平成18年度 行政書士試験問題

正解等

法令等[問題1〜問題40は択一式(5肢択一式)]

問題1 裁判外の紛争処理手続の種類に関する次の文章の空欄[A]〜[D]内に当てはまる語として、正しいものの組合せはどれか。

 紛争当事者は、話し合いにより互いに譲り合って紛争を解決することができる。しかし当事者間で話し合いがつかないときは、権威のある第三者に入ってもらって、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の制度を用意しているが、その一つが裁判上の[A]である。また「当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする」紛争解決方法として、わが国では[B]が発達し、争いの性質によっては訴訟よりも活用されてきた。たとえば家事審判法によれば、[B]を行うことのできる事件についてはいきなり訴訟を提起することはできず、まずは[B]の申立てをしなければならない。裁判によらない紛争解決の方法としては、さらに[C]がある。これは紛争当事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束することによって争いを解決する手段であり、特に商人間の紛争解決手法として古くから発達してきた。近時はこのような裁判外の紛争処理方法を[D]として捉えて、その機能を強化することへの期待が高まっており、関係する制度の整備が行われている。

   A    B    C    D
1 和解  調停  仲裁   PFI
2 示談  仲裁  あっせん ADR
3 和解  調停  仲裁   ADR
4 調停  仲裁  あっせん PFI
5 示談  あっせん 裁定  PSE

問題2 外国人に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 父母がともに外国人である場合において、子が日本で生まれたときは、その子は、日本国民となる。
イ 外国人が日本国外において犯罪を行った場合には、日本の刑法が適用されることはない。
ウ 地方公共団体は、条例により、その区域内に住所のある外国人に対して、当該地方公共団体の長および議会の議員の選挙権を付与することができる。
エ 外国人は、法令または条約により禁止される場合を除いて、私法上の権利を亨有する。
オ ともに外国人である者が日本において婚姻する場合の婚姻の成立および効力については、日本の法律による。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題3 私人間における人権規定の効力に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の述べるところはどれか。

1 憲法の定める基本的人権のうち重要なものは、単に国家権力に対する自由権を保障するのみではなく、社会生活の秩序原理でもある。これは、一定の範囲において、国民相互の法律関係に対して直接の意味を有する。
2 人の思想、信条は身体と同様本来自由であるべきものであり、その自由は憲法19条の保障するところでもあるから、企業が労働者を雇傭する場合等、一方が他方より優越した地位にある場合に、その意に反してみだりにこれを侵してはならないことは明白である。
3 日本国憲法は価値中立的な秩序ではなく、その基本的人権の章において客観的な価値秩序を定立している。この価値体系は、憲法上の基本決定として、法のすべての領域で通用する。いかなる民法上の規定もこの価値体系と矛盾してはならず、あらゆる規定はこの価値体系の精神において解釈されなければならない。
4 私人による差別的行為であっても、それが公権力との重要な関わり合いの下で生じた場合や、その私人が国の行為に準じるような高度に公的な機能を行使している場合には、法の下の平等を定める憲法14条が直接に適用される。
5 憲法19条、21条、23条等のいわゆる自由権的基本権の保障規定は、国又は公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障することを目的とした規定であって、専ら国又は公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互間の関係について当然に適用ないし類推適用されるものでない。

問題4 次のア〜オの記述のうち、憲法上、天皇の国事行為として認められていないものはいくつあるか。

ア 内閣総理大臣の指名
イ 憲法改正、法律、政令及び条約の裁可
ウ 国務大臣の任免
エ 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の決定
オ 衆議院の解散

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題5 次の文章は、表現と行為の関係に言及した、ある最高裁判所判決の一節である。これを読み、同様に純然たる意見表明ではない各種の行為に対して、判例が採っている考え方として誤っているものは、次の1〜5のうちどれか。

 憲法21条の保障する表現の自由は、民主主義国家の政治的基盤をなし、国民の基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであり、法律によってもみだりに制限することができないものである。そして、およそ政治的行為は、行動としての面をもつほかに、政治的意見の表明としての面をも有するものであるから、その限りにおいて、憲法21条による保障を受けるものであることも、明らかである。

1 国家公務貝法102条1項および人事院規則によって公務員に禁止されている政治的行為も多かれ少なかれ政治的意見の表明を内包する行為であるから、もしそのような行為が国民一般に対して禁止されるのであれば、憲法違反の問題が生ずる。
2 国家公務員法102条1項および人事院規則による公務員に対する政治的行為の禁止が、憲法上許容されるか否かを判断するにあたっては、禁止の目的、この目的と禁止される政治的行為との合理的関連性、政治的行為を禁止することにより得られる利益と禁止することにより失われる利益との均衡の三点から検討することが、必要である。
3 一般人の筆記行為の自由について、それが、さまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補肋するものとしてなされる限り、憲法21条の視定の精神に照らして十分尊重に値するが、表現の自由そのものとは異なるため、その制限や禁止に対し、表現の自由の場合と同等の厳格な基準は要求されない。
4 報道機関の報道行為は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものであるから、思想の表明の自由とならんで、事実の報道の自由は、表現の自由を想定した憲法21条の保障のもとにある。
5 報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道のための取材行為も、憲法21条の規定の精神に照らし、十分尊重に値するから、報道の公共性や取材の自由への配慮から、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷においてメモを取ることを許可することも、合理性を欠く措置とはいえない。

問題6 次の条文の下線部@〜Dについての記述として、妥当なものはどれか。

 第11条 @国民は、すべてのA基本的人権の享有を妨げられない。Bこの憲法が国民にC保障する基本的人権は、侵すことのできないD永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

1 憲法13条以下で保障される諸権利のなかで、明示的に「国民」を主語としている権利については、日本に在留する外国人に対して保障が及ばないとするのが、判例である。
2 国家権力の統制下にある在監者に対しては、新聞、書籍を閲読する自由は、憲法上保障されるべきではないとするのが、判例である。
3 「この憲法」のなかには、日本国憲法のほかに、世界人権宣言や国際人権規約も当然に含まれるとするのが、判例である。
4 「学問の自由は、これを保障する」と規定する憲法23条は、大学に対して、固有権としての自治権を保障したものであるとするのが、通説である。
5 憲法改正には限界があり、この憲法が保障する基本的人権を憲法改正手続によって削除することは、論理的に許されないとするのが、通説である。

