態が収束した場合には失効するものをいう。
3 法律が発効するためには、公布がされていることと施行期日が到来していることとの双方が要件となる。
4 国法は全国一律の規制を行うものであり、地域の特性に鑑み特別の地域に限って規制を行ったり、規制の特例措置をとったりすることは許されない。
5 日本国憲法は遡及処罰の禁止を定めており、法律の廃止に当たって廃止前の違法行為に対し罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許されない。

問題2 わが国の裁判制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 わが国の裁判制度は、三審制を採用していることから、高等裁判所が第一審裁判所になることはない。
2 民事訴訟または刑事訴訟のいずれであっても、第一審裁判所が簡易裁判所である場合には、控訴裁判所は地方裁判所となり、上告裁判所は高等裁判所となる。
3 裁判官が合議制により裁判を行う場合には、最高裁判所の裁判を除いて、裁判官の意見が一致しないときであっても、少数意見を付すことはできない。
4 刑事訴訟においては、有罪判決が確定した場合であっても、あらたに証拠が発見されるなど重大な理由があるときには、有罪判決を受けた者の利益のために再審を行うことができるが、民事訴訟においては、再審の制度は認められていない。
5 家庭裁判所は、家庭に関する事件の審判および調停ならびに少年保護事件の審判など、民事訴訟や刑事訴訟になじまない事件について権限を有するものとされ、訴訟事件は取り扱わない。

問題3 プライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 何人も、その承諾なしにみだりに容貌等を撮影されない自由を有するので、犯罪捜査のための警察官による写真撮影は、犯人以外の第三者の容貌が含まれない限度で許される。
2 前科は、個人の名誉や信用に直接関わる事項であるから、事件それ自体を公表することに歴史的または社会的な意義が認められるような場合であっても、事件当事者の実名を明らかにすることは許されない。
3 指紋は、性質上万人不同、終生不変とはいえ、指先の紋様にすぎず、それ自体では個人の私生活や人格、思想等個人の内心に関する情報ではないから、プライバシーとして保護されるものではない。
4 犯罪を犯した少年に関する犯人情報、履歴情報はプライバシーとして保護されるべき情報であるから、当該少年を特定することが可能な記事を掲載した場合には、特段の事情がない限り、不法行為が成立する。
5 いわゆる住基ネットによって管理、利用等される氏名・生年月日・性別・住所からなる本人確認情報は、社会生活上は一定の範囲の他者には当然開示されることが想定され、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない。

問題4 Aは、日本国籍を有しない外国人であるが、出生以来日本に居住しており、永住資格を取得している。Aは、その居住する地域に密着して暮らす住民であれば、外国人であっても地方自治体の参政権を与えるべきであり、国が立法による参政権付与を怠ってきたのは違憲ではないか、と考えている。Aは、訴訟を起こして裁判所にあらためて憲法判断を求めることができないか、かつて行政書士試験を受けたことのある友人Bに相談したところ、Bは昔の受験勉強の記憶を頼りに、次の1〜5の見解を述べた。このうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 国民の選挙権の制限は、そのような制限なしには選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが著しく困難であると認められる場合でない限り、憲法上許されず、これは立法の不作為による場合であっても同様であると解されている。
2 国が立法を怠ってきたことの違憲性を裁判所に認定してもらうために、国家賠償法による国への損害賠償請求が行われることがあるが、最高裁はこれまで立法不作為を理由とした国家賠償請求は認容されないという立場をとっている。
3 憲法の基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみを対象とすると解されるものを除き、外国人にも等しく及ぶものと考えられており、政治活動の自由についても、外国人の地位にかんがみて相当でないものを除き外国人にも保障される。
4 憲法93条2項で地方公共団体の長や議会議員などを選挙することとされた「住民」とは、その地方公共団体に住所を有する日本国民のみを指している。
5 仮に立法によって外国人に対して地方参政権を認めることができるとしても、その実現は基本的に立法裁量の問題である。

問題5 写真家Aが自らの作品集をある出版社から発売したところ、これに収録された作品のいくつかが刑法175条にいう「わいせつ」な図画に該当するとして、検察官によって起訴された。自分が無罪であることを確信するAは、裁判の場で自らの口から「表現の自由」を主張できるように、慌てて憲法の勉強を始め、努力の甲斐あって次の1〜5のような考え方が存在することを知ることができた。このうち、本件の事案において主張するものとして、最も適しない考え方はどれか。

1 わいせつ表現についても、表現の自由の価値に比重を置いてわいせつの定義を厳格にしぼり、規制が及ぶ範囲をできるだけ限定していく必要がある。
2 表現の自由は「公共の福祉」によって制約されると考える場合であっても、これは他人の人権との矛盾・衝突を調整するための内在的制約と解すべきである。
3 憲法21条2項前段が「検閲の禁止」を定めているように、表現活動の事前抑制は原則として憲法上許されない。
4 表現の自由に対する規制が過度に広汎な場合には、当事者は、仮想の第三者に法令が適用されたときに違憲となりうることを理由に、法令全体の違憲性を主張できる。
5 文書の芸術的・思想的価値と、文書によって生じる法的利益の侵害とを衡量して、前者の重要性が後者を上回るときにまで刑罰を科するのは違憲である。

問題6 憲法43条1項は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」、と定める。この「全国民の代表」に関わる次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 これと同様の定式は近代憲法に広く見られ、大日本帝国憲法でも採用されている。
2 この定式は、近代の国民代表議会の成立に伴い、国民とその代表者との政治的意思の一致を法的に確保する目的で、命令委任の制度とともに導入されたものである。
3 政党は国民の中の一党派であり、全国民を代表するものではないため、議員が政党の党議拘束に服することは、憲法上許されないものとされている。
4 議員は議会で自己の信念のみに基づいて発言・表決すべきであり、選挙区など特定の選出母体の訓令に法的に拘束されない、との原則は、自由委任の原則と呼ばれる。
5 選挙は現代では政党間の選択としての意味を持つため、現行法上、議員は所属政党から離脱した時は自動的に議員としての資格を失うものとされている。

問題7 次の文章は、衆議院議員選挙の効力を争った、ある高等裁判所判決の一節である。当時の公職選挙法別表に定められた選挙区への定数配分については、先の総選挙に関し、最高裁判所が、客観的には違憲状態であるが、なお選挙時には改正に必要な合理的期間を徒過していなかったことを理由に、合憲判断を下していた。高裁判決では、こうした状態の下で解散総選挙が行われた事案に関して、憲法判断が求められている。そこで扱われた問題を論じた文章として、妥当なものはどれか。
  被告は、本件選挙は内閣の衆議院解散権の行使によるものであるところ、このような選挙については、投票価値の較差を是正したうえでこれを行うかどうかは立法政策の問題である旨主張する。
  本件選挙が内閣の衆議院解散権の行使に基づくものであることは公知の事実であるが、前記の較差是正を行うべき合理的期間は、選挙権の平等を害するような較差を生ぜしめる議員定数配分規定がその間において改正されることを合理的に期待しうるに足る期間なのであるから、右期間が経過した以上、右規定は憲法に違反するものといわざるをえないのであり、右期間経過後に行われる選挙の効力については、それが内閣の解散権の行使によるものであつても、法律上他の事由に基づく選挙と異なつた取扱いをすべき理由はない。その結果として内閣の解散権が事実上制約されることが起こりうるとしても、それは事柄の性質上やむをえないことであり、以上とは逆に、内閣の解散権を確保するために違憲の選挙法規の効力をあえて承認するような法解釈をとることは、本末を転倒するものとのそしりを免れないであろう。
(東京高判昭和59年10月19日行集35巻10号1693頁以下)

