行政書士・独学入門

 2016/5/29 更新

カリキュラム

  1. 受験勉強アドバイス
  2. 使える教材
  3. 文章理解
  4. 政治・経済・社会
  5. 情報通信・個人情報保護
  6. 過去問題集の活用
  7. 憲法
  8. 基礎法学
  9. 行政法
  10. 地方自治法
  11. 民法
  12. 記述式対策
  13. 商法(会社法)
  14. 予想問題集の活用
  15. 最後のアドバイス

1.受験勉強アドバイス

  平成17年度までの行政書士試験の合否の分かれ目は「一般教養」でした。落ちる受験生の半数以上は、一般教養の基準点(いわゆる足切り)によるものと考えられます。一般教養20問中、10問正解しないとそれで終りでした。
  例えば平成12年度の行政書士試験では、受験者約44,000人中、30,000人は足切りでアウトだったそうです。また、一般教養で出題ミスがあった平成15年度は、合格率が19%に上昇しました。
  ところで、平成18年度試験より、試験科目が変更となり、一般教養は、「行政書士業務に関連する一般知識等」となりました。試験採点の効率を考えて、今までと同じく、一般知識等でもって基準点(いわゆる足切り)が実施されます。よって、5月ぐらいまでは一般知識等を中心に勉強して下さい。
  今日から毎日、新聞の社説を2回読んで下さい。できれば、日経新聞を読んで下さい。読む途中で分からない言葉が出てきたら、時事用語辞典などで確認しましょう。新聞を読むことにより、政治・経済・社会、文章理解の勉強になります。一挙両得です。また、NHKニュースは可能な限り見ましょう。ニュースを見ることにより、社説の理解がスムーズにできます。

 2.使える教材

 皆さんにお勧めする教材と価格をまとめたものです。今後、平成28年度用に追加・変更予定です。


 3.文章理解

 文章理解を含む一般知識等は全部で14問出ます。そのうち、文章理解からは3問程度の出題が予想されます。文章理解、つまり文章読解力をアップさせるには、コツコツするしかありません。新聞の社説(できれば日経新聞)などを毎日読んで下さい。できれば2回読みましょう。

  文章問題の読解力をアップさせるコツは、
   ア 文章に慣れる、
   イ 問題に慣れる、
   ウ テクニックを身に付ける、
です。文章に慣れるとは、社説などの文章をたくさん読むことです。問題に慣れるとは、似た問題をたくさん解くことです。文章問題のパターンはある程度決まっています。過去問と公務員試験用の問題がお勧めです。テクニックを身に付けるとは、文章配列問題や穴埋め問題のテクニックを身に付けることです。そのためには、解説をじっくり読むことが必要です。 
  使える問題集を案内します。
頻出現代評論」(日栄社 356円)
です。この問題集を繰り返しすれば力が付きそうです。価格の数倍は価値があります。  

 4.政治・経済・社会

 政治・経済・社会と一言でいっても範囲が広いです。平成18年度以降の行政書士試験から判断して、時事問題などいわゆる公民の分野が中心であると思われます。
  よって、新聞が一番の教材と言えます。毎日、新聞の特に社説を読みましょう。できれば2回読んで下さい。また、新聞もできれば日経新聞がお勧めです。
 新聞を漫然と2回読んでも、それだけではダメです。意味の分からない用語が出てきたら、必ず時事用語辞典「現代用語の基礎知識」やネットで確認しましょう。用語辞典等で意味を調べるだけではダメです。調べた用語の上、下、右、左の関連用語も一緒に確認します。こうすると広い知識が身に付きます。過去問を解くときも同じです。用語辞典等で調べた後、関連の用語も確認するのです。また、用語辞典等で調べた用語にはチェックをしておきましょう。コツコツするしかありません。
  新聞をまとめたものとして、「月刊新聞ダイジェスト」(新聞ダイジェスト社 895円)という雑誌があります。
  また、公民を基本から勉強し直すのであれば「ニューコース中学公民」「ニューコース問題集中学公民」をお勧めします。中学生用ですが、すごく良いです。また、憲法の勉強にもなります。書店で一度見てみて下さい。

 5.情報通信・個人情報保護

 これらの分野は電子申請に関連するインターネットと個人情報保護法関連が範囲となりそうです。インターネットや個人情報保護については、日経新聞に毎日のように記事が載ります。ここでも日経新聞が一番の参考書です。個人情報保護法と行政機関個人情報保護法については、条文自体の確認が必要です。