問題7 次のア〜オの記述のうち、日本国憲法に規定されているものは、いくつあるか。

ア 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
イ 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
ウ 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
エ 何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ち
に本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
オ 刑事事件について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題8 公法と私法が交錯する領域に係る次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 防火地域に関する建築基準法の規定は、民法の相隣規定に関する特別法として適用されるとするのが最高裁の判例である。
2 現実に開設されている私道を日常的に利用する利益は反射的利益であり、敷地所有者に対して通行妨害排除の民事訴訟を提起する利益とはなりえないとするのが最高裁の判例である。
3 健築確認は、その土地について私法上の権原がある者により申請される必要があるから、権原なき者によって申請された場合には、そのことを理由として却下することができるというのが最高裁の判例である。
4 公営住宅に世帯主として入居している者が死亡した場合、その相続人が低所得者であるときには、入居関係は相続させなければならないとするのが最高裁の判例である。
5 海岸線の変動により、従来私人の所有であった土地が海面下に沈んだ場合には、私人の土地所有権は自動的に滅失するというのが最高裁の判例である。

問題9 行政庁などの行政機関の概念に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 行政庁は独任制でなければならず、委員会などの合議体が行政庁としての役割を果たすことはない。
2 行政庁、諮問機関、参与機関などの行政機関の定義は、国家行政組織法において定められている。
3 諮問機関が示した答申・意見について、行政庁はそれを尊重すべきではあるが、法的に拘束されることはない。
4 行政庁の権限を補助機関が専決する場合には、代決の場合とは異なり、処分権限は行政庁ではなく、補助機関に帰属することとなる。
5 補助機関とは行政主体の手足として実力を行使する機関であり、警察官、収税官などがこれに当たる。

問題10 行政行為の職権取消と撤回に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 行政行為の撤回は、処分庁が、当該行政行為が違法になされたことを理由にその効力を消滅させる行為であるが、効力の消滅が将未に向かってなされる点で職権取消と異なる。
2 旅館業法8条が定める許可の取消は、営業者の行為の違法性を理由とするものであるから、行政行為の職権取消にあたる。
3 公務員の懲戒免職処分は、当該公務員の個別の行為に対しその責任を追及し、公務員に制裁を課すものであるから、任命行為の職権取消にあたる。
4 行政行為の職権取消は、私人が既に有している権利や法的地位を変動(消滅)させる行為であるから、当該行政行為の根拠法令において個別に法律上の根拠を必要とする。
5 行政行為の職権取消は、行政活動の適法性ないし合目的性の回復を目的とするものであるが、私人の信頼保護の要請等との比較衡量により制限されることがある。
(参考)旅館業法8条「都道府県知事は、営業者が、この法律若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき、又は第三条第二項第三号に該当するに至ったときは、同条第一項の許可を取り消し、又は期間を定めて営業の停止を命ずることができる。(以下略)」

問題11 行政手続法における聴聞と弁明に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、書面の提出によってするのが原則であるが、聴聞は、口頭かつ公開の審理によるのが原則である。
2 聴聞においては、処分の相手方以外の利害関係人にも意見を述べることが認められることがあるが、弁明の機会は、処分の相手方のみに与えられる。
3 聴聞は、不利益処分をなす場合にのみ実施されるが、弁明の機会は、申請者の重大な利益に関わる許認可等を拒否する処分をなす場合にも与えられる。
4 聴聞を経てなされた不利益処分については、行政不服審査法による異議申立てや審査請求をすることはできないが、弁明の機会を賦与したに過ぎない不利益処分については、こうした制限はない。
5 聴聞の相手方については、聴聞の通知があったときから処分がなされるまでの間、関係書類の閲覧を求める権利が認められるが、弁明の機会を賦与される者には、こうした権利は認められない。

問題12 行政手続法に定める行政指導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 行政指導に携わる者は、その相手方に対し、当該行政指導の趣旨、内容並びに責任者を明確に示さなければならない。
2 同一の行政目的を実現するために複数の者に対し行政指導をするときには、行政機関はあらかじめ行政指導の共通する内容を定め、それを公表しなければならない。
3 不利益処分に先立つ行政指導をする場合においては、行政機関は相手方に対し、書面で行政指導をしなければならない。
4 すでに書面で相手方に通知されている事項と同一内容の行政指導をする場合においては、行政機関は書面を求められても、これを交付する必要はない。
5 行政指導の相手方以外の利害関係人に対しては、請求があっても書面で行政指導をする必要はない。

問題13 行政手続法に定める意見公募手続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 命令等を定めようとする場合において、やむを得ない理由があるときは、その理由を公示した上で、30日を下回る意見提出期間を定めることができる。
2 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとする場合に、意見公募手続を省略することができる。
3 意見公募手続を実施したが、当該命令等に対して提出された意見(提出意見)が全く存在しなかった場合に、結果を公示するのみで再度の意見公募手続を実施することなく命令等を公布することができる。
4 意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないことにした場合に、結果等を公示せずに手続を終了させることができる。
5 委員会等の議を経て命令を定めようとする場合に、当該委貝会等が意見公募手続に準じた手続を実施していることのみを理由として、自ら意見公募手続を実施せずに命令等を公布することができる。

問題14 行政不服審査法による審査請求の審査手続に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 審査請求は、書面によりなすことが原則であるが、審査請求人が求めたときは、口頭による審査請求も認めなければならない。
2 審査請求の審理は、書面によってなされるが、とくに審査庁が必要と認めた場合に限り、審査請求人は、口頭で意見を述べることができる。
3 審査請求がなされたときは、審査庁は、審査請求書の副本を処分庁に送付して、その反論書の提出を求めることができる。
4 審査請求が不適法であっても、これを補正できるときは、審査庁は、直ちにこれを却下することはできず、相当の期間を定めて、その補正を命じなければならない。
5 審査請求手続は、決定により終了するのが原則であるが、審査請求を認容する決定についても理由を付さなければならない。