1 この判決は、内閣の解散権行使の前提として、衆議院での内閣不信任決議案の可決が必要的だ、という立場にたっている。
2 内閣の解散権行使の結果行われた総選挙について、その無効を争う選挙訴訟は三審制であって、本件は控訴審判決である。
3 この判決は、政治上の必要があれば、本件のような事案で内閣が解散権を行使しても総選挙は適法だ、という立場にたっている。
4 本件訴訟は、公職選挙法の定める選挙訴訟として行われているので、いわゆる機関訴訟の1形態と位置づけられるものである。
5 この判決は、現時点ではすでに改正に必要な合理的期間を徒過しており、判例によれば当該議員定数配分規定は違憲だ、という立場にたっている。

問題8 行政の実効性確保の手段についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 行政上の義務履行の確保に関しては、行政代執行法が一般法とされ、別に法律で定めるところを除いては、この法律の定めるところによる。
2 条例に基づく命令によって課された義務を相手方が履行しない場合には、代執行等の他の手段が存在しない場合に限り、地方公共団体は民事訴訟によりその履行を求めることができる、とするのが判例である。
3 食品衛生法に基づく保健所職員による立入検査に際して、受忍義務に反してこれを拒否する相手方に対しては、職員は、実力を行使して調査を実施することが認められる。
4 法令上の義務に違反した者について、その氏名や違反事実を公表することは、義務違反に対する制裁と解されるので、行政手続法上、聴聞の対象とされている。
5 義務違反に対する課徴金の賦課は、一種の制裁であるから、罰金などの刑罰と併科することは二重処罰の禁止に抵触し、許されない。

問題9 行政立法についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 省令は、各省大臣が発することとされているが、政令は、内閣総理大臣が閣議を経て発することとされている。
2 各省の外局として置かれる各庁の長や各委員会は、規則その他の特別の命令を発することができるが、これについては、それぞれの設置法などの法律に別の定めを要する。
3 内閣に置かれる内閣府の長である内閣官房長官は、内閣府の命令である内閣府令を発することができる。
4 各省大臣などは、その所掌事務について公示を必要とするときは、告示を発することができるが、これが法規としての性格を有することはない。
5 政令及び省令には、法律の委任があれば、罰則を設けることができるが、各庁の長や各委員会が発する規則などには、罰則を設けることは認められていない。

問題10 次のア〜オのうち、伝統的に行政裁量が広く認められると解されてきた行政行為の組合せとして、最も適切なものはどれか。
ア 道路交通法に基づく自動車の運転免許
イ 電気事業法に基づく電気事業の許可
ウ 建築基準法に基づく建築確認
エ 食品衛生法に基づく飲食店の営業許可
オ 公有水面埋立法に基づく公有水面の埋立免許

1 ア・オ
2 イ・ウ
3 イ・オ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題11 次の記述のうち、行政手続法に規定されている内容として正しいものはどれか。

1 行政庁は、申請に対する拒否処分及び不利益処分のいずれの場合においても、これを書面でするときは、当該処分の理由を書面で示さなければならない。
2 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、聴聞の期日及び場所を通知しなければならないが、差し迫った必要がある場合には、書面によらず口頭でこれを行うことができる。
3 行政庁は、申請に対する処分については、審査基準を定めるものとされ、申請者から求めがあった場合は、これを書面で交付しなければならない。
4 弁明の機会の付与における弁明は、行政庁が弁明を記載した書面ですることを認めたときを除き、口頭で行うものとされている。
5 行政庁は、申請に係る審査が標準処理期間を超える場合には、申請者および利害関係者に対して、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを書面で通知しなければならない。

問題12 行政手続法に規定されている内容についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 不利益処分について行政機関が定める処分基準は、当該不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
2 行政機関が行政指導指針を定めるときには、これが行政指導の相手方の利害に重大な影響を及ぼす場合に限り、意見公募の手続をとらなければならない。
3 行政機関が法律に基づく命令を定める場合には、当該命令がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。
4 行政機関は、不利益処分について処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
5 行政機関は法律に基づく命令を定めた後においても、当該命令の実施状況や社会経済情勢の変化等を勘案し、その内容について検討を加えるよう努めなければならない。

問題13 行政手続法の定める用語の定義についての次の記述のうち、正しいものはどれか(但し、各文章は法律の規定そのままではなく、一部表現を修正している)。

1 処分・・・行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為で、審査請求・異議申立てその他不服申立てに対する裁決・決定を含むもの。
2 不利益処分・・・行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又は申請を拒否する処分。
3 届出・・・行政庁に対し一定の事項を通知する行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているもの。
4 行政指導・・・行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定又は不特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないもの。
5 審査基準・・・申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準。

問題14 行政不服審査法に関する次の記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 行政不服審査制度は「国民の権利利益の救済を図る」ことを目的としているので、同法に基づく不服申立てを行うことができるのは、日本国籍を有する者に限られる。
2 行政不服審査制度は行政権自身が自己の行為を見直すしくみであるので、行政権の活動に違法な点があると知った者は誰でも、当該違法について不服申立てを行うことができる。
3 行政不服審査の代理人となるには、法定の資格が必要とされるので、不服申立ての代理人は、当該資格を有する者であることを書面で証明しなければならない。
4 申立人について補佐が必要とされることがあるので、審査庁は、申立人から口頭意見陳述において補佐人を同行したい旨の申し出があった場合には、これを許可することができる。
5 行政不服審査制度は「行政の適正な運営を確保する」ことを目的としているので、不服申立ての結果によって行政運営上の影響を受ける可能性のある関係行政機関には、当該手続への参加を申し立てることが認められている。

問題15 次の文章は、行政不服審査法14条1項の規定する「処分があったことを知った日」の解釈が争点となった事案の最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]〜[エ]に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
  行政不服審査法14条1項本文の規定する「処分があったことを知った日」というのは、処分がその名あて人に個別に通知される場合には、その者が処分のあったことを[ア]のことをいい、[イ]というだけでは足りない…。しかし、都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、そのような告知方法が採られている趣旨にかんがみて、上記の「処分があったことを知った日」というのは、[ウ]をいうと解するのが相当である…。以上によれば、前記のとおり、本件認可の告示がされたのは平成8年9月13日であり、被上告人がこれに対する審査請求をしたのは同年12月2日であったというのであるから、被上告人が本件認可を[ア]がいつであるかにかかわりなく、同審査請求は行政不服審査法14条1項本文の期間を[エ]にされたものであることが明らかであり、論旨は理由がある。
(最一小判平成14年10月24日民集56巻8号1903頁以下)

