平成13年度 行政書士試験問題

問題41〜50 51〜60 法令択一 記述式

解答例

※ 出題当時以後の法令等の改正には対応していません。

一般教養

問題41 子・行・経の三つの漢字には、それぞれ異なる音(音読み)がある。アからオの各組には三つの漢字の音読みと組み合わせたとき、熟語とならない漢字を含んだ組は、いくつあるか。


例  (請)
  ○ 願 請願
  ○ 普 普請
  ○ 求 請求
  ○ 申 申請
  × 負 請負

   (子)  (行) (経)
ア  弟    脚   典
イ  金   奉   済
ウ  王   事   緯
エ  様   運   会
オ  供    旅   文

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ


問題42 文章中の(a)から(e)を漢字表記にしたときに、正しいものはどれか。

  法と道徳のあいだには、常識で考えても、非常に密接な関連が存在する。法規範の中でも重要なものは、しばしば道徳的なものをもっている。特に、窃盗、詐欺、放火、殺人のような反道徳的な行為に対する刑罰を規定する刑法や、市民として当然なすべき行為、またはしてはならない行為についての規定をふくむ民法などにおいては、その背後にある道徳的な価値判断が、だれにでもよくわかる場合が多い。
  法と道徳のこのような結合は、双方にとって有益である。まず、法の側から眺めてであるが、単なる力だけで人々に法を守らせることは難しい。法が大多数の人によって(a)ジュンシュされている場合には、大抵、社会一般に通用する道徳的な観念がそれをいわばうらうちしているのであり、逆にいえば、このようなうらうちが欠けているときには、法が現実には多くの人によって破られていることが多い。
  道徳の立場から見ても、法との結びつきは非常に役に立つ。道徳規範は、その(b)ジッコウセイをいろいろな社会的(c)インシに負うている。その中で最も基本的なのは、正常な人間が子供のときから道徳規範を守るようにしつけられているということである。
  しかし、これだけでは必ずしも十分ではない。そこで、いろいろな制裁によって、人々が道徳規範から(d)イツダツすることを防止する必要がある。こういう制裁としては、社会的嘲笑、非難、社交的および経済的ボイコットなど、いろいろなものがあるが、やはりいざというときに最も頼りになるのは、国家権力の強制的(e)カイニュウであり、これは法の領域である。
  国家権力による強制は、「切り札」として、最後のぎりぎりのところで出てくるのが普通であるが、このことは、法と道徳の結びつきが、全面的なものでなく、部分的なものであることを示す。
(出典 碧海純一『法と社会』)

  (a)    (b)    (c)  (d)   (e)
1 尊守  実行性  因氏  逸脱  介入
2 遵守  実効性  因士  溢奪  会入
3 遵守  実効性  因子  逸脱  介入
4 尊守  執行性  印史  溢脱  会入
5 順守  実行性  印子  逸奪  介柔


問題43 次の文の下線部をアからオのように改めたが、敬語表現の原則にかなっているものが二つある。その二つはどれか。

「先生の話したことはよくわかりません。」(学生から教師ヘ)

ア 話された
イ お話しになられた
ウ 話になされた
エ お話しになった
オ 話を述べた

1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 ウ・オ
5 イ・オ


問題44 次のアからオまでの文を並べかえて文章を作る場合に、最も適当な組合せはどれか。

ア それは、容易な業ではないけれども、私どもは、政治や経済にからんで法律を国民のためのものとするように努力するべきではあるまいか。
イ がんらい、法律というものは、われわれをとりまいていて、われわれがそのなかに生きている空気のようなものである。
ウ 法律というものが、戦時中までのように上から大衆をおさえつけるための道具ではなくて、本当に民主的なものとなり国民のために自由や人権をまもるためのトリデとなるならば、法律というものについての感じ方も変るはずである。
エ そんな目にあわないで暮らすことが出来れば、一生法律のことなど考えないでもすむ。まことに結構なことであるが、なかなかそうはいかないので、法律と聞くといやな感じさえすることにもなるのであろう。
オ だから、好きも嫌いもないはずなのだが、法律を人間が意識するのは、たいていロクでもないことが起こったときであり、いやな思いをするときである。
(出典 木川博「法律はいやなもの」より)