問題15 行政不服審査法による審査請求における執行停止に関する記述として、妥当なものはどれか。

1 従来、執行停止の要件としては、「重大な損害」が必要とされていたが、平成16年の法改正により、「回復困難な損害」で足りることとされた。
2 審査庁は、「本案について理由がないとみえるとき」には、執行停止をしないことができる。
3 申請拒否処分に対する審査請求については、平成16年の法改正により、執行停止制度に加えて、「仮の義務付け」と「仮の差止め」の制度が明文化された。
4 執行停止の決定がなされた場合において、それに内閣総理大臣が異議を述べたときは、審査庁は、執行停止を取消さなければならないこととされている。
5 処分庁の上級庁である審査庁は、審査請求人の申立てによることなく職権により執行停止をすることは許されない。

問題16 行政不服審査手続と取消訴訟手続の対比に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 取消訴訟は他の民事訴訟と同じく3審制であるが、行政不服申立ての場合、異議申立てに対する決定に不服があるものは、第三者機関に審査請求できる2審制が原則として取られている。
2 行政不服審査法4条により、不服申立ての対象とならないと定められている外国人の出入国に関する処分、刑務所の被収容者に関する処分については、取消訴訟でも争うことはできない。
3 取消訴訟の出訴期間は、処分の相手方が処分のあったことを知った日から6か月であるが、不服申立て期間は3か月となっている。
4 取消訴訟においては行政処分のみを争うことができるが、行政不服申立てにおいては、行政指導や事実行為も争うことができる。
5 取消訴訟においては処分の適法性のみを争うことができるが、行政不服申立てにおいては処分の適法性のみならず、処分の不当性をも争うことができる。

問題17 取消訴訟と審査請求の関係についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 個別法が裁決主義を採用している場合においては、元の処分に対する取消訴訟は提起できず、裁決取消訴訟のみが提起でき、元の処分の違法についても、そこで主張すべきこととなる。
2 行政事件訴訟法は原処分主義を採用しているため、審査請求に対する棄却裁決を受けた場合には、元の処分に対して取消訴訟を提起して争うべきこととなり、裁決に対して取消訴訟を提起することは許されない。
3 審査請求ができる処分については、それについての裁決を経ることなく取消訴訟を提起することはできないとするのが行政事件訴訟法上の原則であるが、審査請求から3か月を経過しても裁決がなされないときは、裁決を経ることなく取消訴訟を提起できる。
4 審査請求の前置が処分取消訴訟の要件とされている場合には、その審査請求は適法なものでなければならないが、審査庁が誤って不適法として却下したときは、却下裁決に対する取消訴訟を提起すべきこととなる。
5 審査請求の前置が処分取消訴訟の要件とされている場合には、その出訴期間も審査請求の裁決の時点を基準として判断されることとなるが、それ以外の場合に審査請求をしても、処分取消訴訟の出訴期間は処分の時点を基準として判断されることとなる。

問題18 平成16年の行政事件訴訟法改正後の行政事件訴訟制度の記述として、正しいものはどれか。

1 従来、法令に基づく申請についてのみ認められていた不作為違法確認訴訟が、規制権限の不行使についても認められることになった。
2 仮の義務付けまたは仮の差止めは、処分の執行停止と同様の機能を有するので、内閣総理大臣の異議の制度が準用されている。
3 処分が、国または公共団体に所属しない行政庁によって行われた場合、当該処分の取消を求める訴えは、処分取消訴訟に替わり、民事訴訟によることとなった。
4 法令に基づく申請に対して相当の期間内に何らの処分もなされない場合は、原告の判断により、不作為違法確認訴訟または義務付け訴訟のいずれかを選択して提起することができる。
5 処分もしくは裁決の存否またはその効力の有無を確認する判決(無効等の確認判決)は、第三者に対しても効力を有することが明文上認められた。

問題19 平成16年改正により、行政事件訴訟法に設けられた教示制度の規定に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 行政事件訴訟法に教示の規定が設けられたことを契機として、行政不服審査法においても教示の規定が創設されることとなった。
2 取消訴訟を提起することができる処分が口頭でされた場合に、相手方から書面による教示を求められたときは、書面で教示しなければならない。
3 原処分ではなく裁決に対してのみ取消訴訟を認める旨の定めがある場合に、当該原処分を行う際には、その定めがある旨を教示しなければならない。
4 当該処分または裁決の相手方以外の利害関係人であっても、教示を求められた場合には、当該行政庁は教示をなすべき義務がある。
5 誤った教示をした場合、または教示をしなかった場合についての救済措置の規定がおかれている。

問題20 国家賠償法1条による賠償責任に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の立場に照らして、妥当なものはどれか。

1 公立学校のプールにおける飛込みで事故が起きた場合、国家賠償法1条にいう「公権力の行使」とは、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」を意味するから、国家賠償法1条は適用されず、民法上の不法行為として損害賠償を求めることになる。
2 警察官でない者が、公務執行中の警察官であるかのような外観を装い、他人を殺傷した場合、当該被害者ないしその遺族は、いわゆる外形理論により国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めることができる。
3 国会議員が国会で行った発言によって他人の名誉や信用を害した場合、憲法51条により国会議員の法的責任は免責されるため、被害者は国家賠償法1条に基づく損害賠償を求めることができない。
4 消防職員の消火ミスにより、一度鎮火したはずの火災が再燃し、家屋が全焼した場合、失火責任法が適用されるため、被害者は国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づく損害賠償を求めることができない。
5 パトカーが逃走車両を追跡中、逃走車両が第三者の車両に追突し、当該第三者が死傷した場合、被害者たる第三者の救済は、国家賠償法1条による損害賠償ではなく、もっぱら憲法29条に基づく損失補償による。

問題21 都道府県の処理する自治事務と法定受託事務に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 自治事務の執行の経費は、都道府県が負担するのが原則であるが、法定受託事務の執行の経費は、国が負担するのが原則である。
2 都道府県議会は、自治事務に関しては、国の法令に違反しなければ条例を制定できるが、法定受託事務については、国の法令の特別の委任がなければ条例を制定できない。
3 都道府県の監査委員は、自治事務の執行については原則として監査できるが、法定受託事務の執行については、政令で定めるものについてのみ監査できる。
4 都道府県による法定受託事務の執行については、国の大臣は、一般的な指揮監督の権限を有するが、自治事務については、法定された関与のみが認められる。
5 都道府県による法定受託事務の執行については、国の大臣による代執行の手続があるが、自治事務の執行については、こうした手続はない。