1 [ア]現実に知った日 [イ]処分があったことを知り得た [ウ]告示があった日 [エ]経過した後
2 [ア]知り得た日 [イ]処分が現実にあった [ウ]告示があったことを知った日 [エ]経過する前
3 [ア]現実に知った日 [イ]処分があったことを知り得た [ウ]告示があったことを知った日 [エ]経過する前
4 [ア]現実に知った日 [イ]処分が現実にあった [ウ]告示があった日 [エ]経過する前
5 [ア]知り得た日 [イ]処分が現実にあった [ウ]告示があった日 [エ]経過した後

問題16 A県収用委員会は、起業者であるB市の申請に基づき、同市の市道の用地として、2000万円の損失補償によってX所有の土地を収用する旨の収用裁決(権利取得裁決)をなした。この場合についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 Xが土地の収用そのものを違法として争う場合には、収用裁決の取消しを求めることとなるが、この訴訟は、B市を被告とする形式的当事者訴訟となる。
2 収用裁決が無効な場合には、Xは、その無効を前提として、B市を被告として土地の所有権の確認訴訟を提起できるが、この訴訟は、抗告訴訟である。
3 Xが収用裁決に示された損失補償の額に不服がある場合には、A県を被告として、損失補償を増額する裁決を求める義務付け訴訟を提起すべきこととなる。
4 Xが収用裁決に示された損失補償の増額を求める訴訟を提起する場合については、裁決書が送達された日から法定の期間内に提起しなければならない。
5 収用裁決に示された損失補償の額について、高額に過ぎるとしてB市が不服であるとしても、行政機関相互の争いで、法律上の争訟には当たらないから、B市が出訴することは許されない。

問題17 執行停止についての内閣総理大臣の異議についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 内閣総理大臣の異議は、裁判所による執行停止決定の後に述べなければならず、決定を妨げるために決定以前に述べることは許されない。
2 内閣総理大臣の異議は、下級裁判所による執行停止決定に対するものでも、最高裁判所に対して述べることとされている。
3 内閣総理大臣の異議が執行停止決定に対して述べられたときは、その理由の当否について裁判所に審査権限はなく、裁判所は、必ず決定を取り消さなければならない。
4 内閣総理大臣が異議を述べたときは、国会に承認を求めなければならず、これが国会によって否決された場合には、異議を取り消さなければならない。
5 内閣総理大臣の異議の制度については、違憲ではないかとの疑義もあり、実際にも用いられた例が少ないため、他の抗告訴訟における仮の救済手続には準用されていない。

問題18 実質的当事者訴訟に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 実質的当事者訴訟は、行政主体と一般市民との間における対等当事者としての法律関係に関する訴訟のうち、公法上の法律関係に関する訴訟であり、私法上の法律関係に関する訴訟は民事訴訟となる。
2 個別法の中に損失補償に関する規定がない場合であっても、憲法に直接基づいて損失補償を請求することが可能だと解されているが、この損失補償請求の訴訟は実質的当事者訴訟に該当する。
3 国に対して日本国籍を有することの確認を求める訴えを提起する場合、この確認の訴えは実質的当事者訴訟に該当する。
4 実質的当事者訴訟における原告勝訴の判決は、その事件について、被告だけでなく、関係行政機関をも拘束する。
5 実質的当事者訴訟の対象となる行政活動については、他の法律に特別の定めがある場合を除いて、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。

問題19 国家賠償法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 国家賠償法2条にいう「公の営造物」は、民法717条の「土地の工作物」を国家賠償の文脈において表現したものであるから、両者は同じ意味であり、動産はここに含まれないと解されている。
2 国家賠償法2条は、無過失責任を定めたものであるが、無過失責任と結果責任とは異なるので、不可抗力ないし損害の回避可能性のない場合については、損害賠償責任を負うものとは解されない。
3 外国人が被害者である場合、国家賠償法が、同法につき相互の保証があるときに限り適用されるとしているのは、公権力の行使に関する1条の責任についてのみであるから、2条の責任については、相互の保証がなくとも、被害者である外国人に対して国家賠償責任が生じる。
4 国家賠償法2条が定める公の営造物の設置又は管理の瑕疵について、設置又は管理に当る者(設置管理者)とその費用を負担する者(費用負担者)とが異なるときは、費用負担者は、設置管理者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときに限り、被害者に対する損害賠償責任を負う。
5 国家賠償法2条は、無過失責任を定めたものであるから、公の営造物の設置又は管理の瑕疵の判断にあたっての考慮要素は、事件当時における当該公の営造物の客観的状態に限られる。

問題20 国家賠償法1条1項の要件をみたす場合の責任の主体に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
ア 指定確認検査機関の建築確認処分に起因する私人の損害について、当該事務の帰属する地方公共団体は、国家賠償責任を負うことはない。
イ 都道府県の警察官の犯罪捜査が、検察官の犯罪の捜査の補助に係るものであっても、当該警察官の捜査に起因する私人の損害について、国が国家賠償責任を負うことはない。
ウ 児童福祉法に基づいて、都道府県が要保護児童を社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所させている場合、当該施設の職員の養育監護行為に起因する児童の損害について、当該事務の帰属する都道府県が国家賠償責任を負うことがある。
エ 都道府県の警察官が制服制帽を着用して職務行為を装い強盗した場合、被害者に対し当該都道府県が国家賠償責任を負うことがある。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ

問題21 次のア〜オのうち、地方自治法の定める住民訴訟における請求として行うことができるものはいくつあるか。
ア 公金の支出を行うことを当該普通地方公共団体の長に対して義務付ける請求
イ 執行機関に対する財産の管理を怠る事実の違法確認の請求
ウ 公金の支出の相手方に対して損害賠償請求をすることを執行機関に対して求める請求
エ 違法な公金の支出に関与した職員に対する懲戒処分を懲戒権者に対して求める請求
オ 財産の管理又は処分のために行われた行政処分の取消し又は無効確認の請求

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題22 地方自治法の規定する普通地方公共団体の執行機関に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 地方自治法は、普通地方公共団体にその執行機関として普通地方公共団体の長の外、条例の定めるところにより、委員会又は委員を置くと規定している。
2 地方自治法における執行機関は、行政官庁の命を受け、実力をもって執行することを任務とする機関をいう。
3 執行機関として置かれる委員会は、法律の定めるところにより法令又は当該普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、規則その他の規程を定めることができる。
4 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限の帰属につき疑義が生じたときは、自らその権限を行使することができる。
5 執行機関としての長、委員会及び委員は、一定の場合、議会において議決すべき事件について専決処分を行うことができる。

問題23 地方自治法の規定する公の施設の指定管理者についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 指定管理者として公の施設を管理する法人の指定は、条例自体によってなさなければならないこととされている。
2 公の施設の利用料金は、地方公共団体の収入とされ、指定管理者には普通地方公共団体から委託料が支払われることとされている。
3 公の施設の利用料金は、地方公共団体が条例で定めることとされ、指定管理者が定めることはできない。
4 公の施設の使用許可などの行政処分は、地方公共団体の長が行わなければならず、これを指定管理者が行うことは認められていない。
5 指定管理者による公の施設の管理の基準及び業務の範囲その他の必要な事項は、条例で定めることとされている。