 6.過去問題集の活用

 どれだけ力が付くかは過去問題集の活用で決まります。法学書院の「行政書士年度別過去問」とTAC出版の「行政書士 過去5年本試験問題集」がお勧めです。一般知識等は3回、業務法令等は10回以上繰り返し解いて下さい。ただ解くだけでは、あまり意味がありません。先ず、問題集の正解番号をマジックで消します。解くときすぐ見えてしまうからです。また、右側の解説部分は必ず、はがき等で隠して解いて下さい。そして、1回解いたら必ず消して次回再度解き直しましょう。それか、解答番号は別のノートに書くのもいいでしょう。更に、正解できたか、間違っていたかを控えておきます。すると、自分の力が付いてきたのと、不得意科目が分かります。また、迷った選択肢には、レ点を付けておくようにしましょう。解説はすべて読んで下さい。3回目以降は、間違った問題と迷った選択肢の解説だけ読むとスピードアップができます。不明な点は、テキスト、用語集、六法などですぐ確認します。解説に疑問がある場合は、他の過去問題集の解説と読み比べるのは効果的です。

 7.憲法

 憲法では、条文と判例が出ます。条文では、流れと数字が大切です。例えば、憲法69条です。衆議院での内閣不信任案決議→衆議院の解散(または内閣総辞職)→解散の場合には40日以内に総選挙→総選挙後30日以内に特別国会の召集→内閣の総辞職→内閣総理大臣の指名、という流れと数字です。一方、判例では結論とその理由が大切です。例えば、生存権についての朝日訴訟では、訴えは認められなかったが、なぜ認められなかったかです。そもそも、最低限度の生活というのは、国が決めるものだからです。
  初学者の人であれば、社会でも案内した「ニューコース中学公民」「ニューコース問題集中学公民」をお勧めします。これだけでも、判例以外の過去問の半分は正解できそうです。
  その後、「うかる!行政書士 総合テキスト」と「公務員試験六法」を併用して勉強して下さい。可能な限り、条文を確認して下さい。できれば、声に出して覚えるぐらいまで読み込んで下さい。判例が出たら、必ず六法で確認して下さい。 「公務員試験六法 」の判例は、結論と詳細が載っていて理解しやすいです。
 過去問の問題演習も大切です。問題演習の際も、可能な限り六法等で条文と判例を確認して下さい。また、複数の問題集の解説を読み比べることも理解を深めるのに役立ちます。

 8.基礎法学

 平成12年の新行政書士試験から、基礎法学になりました。以前は法学概論となっていました。内容も大きく変化しました。法学概論では、法令用語が中心でした。しかし、基礎法学では「法的思考」ができるかが問われています。つまり、法律を理解する基礎=法的思考=基礎法学なのです。入門書として、「法令入門―法令の体系とその仕組み 」(法学書院)があります。上級者用として「法学の基礎 」(成文堂)」があります。この本は、基礎法学だけでなく、憲法のマトメとしても使えます。
  また、法律用語辞典の上級者向けとして「有斐閣 法律用語辞典 」(有斐閣 5,292円)があります。

 9.行政法 第1回

 行政法は、行政書士試験の最重要科目です。何故なら、行政書士は行政手続の専門家だからです。択一では14問前後、多肢選択式や記述式でも出題されるでしょう。一方で、行政法は、行政書士試験の中で民法と共に難しく、苦手とする人が多いです。何故なら、行政法は役所内の決まり事で、私たちの生活になじみが薄いからです。よって、イメージしづらく分かりづらいということです。勉強するときの考え方は、今どこを勉強しているのか確認しながら勉強するということです。行政法の範囲が広いので、どこを勉強しているのかが分からなくなる場合があります。行政法理論なのか、行政事件訴訟法なのか、行政不服審査法なのかです。ですから、先ず行政法全体を捉える必要があります。
  行政法理論の基本テキストは、「国家試験受験のためのよくわかる行政法」です。これに勝るものはありません。行政法のマスターなくして、行政書士試験の合格は考えられません。