問題22 条例制定権の限界に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らして、妥当なものはどれか。

1 河川法の適用されない普通河川の管理について、条例により河川法が同法の適用される河川等について定めるところ以上に強力な規制をすることは許されない。
2 財産権の行使については国の法律によって統一的に規制しようとするのが憲法29条2項の趣旨であるから、条例による財産権規制は、法律の特別な授権がある場合に限られる。
3 条例によって健全な風俗を害する行為を規制することは許されるが、規制の程度、態様等によっては、他の地方公共団体との関係で平等原則違反が問題になる。
4 故意に一定以上の騒音を発する者に対し、条例で騒音を発する行為の中止を命じる規定を設けた場合、併せて一定額の過料を課すことを通告して義務の履行を促すことができる。
5 条例によって地方公共の安寧と秩序を維持する規制を行うことは許されるが、国の法令による規制とその目的が同一であったり、部分的に共通するような規制を行うことは許されない。

問題23 地方自治法における直接請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 直接請求として、地方税の賦課徴収、分担金、使用料、手数料の徴収に関する条例の制定改廃を求めることも可能である。
2 知事・市町村長のみならず、選挙管理委員、監査委員などの役員も、直接請求としての解職請求の対象となる。
3 条例の制定改廃を求める直接請求が成立した場合、首長は住民投票を行って過半数の同意が得られれば、議会の同意を経ることなく条例を公布することができる。
4 首長等の解職を求める直接請求は、あくまでも解職請求権の行使を議会に求めるものであり、直接請求が成立した場合においても、首長を解職するか否かの最終判断は議会が行う。
5 一般行政事務の監査請求は、他の直接請求とは異なり、選挙権者の50分の1以上の賛成という要件が不要なので、一人でも監査請求をすることができる。

問題24 地方自治法に定める住民監査請求および住民訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 住民監査請求の監査の結果もしくは勧告が出されるまでは、住民訴訟を提起することは許されない。
2 住民監査請求を提起できるのは、当該普通地方公共団体の住民のうち選挙権を有する者に限られる。
3 住民訴訟において、住民は地方公共団体に代位して、損害を与えた職員等に直接損害賠償または不当利得返還請求をなすことができる。
4 住民訴訟においては、執行機関または職員に対する行為の差止めの請求をなすことは認められない。
5 住民監査請求は地方公共団体の不当な公金支出行為についても請求することができるが、住民訴訟は不当な公金支出行為については提起することができない。

問題25 地方自治法の規定に照らし、次の文章の空欄[A]〜[C]内に当てはまる文言として、正しいものの組合せはどれか。

 地域自治区とは、地域の住民の意見を行政に反映させるとともに、行政と住民との連携の強化を目的として、市町村の判断により[A]によって設けられる区域として、平成16年の地方自治法改正により創設された。
  地域自治区には、[B]と、市町村の事務を分掌させるための事務所が置かれる。事務所の位置、名称および所管区域は[A]によって定められる。事務所の長は、事務吏員をもって充てられる。
  [B]の構成員は、地域自治区の区域内に住所を有する者のうちから、[C]。

   A      B      C
1 協定  地域協議会   住民による選挙で選ばれる
2 条例  地域自治組織  住民による選挙で選ばれる
3 条例  地域協議会   市町村長が選任する
4 協定  地域自治組織  市町村長が選任する
5 条例  地域協議会   住民による選挙で選ばれる

問題26 Aは行政庁Bに対し、情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)に基づいて行政文書の情報公開請求を行った。BがAの請求に対し一部不開示決定を行ったので、Aは異議申立てまたは情報公開訴訟を提起しようと考えている。
  次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らして、正しいものはどれか。

1 異議申立てに対し、Bは、当初の一部開示処分は誤りであり全てを不開示とするのが妥当であると判断した。この場合、Bは当初の一部開示決定を取り消し、全部を不開示とする決定を行うことができる。
2 Aは、異議申立てを提起するか取消訴訟を提起するかを、自由に選択することができるが、一旦異議申立てを行った場合には、異議申立ての結論が出る前に取消訴訟を提起することは許されない。
3 非公開決定の取消訴訟において当該行政文書が書証として提出された場合には、非公開決定の取消を求める訴えの利益は消滅する。
4 行政文書等の開示請求権はAの一身に専属する権利とはいえないから、Aの死亡後も、当該行政文書の非公開決定の取消を求める訴えの利益は消滅しない。
5 Bは、非公開決定理由書において付記された理由以外の理由を、取消訴訟段階で主張することも認められる。

問題27 制限行為能力者と取引をした相手方の保護に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 制限行為能力者が自己の行為を取り消したときには、相手方は受け取っていた物を返還しなければならないが、相手方は、制限行為能力を理由とする取消しであることを理由に、現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。
2 制限行為能力者が未成年者の場合、相手方は、未成年者本人に対して、1か月以上の期間を定めてその行為を追認するかどうかを催告することができ、その期間内に確答がなければその行為を追認したものとみなされる。
3 制限行為能力者が成年被後見人であり、相手方が成年被後見人に日用品を売却した場合であっても、成年被後見人は制限行為能力を理由として自己の行為を取り消すことができる。
4 制限行為能力者が被保佐人であり、保佐人の同意を得なければならない行為を被保佐人が保佐人の同意またはそれに代わる家庭裁判所の許可を得ずにした場合において、被保佐人が相手方に対して行為能力者であると信じさせるために詐術を用いたときには、制限行為能力を理由としてこの行為を取り消すことはできない。
5 制限行為能力者が被補肋人であり、補助人の同意を得なければならない行為を被補助人が補助人の同意を得てした場合であっても、相手方は、制限行為能力を理由として補助人の行為を取り消すことができる。