問題24 公物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 自然公物については、自然のままにおいて公共の用に供されていると解されるので、公用開始という観念は成り立ちえない。
2 公物の公用開始行為は、特定の私人を名あて人とするものではないが、行政法学でいう行政行為の一種である。
3 公物の公用廃止については、明示的な廃止処分によることなく、黙示で廃止されたものとみなされることもある。
4 私人所有の財産が公物として公用開始の対象に含まれていた場合、公用開始の効力は当該財産に関する部分について当然に無効となる。
5 公用開始後の公物の供用行為が利用者との関係で適正であっても、第三者に対して損害を及ぼせば、当該公物の管理者は損害賠償責任を負う。

問題25 次の文章は、公務員に対する国の損害賠償責任の成立が争点となった事案の最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]〜[エ]に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
  思うに、国と国家公務員…との間における主要な義務として、法(国家公務員法、自衛隊法)は、公務員が[ア]義務…並びに法令及び上司の命令に従うべき義務…を負い、国がこれに対応して公務員に対し[イ]義務…を負うことを定めているが、国の義務は右の…義務にとどまらず、国は、公務員に対し、国が公務遂行のために設置すべき場所、施設もしくは器具等の設置管理又は公務員が国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたつて、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務…を負つているものと解すべきである。(中略)右のような[ウ]義務は、ある法律関係に基づいて[エ]の関係に入つた当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであつて、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はなく、(後略)。
(最三小判昭和50年2月25日民集29巻2号143頁以下)

1 [ア]品位を保持する [イ]身分保障 [ウ]危険防止 [エ]特別な社会的接触
2 [ア]職務に専念すべき [イ]給与支払 [ウ]安全配慮 [エ]特別な社会的接触
3 [ア]職務に専念すべき [イ]身分保障 [ウ]安全配慮 [エ]特別な権力
4 [ア]品位を保持する [イ]給与支払 [ウ]安全配慮 [エ]特別な権力
5 [ア]職務に専念すべき [イ]給与支払 [ウ]危険防止 [エ]特別な権力

問題26 次のア〜エの記述のうち、道路をめぐる裁判に関する最高裁判所の判決の要旨として、正しいものの組合せはどれか。
ア 里道は住民に個別的具体的な利益をもたらすものではなく、その用途廃止により住民の生活に支障が生じるとしても、住民に里道の用途廃止処分の取り消しを求めるについての原告適格が認められる余地はない。
イ 道路が権原なく占有された場合には、当該道路の道路管理者は、占有者に対し、占用料相当額の損害賠償請求権又は不当利得返還請求権を取得する。
ウ 建築基準法42条2項によるいわゆる二項道路の指定が一括指定の方法でされた場合、これによって直ちに個別の土地について具体的な私権制限が生じるものでないから、当該指定は抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。
エ 国道の改築工事として地下横断歩道が設置された結果、消防法違反の状態となったガソリンタンクを移設しなければならなくなった場合、その移設にかかった費用は、損失補償の範囲には含まれない。

1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ

問題27 無効または取消しに関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはいくつあるか。
ア BがAに騙されてAから金銭を借り入れ、CがBの保証人となった場合、CはAの詐欺を理由としてAB間の金銭消費貸借契約を取り消すことができる。
イ BがAに騙されてAから絵画を購入し、これをCに転売した場合、その後になってBがAの詐欺に気がついたとしても、当該絵画を第三者に譲渡してしまった以上は、もはやBはAとの売買契約を取り消すことはできない。
ウ BがAから絵画を購入するに際して、Bに要素の錯誤が認められる場合、無効は誰からでも主張することができるから、Bから当該絵画を譲り受けたCも当然に、AB間の売買契約につき錯誤無効を主張することができる。
エ BがAに強迫されて絵画を購入した場合、Bが追認をすることができる時から取消権を5年間行使しないときは、追認があったものと推定される。
オ 未成年者であるBが親権者の同意を得ずにAから金銭を借り入れたが、後に当該金銭消費貸借契約が取り消された場合、BはAに対し、受領した金銭につき現存利益のみを返還すれば足りる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題28 時効等に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 A所有の甲土地につき、20年間占有を継続してきたBが取得時効を援用した場合、取得時効の成立を否定するためには、Aの側において、他主占有事情の立証では足りず、Bの占有が賃貸借など他主占有権原に基づいて開始された旨を立証しなければならない。
2 A所有の乙土地につき、Bが5年間占有した後にCがこれを相続して、さらに10年間占有を継続した時点において、CがBの占有と併合して取得時効を援用した場合、C自身が占有開始時に悪意であったときは、Bが占有開始時に善意であり、かつ無過失であったとしても時効取得は認められない。
3 Aから丙土地を購入したBが、その引渡しを受けてから10年以上が経過した後に隠れた瑕疵を発見し、Aに対して瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求した場合、Aは消滅時効を援用してこれを拒むことができる。
4 Aから甲建物を購入したBが、同建物の隠れた瑕疵を理由としてAに対して損害賠償を請求する場合には、瑕疵を発見してから1年以内にAに対して瑕疵の内容を具体的に明示しなくても、その存在を通知すれば、同請求権は時効により消滅することはない。
5 乙建物について先順位抵当権者Aの被担保債権につき消滅時効が完成した場合、かかる債権の消滅により後順位抵当権者Bは順位上昇の利益を享受することができるため、Bもその時効を援用することができる。

問題29 A所有のカメラをBが処分権限なしに占有していたところ、CがBに所有権があると誤信し、かつ、そのように信じたことに過失なくBから同カメラを買い受けた。この場合に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものをすべて挙げた組合せはどれか。
ア CがAのカメラを即時取得するのは、Bの占有に公信力が認められるからであり、その結果、Bがカメラの所有者であったとして扱われるので、Cの所有権はBから承継取得したものである。
イ Cは、カメラの占有を平穏、公然、善意、無過失で始めたときにカメラの所有権を即時取得するが、その要件としての平穏、公然、善意は推定されるのに対して、無過失は推定されないので、Cは無過失の占有であることを自ら立証しなければならない。
ウ Bは、Cにカメラを売却し、以後Cのために占有する旨の意思表示をし、引き続きカメラを所持していた場合、Cは、一応即時取得によりカメラの所有権を取得するが、現実の引渡しを受けるまでは、その所有権の取得は確定的ではなく、後に現実の引渡しを受けることによって確定的に所有権を取得する。
エ Bは、Cにカメラを売却する前にカメラをDに寄託していたが、その後、BがCにカメラを売却するに際し、Dに対して以後Cのためにカメラを占有することを命じ、Cがこれを承諾したときは、たとえDがこれを承諾しなくても、Cは即時取得によりカメラの所有権を取得する。