   行政法 第2回

 行政法を勉強するコツは、今どこを勉強しているか確認しながら勉強するということでした。私は行政法を、行政法理論、行政三大法、国家賠償法関係に分けています。あくまでも私個人の分類の仕方です。行政三大法と言っても、他では通じません。三大法とは、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法です。
 行政法理論では、法律はあまり出てきません。用語などの意味を覚えることが中心になります。暗記が中心になります。法律は、行政代執行法ぐらいです。
  一方、三大法では法律の条文の勉強です。つまり、条文をどれだけ読んでいるか、確認しているかです。ですから、暗記の必要はありません。こまめに、条文を確認することにつきます。
  それと、国家賠償法関係では、損失補償との関係や判例が大切です。
このように、行政法理論、三大法、賠償法関係では勉強の仕方がまったく異なるのです。同じパターンで勉強したら、チンプンカンプンになってしまうのが行政法なのです。これら以外の法律として、情報公開法が出題されています。

 10.地方自治法

 地方自治法は、広い意味では行政法に含まれます。択一式で5問出そうです。多肢選択式や記述式での出題も今後予想されます。行政書士の実務と直接関係があり、重要な法律の1つです。ただ、条文が多いので効率的な勉強が必要です。地方自治法の基本テキストも、「国家試験受験のためのよくわかる行政法」です。この本を理解できた後、うかる!を読んで下さい。その後、過去問を解きます。過去問を解いてから解説を読む場合、条文も確認して下さい。そして、該当の条文の前後の条文も確認して下さい。前回、1項が出たら、次は2項が試験に出る可能性が高いからです。これを繰り返して、コツコツやるしかありません。

 11.民法

 民法は、択一で9問程度、多肢選択式や記述式で各1〜2問出題されそうです。平成19年度試験以降の民法は事例式問題と判例が中心になっています。Aさん、Bさん、Cさんが出てきます。行政書士実務により関係のある事例式であり、判例だったということです。今後も事例式中心で、判例も増えるものと思われます。よって、過去問を「公務員試験六法」で確認しながら繰り返し解いてください。他の過去問題集と解説を読み比べると共に、「公務員試験六法 」などで判例も確認しましょう。掲載の判例は、Q&A方式になっており、読みやすいです。また、宅建の民法も参考になります。住宅新報社の「パーフェクト宅建過去問10年間」で、民法の部分のみ問題演習して下さい。
  初学者の方には、週刊住宅新聞社の「らくらく宅建塾」がお勧めです。

 12.記述式対策

 平成27年度の記述式問題は、3問出題されました。行政法1問、民法2問で、40字程度(45文字以内)で記述するものでした。
 よって、今後も憲法、行政法(地方自治法を含む)、民法、基礎法学のそれぞれから出題が予想されます。一方配点は、平成17年度までの一問6点(択一3問分)から20点(択一5問分)に増えました。よって、記述式を苦手(不勉強)にしたら、合格はほぼ不可能ということになります。といっても、基本は択一式の勉強と同じです。条文と判例をコツコツ勉強することです。最後は、実際に手で書いて法令用語を覚えることです。漢字や英単語の勉強と同じです。記述式のテキストとしては、「うかるぞ行政書士40字記述式問題集 」が良さそうです。過去問の択一がほぼ満点を取れるようになったら、記述式の勉強を始めてください。

 13.会社法(商法)

 商法の大部分は平成18年の春、会社法に移行しました。よって今後は、会社法と商法が出題範囲と思われます。今後も5問程度の出題が予想されます。平成20年度試験より、本格的な出題内容となりました。

 14.予想問題集の活用

 過去問をやり切った後の予想問題は有効です。過去問をやらずに予想問題をするのは無駄が生じます。何故なら、過去問が一番の予想問題だからです。一般知識等の過去問は最低3回、業務法令等の過去問は最低10回して、予想問題に取り掛かって下さい。

 15.最後のアドバイス

 早めに最後のアドバイスをしておきます。勉強不足は論外として、不合格になるパターンとして次の3つが考えられます。
  1.一般知識等で、4割(14問中6問正解)の基準点をクリアーできない。
  2.行政法(地方自治法を含む)を苦手として、法令科目で稼げない。
  3.記述式で、半分の点数も取れず、択一等でカバーできない。
  というものです。ですから、この3つを頭に入れて早めに対策を取れば合格の可能性はアップします。それぞれの対策は、上記に書いてありますので確実に実行して下さい。
  行政書士の独学入門は、これにて一応終了です。 今後随時、追加・修正致します。勉強方法に迷ったときは、読み返して下さい。それでは皆さん、ガマダシテ下さい。また、姉妹サイトの行政書士資格塾も参考にしてください。