問題28 民法上の住所に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 住所が知れない場合において、居所を住所とみなすことはできない。
イ 日本に住所を有しない外国人は、日本における居所をその者の住所とみなすことはできない。
ウ ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。
エ 住所が複数ある場合には、本籍地を住所とみなす。
オ 住民票に記載されている住所と本籍地が異なる場合には、住民票に記載されている住所を民法上の住所とみなす。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題29 所有権の原始取得に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 Aは、B所有の土地をBの所有であると知りつつ所有の意思をもって平穏かつ公然に10年間占有した場合に、その土地の所有権を取得する。
2 Aの所有する動産とBの所有する動産が付合して分離することが不可能になった場合において、両動産について主従の区別をすることができないときには、AとBは、当然に相等しい割合でその合成物を共有するものとみなす。
3 BがAの所持する材料に工作を加えて椅子を完成させた場合に、その椅子の所有権は、AとBとの取決めに関係なく、Aに帰属する。
4 Bの所有する動産がAの所有する不動産に従として付合した場合に、AとBは、AとBとの取決めに関係なく、Aの不動産の価格とBの動産の価格の割合に応じてその合成物を共有する。
5 Aは、所有者のいない動産を所有の意思をもって占有を始めた場合に、その動産の所有権を取得する。

問題30 Aは、B所有の甲土地について地上権の設定を受けて、同土地上に乙建物を建築した。Aが同建物を建築するについては、そのための資金としてC銀行から融資を受けた。この場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 A・B間では賃借権ではなく地上権が設定されたので、その存続期間については、借地借家法の適用はなく民法の規定が適用される。
2 AがC銀行のために抵当権を設定するには、乙建物のみを抵当権の目的とすることができ、Aの甲土地に対する地上権を抵当権の目的とすることはできない。
3 Bが死亡し、Bの相続人Dが甲土地を相続した場合に、Aは、甲土地についての地上権登記または乙建物についての保存登記を経由していない限り、Dに対し、Aの甲土地についての地上権を対抗することはできない。
4 AのC銀行に対する債務の担保のために、Aが乙建物についてC銀行のために抵当権を設定するとともに、Bが物上保証人として甲土地についてC銀行のために抵当権を設定していた場合において、C銀行が抵当権を実行するには、まず乙建物から行う必要はない。
5 Aが死亡し、Aの相続人EおよびFが遺産分割により乙建物を共有することになった場合において、EおよびFは、相互に5年間は乙建物の分割を請求することはできない。

問題31 A・B間で建物の売買契約が成立し、Aは、Bから建物の引渡しを受け、また、移転登記も得て、近く同建物に引っ越しをしようと思っていたところ、同建物は、第三者Cの放火によって焼失してしまった。この場合に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア BからAに対して上記建物についての売買代金の支払請求があった場合に、Aは、Bに対して同時履行の抗弁権を主張して代金の支払いを拒むことができる。
イ 上記建物は、Bの責めに帰すことができない事由により焼失したので、危険負担に関し建物の滅失についてはAの負担に帰する。
ウ Aは、Bに対して履行不能を理由として売買契約を解除することができる。
エ Aは、Bに対して代金の支払いを免れることはできないが、債務不履行を理由とする損害賠償請求をすることができるので、この両者につき相殺を主張することができる。
オ Aは、Bに対して代金の支払いを免れることはできないが、Cに対して不法行為を理由として損害賠償請求をすることができる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題32 契約の履行期に関する次のア〜オの記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア 請負の報酬は、仕事の目的物の引渡しを要する場合でも、仕事の目的物の完成時に注文者が請負人に対して支払わなければならない。
イ 宅地や建物の賃貸借の賃料は、翌月分を毎月末までに賃借人は賃貸人に対して支払わなければならない。
ウ 売買目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限までに買主が売主に対してその代金を支払わなければならないものと推定される。
エ 報酬の合意がある場合には、委任の報酬は、受任者の請求があれば委任者がその前払をしなければならない。
オ 消費貸借については、返還時期の合意がないときには、貸主の請求があれば借主は直ちに返還しなければならない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題33 Aはその所有する建物をBに賃貸し、BはAの承諾を得てその建物をCに転貸している。この状況の下で、A・B間の賃貸借契約が終了したので、AはCに建物の明渡しを求めたいと考えている。A・C間の法律関係に関する次のア〜オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア A・Bが賃貸借契約を合意解除した場合には、AはそれをCに対抗することができる。
イ Bが賃借権を放棄した場合には、AはそれをCに対抗することができない。
ウ Bの債務不履行によってA・B間の賃貸惜契約が解除された場合には、AはあらかじめCに催告をしなくてもCに対抗することができる。
エ A・B間の賃貸借契約が期間満了によって終了した場合には、AはCにその旨を通知しなくても、それをCに対抗することができる。
オ Aからの正当事由を伴う解約申し入れによりA・B間の賃貸借契約が終了した場合には、AはCにその旨を通知しなければ、それをCに対抗することができない。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 ア・エ
4 イ・ウ
5 エ・オ

問題34 観光バス会社Aの運転手Bは、営業運転中に、Cが運転するD社のタンクローリー車と衝突事故を起こし、バスの乗客が負傷した。その事故は、Bの前方不注意とCの居眠り運転が競合して生じたものであり、B・Cの過失割合は3:7であった。この場合の法律関係に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア Aが乗客の請求に応じて損害を賠償した場合には、Aは、Cの過失割合に応じてCに対して求償することができる。
イ Bが乗客の請求に応じて損害を賠償した場合には、Bは、賠償額全額につきDに対して求償することができる。
ウ Bが乗客の請求に応じて損害を賠償した場合には、Bは、賠償額全額につきAに対して求償することができる。
エ BおよびCが乗客の請求に応じて対等額を支出して損害の賠償を行った場合には、Bは、自己の負担部分を超える範囲につきDに対して求償することができる。
オ Cが乗客の請求に応じて損害を賠償した場合には、Cは、Bの負担部分につきBに対してのみ求償することができる。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ

問題35 Aは、自己が所有する甲建物に居住していたところ、Bと婚姻後においても、同建物にA・Bで同居することになった。この場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 A・Bが甲建物に関して婚姻の届出前に別段の契約をしなかったときは、甲建物は、A・Bの共有に属するものと推定される。
2 A・Bの婚姻後にAが甲建物を第三者Cに譲渡したときは、Bは、そのA・C間の売買契約を取り消すことができる。
3 A・Bの婚姻後に甲建物について必要な修繕をしたときは、その修繕に要した費用は、A・Bで分担する。
4 A・Bの婚姻後に甲建物内に存するに至った動産は、A・Bの共有に属するものとみなされる。
5 A・Bが離婚をした場合において、AまたはBがその相手方に対して財産の分与を請求することができるときに、その請求権を有する者は、甲建物内に存する動産について先取特権を有する。