1 ウ─ア─エ─イ─オ
2 ウ─イ─ア─オ─エ
3 イ─エ─ウ─オ─ア
4 イ─オ─エ─ウ─ア
5 イ─ウ─ア─エ─オ


問題45 次の文中のアからカの六つの空欄は「帰納的推論」「演繹的推論」のいずれかが入るが、「帰納的推論」が入る組合せとして適当なものはどれか。

  大きく分ければ、推論には二つの種類があります。
  イヌに二、三度かまれた子どもは、「イヌというものは、かむものだ」と思いこみます。これは数回の経験から、「かむ」という性質を、イヌ全部に及ぼした形の推論です。個々の事例から一般的な結論へと広げる推論は、帰納的推論と呼ばれます。「イヌはかむものだ」と思いこむと、一匹のイヌが目の前に現れたときに、「このイヌもかむ」と考えて、子どもは逃げるようになる。これは、「どんなイヌもかむ」から「このイヌもかむ」ことを推論しているわけです。このように、一般的なことがらから個々の事例について結論するのを、演繹的推論と呼びます。
  私たちは、日常の行動においても、また学問的な研究においても、このような二つの形の推論をたえずしています。
  (ア)は、一般的なことがら、つまり法則発見のために用いられます。それに対して、(イ)は法則を用いて説明を与えるのに用いられます。前者が説明の根拠を捜し出すためのものならば、後者は説明による理屈づけを与えるものです。
  (ウ)は発見するための思考法の問題です。そのために、習慣との関係とか、出発点となる事例の性質とか、さらには、すでに知られている法則から演繹的にでてくる結論とかがからみ合ってその推論をささえていることが多い。それに反して、(エ)のほうははるかにはっきりしています。(オ)は、説明による理屈づけの問題で、発見よりは整理に関係しているために、(カ)よりもあつかいやすいといえます。
(出典 大出晁『日本語と論理』)

1 ア・ウ
2 ア・ウ・カ
3 ア・エ・カ
4 ウ・オ・カ
5 エ・オ


問題46 次頁の1から5の文のなかで、次の本文の内容・趣旨と合わないものは、どれか。

  教育は経済学の分野でもずいぶん前から研究対象となっていた。おカネが少しでも絡むものなら、何でも経済学の対象となる。教育の経済学の中で最も代表的な理論は、「人的資本論」と呼ばれる考え方である。要するに、教育は人間の生産性を高める手段と考えるのがこの人的資本論である。人間をあたかも工場や機械と同じように生産のための資本と見なし、教育はその資本の質を高める社会的装置と考えるわけである。
このあまりに経済学的な教育の捉え方に、拒否反応を起こしてしまう読者は少なくないだろう。しかし、経済学のサイドから見ると、このような形でいったん教育を捉えてしまえば、既存の経済学の分析ツールがほとんどそのまま使えるので非常にありがたい。教育は、人的資本論のおかげで経済学によっても議論できるようになった。だから、人的資本論の創始者であるG・S・ベッカーはノーベル経済学賞をもらっている。
  しかし、人的資本論と全く対照的な議論もある。M・スペンスらによって打ち立てられた「シグナリング理論」と呼ばれる考え方がそれである。教育は、個人の能力の向上にほとんど貢献しない。個人の能力は、教育を受ける前にすでに決まっている。そして、人々は自分の能力を誰よりもよく知っていると想定する。それでは、なぜ教育という仕組みがあるかというと、例えば大学を卒業したということで、自分の能力の高さを他人にアピールできるからである。このように、教育は、自分に能力が備わっていることを他人に知らせる手段―これを「シグナル」と言う一に過ぎない。そのシグナルを手に入れるために人々は授業料を払って学校に通う。そこでなにを勉強したかは全く重要ではない。そんな馬鹿な話はあるか、と反発する読者も多いだろう。しかし、経済学には、情報(この場合は個人の能力)が当事者間に偏在している場合、人々の経済行動がどのような影響を受けるかを分析する「情報の経済学」という分野がある。シグナリング理論は、この情報の経済学の分析枠組みにうまく当てはまる考え方であり、教育の経済分析に大きく貢献した。
  教育経済学と言った場合、一応確立した考え方として認知されているのは、この人的資本論とシグナリング理論の二つしかない。
(出典 小塩隆士「教育の経済学」)