1 ア・イ
2 ア・イ・ウ
3 ア・ウ・エ
4 イ・ウ・エ
5 ウ・エ

問題30 法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 Aは、自己所有の土地(更地)に抵当権を設定した後に、その土地上に建物を建築したが、抵当権の被担保債権について弁済をすることができなかった。この場合において、抵当権者が抵当権を実行して土地を競売すると、この建物のために法定地上権は成立せず建物は収去されなければならなくなることから、抵当権者は、土地とその上の建物を一括して競売しなければならない。
2 AがBから土地を借りてその土地上に建物を所有している場合において、Bは、その土地上に甲抵当権を設定したが、Aから建物を取得した後に、さらにその土地に乙抵当権を設定した。その後、Bは、甲抵当権の被担保債権について弁済したので甲抵当権は消滅したが、乙抵当権の被担保債権については弁済できなかったので、乙抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。
3 AがBから土地を借りてその土地上に建物を所有している場合において、Aは、その建物上に甲抵当権を設定したが、Bから土地を取得した後に、さらにその建物に乙抵当権を設定した。その後、Aは、甲抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、甲抵当権が実行され、その建物は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。
4 Aが自己所有の土地と建物に共同抵当権を設定した後、建物が滅失したため、新たに建物を再築した場合において、Aが抵当権の被担保債権について弁済することができなかったので、土地についての抵当権が実行され、その土地は買受人Bが取得した。この場合、再築の時点での土地の抵当権が再築建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事由のない限り、再築建物のために法定地上権は成立しない。
5 AとBが建物を共同で所有し、Aがその建物の敷地を単独で所有している場合において、Aがその土地上に抵当権を設定したが、抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、その抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

問題31 連帯債務および連帯保証に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 連帯債務において、連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合には、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者は相殺を援用することができる。これに対し、連帯保証において、主たる債務者が債権者に対して債権を有する場合には、連帯保証人は、主たる債務者が債権者に対して有する債権による相殺をもって、相殺適状にあった全額について債権者に対抗することができる。
イ 連帯債務において、債権者が連帯債務者の1人に対して債務を免除した場合には、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者は債務を免れる。これに対し、連帯保証において、債権者が連帯保証人に対して債務を免除した場合には、主たる債務者はその債務の全額について免れることはない。
ウ 連帯債務において、連帯債務者の1人のために消滅時効が完成した場合には、他の連帯債務者はこれを援用して時効が完成した債務の全額について自己の債務を免れることができる。これに対し、連帯保証において、連帯保証人のために時効が完成した場合には、主たる債務者はこれを援用して債務を免れることはできない。
エ 連帯債務において、債権者が連帯債務者の1人に対してした債務の履行の請求は、他の債務者にも効力を生じる。これに対し、連帯保証において、債権者が連帯保証人に対してした債務の履行の請求は、主たる債務者に対して効力が生じることはなく、主たる債務の時効は中断しない。
オ 連帯債務において、連帯債務者の1人が債務の全額を弁済した場合には、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償することができる。これに対し、連帯保証において、連帯保証人の1人が債務の全額を弁済した場合には、その連帯保証人は、他の連帯保証人に対し、求償することはできない。

1 ア・イ
2 イ・エ
3 イ・オ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

問題32 契約類型に応じた契約解除の相違に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 贈与契約において、受贈者が、受贈の見返りとして贈与者を扶養する義務を負担していたにもかかわらず、この扶養する義務の履行を怠る場合には、贈与者は、贈与契約を解除することができる。
2 売買契約において買主から売主に解約手付が交付された場合に、売主が売買の目的物である土地の移転登記手続等の自己の履行に着手したときは、売主は、まだ履行に着手していない買主に対しても、手付倍返しによる解除を主張することはできない。
3 賃貸借契約において、賃借人の賃借物に対する使用方法が著しく信頼関係を破壊するものである場合には、賃貸人は、催告を要せずにただちに契約を解除することができる。
4 委任契約において、その契約が受任者の利益のためにもなされた場合であっても、受任者が著しく不誠実な行動に出た等のやむを得ない事情があるときはもちろん、また、そのような事情がないときでも、委任者が解除権自体を放棄したとは解されないときは、委任者は、自己の利益のためになお解除権を行使することができる。
5 建物の工事請負契約において、工事全体が未完成の間に注文者が請負人の債務不履行を理由に契約を解除する場合には、工事内容が可分であり、しかも当事者が既施工部分の給付に関し利益を有するときは、既施工部分については契約を解除することができず、未施工部分について契約の一部解除をすることができるにすぎない。

問題33 Aの隣人であるBは、Aの不在の間に台風によってA所有の甲建物(以下、「甲」という。)の屋根が損傷したため修繕を行った。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 Bは、Aからあらかじめ甲の管理を頼まれていなかったにもかかわらず、Aのために修繕を行ったが、強風に煽られて屋根から落下してしまい、受傷した。この場合に、Bは、Aに対して損害賠償を請求することができない。
2 Bは、Aから不在中における甲の管理を頼まれていたために修繕を行ったが、屋根から下りる際にBの不注意により足を滑らせて転倒し受傷した。この場合に、Bは、Aに対して損害賠償を請求することができる。
3 Bは、Aからあらかじめ甲の管理を頼まれていなかったにもかかわらず、Aのために修繕を行ったが、それがAにとって有益であるときは、Bは、Aに対して報酬を請求することができる。
4 Bは、Aからあらかじめ甲の管理を頼まれていなかったにもかかわらず、工務店を営むCに修繕を請け負わせた。このようなBの行為は、Aのための事務管理にあたるから、これによりCは、Aに対して工事代金の支払いを直接に請求することができる。
5 Bは、Aからあらかじめ甲の管理を頼まれていなかったにもかかわらず、工務店を営むCに修繕を請け負わせたが、実はAがCによる修繕を望んでいないことが後になって判明した。このような場合、甲にとって必要不可欠な修繕であっても、Bは、Aに対してその費用の支払いを請求することができない。

問題34 次のア〜エの記述は、木造建物建築工事についての発注者Aと受注者Bとの間で締結された請負契約の約定の一部である。このうち、約定の内容が、民法の規定の内容と異なるもの、または民法に規定されていないものの組合せとして妥当なものはどれか。
ア Aの請負代金の支払いは、Bの本契約の目的物の引渡しと同時になされるものとする。
イ Aは、本契約の目的物に瑕疵があるときは、その瑕疵の補修(修補)に代え、または補修(修補)とともに、瑕疵に基づく損害賠償をBに求めることができる。
ウ 工事の遅延が、不可抗力によるとき、または正当な理由があるときは、Bは、速やかにその事由を示して、Aに工期の延長を求めることができる。
エ Bの責めに帰すことができない工事の遅延または中止があるときは、Bは、この契約を解除することができる。

1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ

問題35 後見および扶養に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1 未成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、さらに別の未成年後見人を選任することができる。
2 後見人と被後見人との利益が相反する行為については、後見監督人がある場合でも、後見人は、被後見人のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
3 未成年後見については、未成年者に対し親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しないときに後見が開始し、成年後見については、後見開始の審判があったときに後見が開始する。
4 夫婦、直系血族および兄弟姉妹は、お互いに扶養する義務があるが、姻族間においては、家庭裁判所は、特別の事情がある場合でも、扶養の義務を負わせることはできない。
5 扶養する義務のある者が数人ある場合において、扶養すべき者の順序については、配偶者を先にし、配偶者がないときの親等の異なる血族間では、親等の近い者を先にする。