問題36 商業使用人に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 支配人は、営業主に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を有し、支配人の代理権に加えた制限は、それを登記した場合に、これをもって善意の第三者に対抗することができる。
イ 支配人は、営業主の許諾がなければ自ら営業を行うことができないが、営業主の許諾がなくとも自己または第三者のために営業主の営業の部類に属する取引を行うことができる。
ウ 本店または支店の営業の主任者であることを示すべき名称を付した使用人は、相手方が悪意であった場合を除いて、本店または支店の営業に関する一切の裁判外の行為をなす権限を有するものとみなされる。
エ 営業に関するある種類または特定の事項の委任を受けた使用人は、その事項に関して一切の裁判外の行為をなす権限を有し、当該使用人の代理権に加えた制限は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
オ 物品の販売を目的とする店舖の使用人は、相手方が悪意であった場合も、その店舖にある物品の販売に関する権限を有するものとみなされる。

1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ

問題37 商行為に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受け、申込みとともに受け取った物品がある場合において、その申込みを拒絶するときは、相当の期間内にその物品を相手方の費用により返還しなければならない。
イ 数人がその一人または全員のために商行為である行為によって債務を負担した場合は、その債務は各自が連帯してこれを負担する。
ウ 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をした場合は、報酬に関する契約がなくとも、相当の報酬を請求することができる。
エ 当事者の一方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、債権の弁済を受けるまで、債権者が占有する債務者所有の物または有価証券を留置することができる。
オ 商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権については、質権者に弁済として質物の所有権を取得させることを契約で定めることができる。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ

問題38 株主総会に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であっても、株主全員がその開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項について決議をしたときには、この決議は株主総会の決議として有効に成立する。
2 株主総会において議決権を行使する代理人を株主に限る旨の定款の規定は、株主総会が第三者により撹乱されることを防止して、会社の利益を保護する趣旨にでた合理的理由による相当程度の制限であって、有効である。
3 株主は、自己に対する株主総全の招集手続に瑕疵がなくとも、他の株主に対する招集手続に瑕疵がある場合には、株主総会の決議取消しの訴えを提起することができる。
4 株主総会の決議取消しの訴えを提起した場合においては、その提訴期間が経過した後であっても、新たな取消事由を追加して主張することができる。
5 株主総会の決議の内容自体に法令または定款違背の瑕疵がなく、単に決議の動機または目的において公序良俗に反する不法がある場合は、その株主総会の決議は無効とならない。

問題39 会社の合併に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 会社が合併するには、各当事会社の株主総会の特別決議による承認を要するが、存続会社に比べて消滅会社の規模が著しく小さい場合には、各当事会社は株主総会決議を省略することができる。
イ 合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議があれば一定の期間内に述べるように官報に公告し、かつ電子公告をした場合であっても、知れたる債権者には個別催告する必要がある。
ウ 合併決議前に反対の意思表示をし、かつ合併承認決議に反対した株主は、合併承認決議が成立した場合には、株式買取請求権を行使することができる。
エ 会社の合併が違法である場合に、各当事会社の株主、取締役等、または合併を承認しなかった債権者は、その無効を合併無効の訴えによってのみ主張することができ、合併無効の判決が確定した場合には、将来に向かってその合併は無効となる。
オ 会社の合併により、消滅会社の全財産が包括的に存続会社に移転するため、財産の一部を除外することは許されないが、消滅会社の債務については、消滅会社の債権者の承諾が得られれば、存続会社は消滅会社の債務を引き継がないとすることも可能である。

1 ア・エ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ

問題40 会社の種類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 合名会社と合資会社の持分は、定款の定めにより1持分につき複数の議決権を与えることができるが、株式会社でも、1株に複数の議決権を有する種類株式を発行する旨を定款に定めることができる。
2 合名会社の無限責任社員は、各社員が会社債務全額につき連帯責任を負うが、会社債権者に対して、まず会社資産から弁済を受けるように求めることができる。
3 合資会社の有限責任社員は、定款記載の出資額までしか責任を負わないため、有限責任社員となる時点で出資全額の履行が要求されている。
4 株式会社は、株式会社を表章する有価証券を発行しなければならず、合名会社と合資会社でも持分を表章する有価証券を発行しなければならない。
5 合資会社では、無限責任社員から業務執行権と会社代表権を有する代表社員を選任することを要し、株式会社では、取締役から業務執行権と会社代表権を有する代表取締役を選任する。

[問題41〜問題43は択一式(多肢選択式)]

問題41 憲法81条の定める違憲審査制の性格に関する次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる言葉を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

 違憲審査制の性格に関する最高裁判所のリーディングケースとされるのは、1952年のいわゆる[ア]違憲訴訟判決である。ここで最高裁は次のように判示し、[ア]の憲法違反を主張する原告の訴えを却下した。「わが裁判所が現行の制度上与えられているのは司法権を行う権限であり、そして司法権が発動するためには[イ]な争訟事件が提起されることを必要とする。我が裁判所は[イ]な争訟事件が提起されないのに将来を予想して憲法及びその他の法律命令等の解釈に対し存在する疑義論争に関し[ウ]な判断を下すごとき権限を行い得るものではない。けだし最高裁判所は法律命令等に関し違憲審査権を有するが、この権限は司法権の範囲内において行使されるものであり、この点においては最高裁判所と下級裁判所との間に異るところはないのである(憲法七六条一項参照)。……要するにわが現行の制度の下においては、特定の者の[イ]な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり、裁判所がかような[イ]事件を離れて[ウ]に法律命令等の合憲性を判断する権限を有するとの見解には、憲法上及び法令上何等の根拠も存しない」。かような性格の違憲審査制を通例は付随的違憲審査制と呼び、これを採用している最も代表的な国としては[エ]を挙げることができる。