1 教育が経済学の対象となるのは、近代においては、人間の営むすべての事象が、社会的な意味をもつので当然のことである。
2 「人的資本論」に、人が拒否反応を起こすのは、教育の重要な面の個人の成長という点などが、「社会的装置」とする考え方と合致しないからであろう。
3 「シグナリング理論」に反発する理由は、学問のそれぞれの分野は意味をもつのに対して、その面を無視していることによるのであろう。
4 「シグナリング理論」は、人間の能力の差という、現実を根拠にしている点で、実社会の「情報の偏在」という事実に理論的に合致している。
5 教育に対する経済的アプローチは、教育の意味を考えるうえで新しい観点をもたらした。その考え方によって、情報の価値を高めることとなった。


問題47 行政国家化といわれる傾向についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 行政活動の量的増大を招いたが、法治行政原理の厳しい徹底に伴い、司法権の優越化をもたらした。
2 行政活動の量的増大とともに、国家が保障する国民の権利の拡大等により、行政活動の質的な変化も見られた。
3 行政活動の量的増大にもかかわらず、民営化や規制緩和の推進により、国民の財政負担はむしろ軽減された。
4 行政活動の量的増大は中央政府において顕者であったが、地方自治体の行政活動はかえって縮減される傾向にあった。
5 行政活動の量的増大にもかかわらず、行政機関に対する政治主導の確立により、行政権の弱化がもたらされた。


問題48 下の文章は「行政改革会議最終報告」(平成9年12月3日)の中で、わが国が、近代史上経験した三度の大きな転換期について述べた部分のうち、幕末・維新期につぐ第二の転換期について述べた一節である。(ア)(イ)(ウ)の空欄には、1930年代に起きた三つの大事件が発生順に記されている。正しい組合せはどれか。

  「次なる転換期は、1920年頃に訪れる。それまでの驚異的な成長力と適応力の下に着実に近代国家への歩みを進めてきたわが国は、第一次世界大戦後の恐慌の発生と日英同盟の廃棄、そしてア、イ、ウへの事態の転換のなかで、次第に軍靴の高鳴りに包まれ、やがて戦争への坂道を転げ落ちていくことになる。」

     (ア)       (イ)          (ウ)
1 国際連盟脱退  満州事変      二・二六事件
2 満州事変     二・二六事件   国際通盟脱退
3 二・二六事件   満州事変     国際連盟脱退
4 国際連盟脱退  二・二六事件   満州事変
5 満州事変     国際連盟脱退  二・二六事件


問題49 次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 高齢化にともなう行政需要の増大は福祉国家において共通の傾向であり、行政の対策についても各国で独自なものはないから、ことさら新しい行政計画の策定は必要でなく、その財源措置のみが主要となる。
2 わが国における高齢化の進展は、その速度において際だっており、それへの対応が年金・保険制度をはじめとする従来の制度の大きな見直しをともなっている。
3 高齢者に対する行政サービスが地域ごとにばらばらであることは好ましくないから、国が責任をもって国の事務として一体として運営する方針がとられている。
4 高齢化にともなう行政サービスは、等しくすべての国民にかかわるものであって、その公共性が強いために、民間事業者に委ねられる部分は例外的である。
5 高齢化の状況や行政需要の現れ方は地域によって一様ではなく、国による画一的な行政は有効ではないから、住民に最も身近な市区町村がすべての貢任を負う体制となっている。


問題50 次に掲げる国際組織とその本部(事務局)の所在地のの組合せのうち、誤っているものはどれか。

1 国際司法裁判所(ICJ)─ハーグ
2 欧州連合(EU)―ストラスブール
3 北大西洋条約機構(NATO)―プリュッセル
4 国際エネルギー機関(IEA)─ウィーン
5 国際連合(UN)―ニューヨーク

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