平成17年度 行政書士試験問題

問題1〜10 11〜20 21〜30 31〜35 記述式 一般教養

正解例

※ 出題当時以後の法令等の改正には対応していません。

法令等

問題1 裁判に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 裁判所は、法令適用の前提となる事実の存否が確定できない場合であっても、裁判を拒否することはできない。
イ 最高裁判所は、憲法その他法令の解釈適用に関して、意見が前に最高裁判所のした裁判または大審院のした裁判と異なるときには、大法廷で裁判を行わなければならない。
ウ ある事件について刑事裁判と民事裁判が行われる場合には、それぞれの裁判において当該事件に関して異なる事実認定がなされることがある。
エ 裁判は法を基準として行われるが、調停などの裁判以外の紛争解決方法においては、法の基準によらずに紛争の解決を行うことができる。
オ 上告審の裁判は、法律上の問題を審理する法律審であることから、上告審の裁判において事実認定が問題となることはない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ


問題2 情報と法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 電子署名法※1は、電子署名に、自然人の本人確認だけではなく、会社などの法人の存在証明としての効力を認めるものである。
2 刑法における窃盗罪が成立するためには、財物の占有が奪われることが必要であり、情報が記録されている媒体を持ちさることなく情報だけを違法に収得しても、財物占有が奪われることはないから、窃盗罪は成立しない。
3 著作権、特許権などの情報に関する知的所有権が財産として保護されるためには、官公署に登録されることが必要であり、登録されていない著作権、特許権は第三者に対抗することはできない。
4 インターネット上の情報について、憲法上、表現の自由は保障されているが、通信の秘密の保護の対象となることはない。
5 平成17年4月に施行された個人情報保護法※2は、情報公開法※3とは異なり、電子計算機により処理された個人情報についてもっぱら適用され、手書きの個人情報について適用されることはない。
(注)
※1 電子署名及び認証業務に関する法律
※2 個人情報の保護に関する法律
※3 行政機関の保有する情報の公開に関する法律


問題3 次の記述は、日本国憲法の条文を基礎としているが、本来の条文にある重要な要素が欠けているなど、変更されているものが含まれている。選択肢1〜5のうち、本来の条文に照らして正しいものはどれか。

1 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
2 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
3 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命、自由若しくは財産を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
4 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その補償を求めることができる。
5 国民、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


問題4 次の文章は、ある最高裁判決の補足意見の一節である。選択肢1〜5のうち、この補足意見とは考え方の異なる見解はどれか。

  選挙運動においては各候補者のもつ政治的意見が選挙人に対して自由に提示されなければならないのではあるが、それは、あらゆる言論が必要最少限度の制約のもとに自由に競いあう場ではなく、各候補者は選挙の公正を確保するために定められたルールに従って運動するものと考えるべきである。法の定めたルールを各候補者が守ることによって公正な選挙が行なわれるのであり、そこでは合理的なルールの設けられることが予定されている。このルールの内容をどのようなものとするかについては立法政策に委ねられている範囲が広く、それに対しては必要最少限度の制約のみが許容されるという合憲のための厳格な基準は適用されないと考える。
(最判昭和56年7月21日刑集35巻5号577頁以下)

1 憲法47条は、国会議員の選挙に関する事項は法律で定めることとしているが、これは、選挙運動については自由よりも公正の観点からルールを定める必要があり、そのために国会の立法裁量の余地が広い、という趣旨を含んでいると考えられる。
2 国会は、選挙区の定め方、投票の方法、日本における選挙の実態など諸般の事情を考慮して選挙運動のルールを定めうるのであり、これが合理的とは考えられないような特段の事情のない限り、国会の定めるルールは各候補者の守るべきものとして尊重されなければならない。
3 公職選挙法による戸別訪問の禁止は、表現の自由を制限するものと考えれば、これを合憲とするために要求される厳格な基準に合致するとはいえないが、選挙の公正を碓保するためのルールであると考えられるので、そこに一定の合理的な理由が見出される限りは、国会の立法裁量を尊重すべきであり、合憲的な規制であると考えられる。
4 戸別訪問には、選挙人の生活の平穏を害し、買収・利害誘導等の温床になりやすいなどの弊害が伴うことは否定できない一方、これを禁止する公職選挙法の規定は、自由な意見表明そのものの制約を目的とするものではなく、意見表明の手段方法がもたらす弊害の防止を目的としているにすぎないから、厳格な基準は適用されず合憲である。
5 もとより戸別訪問の禁止が、選挙の公正を確保するための立法政策として妥当であるかどうかについては、考慮の余地があり、実際、戸別訪問の禁止を原則として撤廃すべしとする意見も強いが、これは、その禁止が憲法に反するかどうかとは別問題である。