問題36 商人Aが、商人Bに対してAの商号をもって営業を行うことを許諾したところ、Aの商号を使用したBと取引をした相手方Cは、当該取引(以下、「本件取引」という。)を自己とAとの取引であると誤認した。本件取引の相手方の誤認についてCに過失がなかった場合、A・B・C間の法律関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 契約はAとCの間で成立し、Aが本件取引によって生じた債務について責任を負うが、CはBに対しても履行の請求をすることができる。
2 契約はAの商号を使用したBとCの間で成立するが、AはBと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。
3 契約はAとCの間で成立するが、BはAと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。
4 契約はAの商号を使用したBとCの間で成立するが、Aは本件取引によって生じた債務について半分の割合で責任を負う。
5 Cは、本件取引における契約の相手方がAであるかBであるかを選択することができるが、一方を選択した場合は他方との契約関係の存在を主張できない。

問題37 株式会社の設立手続における創立総会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 設立時取締役は、募集株式の払込期日または払込期間経過後、設立登記の前までに、創立総会を招集しなければならない。
2 創立総会においては、株主総会で認められている書面による議決権行使や電磁的方法による議決権行使はできない。
3 創立総会における普通決議は、株主総会における普通決議と同じく、定款に別段の定めがない限り、議決権の過半数を有する設立時株主が出席し、出席した設立時株主の議決権の過半数の賛成により成立する。
4 発起人、設立時取締役または設立時監査役が株式会社の設立にあたり任務を怠り、会社に損害を生じさせた場合には、創立総会の決議によっても、会社に対する責任を免除することはできない。
5 創立総会での決議により定款が変更された場合には、当該決議に反対した設立時株主は、会社成立後において、当該株式の買取りを請求することができる。

問題38 株式取得に関する次の記述のうち、会社法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 株式会社は、合併および会社分割などの一般承継による株式の取得について、定款において、当該会社の承認を要する旨の定めをすることができる。
2 譲渡制限株式の譲渡を承認するか否かの決定は、定款に別段の定めがない限り、取締役会設置会社では取締役会の決議を要し、それ以外の会社では株主総会の決議を要する。
3 承認を受けないでなされた譲渡制限株式の譲渡は、当該株式会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡の当事者間では有効である。
4 株式会社が子会社以外の特定の株主から自己株式を有償で取得する場合には、取得する株式の数および特定の株主から自己株式を取得することなどについて、株主総会の特別決議を要する。
5 合併後消滅する会社から親会社株式を子会社が承継する場合、子会社は、親会社株式を取得することができるが、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。

問題39 株式会社における取締役に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 委員会設置会社以外の会社の取締役は、当該会社の支配人その他の使用人を兼任することができる。
2 取締役会設置会社の代表取締役以外の取締役には、当該会社の代表権も業務執行権も当然には与えられていない。
3 取締役会設置会社以外の会社の取締役は、代表取締役が他に選定されても、業務執行権は当然には消滅しない。
4 業務執行権のない子会社の取締役は、親会社の株主総会決議にもとづき、親会社の社外取締役を兼任することができる。
5 取締役会決議により特別取締役に選定された取締役は、取締役会決議のうち特定事項の決定にのみ専念し、それ以外の決議事項の決定には加わらない。

問題40 会社法上の公開会社の剰余金の配当に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 剰余金の配当は、確定した計算書類およびこれに準ずる計算書類を基礎に、同一事業年度内に何度でも行うことができる。
2 剰余金の配当について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款に定めることは、株主平等原則に反して許されない。
3 委員会設置会社は、株主総会の承認に代えて、取締役会で剰余金の配当を決定することができる旨の定款の定めを置くことができる。
4 配当される財産は金銭に限定されないが、現物でのみ配当する場合には、株主総会の特別決議が必要である。
5 剰余金配当請求権は、株主が会社から直接経済的利益を受ける重要な権利であるため、剰余金配当請求権を付与しない旨の定款の定めを置くことは許されない。

[問題41〜問題43は択一式(多肢選択式)]

問題41 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
  ある主張や意見を社会に伝達する自由を保障する場合に、その表現の[ア]を確保することが重要な意味をもっている。特に表現の自由の行使が行動を伴うときには表現の[ア]が必要となってくる。表現の[ア]が提供されないときには、多くの意見は受け手に伝達することができないといってもよい。[イ]が自由に出入りできる[ア]は、それぞれその本来の利用目的を備えているが、それは同時に表現の[ア]として役立つことが少なくない。道路、公園、広場などは、その例である。これを[ウ]と呼ぶことができよう。この[ウ]が表現の[ア]として用いられるときには、[エ]に基づく制約を受けざるをえないとしても、その機能にかんがみ、表現の自由の保障を可能な限り配慮する必要があると考えられる。
  もとより、道路のような公共用物と、[イ]が自由に出入りすることのできる[ア]とはいえ、私的な[エ]に服するところとは、性質に差異があり、同一に論ずることはできない。しかし、後者にあっても、[ウ]たる性質を帯有するときには、表現の自由の保障を無視することができないのであり、その場合には、それぞれの具体的状況に応じて、表現の自由と[エ]とをどのように調整するかを判断すべきこととなり、前述の較量の結果、表現行為を規制することが表現の自由の保障に照らして是認できないとされる場合がありうるのである。
(最三小判昭和59年12月18日刑集38巻12号3026頁以下に付された伊藤正己裁判官の補足意見をもとに作成した)

1 手段  2 とらわれの聴衆  3 ガバメント・スピーチ  4 時間  5 一般公衆  6 プライバシー  7 公共の福祉  8 敵対的聴衆  9 フェア・コメント  10 デモ参加者  11 パブリック・フォーラム  12 内容  13 警察官  14 思想の自由市場  15 方法論  16 管理権  17 権力関係  18 社会的権力  19 場  20 現実的悪意の法理

問題42 次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
  …課税処分につき[ア]の場合を認めるとしても、このような処分については、…[イ]の制限を受けることなく、何時まででも争うことができることとなるわけであるから、更正についての期間の制限等を考慮すれば、かかる例外の場合を肯定するについて慎重でなければならないことは当然であるが、一般に、課税処分が課税庁と被課税者との間にのみ存するもので、処分の存在を信頼する[ウ]の保護を考慮する必要のないこと等を勘案すれば、当該処分における内容上の過誤が課税要件の根幹についてのそれであつて、徴税行政の安定とその円滑な運常の要請を斟酌してもなお、不服申立期間の徒過による[エ]的効果の発生を理由として被課税者に右処分による不利益を甘受させることが、著しく不当と認められるような例外的な事情のある場合には、前記の過誤による瑕疵は、当該処分を[ア]ならしめるものと解するのが相当である。
(最一小判昭和48年4月26日民集27巻3号629頁以下)

1 審査庁  2 違法  3 除斥期間  4 確定  5 当然無効  6 裁量  7 納税者  8 失効  9 第三者  10 遡及  11 裁定  12 出訴期間  13 消滅  14 失権  15 時効  16 不可争  17 取消し  18 公益  19 公権  20 不法