1 治安維持法  2 独立的  3 直接的  4 ドイツ  5 抽象的  6 一時的  7 客観的  8 フランス  9 付随的  10 オーストリア  11 間接的  12 アメリカ  13 政治的  14 不敬罪  15 警察予備隊  16 具体的  17 終局的  18 主観的  19 農地改革  20 イギリス

問題42 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる言葉を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

 地方財政の適正を確保するために地方自治法242条の2が規定する住民訴訟は、行政事件訴訟法2条の規定する基本的な訴訟類型のうちの[ア]訴訟の一例である。このような原告の権利利益の保護を目的としない訴訟は、一般に、[イ]訴訟と呼ばれるが、こうした訴訟は、法律が特別に認めている場合に限って提起できることとなる。ちなみに、行政事件訴訟法45条の規定する[ウ]訴訟は、同法2条の規定する訴訟類型のいずれにも属しない訴訟であるから、行政事件訴訟ではないが、行政処分の効力を前提問題として争う[エ]訴訟である。

1 民事  2 納税者  3 有権者  4 刑事  5 客観  6 民衆  7 給付  8 抗告  9 無効等確認  10 取消  11 義務付け  12 形成  13 確認  14 機関  15 差止め  16 無名抗告  17 争点  18 当事者  19 不作為の違法確認  20 主観

問題43 行政上の義務の履行確保手段に関する次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる言葉を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

 行政代執行法によれば、代執行が行われるのは、[ア]の場合に限られるので、その他の義務の履行確保については、別に法律で定めることを必要とする。例えば、代執行以外の義務の履行確保手段の一つとして[イ]が挙げられるが、これは、義務者の身体又は財産に直接実力を行使して、義務の履行があった状態を実現するものである。
  [イ]に類似したものとして、[ウ]がある。[ウ]も、直接私人の身体又は財産に実力を加える作用であるが、義務の履行強制を目的とするものでないところにその特徴がある。[ウ]の例としては、警察官職務執行法に基づく保護や避難等の措置などが挙げられる。
  さらに行政上の義務の履行確保手段には、間接的強制手段として、行政罰がある。その中で[エ]は、届出、通知、登記等の義務を懈怠した場合などに科される罰である。

1 反則金  2 課徴金  3 直接強制  4 法定受託事務  5 執行罰  6 自治事務  7 秩序罰  8 即時強制  9 金銭給付義務  10 行政刑罰  11 機関委任事務  12 直接執行  13 自力執行  14 非代替的作為義務  15 間接強制  16 滞納処分  17 代替的作為義務  18 職務命令違反  19 不作為義務  20 延滞金

[問題44〜問題46は記述式](解答は、必ず答案用紙裏面の解答欄(マス目)に記述すること。なお、字数には、句読点も含む。)

問題44 保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可について、近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した場合、裁判所は、どのような理由で、どのような判決をすることとなるか。40字程度で記述しなさい。

問題45 売買契約において買主が売主に解約手付を交付した場合に、このことによって、買主は、どのような要作のもとであれば、売買契約を解除することができるか。40字程度で記述しなさい。

問題46 AはBに対して3000万円の貸金債権を有しており、この債権を被担保債権としてB所有の建物に抵当権の設定を受けた。ところが、この建物は、抵当権設定後、Cの放火により焼失してしまった。BがCに対して損害賠償の請求ができる場合に、Aは、どのような要件のもとであれば、この損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼすことができるか。40字程度で記述しなさい。

一般知識等[問題47〜問題60は択一式(5肢択一式)]

問題47 1980年代からの国の行政改革に関する次のア〜エの記述のうち、間違ったものが2つある。その組合せとして正しいものはどれか。

ア 中曽根内閣のもとで設置された第2次臨時行政調査会は、「民間活力の活用」をすすめる観点から、旧国鉄、旧電電公社、旧郵政公社の民営化に取り組んだ。
イ 第2次臨時行政調査会のあと、さらに3次にわたる臨時行政改革推進審議会が設置され、第3次の同審議会最終答申で「官から民へ」「国から地方へ」の改革課題が集約された。
ウ 地方分権推進法にもとづいて設置された地方分権推進委員会は、市町村合併の推進を唱えたのに加えて、都道府県制に代わる道州制の検討を提言した。
エ 中央省庁等改革に取り組んだ行政改革会議は、「公共性の空間」は中央の官の独占物ではないとする基本理念に立って最終報告を取りまとめた。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ

問題48 日本の地方自治に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものはいくつあるか。

ア 地方自治体では首長制を採用しているが、議会による首長の不信任議決等の制度を認めているため、議院内閣制の要素も含まれている。
イ 地方自治体で行われている住民投票は、当該自治体の条例に基づかずに実施されているため、法的拘束力のないものとなっている。
ウ いわゆる「平成の大合併」では、人口8,000人をめどに合併をすすめるものとされ、強制合併の制度も導入された。
エ 1999年制定の地方分権一括法に基づく分権改革では、機関委任事務制度の廃止等の大きな成果があったが、地方税財政秩序の再構築などの課題が残された。
オ ー般市が政令指定都市に指定されると、都道府県から独立した地位を与えられるため、市域内の都道府県税は原則として当該市の財源に属することとなる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題49 財政投融資制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 財政投融資は、郵便貯金や銀行預金、年金保険料などを原資として、社会資本整備などの分野に低利で融資・出資を行う制度として創設された。
2 特殊法人等の財政投融資機関は、国の財政融資資金特別会計からの借入れにより必要な資金総額を調達しなければならない。
3 国の財政融資資金特別会計は、特殊法人等に貸し出す資金を調達するために、財投機関債を発行している。
4 財政投融資計画額を使途別にみると、最近では生活環境整備の占める割合が最も高くなっている。
5 国の財政融資資金特別会計における預託金残高をみると、現在、その規模が最も大きいのは公的年金の積立金である。

問題50 貿易の自由化に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 GATTケネディラウンドでは、関税の一括引下げ方式が提案されたが、引下げ対象品目について合意には達せず、その採用には至らなかった。
2 GATTウルグアイラウンドでは、交渉対象が農業分野にまで拡大されたが、サービス分野や知的財産権については、交渉対象として取り上げられるまでに至らなかった。
3 WTO(世界貿易機関)は、加盟国間の貿易交渉に加えて、貿易をめぐる紛争処理や、各国の貿易政策の審査といった役割を担う機関である。
4 WTO(世界貿易機関)は、貿易について二国間主義を掲げており、関税同盟などの地域経済統合についても認める立場をとっている。
5 日本は、これまでアジアのどの国・地域に対してもセーフガード(緊急輸入制限)を発動したことはない。