問題5 次の衆参両院の議事運営に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 日本国憲法は、議事運営につき、戦前の議院法に相当する国会法の制定を予定しているが、法律の定めていない細則については、各議院の議院規則にゆだねられている。
2 政府委員の制度は、日本国憲法の下では、国会法上の存在にとどまり憲法の予定するところではなかったが、戦前からの伝統を受け継ぎ今日まで維持されている。
3 日本国憲法は「両議院は、国民より提出された請願書を受けることができる。」と定めるにとどまるが、いわゆる請願権を憲法上の権利と解するのが通説である。
4 日本国憲法は「会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。」とするが、各議院の議決で付託され閉会中に審査した案件は、後会に継続するのが慣例である。
5 衆参両院の会期は同じであり、衆議院の側の事情によって行われた閉会、会期の延長は、参議院の活動能力をも左右することになる。


問題6 日本国憲法が定める身分保障に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 いわゆる議員特権の一つとして、両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受けるものとされている。
2 皇室財産については、憲法上、すべて国に属するものと定められ、皇室の費用も、すべて予算に計上して国会の議決を経なければならないとされている。
3 裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官の任期は10年であり、仮に再任されたとしても、法律の定める年齢に達したときには退官するものとされている。
4 裁判官の身分保障に関連して、下級裁判所の裁判官は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受け、在任中、これを減額することができないと定められている。
5 公務員の身分保障の一環として、官吏は、憲法上、すべて定期に相当額の報酬を受けるものと定められている。


問題7 次の事項に関連して、日本国憲法および公職選挙法が予定する裁判作用とその担い手の組合せとして、正しいものはどれか。

A 国会議員の資格をめぐる裁判       a 議院
B 国会議員の選挙の効力をめぐる裁判  b 国会
                            c 裁判所

1 A−a  B−b
2 A−b  B−c
3 A−c  B−a
4 A−a  B−c
5 A−b  B−a


問題8 次の文章は、国の行政機関の長が命令等を発する権限について規定している「国家行政組織法」の条文である。(ア)〜(オ)にあてはまる語として正しいものの組合せはどれか。

第12条 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、または法律若しくは政令の特別の(ア)に基づいて、それぞれその機関の命令として(イ)を発することができる。
第14条 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、(ウ)を発することができる。
2 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、(エ)又は(オ)を発することができる。

    ア    イ    ウ   エ    オ
1 委任  規則  告示  訓令  通達
2 授権  政令  通達  告示  訓令
3 委任  訓令  布告  通達  規則
4 委任  省令  告示  訓令  通達
5 授権  省令  通達  訓令  告示


問題9 行政指導に関する次の記述のうち、妥当なものはいくつあるか。

ア 行政指導は相手方私人の任意的協力を求めるもので、法令や行政処分のように法的拘束力を有するものではなく、宅地開発指導要綱のように書面で正式に公示される形式をとった場合や、指導に従わなかった場合には相手方の氏名が公表されることが条例によって定められている場合においても、法的拘束力がないということに変わりはない。
イ 規制的な行政指導によって、私人が事実上の損害を受けた場合には国家賠償請求訴訟によってその損害を求償することができる。これに対し、受益的な行政指導の場合においては、強制の要素が法律上のみならず事実上もないのであるから、行政指導に基づき損害が発生した場合には、民法上の不法行為責任を問うことはできても、国家賠償責任を問うことはできない。
ウ 行政機関が行政手続法による規律をうける行政指導を行うことができるのは、行政機関が行政処分権限を法律上有しており、処分に代替して事前に行政指導をする場合に限られる。これに対し、組織法上の権限のみに基づいて行われる事実上の行政指導については、行政手続法上の規定は適用されない。
エ 行政機関が同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し同種の行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ行政上特別の支障のない限り、これを公表しなければならない。
オ 行政指導は、その内容および責任者を明確にするため書面で行うことを原則とすべきであり、書面によることができない相当な理由がある場合を除いて、口頭による行政指導をすることはできないという行政手続法の定めがある。これに対し、一部の行政手続条例では、行政手続法の規定とは異なり、口頭の行政指導を許容する規定を置いている場合がある。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ


問題10 申請についての行政手続法の定めに関する次の記述のうち、妥当なものはいくつあるか。

ア 補助金の交付申請は、法令に基づかない申請であっても、行政手続法上の申請とみなされる。
イ 行政手続法上の申請のうち、行政庁が諾否の応答を義務づけられるのは、許可あるいは認可を求めるもののみに限られる。
ウ 許認可の申請にあたっては、申請者には申請権があり、行政庁には申請に対する審査・応答義務があるので、形式要件に適合している限り、申請書類の返戻は許されない。
エ 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。
オ 申請に対し許認可を与える場合、それは、申請通りの内容を行政庁として認めることを意味しているので条件を付すことは許されない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ

>>> 問題11〜20 21〜30 31〜35 記述式 一般教養


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