問題43 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
  行政と私人との間の法的紛争が訴訟となるのは、行政が何かを行った作為の場合だけではなく、何も行わない不作為の場合もありうる。このような行政の不作為についてどのような訴訟で私人が救済を求めるかは、行政救済法の領域における大きな問題である。
  行政事件訴訟法の定める抗告訴訟の中で、同法の制定当初からこの不作為に対する訴訟類型として存在したのは、行政庁が法令に基づく申請に対し、[ア]に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める「不作為の違法確認の訴え」であった。しかしこの訴訟類型は、申請に対して何らかの処分をすることを促すにとどまる消極的なものであるため、救済手段としての効果は限定されたものであった。そこで、平成16年の行政事件訴訟法の改正によって、このような場合について、[イ]訴訟の提起を認め、またその[イ]訴訟にかかる処分又は裁決がされないことにより生ずる[ウ]を避けるため緊急の必要があり、かつ、[エ]について理由があるとみえるときは、仮の[イ]による救済が可能となった。またこのほか、この改正によって、申請に対する処分以外の処分についても[イ]訴訟を提起することができることになった。

1 併合提起された訴訟  2 速やか  3 救済の必要  4 差止め  5 義務存在確認  6 相当の期間内  7 職務執行命令  8 公の利益に対する障害  9 公益上の必要  10 代執行  11 重大な損害  12 義務付け  13 回復困難な損害  14 迅速  15 償うことのできない損害  16 本案  17 標準処理期間内  18 訴えの利益の消滅  19 手続の執行  20 合理的な期間内

[問題44〜問題46は記述式](解答は、必ず答案用紙裏面の解答欄(マス目)に記述すること。なお、字数には、句読点も含む。)

問題44 以下に引用する消防法29条1項による消防吏員・消防団員の活動(「破壊消防」と呼ばれることがある)は、行政法学上のある行為形式(行為類型)に属するものと解されている。その行為形式は、どのような名称で呼ばれ、どのような内容のものと説明されているか。40字程度で記述しなさい。
消防法29条1項
  消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。

問題45 Aの抵当権(登記済み)が存する甲土地をその所有者Bから買い受け、甲土地の所有権移転登記を済ませたCは、同抵当権を消滅させたいと思っている。抵当権が消滅する場合としては、被担保債権または抵当権の消滅時効のほかに、Cが、Bの債権者である抵当権者Aに対し被担保債権額の全部をBのために弁済することが考えられるが、そのほかに、抵当権が消滅する場合を二つ、40字程度で記述しなさい。

問題46 作家Yに雇用されている秘書Aは、Y名義で5万円以下のYの日用品を購入する権限しか付与されていなかったが、Yに無断でXからYのために50万円相当の事務機器を購入した。しかし、Xは、Aに事務機器を購入する権限があるものと信じて取引をし、Yに代金の支払いを請求したところ、Yはその支払いを拒絶した。このようなYの支払い拒絶を不当と考えたXは、Yに対して、支払いの請求、およびそれに代わる請求について検討した。この場合において、Xは、どのような根拠に基づき、いかなる請求をすればよいか。「Xは、Yに対して、」に続けて、考えられる請求内容を二つ、40字程度で記述しなさい。

一般知識等[問題47〜問題60は択一式(5肢択一式)]

問題47 各国の政治体制に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア イギリスでは、議院内閣制がとられ、首相は下院の第一党の指導者が就任することとされているが、議会が上院または下院において不信任の議決を行った場合には、内閣は自ら辞職するか、議決を行った議院を解散しなければならない。
イ アメリカでは、大統領制がとられ、大統領と議会は権力分立の原則が貫かれているため、議会は大統領の不信任を議決することができないし、大統領は議会の解散権、法案の提出権、議会が可決した法案の拒否権のいずれも有していない。
ウ フランスでは、基本的に議院内閣制がとられており、大統領のほかに内閣を代表する首相がおかれ、大統領は外交上の儀礼的な権能を有するだけで、広く行政権は内閣に属し、かつ議会の解散権も内閣が有している。
エ ロシアでは、1990年代前半に成立した新憲法において三権分立制がとられているが、大統領に首相の任命権が付与されており、連邦議会は連邦会議と国家全議の二院制となっている。
オ 中国では、最高権力をもつ一院制の全国人民代表大会(全人代)の下に、常設機関である常務委員会が設けられ、法令の制定、条約の批准など広範な権限をもつとともに、国務院が設けられ行政を担当している。

1 ア・イ
2 ア・ウ・エ
3 イ・エ・オ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題48 日本の地方自治に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 明治憲法のもとでは地方自治は認められておらず、市町村は国の行政区画であった。そのため、市町村長は、市町村会の推薦と府県知事の内奏をもとに、内務大臣によって任命されていた。
2 全国的な規模で市町村合併が大幅に進められたのは、明治維新以降4回ある。それぞれの時期に合わせて、「明治の大合併」「大正の大合併」「昭和の大合併」「平成の大合併」と呼ばれることがある。
3 第二次世界大戦中には、激しい空襲により市役所・町村役場は機能を喪失したため、市町村は廃止された。それに代わり、防空・配給や本土決戦のために、都市部には町内会、農村部には系統農会が組織された。
4 第二次世界大戦後の自治体は、住民から直接公選される首長・議会を有しているが、首長その他の執行機関が国の指揮監督のもとに国の機関として行う機関委任事務があった。しかし、機関委任事務制度は地方自治法の改正により廃止された。
5 1990年代後半以降、市町村合併や公共事業などについて、住民が自ら投票によって意思を表明する住民投票が、条例に基づいて行われた。こうした流れを受けて、条例なしでも住民投票が行えるように、住民投票法が制定された。

問題49 日本銀行に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア 日本銀行は「銀行の銀行」として市中銀行から預託を受け入れ、市中銀行に貸し出しを行う。日本銀行が市中銀行に貸し出す金利を法定利息と呼ぶ。
イ 日本銀行は「政府の銀行」として、国(中央政府)や自治体(地方政府)の税金などの公金の管理をする等、出納経理にかかわる事務をしている。
ウ 日本銀行は「発券銀行」として、日本銀行券を発行する。日本銀行券は法定通貨であり、金(きん)と交換できない不換銀行券である。
エ 1990年代後半からの金融自由化により、日本銀行は「唯一の発券銀行」としての地位を2000年代には失った。そのため、各地で地域通貨が発行されるようになった。
オ 日本銀行は「国内政策の銀行」として、公開市場操作、預金準備率操作などの金融政策を行う。しかし、「円売りドル買い」などの外国為替市場への介入は行わない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題50 貿易自由化に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア EU(欧州連合)域内では、シェンゲン条約により域内での国境通過にかかる手続などが大幅に簡素化され、また、共通通貨ユーロがすべての加盟国に導入されており、加盟国がEU域内で自国産業の保護を行う手段は、関税と補助金に限定されている。
イ GATT(関税と貿易に関する一般協定)は、自由、無差別、互恵・多角を原則とし、多国間での貿易交渉を基準としつつ、輸入数量制限の撤廃や、関税引き下げなどの貿易自由化を推進してきた。
ウ TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)では、サービス、人の移動、基準認証などについて、加盟国間での整合性を図るとともに、例外品目を認めない形で、貿易における関税撤廃が目標とされている。
エ UNCTAD(国際連合貿易開発会議)は、途上国の経済開発促進と自由貿易推進のために国際連合が設けた会議で、国際連合の補助機関として、4年に一度開催されている。
オ WTO(世界貿易機関)は、サービス貿易や知的財産権に関する国際ルールを定めており、ドーハ・ラウンドでは、農業分野での自由化について、関税の上限設定とミニマム・アクセス(最低輸入義務)の設定が打ち出された。