問題51 日本における高齢化・少子化現象に関する次の記述の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる数値の組合せとして、正しいものはどれか。

 日本の高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)の最低値は、1935年(昭和10年)の[ア]%であった。その一方で、出生率の低下は戦前から始まっていたが、1940年代後半のベビーブームでは出生数が年間約[イ]万人に達した。その後1950年代以降、合計特殊出生率は急激に低下しはじめ、昭和から平成に移った1989年には、「丙午(ひのえうま)」の年の数値を下回る[ウ]に落ち込んだ。他方で、死亡率の改善等により高齢化が進んでおり、2004年(平成16年)には高齢化率が[エ]%へと上昇した。高齢化率は今後も上昇し続け、2025年(平成37年)には30%程度になると予想されている。

  ア   イ   ウ   エ
1 11.3 270  2.7  19.5
2 4.7  410  2.7  19.5
3 4.7  270  1.57 19.5
4 4.7  410  1.57 24.9
5 11.3 410  1.57  24.9

問題52 海洋に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 領海とは、沿岸国の領域の一部を構成する海域の部分で、いずれの国も沿岸に引かれる基線から測定して12カイリを超えない範囲で領海の幅を定めることができる。
2 世界の海洋のうち、沿岸国の領海と排他的経済水域を除いた部分が公海であり、公海自由の原則が適用される。
3 排他的経済水域は、基線より測って沖合100カイリまでの海域に設定することができる。
4 沿岸国は、排他的経済水域にあるすべての天然資源の探査・開発のための主権的権利を有する。
5 排他的経済水域においては、沿岸国だけでなくすべての国が、航行および上空飛行の自由ならびに海底電線・海底パイプライン敷設の自由を亨有する。

問題53 次のファイル交換ソフトに関する記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 接続しているユーザーの情報やファイルのリストを中央サーバーが管理し、ファイルの転送のみを利用者間で直接行う中央サーバー型システムと、まったくサーバーを持たず、すべての情報がバケツリレー式に利用者の間で流通する純粋型システムが存在する。
2 不特定多数のコンピュータ間で匿名性の高いファイル交換を行うために、指定したファイルを直接受信せず、一度別のコンピュータを経由する転送機能を有するソフトも存在している。
3 ファイル交換ソフト自体は公開するファイル、公開しないファイルを指定できる仕組みとなっているが、ファイル交換ソフトが暴露ウィルスに感染してしまった時には本来非公開の個人情報や内部資料をネットワーク上に流出させてしまうことがある。
4 ファイル交換ソフトは、著作権侵害をはじめとする違法な情報流通の温床になっているとして強い非難の対象となっている。実際、日本でも近年ファイル交換ソフトの開発者のなかに逮捕された者もいる。
5 ファイル交換の原理自体は非常に有用であるため、多くの学校や公的機関で、公文書の交換にその利用が近年急増している。これが個人情報流出の遠因となっているとも指摘されている。

問題54 電子署名に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 オンライン申請においてなりすましを防止するために、私人のみならず行政機関も電子署名法*に基づき認証事業者から取得した証明書を利用しなければならない。
2 地方公共団体が発行する公的個人認証の証明書は、行政機関に対してのみならず、一般の民間企業とのオンライン手続においても用いることができる。
3 電子署名法に基づき、認証事業者は、自然人および法人の本人性の確認をするサービスを行うことができる。
4 法人の電子署名については、商業登記法に基づき法務省の登記官が作成した電子証明書を利用することができる。
5 地方公共団体の発行する公的個人認証の証明書は、私人の本人性確認と地方公共団体自身の組織認証のために用いられる。
(注)*電子署名及び認証業務に関する法律

問題55 通信の秘密と個人情報の保護に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 個人情報保護法が私人に対しても適用されるのに比べ、通信の秘密の法理は、公権力による通信の侵害にのみ適用され、私人による通信の秘密の侵害には適用されない。
2 通信の秘密を保護する義務は、回線を保有管理する電気通信事業者には課せられるが、回線を利用するに過ぎない電気通信事業者(プロバイダ)は、個人情報保護法の適用は受けても、通信の秘密を保護する義務は負わない。
3 通信にかかる個人の秘密は個人情報保護法によっても保護されるが、通信にかかる法人の秘密は、通信の秘密の法理により保護される。
4 個人の秘密に関する情報の漏洩は個人情報保護法により刑事罰の対象となるが、通信の秘密を侵害しただけでは刑事罰の対象とはならない。
5 受信者が個人情報保護法に基づき匿名通信の発信者情報の開示を求めた場合には、発信者の通信にかかる通信の秘密は保護されない。

問題56 個人情報の保護に関する法律は、憲法上の自由との関係で、個人情報取扱事業者のうち一定の者については、その活動目的を基準として、第4章(個人情報取扱事業者の義務等)の規定を適用除外としている。次に掲げる事業者のうち、その名称が法の適用除外規定のリストに載っている者はいくつあるか。

ア 報道機関
イ 大学
ウ 宗教団体
エ 政治団体
オ 弁護士会

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

問題57 「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 この法律は、個人情報である限り、日本国民に関する情報のみならず外国人に関する情報も保護の対象としている。
2 行政機関は、個人情報を保有するにあたっては、利用の目的をできる限り特定しなければならず、また最初に個人情報を保有した目的を変更してはならない。
3 本人から、直接、書面に記録された当該本人の個人情報を取得するときには、取得の状況からみて利用目的が明らかであっても、利用目的を明示しなければならない。
4 この法律によれば本人の個人情報はすべて本人に開示されるが、本人以外の個人情報等一定の不開示情報は原則として開示されない。
5 この法律に基づく訂正は、保有個人情報の内容が事実でない場合のみならず、評価・判断の内容が不当な場合にも行われる。

問題58 省略

問題59 省略

問題60 省略


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