1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・オ
4 ウ・エ
5 ウ・オ

問題51 租税および社会保障制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 生活保護法では、保護の認定や程度については、あくまでも個人を単位として判断されることとなっており、仮に同一世帯のなかに所得が高額な親族がいる場合であっても、特定の個人が生活困窮状態にある場合には、保護の対象となる。
2 個人が受け取ることのできる国民年金給付額は、保険料の納付期間等によって決められるが、さらに、受給者が世帯主として家族の扶養義務を負う場合には、扶養家族の人数に応じて、給付が上乗せされる。
3 個人住民税の均等割は、世帯主のみならず、当該自治体内に住所を有し、一定水準以上の所得がある個人に対して賦課されることとなっている。
4 子育て支援策の一環として、子どものいる世帯に対し養育費用を給付する子ども手当制度が導入されたが、そこでは子どもを監護していることではなく、子どもと同居していることが給付を受ける要件とされた。
5 介護保険制度のもとでは、65歳以上のいわゆる第1号保険料負担は、本人の所得を基準として決めることとされ、同一世帯のなかに所得が高額な者がいたとしても、保険料率には一切関係がない。

問題52 日本の土地に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 第二次世界人戦後の宅地改革により、都市部の住宅地においては大量の小土地所有者が生み出されることとなった。しかし、農村部の農地改革は行われず、戦前以来の地主と小作人の関係が維持された。
2 土地の価値を金銭評価したものとして、路線価、公示地価、不動産鑑定評価額などがある。これに対し、固定資産評価額は、建物および償却資産の評価額であり、土地の評価額を含むものではない。
3 海などの公有水面を埋め立てることによって土地を拡げることができるが、埋め立ての事業主体となることができるのは、国、特殊法人など国が指定した法人、または地方公共団体に限られている。
4 1980年代後半からのバブル経済において地価が高騰したことを受けて、土地基本法が制定された。さらに、国土利用計画法に基づく監視区域の活用や、地価税の導入などが行われて、対策が進められた。
5 土地利用の計画的コントロールのために都市計画制度が導入されている。都市化の進行により、1990年代初めには国土の全域が都市計画区域として指定された。

問題53 公害・環境対策に関する次のア〜オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。
ア 公害を発生させた事業者が公害防止や被害者救済のための費用を負担すべきであるという原則を「汚染者負担の原則」(PPP)といい、経済協力開発機構(OECD)が採用し、日本もこれに従うことになった。
イ 公害を発生させた事業者に過失がなくても被害者の損害を賠償する責任を負わせる仕組みを「無過失責任制度」というが、日本の法律では導入された例はない。
ウ 生活環境の保全について、経済の健全な発展との調和が図られなければならないという条項を「経済調和条項」といい、かつての公害対策基本法に盛り込まれ、現在の環境基本法でも継承されている。
エ 公害対策で当初から採用されていた「濃度規制」のみでは、排出量が増えれば低濃度の排出であっても汚染物質の総排出量を抑制することはできない。このため、日本では1970年代半ばから、汚染物質の総排出量を一定地域ごとに規制する「総量規制」の方式を併用するようになった。
オ 一定の開発事業を行う前に、環境に与える影響を事前に調査・予測・評価する仕組みが「環境影響評価」であり、1970年代以降、いくつかの自治体が環境影響評価条例を制定し、1990年代に国が環境影響評価法を制定した。

1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 ウ・オ
5 エ・オ

問題54 個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 個人情報保護法は、いわゆる基本法的な部分と民間部門を規制する一般法としての部分から成り立っている。
イ 個人情報保護法は、国の行政機関、独立行政法人、地方自治体における個人情報保護に関する具体的な権利義務関係について定めている。
ウ 個人情報保護法は、国の行政機関における個人情報保護と地方自治体における住民基本台帳の取扱いに係る個人情報保護について規律する法律である。
エ 個人情報保護法は、インターネットの有用性と危険性にかんがみて、コンピュータ処理された個人情報のみを規律の対象としている。
オ 個人情報保護法は、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを、その目的としている。

1 ア・オ
2 イ・ウ
3 ウ・エ
4 ウ・オ
5 エ・オ

問題55 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)及び行政機関個人情報保護法(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 行政機関個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」は、情報公開法のそれと同じ概念である。
イ 各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受ける一方で、個人情報保護については個別に条例を定めて対応している。
ウ 情報公開法にも行政機関個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在する。
エ 情報公開法及び行政機関個人情報保護法との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、情報公開・個人情報保護審査会が設置されている。
オ 情報公開法にも行政機関個人情報保護法にも、偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者を過料に処する旨の定めが存在する。

1 ア・オ
2 ア・イ・エ
3 ア・ウ・エ
4 イ・ウ・エ
5 エ・オ

問題56 消費者保護と個人情報保護に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 消費者庁は、消費者安全法、特定商取引法(特定商取引に関する法律)などに基づく消費者保護関連の事務に加えて、個人情報保護の基本方針に関わる事務をつかさどっている。
2 消費者契約法における消費者も個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)における個人も、その利益を一方的に害する契約を締結させられた場合において、当該契約の無効を主張できる権利をそれぞれの法律上付与されている。
3 個人情報保護制度は、個人と個人情報取扱事業者との間で、取り扱う個人情報の質及び量に格差が存在することをその前提とするが、消費者保護制度には、このような観点は存在しない。
4 個人は、個人情報を不当に取り扱われるおそれがある場合には、適格消費者団体に倣って創設された適格個人情報保護団体を通じて差止めを求めることができる。
5 消費者保護における消費者は法人及び権利能力なき社団を含むが、個人情報保護における個人は自然人を意味する。

問題57 次の1〜5の語群のうち、カギ括弧内の語句と密接に関連しているとはいえない語句を含んでいるものはどれか。

1 「情報事故対策」 シンクライアント SSL IP電話
2 「暗号化」 公開鍵 https 量子鍵
3 「携帯電話」 スマートフォン 無線通信 SIMカード
4 「バイオメトリクス認証」 指紋 虹彩 静脈
5 「フィルタリング」 青少年保護 ホワイトリスト プロバイダ

問題58 次の枠内のTおよびUの記述は、本文の空欄[ア]〜[エ]のいずれかに当てはまる。その組合せとして適当なものはどれか。

 内容省略

問題59 次のア〜オの記述のうち、本文の文章の趣旨に合っていないものの組合せはどれか。

 内容省略

問題60 本文中の空欄[ア]〜[エ]に当てはまるものの組み合わせとして、適切なものはどれか。

 内容省略


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